真理子の事件(1)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/15 (土) 17:14
1 失踪した花嫁
夕日がこの古びた事務所を真っ赤に染めて、今日の仕事が終わりに近づいたこと
を知らせています。この時期、決算期が近いことがあり、企業からの仕事は全て
完了して、報告書を全て提出済みで、ぱらぱらと散発的に、個人の調査依頼があ
る程度で、事務所が一番暇な時期です。
二人いる雇い人の佐伯と明子は、もう机の上を整理し始めています。一応5時が
定時になっていますが、特にタイムカードがあるわけでもなく、残業時間はおろ
か、勤務時間も決まりがあってない状態が創業以来続いています。
佐伯は50を既にだいぶ過ぎていて、いつしか老眼がすっかり似合う年になりま
した。ある事件の関連で寺崎が刑事を退職して、ここに事務所を開いて以来の仲
で、もう20数年の付き合いです。
彼は出来のいい子供達に恵まれていて、二人の息子は、検事とケーキ職人になっ
ています。二人の息子は時々、佐伯をこの事務所に訪ねてきて、食事に誘ったり、
お土産を届けたりしています。
子供たちがやってくると佐伯は嬉しさを押し殺して、いそがしいから早く帰れと
言わんばかりの様子を見せます。寺崎が仲を取り持って、親子一緒に事務所から
送り出します、佐伯は不承不承の様子を見せて、息子たちは寺崎に笑顔の挨拶を
残して、仲良く街に消えて行きます。時には、母親の玉子を呼び出して、3人、
時には親子4人揃うこともあります、寺崎は佐伯親子のこうした姿を見るといつ
もほっとします。
秋子は独身で、40近いはずです。色白面長、長身でスレンダーな体は若い頃か
ら変わりません、長いストレートな黒髪を後ろに無造作に束ねて、黒ぶちのメガ
ネをかけています。わずかな口紅以外ほとんど化粧をしないで過ごしていますが、
何かの弾みでメガネを取ることがあり、その時、色白で瞳が印象的な美人である
ことに気が付きます。
寺崎が秋子と一緒に歩くと彼女が頭一つ近く高く、胴回りは逆に寺崎が秋子の倍
ほどあり、その後ろ姿は奇妙にバランスが取れていて、思わずにやりとしたくな
る風景です。
寺崎は身の回りの衣服などには凝るほうで、由美子はいつもその趣味はともかく、
そのブランドを見て、鶴岡に少しは見習いなさいとよく言っています。秋子も個
性的なデザインを売りにしているブッテイックを贔屓にしていて、二人揃って、
老舗のレストランに行くと、そうした面で目の肥えたボーイが丁寧な対応をする
ほどです。
秋子と独身の寺崎はいつ頃からか肉体関係が出来上がっていて、二人とも誰に遠
慮の要らない独身同士ですが、本人たちはその関係を周囲にひた隠しにしていて、
誰にも知られていないと思い込んでいます、それでも彼らの周りでは由美子や鶴
岡は勿論、たまに呑みに行く小料理屋の女将ですら、その関係を良く知っていま
す。いわば公認の仲です。
この事務所を訪れる個人のクライアントは、そのほとんどが中年過ぎの男で、妻
の浮気調査を依頼します。寺崎の言を信用すると、ここ10年余りは圧倒的に妻
の浮気調査が多くなり、夫の浮気調査を依頼する女は激減しているそうです。
事務所のガラスドアーが静かに開いて、まだ少年の面影を残す、いけ面の青年が
おずおずと姿を現しました。ジャニーズ系のかわいい青年を見て、秋子が弾んだ
愛想の良い声を上げて立ち上がり、事務所の粗末なソファーを勧め、熱いお茶を
出しています。終業時間間近に来ても、良い男は扱いが違うものだと、ぶつぶつ
独り言を言いながら、寺崎は、それでもいつもの柔和な笑顔を浮かべて、青年の
前に座りました。
寺崎探偵事務所ファイル番号 H170922
依頼者 橘 隼人(27歳)、(株)四星商事、機械部勤務
依頼内容 同妻、真理子(22歳)の失踪調査
青年は橘隼人と名乗り、名刺を寺島と交換しました。大手、四星商事の社員です。
慣れない所にやってきて、最初は居心地悪そうにしていましたが、明子の心づく
しの熱いお茶を飲み、一息つくと落ち着いたようで、端正な顔にマッチしたバリ
トンのよく通る声で、落ち着いて話し始めました。さすが、日本を代表する大手
商事会社の社員で、自己紹介のあと要領よく用件を話し始めました。
初めは甘い坊やだと、少し気楽な調子で相手していた寺崎は、見かけによらない
しっかりした隼人の対応に、少し姿勢を変えて聞く姿勢を示しています。
青年は、一週間前結婚式を挙げて、昨日、新婚旅行先のパリーから帰ってきたば
かりだといいました。秋子がそれとなくこちらの話に耳をそばだてていて、
「なんだ、もう、飼い主がいるのだ」と呟いていて、佐伯が笑いながらそれを目
で叱り付けています。
「今朝、眼を覚まし、真理ちゃん、いえ、妻が何処にも居ない事に気が付きまし
た。朝食の準備がちゃんとしてあって、キッチンの流しも綺麗になっていました、
マンションの3階が住まいで、何か買い物でもあって少しの時間外出したのだろ
うと思って、食事を済ませて待っていました。
昼を過ぎても帰らないので、不審にも思って、真理ちゃんの部屋を探したら、新
婚旅行に持っていった真理ちゃんお気に入りの旅行カバンが無くなっていました。
それから慌てて家捜ししました。僕の財布に挟み込まれた真理ちゃんの置手紙を
みつけました」
橘はピンク色の小さな角封筒を机の上に置きました。
真理子の事件(2)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/16 (日) 16:22
橘はピンク色の小さな角封筒を机の上に置きました。少女趣味に溢れたかわいい
ものです。橘が中を見て欲しいというので、寺崎はその封筒を貴重品でも扱うよ
うに、丁寧に取り上げ、物珍しそうに、その裏表をしげしげとチェックして、
ゆっくり中身を取り出しました。封筒と同じ模様の入った便箋が二枚出てきまし
た。
「隼人君
突然姿を消すことを許してください。自分の意志でここを出て行きますので、慌
てていろんなところへ家出調査願いを出したりしないで下さい。
これからどうなるか判りませんが、隼人君のお嫁さんにしてもらえて私は幸せで
した。それを支えに生きていきます。
隼人君に処女を差し上げられなかったことは、残念だけれど、私の心はいつでも
隼人君のものです。隼人君をいつまでも愛しています。
今、とっても辛くて、さよならは言えません、私から手紙を出す日がきっと来る
と思っています。それまでは、お互いに辛いので探さないで下さい。
今まで私を愛してくれてありがとう。
私の両親にはこのことはしばらく伏せて置いてください。きっと悲しむと思いま
すので、落ち着いたら、私から家へ手紙を出します。
真理子」
封筒の外観からは想像もつかない厳しい内容に、寺崎は驚き、何度も何度もその
かわいい丸文字を目で追っています。寺崎の様子に、秋子も佐伯もびっくりして、
席から立ち上がり、寺崎のところにやってきました。佐伯が、継いで秋子が、真
理子の置手紙を見せられて、驚きながらそれを読んでいます。
秋子が最後に手紙を読み終わって、橘を見ました。その青年は秋子を真っ直ぐに
見て、端正な顔を心持、紅潮させて、少し笑みを浮かべて大粒の涙を流していま
した。
今日、一日誰にも相談できないで、楽しい新婚家庭をそこで楽しむはずだったマ
ンションで、一人、考えに耽っていたのでしょう。そして、相談する人が誰も居
ない青年は、我慢できずに寺崎事務所の扉を開いたのです。秋子はその青年の苦
悩が痛いほど理解できました。
秋子が立ち上がり、椅子に座っている橘を黙って抱きしめました。隼人の顔が背
の高い秋子の腰の辺りにあります。秋子は彼を強く抱きしめました。堪えていた
ものが切れたようで、隼人は、すすり泣きを始め、そして秋子の腰を抱きしめ、
本格的に肩をふるわせ始めました。泣き顔を見られることは恥じて、隼人は秋子
の腰に顔を埋めています。
夏物の薄いスカートを染み通って、隼人の涙が秋子の大腿部を濡らし始めていま
す。秋子はその生暖かい男の激情を感じながら、彼を優しく抱きしめて、この青
年をたまらなく愛しく思いました。どんな理由があるにせよ、花嫁は青年を裏
切って失踪した上に、新婚早々妻に逃げられたダメ男の烙印を隼人に押し付けた
のです。
こんな真面目で可愛い男にこれほどの悲しみと屈辱を与えた真理子と言う、その
女への憎しみが秋子の中にふつふつと沸き上がりました。これ以上この青年を苦
しめたくないと秋子は思いました。そして、秋子は寺崎を見つめて口を開きまし
た。
「所長、隼人君の事情を、私の部屋で聞きたいと思うのですが、
許していただけますか」
佐伯が驚いた顔で、秋子を見て、そして所長を見ました。たしかに、新婚の妻、
それも新婚旅行に行っていながら、処女のまま失踪した妻の事情を中年過ぎの男
達の前で話すのは、男、隼人にとって屈辱以外の何ものでもありません。
秋子一人、じっくり話を聞くのがベストです。寺崎は、秋子が隼人を彼女の部屋
に連れて帰ることに多少抵抗を感じています。秋子はそのことも含めて寺崎の了
解を暗黙の内に打診したつもりです。
秋子は今、隼人が哀れで、愛しくて、強く抱きしめてやりたい気持ちでいっぱい
です。こんな気持ちになっている秋子の部屋に、いけ面の隼人を送り込むのは、
それを許しているのと同じことです。秋子を良く知っている寺崎には、彼女の考
えていることがよく判ります。多分、彼女は心と体をいっぱいに開いて隼人を慰
めるでしょう。それでも寺崎は大きく頷きました。秋子と寺崎の関係はそこまで
成長した仲になっているのです。
真理子の事件(3)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/17 (月) 13:58
2 新婚旅行で新妻は・・・
隼人は勧められたシャワーを使って、それですっかり落ち着いた様子で、笑みさ
え浮かべて、いつものようにバスタオルを腰に巻いて、秋子のいる居間に現れま
した。そこに秋子が居るのをいまさらのように知って、慌ててバスルームに戻ろ
うとしました、ソファーから立ち上がった秋子が隼人の腕を素早く掴んでやさし
く引き戻しています。
「良いのよ、どうせ誰も来ない狭い家の中だし、まだ暑いから好きにして頂戴、
私もそうさせていただくから・・、今晩はゆっくりして行ってね」
秋子は通勤姿の白いブラウス、紺のタイトスカートのままです。
先ほどレストランで夕食を済ませ、隼人の事情を部屋でゆっくり聞くことが目的
だと言って、遠慮する隼人を3DKのマンションに連れてきた秋子です。ビール
とチーズの盛り合わせを出しておいて、秋子はバスルームに消えました。
体の隅々まできれいにして、丁寧に化粧して、やや濃い目のルージュを引き、黒
枠のメガネをコンタクトに変えて、長い髪をアップに絞り上げました。すっかり
いい女になった秋子が鏡の向こうに居ます。その秋子に片眼を瞑るサインを送
くって、秋子はゆっくりバスルームから出てきました。バスタオルをAカップの
位置で止めて、秋子は隼人の側にゆっくり歩いて行き、彼の真正面に立ってにっ
こり微笑みました。
ビールのコップを口の位置で止めて、目をいっぱいに開いて、隼人は驚いて妖艶
な秋子を見つめています。事務所で見た秋子とまるで別人です。長い足がすらり
と伸びて、バスタオルに包まれた白い綺麗な体から湯上りの香しい香が湧き上
がっています。何よりも、丁寧に化粧した顔は女ざかりの妖艶さに溢れていて、
隼人は口をあんぐりあけて秋子を見ています。
「お待ちどうさま、ビールは足りている、シャワーに入ると生き返るわね」
秋子は、長い脚でバスタオルの裾を乱しながら、隼人の側までやってきました。
ソファーに座ると、バスタオルの裾が持ち上がり、秋子の茂みは完全に全貌を
現しています。隼人は何処に眼をやって良いか、気の毒なほど慌て、うろたえ
ています。秋子がそれを見て、すこし声を上げて笑い出しました。やさしい、
思いやりのある笑いです。隼人もつられて笑い出しています。正直なもので隼
人の股間が緊張して、バスタオルを持ち上げていて、秋子はそこをチェックし
ています。
第一段階のテストは完全に合格です。隼人が女を抱けない体かもしれないと秋
子は少し心配していたのです。
秋子は黙って立ち上がり、隼人の膝の上に座り、彼がまだ後生大事に持ってい
るビールのコップを取り上げ、その中に残っている黄金色の液体を一気に喉に
流し込み、そして隼人の首に手を回し、唇を押し付けました。
隼人が身を白黒させて驚きながらも、秋子の口から押し込まれた液体を、喉を
鳴らして飲んでいます。二人の、合わさった唇から、液体が流れ落ち、男の体
を濡らしています。秋子は、ビールを飲み終わった隼人の唇に舌を送り込み、
やわらかく、強く、巧みに彼の舌を吸出し、デイープキッスを始めました。
秋子は唇を吸いながら、体を90度回転して、両脚を開いて隼人の膝の上に跨
り、タオルの隙間から半身を出している男根を握りました。もう、極限まで緊
張して、先端から透明な液を吐き出しています。秋子はそれを強く、弱くしご
きながら、唇をうごめかし、彼の舌を縦横に弄びました。男が呻いて、秋子の
露出した股間部に薫り高い液を吐き出しました。
「すみません、体を汚してしまいました。
僕、初めてです、真理子もそうでした、
真理子がそう言って、結婚までがまんしていたのです」
放出して興奮が少し収まった隼人が恥ずかしそうに、頬を染めながら、ポツリ
と秋子に話しています。秋子は男の膝の上に跨り、肉棒を握ったままです。秋
子の股間は隼人の精液でいっぱいに濡れて光っていて、バスタオルは胸の位置
で大きく開いて、ほとんど体を隠す役目をしていません。秋子がバスタオルを
取り去り、それで精液をサーと軽く拭い取りました。
「やっぱり・・・、お互いに初めてだったのね、素晴らしいことよ、
新婚旅行で処女と童貞のまま二人が接し合うなんて、ロマンチックだわ」
秋子は男の膝から立ち上がり、腰を折り、隼人の肉棒に舌を絡め始めました。
次第に強く、それを吸い上げると、彼のそれは、一気に頂点まで駆け上がり、
また凄い量の精液を放出しました。喉の奥に直接噴射された粘液を受けて、秋
子はむせて、激しく咳き込んでいます。ほとんどの精液を飲み込みましたが、
少し残った液が唇から垂れ落ちています。心配そうに見つめ、声をかける隼人
を手で制して、缶から直接ビールを喉に流し込んで、秋子はにっこり隼人にほ
ほ笑みを返しました。
秋子は、隼人の手を取り、寝室に入りました。寺崎との関係が出来て以来、こ
の部屋には大きな円形のダブルベッドが備え付けられていて、あらゆる種類の
オーデイオ装置、ビデオ撮影装置、照明器が完備していて、大きなミラーが
ベッドの全貌を映し出しています。円形ベッドは回転式で、そのマットは
ウォーター・ベッドで緩やかな振動を与えることも出来ます。
ベッドの中央に秋子が座り、両脚を崩して、股間を男にさらしています。サー
モンピンクが顔を出し、そこがダウンライトの光を受けて光っています。隼人
は少年が大きなカブトムシを見つけた時のような目で、そこを見つめています。
真理子の事件(4)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/18 (火) 12:01
「隼人君、ここをゆっくり見たことないの、いらっしゃい、よく見ると良いわ」
秋子は両脚をいっぱいに開いて、そこを指で広げて、隼人に見せています。そこ
に顔を付けるようにして見ている隼人の激しい息がそこにかかって、秋子はくす
ぐったい感触で愛液を滴らせています。
「隼人君・・、たまらないわ、そこを吸って、・・、ああ・・、そう・・
もっと、上、そう、そのポツンとしたところ、そうよ・・、いいわ・・」
隼人は教えられたところを勢いよく吸っています。その幼いけれど、力強い、ひ
たむきな力に圧倒されて、秋子は呻いて、後ろにばったり倒れこみ、隼人の顔に
いっぱい愛液を噴かけました。
「ふ・・ツ、凄く良かったわ、君、女を知らないと言っていたわね
君さえ構わなかったら、私が初めての女になっても良いわ・・・・・、
ううん、そういう言い方は失礼ね・・、真理子さんを持つ・・、
それとも私でよかったら・・、抱いてみる」
隼人は黙って秋子に抱きつき、唇を激しく吸い、そして、泣きながら、秋子の上
に載ってきました。幼い仕草で、それでも秋子のリードで、挿入を果たし、激し
く腰を使い始めました。秋子が期待したとおり、凄い迫力です。秋子は最初から
本気で喘ぎ始めました。
事前に二度放出して、刺激に強くなっているせいもあって、秋子が呻き、接合部
に白い泡が目立つほどに、隼人は耐えました。二人は同時に絶叫して、果てまし
た。
秋子の上に体を載せたまま、隼人は肩で激しく息をしています。秋子は両手、両
脚を男の体に絡めてまま、眼を閉じて、余韻を楽しんでいます。二人の股間はま
だ接したままで、その辺りは白い泡に包まれています。
それから、4度隼人は蘇り、4度放出して、夜半過ぎたころ、秋子は全身をヌタ
ヌタに濡らして、体を痙攣させ、まぶたをピクピクさせて失神しています。もう
声すら出せない様子で、白い肌はピンク色に輝き、大きく開いた両脚の間にある
茂みは、愛液の白い泡にまみれて、元の姿を止めていません。中に放出させた男
の液が、その部分から流れ出て、シーツに濃い染みを作っています。
その側で、隼人は、ややしおれた肉棒の先端から残渣を垂らしながら、肩で息を
して目を閉じています。隼人はまだまだやれそうです。
いつの間にか隣の部屋に忍び込んでいた寺崎が、ほっと一息ついて、そばのビー
ルのコップに手を伸ばしました。彼の視線の先に大きな鏡があり、秋子と隼人の
体が、ほんの3メートル先に見えています。勿論、音声も、映像もこの部屋でモ
ニターできます。
寺崎は60近くなった今、時々、通りすがりの男に秋子を抱かせて、ここからそ
の景色を楽しむことを憶えました。寺崎が見ていることを男は知らなくて、秋子
は勿論良く知っています。最初は嫌がっていた秋子はいつ頃からか、寺崎に見ら
れることを楽しむようになっていました。そして、男を帰した後、寝室の大画面
に男と秋子の絡みを再現しながら、二人は激しく絡み合うのです。
今日、秋子が隼人を誘ったのは、いつもの淫らな遊びではなく、隼人を思っての
ことですが、寺崎が覗きに来ることを秋子は予想していました。
そして、隼人の凄い業物を受け止めた時、はっきり彼の視線をそこに感じました。
寺崎がいつものように見ている、そう思うだけで秋子はカッーと熱くなりました。
愛液をいっぱい吐き出し、最後には全てを忘れて悶え狂いました。もうその時は
寺崎のことは頭から消え、ただ股間にある隼人の肉棒と、香しい若い肉体だけが
意識に残っていました。
それにしても隼人は凄い男です。若いだけに底抜けに強いことは抱かれる前から
覚悟していた秋子ですが、その硬さが尋常では有りません。秋子は寺崎の勧めも
あって、月に一度程度は若い男に抱かれますが、隼人ほどの固さは初めてです。
とても同じ肉棒と思えないのです。それに女と接したことが有りませんから、表
面が柔らかく、清潔なピンク色をまだその表に残しているのです。これほどのも
のを捨てて他の男に走った真理子が少し哀れに思えてくる秋子です。
「新婚旅行でパリに行った最初の夜、僕はいよいよ真理子を抱くことができると
緊張して、恥かしいほど下着を濡らしていました。勿論、上手く抱ける自信を
持っていました」
ベッドで抱き合ったまま、濡れた互いの体を押付け合って、激しい絡みの余韻を
楽しみながら、隼人が秋子にポツリ、ポツリと話し始めました。秋子は、隼人の
首に両腕をかけ、時々思いついたように男の顔を舐めたり吸ったりしています。
そして、濡れた片脚を男の脚に絡めて、股間を男の大腿に強く押し付けて、腰を
絶えず揺らしています。男の脚は秋子の愛液でずぶ濡れです。この調子では、隣
室で寺崎がモニターしていないと正確な聞き取り記録は残らなかったでしょう。
真理子の事件(5)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/19 (水) 11:40
「ベッドで真理子を裸にして、僕は真理子の体中を舐め回しました。
今でも、真理子の性器の香を覚えています。僕はこの香を一生忘れません
エッツ、いえ・・、秋子さんの香は真理子と随分違って、本当に良い匂いです。
僕が真理子を大好きだからそれが嫌でないと思いましたけれど、
真理子の匂いは本当に強い匂いでした。
なんと言ったらいいか、干草の香、ミルクの香、そして太陽の香、
そんなものが全てミックスして・・・、でも何故か懐かしい香でした。
どうしても思い出せないけれど、その香を遠い昔に嗅いだ思い出があるのです」
隼人はもう忘れていますが、それは幼い頃母に抱かれた時、あの母乳の香です。
もっと言えば、胎内で羊水に包まれて暮らした頃の思い出です。処女の性器には
メス本来の香がそこに保存されていて、男を経験してくるとそれが人為的な処置
で消えてゆくのです。
「隼人君、それが処女臭だよ。俺は不幸にして経験がないがね・・・
その香りを最初に嗅ぎ、そこを舐めることが出来たのだ・・、
もう、君は真理子さんの処女をいただいたと同じだよ、幸運な男だよ。
真理子さんの処女をいただいた男は君だと思って良いよ」
隣室で、二人の話をモニターしている寺崎は、うんうんと頷いています。そして
声に出して、鏡の中の隼人に話しかけたのです。勿論その声が隼人に届くことは
有りません。寺崎の思いやりあるこの言葉を落ち込んでいる隼人に伝えたいとこ
ろですが、いつの日か、隼人もそのことにきっと気が付くでしょう。
少女の域を抜け切らない処女の香は、古来万金に値すると言われ、粋人といわれ
る男達は挿入することよりむしろ初物の香と味をじっくり味わうことを選びまし
た。しかし通常、処女と接する男もまた初心者が多く、その貴重な香と味を味わ
うことを知らないで、闇雲にそれを突き破ることに専心します。結果として、そ
の男は処女を鼻と舌で愛でる貴重なチャンスを逸するのです。そんなわけで、処
女を破瓜した男は星の数ほど居ますが、処女の香と味を心行くまで味わった男は
かなり数が少ないのです。
「挿入をする時になったら、真理子がやさしく僕のものを抑えて、しばらく待って
欲しいというのです。その時の真理子は、秋子さんほどではないけれど、十分濡れ
て愛液が溢れていました。決して僕を受け入れられない状態ではなかったと思いま
す。
真理子は僕のものを口に咥えて、しごいてくれました、時々噛むので、痛くて、そ
れでも良い気持ちになって、真理子の口の中に吐き出しました。秋子さんと同じ様
に、それを呑んでくれました」
「何、俺の見ていないところで奴の精液を飲んだのか、
そんなこと、ここしばらく俺にだってしていないのに・・・・・」
寺崎は声に出してぼやいています。勿論こちらの声は聞こえないよう、回線のス
イッチを切っています。
それから、新婚旅行中、最初の夜と同じ様に真理子はやさしく隼人を拒否し続けまし
た。真理子自信も、体の興奮を抑えきれずに、女性器を口で愛撫することを隼人に求
め、それで不十分ながら果てていました。しかし、その場合でも指すら、そこに深く
挿入させることは拒否して、頑なに処女膜を守ろうとしている姿勢を見せました。
優しい隼人は、真理子の態度に何か異様な秘密を感じながらも、彼女の意思を尊重し
て、それ以上の行為をしませんでした。こうして真理子の処女は形の上では守られま
した。
挿入はしなくても、二人は口で互いの性器を愛撫し会って、次第にオーラルセックス
に慣れてくるとそれなりに十分愛を確かめ合うことが出来、隼人が女性を知らないこ
ともあって、新婚旅行中、花嫁が奇妙な挿入拒否をしても、花婿は至極満足して、旅
行から帰ってきたのです。勿論、何か目的があって挿入拒否をしていると思い込んで
いる隼人は、まさか、新婚旅行から帰った翌朝花嫁が消えるなど、夢にも思いません
でした。
こうして秋子に話していても、花嫁が消えた原因に思い当たることはありません。ま
るで、見当が付かないのです。
その思いは、隣室で二人の話を聞いている寺崎も同様です。花嫁の失踪は、花婿には
関係なく、一方的に花嫁の個人的事情だと、寺崎は判断しました。
最初この話を隼人から聞いた時、彼の性的不能を先ず疑いました。それがこの場合、
一番可能性が高いと思ったのです。それで、秋子が彼を抱きたがっている様子なので、
それを許して、こうして覗き込んでいるのですが、どうして、どうして、隼人は不能
どころか、とんでもなく立派なものを持っていて、若いだけにその強さは、とても寺
崎が対抗できるものではなく、その圧倒的強さを目の当たりにすると嫉妬さえ沸きま
せん、ただあきれて笑うだけです。
次に真理子が何かの事情でセックス恐怖症にかかっていて、隼人との結婚生活を避け
て逃げ出した可能性もあるのですが、隼人を愛していて、旅行ではオーラルセックス
を楽しみ、十分二人とも満足するほど感じて、彼の精液さえ飲んだ真理子が、セック
ス恐怖症であるわけが無く、二人はいたって健康な男女なのです。真理子失踪の原因
は、それ以外のところにありそうです。
それだけ判ると、ここに長居して、二人の絡みを見せ付けられる苦痛に耐えている必
要が無いと思ったようで、寺崎はゆっくり立ち上がり、ドアーに向かってゆっくり歩
き始めました。鏡の向こうでは、男の上に跨った秋子が首を激しく振りながら、絶叫
を始めています。扉に手をかけて、振り返ると、秋子が断末魔の叫びを上げて、隼人
の上に気を失って倒れこむところでした。寺崎は首を振って、ゆっくりその部屋から
出て行きました。
真理子の事件(6)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/20 (木) 11:47
3 真理子の素顔
寺崎は近くの小料理屋に入り、苦い酒を飲んでいます。その実体はまだ不明です
が、まだ若い花嫁に最悪のピンチが大きく圧し掛かり、彼女の人生を出発点で大
きく狂わせてしまったと寺崎は考えています。やりきれない思いでいっぱいです。
誠実に生きてきた若者達がこんな試練を受けなければ行けない現実を呪いました。
花嫁失踪の背景に必ず男がいる、その男はやはりアンダーグランドに蠢く男のよう
な気がしています。それもその男は変質者のように気色の悪い男です。
真理子の行動を縛り付ける何かをその男は卑劣な手段で掴み取り、それを使って
真理子の体を自由にするだけでは足りなくて、処女の真理子に結婚を許して、さ
らには新婚旅行まで認めながら、真理子には処女で帰ってくることを命じて、そ
して彼女を突然連れ去ったのです。
若い二人が悲嘆に暮れるのをその男はどこかで笑ってみていると、寺崎は考えま
した。
真理子の体を自由にするだけでも許せないのに、若い二人の心を弄び、前途ある
ある隼人の希望まで打ち砕くその卑劣の行為が許せない、最悪の男だと、寺崎は
怒りで体が震えだすほどです。見つけ出したら、八つ裂きにしてやると、寺崎に
しては珍しく興奮しています。
隼人が出せる調査費用はせいぜい10日分です。その間に何がわかるだろうと、
興奮が収まると寺崎は少し弱気になっています。
隼人の結婚を恨んだ何者かが真理子を脅かしている可能性も有りますが、それで
は真理子があの置手紙を残して自発的に家を出て行く説明が難しくなります。寺
崎は、ここでは隼人周辺の調査は後にして、真理子の調査に集中することにしま
した。
先ず、真理子の両親を訪ねることにしました。真理子の希望で、隼人から両親に
は何も伝えていないはずです。しかし、このまま両親に何も知らせないでおくこ
とは得策で無いと判断して、寺崎個人の判断で真理子の両親を訪ねることにしま
した。それに確かめたいこともあります。
真理子は銀座に店を構えた老舗の宝石商、藤村家の一人娘です。裕福な家庭で両
親の愛に包まれ、何不自由なく育ち、容姿のみか頭脳も人並み優れていて、なん
の挫折を味わうこともなく、順調な青春時代を過ごしました。
都内にある有名私大の国文科に在学中、橘の商事会社で事務手伝いのアルバイト
をしたことがあり、そこで新入社員の隼人に会って互いに一目で惹かれて、一年
半の交際の末、真理子が大学を卒業したその年に結婚式を挙げました。
真理子の両親は昼間、銀座の店に出て、夜は郊外の家に帰る生活を続けています。
寺崎は、銀座の店を訪ねました。間口10メートルほどの店ですが、奥行きは随
分と広い感じです。こんな店は一生自分には縁の無いところだと寺崎は周囲を見
回しながら、奥の接客スペースで勧められたコーヒを味わっています。店の中は
静かで、ここには通りの騒音も届いてきません。職業柄、寺崎は店の構造が大き
な金庫構造になっているのに気が付いています。それも、その設備は最新のもの
で、この分野では最高といわれているスイス製のシステムが採用されています。
正面の扉は三重構造で、床、天井、壁は鋼のキリをもはね返す特殊ボード製です。
いったん扉が閉まると、店内は二重の各種警報装置が稼動して、それこそねずみ
一匹迷い込んでも、30秒以内に警備会社が駆けつけるはずです。
しばらく待たされて、白髪の紳士が奥から現れました。上質の濃紺のブレザーに、
白いパンツを穿いた、中肉中背のいかにも有名宝石店経営者と思える紳士です。
ゆっくり寺崎に近づいてきました。
寺崎は単刀直入に、橘から依頼された真理子の失踪調査をしている旨伝えました。
真理子が残した手紙の内容はその時は伏せておきました。老紳士の顔をじっと見
て、少しの変化も見落とさないよう、寺崎は紳士を見つめて淡々と話しました。
さすがに、紳士は動揺して、寺崎をそこに残して再び奥に消え、待つ間もなく、
黒のロングドレスの夫人と一緒に戻ってきました。写真で見た、真理子と面影が
似ています。藤村夫人です。
二人は蒼白な顔をして、思いつめた顔で、寺崎の前に座りました。寺崎は職業的
なひらめきで、彼らが何かに怯え、じっと耐えている表情だと読み取りました。
愛娘の突然の失踪は二人にとって驚き以外何ものでもないはずですが、単に驚き
と狼狽だけではなく、不安が的中して深刻な新たな苦悩を背負った、そんな様子
です。
「成田から、明るい声で、今帰ったと電話をして来て、
今日来るか、あす来るかと待っていたのですよ、
ええ・・、それから娘からも、隼人さんからも一度も連絡がありません、
新居の整理が忙しいのだと思って・・・・・、
今日あたり、あちらに訪ねてみよう主人と話していたところでした。
いつのことですか、娘が居なくなったのは、ええ・・、昨日の朝ですか
どうして、隼人さんが直ぐ連絡してこないのですか」
夫人は思い余って隼人の行為を寺崎に向かって責めています。当然のことです。
そこで、寺崎は真理子の置手紙のコピーを取り出しました。
真理子の事件(7)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/21 (金) 12:20
手紙の短い文面を追う二人の顔が、驚きの表情から、落胆の表情に変わり、そして、
何かにじっと耐える表情を見せ、その表情は寺崎と別れるまで変わることは有りま
せんでした。
寺崎は二人のこの奇妙な表情を見て、この夫婦は何か秘めたものを持っていて、愛
娘の失踪という、一大事が発生しているのに、唯一の協力者である寺崎にさえ、そ
れを話すことが出来ないでいると感じ取りました。それが何であるか寺崎には想像
することさえ出来ません。
二人からはこれ以上の何も情報が手に入りませんでした。結婚前特に親しくしてい
た二人の女友達を紹介してもらって、二人に見送られて寺崎はその店を出ました。
店の入り口で振り返ると、二人は寺崎に横顔を見せて、互いににらみ合う様にして
なにやら深刻な話をしていましたが、寺崎が見ていることに気がついて、そこで頭
を下げてあたふたと奥に消えました。
「・・・まさか、そんなことは無いよ、お前の思い過ごしだよ」
「でも・・、あの子の性格は良く知っています。決して忘れない子です・・
それに、丁度その時期です、あの方が・・・」
「よしなさい・・・、探偵が見ているよ・・、さあ、奥へ行って・・」
それだけの内容を読み取りました。寺崎は読唇術の達人です。寺崎のこの隠れた才
能を知っているのは、事務所の佐伯と秋子だけです。
藤村が紹介した真理子の親しい女友人は、二人とも藤村宝石店の近くに住んでいて、
藤村宝石店から歩いて行ける距離でした。寺崎は先ず飯島ゆり子を訪ねました。日
本料亭「霞」の若女将で、着物姿がまだ板に付かない様子の活発な女性です。真理
子とは中学まで同じ学校で一緒だと言いました。
大学の英文化を卒業して、親との約束を守って、女将見習い中です。藤村の両親から
は、二人の親友は信用できる人だから真理子の失踪をそのまま話して、協力を求め
て欲しいと寺崎は依頼されていましたので、ゆり子に会って単刀直入にそのことを
聞きました。
「隼人さん以外に特に親しい男の人は絶対居ません。
真理子は男の人に臆病な子で、合コンなども出たことがありません。
もし、そんな人が居れば私が知っているはずです。
ええ、私達、一週間に8日は会っていましたから、ウフフ・・、冗談ですよ、
二人の間には、秘密は無かったと思います」
そのゆり子にして、真理子の失踪は全く見当が付かないと言うのです。
「ここだけの話ですが、そんなに親しいのなら、あるいは知っているかな
変な意味でなく、調査に必要な質問だと思ってください。
真理子さんを処女で結婚したと貴方は思っていましたか」
ゆり子は少し赤くなって、私もそうだけど、真理子も間違いなく結婚まで経験
がなかったはずだと言いきりました。二人で処女喪失の瞬間はどんなものだろ
うと時々話題にしたことがあったとも言いました。
ゆり子はそれを話そうかしばらく悩んだ末に、頬をさらに染めながら寺崎の眼
を見ないで話し始めました。
「処女を誰に差し上げるか、どんな時それを決心するか、私達三人は会うたび
に話し合っていました。真理子が隼人さんと付き合いだして、その話もかなり
現実的な内容が増えてきました。
女性の大切なところを触られたと真理子が報告した時、それじゃ次に会う時、
差し上げるのと、私と久美子がかなりハイテンションになって、真理子をはや
し立てたことがありました」
真理子はその時、顔から笑い顔を消して、きびしい顔にもどり、ゆっくり顔を
横に振りました。
「処女は私にとって、心と同じ程度に大切なものなの・・・、
心は既に隼人さんに捧げているけれど・・・、
処女は隼人さんに差し上げることが出来ないのよ」
その言葉をゆり子達に話すより、自分に言い聞かせているようだったと、ゆり
子は寺崎に話しました。その言葉を聞いて、結婚まで真理子は処女を守り抜く
つもりだとゆり子は解釈したのですが、真理子の思いはもっと違うところに
在ったのです。
それから三人は、興奮した愛しい男から処女を守る手段について長い時間話し
合いました。結局三人の意見が一致したのはオーラルセックスです。
そこまで許して処女が守れるとはとても思えないのですが、未経験の3人は真
剣にオーラルセックスのやり方を研究しました。
その気になれば、インターネットでいくらでも情報は入ります。胡瓜を持って
きて、具体的な舐め方を練習しました。ほかの二人がふざけているのに比べて、
真理子は真剣そのもので、ゆり子は恋人が居る人はやはり違うなと少し妬ける
気持ちになったと寺崎に話しました。
もう一人親友の鮫島久美子は、老舗の呉服屋「鮫島」の長女です。久美子もゆ
り子と同じように小学校から中学校まで一緒に遊んだ幼友達で、彼女の場合高
校は別でしたが、大学は真理子と一緒で、真理子が文学部、彼女が理学部でし
た。
呉服屋は長男が継ぐことになっていて、久美子は大学院に残り、好きな土質学
を研究しています。知性を感じさせる目が印象的な美人で、寺島の質問に答え
る内容も彼女の頭の良さが感じられました。
ゆり子にした質問を寺島は久美子にもぶつけましたが、彼女の回答は全くゆり
子と同じでした。大学の構内で時々真理子に会うことがあり、あれほどの美人
で男子学生の熱い目をいつも浴びていましたが、真理子がカップルで歩いてい
る姿を見たことはないと言いきりました。
そして、涙を浮かべながら、どうして真理子が消えたのか判らない、早く探し
て欲しい。あんなに美人で、やさしい子はいないと、美しい顔を曇らせて、久
美子は涙を拭いました。
「真理子は、亡くなられたおじいちゃんが大好きで、そのお爺ちゃんの江戸子
気質を愛していました。曲がったことは大嫌いで、他人から受けた親切や好意
は、いつまでも覚えていて、人が困って居るのを見ると黙っていられない気性
でした、ええ、真理子は正真正銘の江戸子なのよ」
そんな真理子が人に恨まれて、ひどい目にあうことなど考えられないというの
です。
「小学校から大学まで一緒だったと、真理子さんのご両親はあなたのことをそ
う言って、紹介いただいたのですが、高校は別だと貴方は言いましたね」
職業柄、証人たちの話した内容が少しでも違うと、寺崎はそれを捨てて置けな
いのです。
「ハイ、真理子は有名進学校の○○高校で、私はこの近くの都立高校です。真
理子が中学三年の時、あちらの家に引っ越して、私と同じ高校に行けなくなっ
たのです。二人でそのことを随分悲しみました。でも、きっと大学で一緒にな
ろうと、二人とも猛勉強して、望みがかないました、入学試験の発表の日、二
人で大学に行きました。どちらかが落ちていたら、二人とも大学へは行かない
と約束していました。
そうしたら・・、私達飛び上がって抱き合いました・・・・・」
真理子との大切な思い出らしく、久美子は当時を思い出して、また涙ぐみなが
ら、止め処なく話し始めました。寺島は若い娘の饒舌を心地よく耳で楽しみな
がら、別のことを考えていました。久美子から先ほど聞いたことが少し気にか
かるのです。
「・・ところで、久美子さん、真理子さん一家はなぜ、郊外に引っ越したので
すか、その理由を、真理子さんから、聞いていませんか」
寺島は、久美子の饒舌を途中でさえぎって、思いついた質問をしました。
「あら、それは誰でも知っているわ、あの事件のせいよ」
寺崎は、8年前に起きたその事件を久美子から聞き、さらに当時の新聞記事を
読みました。真理子一家が転居した事情は良く判りましたが、当時15歳で中
学3年生の真理子が、8年後の今になって失踪する原因をその記事から見つけ
出すことは出来ませんでした。
立花が依頼した10日間の調査期間はあっという間に過ぎて、ほとんど成果ら
しいものが無く、判ったことといえば、真理子に橘以外の男関係は皆無という
ことだけでした。寺崎は、そのことを隼人に告げ、もう少し待っているときっ
と真理子さんは戻ってきますよ、と何の保証もない慰めを言って彼を事務所か
ら送り出しました。隼人は深々と頭を下げて、事務所を出て行きました。
一般的に失踪調査は失踪した当人から連絡がない限り、良い結果が出ることが
少なく、探偵事務所ではあまり歓迎されないものです。今回も今までの失踪調
査と同じ結果になり、そのこと事態、寺崎はそう気落ちしていませんが、今ま
での失踪調査と違い、もう少し調べてみたい、もう、一つ謎が解ければその先
が見えてくる、もどかしい気分になっています。とっくに失ったと思っている
彼の刑事魂が疼いているのかもしれません。
真理子の事件(8)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/22 (土) 19:50
4 真理子の決意、そして出奔
真理子は隼人と知り合うかなり前から処女をその人に捧げるつもりでした。処女
を捧げることが、具体的に何を意味する行為か、幼くて、漠然としか判らない頃
からそう決めていたのです。
自分の体を二つに裂くことが出来れば、一つはその人に、そしてもう一つはやが
て遭遇するであろう最愛の人に捧げたいと真理子は思いました。真理子は考えま
した。命を構成する心と体を二つに分けて、一つはその人に、もう一つは最愛の
人に差し出すことにしたのです。そしてそれを強い意志の力で真理子は実行に移
したのです。華やかで、愛らしく、夢見る乙女の心の中にそのような考えが潜ん
でいるとは誰も気がつきませんでした。
隼人と知り合い、デートを重ねて、彼に心を許して、互いに体をまさぐりあい、
自分の女体が男を求めていることに気がつき、そして男の求めるものが具体的に
わかった時点でも、その気持ちに迷いはありませんでした。
親しいゆり子、久美子には隠さないで何でも話しましたが、処女をその人に捧げ
る決意だけは、心の奥深く秘めて誰にも話しませんでした。
新婚旅行で迎えた初夜、真理子はホテルの浴室にこもったまま、長い時間そこに
居ました。隼人は彼女が出てくることを心待ちにしながら、よく理解できないフ
ランス語のテレビ画面を見つめています。
真理子はゆっくり体を洗い、化粧を落した顔にクリームを塗り、ゆっくりルー
ジュを引きました。真っ赤なルージュを引くと興奮と緊張で紅潮した顔が、妖艶
に変化しました。
デートで何度か局部を触られ、そこが濡れる感触も経験済みです。暗がりでした
が、隼人の男性器に触り、その匂いも、掌に残る感触も知っています。デートを
重ねるに従い、隼人のことを考えるだけで、股間が濡れてくるようになり、密か
にそこを自分で触って、さらに濡らしたことも何度かありました。
浴室の外で待つ隼人が真理子を待っていることを知っていながら、真理子はこの
部屋からなかなか外へ出られません。
「さあ、真理子ここを出て行くのよ、最愛の人が待っているのよ
よく話せば、きっと判ってもらえるわ、でも、あなた自身、それが我慢できるの」
鏡の中の真理子に、声を掛けて、真理子はやっと隼人の側へいく決心をしました。
それでも最後のものを守り抜く気持ちに変化はありません。
この日のために準備していたベビー・ドールに、ひも付きのTバックショーツで
真理子は隼人の前に立ちました。
ソファーに座っていた隼人が緊張した顔に喜びの笑みを浮かべて立ち上がり、
じっと真理子を見つめています。隼人の股間が押し上げられて膨らんでいるのを
真理子は気がついています。隼人は近づいて真理子を抱きしめ、ゆっくりとネグ
リジェを脱ぎ取り、ショーツを取り去りました。
隼人は憧れていた真理子の全裸を、明るい照明の中で初めて見ることが出来まし
た。一歩、二歩退いて、少し離れた所に立って、息を呑んで見つめています。真
理子は笑みを浮かべて立っています。
両手を上げて頭の後ろに重ねて置き、胸を突き出すように少し反り返って、右脚
を少し前に出して、笑みを浮かべて真理子は立っています。
隼人の視線が突き刺さるところが、ちくちくと痛みを感じるほどです。じっとり
と股間が濡れて、愛液が大腿部に流れる感覚が、刺激的だと真理子は感じていま
す。
随分長い時間二人は黙って見つめ合っていたのように思っていて、このまま夜が
明けるのではと真理子は少し焦れてきたほどです。しかし、実際はほんの数分の
時間でした。
隼人が真理子に近づき、キッスをして、彼女を横抱きして、ベッドに運びました。
その時、隼人も裸になっていました。隼人の股間に直立した肉棒を真理子は視界
の中に捕らえて、臀部に時々接触する男根の感触を感じて、女性器がさらに濡れ
だすのを感じています。
比較的長い黒髪が白いシーツに乱れて広がり、真っ赤なルージュを引いた真理子
は目を閉じています。豊かに盛り上がった乳房は、やや早いピッチで上下してお
り、ピンク色の乳房の中央に少し色付き始めた乳首がくっきり立っています。
豊かで、ぬめりのある腰から全ての曲線が中央の茂みに流れ落ち、そこで混ざり
合っています。
全身から湧き上がる香しい匂いは、茂みの奥から舞い上がる強い野性的な香りと
混ざり合って、この世のものとも思えない妖しい香を作り出し、隼人の鋭い嗅覚
を攻めています。隼人はともすれば気が遠くなりそうな気持ちを奮い立たせて、
ゆっくり真理子の全身に両手と唇で愛撫を加え始めました。
幼くて、拙い愛撫ですが真理子が心を捧げた隼人の愛撫は真理子の体を十分興奮
させ、真理子自身が驚くほどその部分が濡れ、蠢いています。真理子の健康な体
が、隼人の愛に反応して受け入れ態勢を整えているのです。
隼人の唇が、真理子の乳首をゆっくり刺激し始めると、彼女は興奮して、隼人に
抱きつきました。真理子の大腿部に恐ろしいほど緊張した隼人の男根が触れて、
それが触れている真理子の肌が焼け付くほどの衝撃を受けています。
女の本性で、その緊張した肉塊が自分の亀裂に挿入されることを感じ取り、真理
子の女性器はそれを待ち受け、蠢いています。真理子は喘ぎながら、これ以上隼
人の愛撫を受け続けると、体が先行して気持ちだけでは制しきれなくなって、男
根を受け入れそうになる自分を恐れて、真理子は叫びました。
「待って、待って、隼人さん、しばらく待って欲しいの
理由は聞かないで、私も欲しいけれど、今は待って欲しいの、
真理子の一生のお願いを聞いて欲しいの・・」
隼人が手と唇の愛撫を止めて、真理子を見つめます。真理子が挿入を待って欲し
いと言っていることを隼人は理解しました。隼人はにっこり笑って、こっくり頷
きました。
真理子の事件(9)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/23 (日) 17:21
真理子が挿入を待って欲しいと言っていることを隼人は理解しました。隼人はにっこ
り笑って、こっくり頷きました。そして、先輩から教わったとおり体を180度回転
して、真理子の白い大腿をゆっくり両手で開き、その部分に顔をうずめてゆきました。
今まで経験したことがない強い野性的な香りが隼人を襲いました。干草と、チーズの
混ざり合った官能的な香です。隼人はこれが真理子の香だと感激して、一気にそこに
顔を埋めて、濡れた亀裂に舌を絡めました。
真理子の目の前に、肉棒が立っています。先端から透明な液が溢れ出し、亀頭と呼ば
れる部分が灯の光に輝いています。まだ赤みが強い新鮮な赤銅色の幹には、何本もの
青い静脈が浮き出ています。親友の久美子達とオーラルセックスを練習した時使用し
た胡瓜とは全く違う風景です。
真理子は右手をそれに絡めて、その先端に舌を突き出しました。いがらっぽい、少し
塩味の強い官能的な味です。これは癖になる味だと真理子は感じました。ゆっくり口
中にそれを吸い込み、首を上下させました。
次第に真理子は興奮して、両脚をいっぱい開いて、隼人がそこを舐め易いように拡げ、
前に腰を突き出すようにして、激しく口を上下させるようになりました。突然、口の
中で肉棒がさらに緊張して、その先端から液が放出され、真理子の喉を直撃しました。
一瞬何が起きたのか判らないまま、真理子は放出された液を飲み込みました。止め処
なくドクドクと流れ出す液を、真理子は必死で飲み込んでいます。股間で隼人が興奮
して噛り付いた部分から、激しい痛みが発生して、その痛みがこの上ない快感に変
わっています。
味も香も判りません、ただ、隼人の激情を飲み込んでいることが真理子は嬉しくて、
息苦しさに耐えて、必死で飲み込んでいます。
真理子の股間に頭を埋めた隼人は、股間から湧きあがる快感に耐え切れず、真理子の
クリにかじり付き放出しました。隼人の顔に、真理子の愛液が降りかかり、隼人は顔
をぬるぬるにしています、隼人は舌を出し、唇についた愛液を舐めています。全身が
真理子の香で染まる思いです。
挿入した舌を亀裂が蠢いて吸い込み、締め付けています。肉棒をここに入れたらどん
な気分かと隼人はその時のことを夢見る思いで、その部分をさらに強く吸いました。
真理子が激しい悲鳴を上げて反り返って、凄い力で隼人の体を持ち上げました。そし
てバッタリと体を下ろして、痙攣を始めました。隼人の顔に止め処なく愛液が降りか
かり、彼はそれを大急ぎで吸い取って飲み込んでいます。淡い塩味のする健康飲料の
ようなものだと隼人は思っています。陰毛から亀裂、そして菊座まで丁寧に舌を使い
ました。真理子は痙攣しながら呻き声を出しています。愛液が絶え間なく湧き出てい
ます。
白いシーツの上で二人は、唇を合わせて、抱き合っています。互いの唇から、性器臭
を感じ取り、これで二人は一緒になれたと、安らかな気分で、互いの唇の汚れを舌で
掬い取っています。
「君が良いというまで、今日のように愛し合うことで、僕は満足だよ
少しも、気にしなくてもいいから、君の好きなようにするといいよ」
隼人は優しく、真理子に囁きました。真理子は瞳に涙をいっぱい溜めて、何も言わず、
隼人に抱きつきました。真理子の背中をゆっくり摩りながら、隼人は漠然とした不安
をその時感じていました。
真理子の体が挿入を求めているのは、女を知らない隼人にも良く判ります。真理子が
挿入を拒むのは、未知の男根への恐怖からでもなく、まして羞恥からでもなく、強い
真理子の意志でそうしていることが隼人にも判りました。なぜか真理子が一人では持
ちきれない重荷を背負って歩こうとしているのが感じ取れたのです。
真理子が挿入拒否の理由を話す気になった時、その重荷の半分は背負ってやろうと隼
人は思っています。そう考えると自らの女体の要求にも抵抗して頑なに挿入拒否する
真理子が哀れで、愛しくて、それ以上真理子を追い込むことが出来ない気持ちになり
ました。
その夜からは真理子に心配をかけないで、その部分に指さえ入れる気配を見せないよ
う注意して、隼人はオーラルセックスを楽しみ、陽気に新婚旅行を楽しみました。
まり子が失踪した後、少し落ち着いてくると、真理子失踪の原因は、あの挿入拒否に
関係があると隼人は確信しました。このことは、寺崎探偵にも、真理子の両親にも
言っていません。
真理子には処女を差し出すべき男が自分の他に居た、と隼人は考えています。そして
その相手は、愛情とか、浮気とか、そうした男女の感情の外にいる人物のように思え
るのです。
何らかの縛りに脅かされて、真理子がその男に処女を差し出す可能性も考えましたが、
それであれば、真理子は失踪より、死を選ぶ女だと隼人は考えています。真理子が信
念に基づいて行動しているのであれば、隼人があたふたと騒ぐことが、真理子をさら
に苦しめることになると、隼人は苦渋の結論を出しました。悔しくて、悲しくて、叫
びながら、真理子を探し回りたい気持ちを隼人はじっと押さえ込むことにしました。
そして何の成果もなかった寺崎事務所の報告を受けても、隼人はあえてそれ以上の継
続調査を依頼しなかったのです。
真理子の事件(10)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/24 (月) 13:19
新婚旅行から帰った夜、オーラルセックスをいつものように楽しみ、二人はさら
に興奮して、今まで経験したことがない深いところに到達しました。二人は全身
に性液を振り掛けあって、ほとんど気絶するところまで感じました。オーラル
セックスに限れば、二人は名人、ベテランの域に到達したといえます。
真理子は夜中に目覚めました。全裸のまま抱き合って二人は眠りに落ちていて、
真理子の体は隼人の体と密着しています。真理子は大腿に絡まる隼人の脚を、
そっと持ち上げました。精液が二人の脚を膠着させていて、真理子の足に、隼人
のすね毛が何本か抜けて付着しています。隼人は痛みを感じたはずですが、深い
眠りの中に居るようです。体にまわされた男の手をやさしく持ち上げて、真理子
はそっとベッドから体を抜き出しました。
冷たい床の感触を感じて、真理子はようやく頭がすっきりしてきました。昨夜は
感じ過ぎて、思わず自分から望んで隼人の物を挿入して欲しいと絶叫しそうにな
りました。ここまで真理子の女体が成熟してくると次の夜を無事乗り切る自信は
彼女にはありません、もう、悶え狂う女体の要求を意志の力で抑え込むことが難
しいと真理子は感じ取っています。
まだ、その日には、数日早いけれど、真理子は今日、この家を出てゆく決心をし
ました。
味噌汁とご飯の朝食を作り終わった後、置手紙を書いていても、不思議に涙は出
ません。自分に課した責務をこれから遂行するため出陣する興奮が、隼人との別
れの感傷を押さえ込んでいるのです。
この日に備えて準備していた身の回りの品と、両親が当座のためにと無理に手渡
してくれた500万円の入った預金通帳をお気に入りのバッグに入れて、ぐっす
り眠り込んでいる隼人の唇にキッスをして、そこで思い直して股間でぐったりし
ている男根の先端に舌を絡めて、別れの挨拶をしました。隼人の男根に今日別れ
ると、再び逢う保証は何も有りません。もう一度それを軽く握って、最後のお別
れをしました。
通りに出て、通りかかったタクシーに手を上げて、朝一番の新幹線に乗るため、
真理子は駅に向かいました。もう、真理子は隼人のマンションを振り返りません。
ここに帰ってくる日があるとは、思えないのです。隼人に再び会えることがあっ
ても、その時の真理子は今の真理子ではなくなっています。さすがに耐え切れな
くなって、真理子の頬に涙が流れ出し、まだ消えない街の灯の光がそれを鮮やか
に照らし出しています。
早朝、西に向かう新幹線は空いていて、グリーン車の窓際シートに深々と座った
真理子の視界に人影はありません。駅で買い求めたサンドイッチと熱い缶コーヒ
で朝食を摂り始めました。最初で最後に作った朝食を隼人は食べてくれるだろう
か、そのことを思うと押さえていた涙がまた湧き出してきました。
缶コーヒを口に含んだとたん、懐かしい隼人の香が漂ってきました。コーヒの香
が、肌にこびり付いた男の精液の香を蘇らせたのです。真理子はサンドイッチを
つまみ上げ、胸を開いて、そこに付着した彼のものを、パン切れで擦り取りまし
た。それを口に運ぶとさらに彼の香りが強くなります。
真理子は夢中で、肌にこびり付いた精液をサンドイッチで拭い取り始めました。
銀ラメのサンダルを履いた生足からも、豊かな乳房からも、男の精液をゆっくり
擦り取りました。買い求めたサンドイッチがなくなりました。口中に残る男の香
を味わいながら、置手紙には書けなかった、言葉をゆっくり、真理子は呟いてい
ます。
「さよなら・・・、隼人さん、お願い、私を探し出してちょうだい、
私は貴方を待っています。きっと、きっと・・、お願い。
何処に居ても、誰に抱かれていても、私の心は貴方のものです」
真理子は、ゆっくり涙を拭い、全ての思いを断ち切るように、立ち上がり、サン
ドイッチの空き箱と、缶コーヒの空き缶をゴミ箱に捨てました。
空き缶の乾いた音が「カラン、コロン」と響き、真理子はその音にあまりに短かった
隼人との新婚生活の思い出を載せて、その中に捨てました。
洗面所に入り、顔を直し、鏡の中の生まれ変わった真理子に、にっこり微笑んで、
真理子はそこを出ました。列車は超高速で、隼人の住む街から遠ざかっています。
もう真理子は泣き出すことも有りません。きりっとした目で前方を見つめて、今日
からはじまる新しい人生を考え始めています。
真理子の事件(11)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/25 (火) 22:58
5 その男との同棲
目的の新幹線駅に着くと、朝のラッシュアワーが始まる時間でした。誰も真理子
に注意を払う人は居ません。恐ろしいほどの雑踏と騒音の中で真理子はひとり静
寂の中を歩いています。都内の雑踏になれた真理子には、ここはその匂いも、訛
りの強い言葉も全て異国です。
深い森に迷い込んでも、鳥の声、風の音を感じてもう少し豊かな気分になれるも
のですが、その時の真理子は真空の空間に居る思いでした。雑踏を掻き分けるよ
うにしてただ無心に歩を進め、その駅から地下鉄と私鉄を乗り継いで40分ほど
離れた城下町に真理子は降り立ちました。
街は通勤時間を過ぎて朝の賑わいが終わった静けさの中にあって、これから夕方
の通勤者の帰宅時間まで、この街は眠ったような状態になります。
駅前に数本の植木をあしらった小さなロータリーが有り、そこへ5本の道路が集
まってきています。駅の周りがいわゆる新市街で、駅正面の道が旧市街に通じて
いて、その道に沿って10キロも行くと、1万石の小藩を支配した大名屋敷跡を
中心に旧市街が展開していて、そこでは、今も住民の手で古い街並が大切に保存
されています。
一番左の線路沿いの道路が繁華街になっていて、1000メートルほどのアー
ケードが有り、そこにこの街の商店がほとんど集結しています。この町には大手
電気メーカの大工場が在り、各商店ともそれなりの商いをしているようで商店街
には活気が有ります。
駅の周りに数軒、少し背の高いビルがある他は、駅の周りは一般住宅で埋め尽く
されていて、新市街は典型的な私鉄沿線住宅街の景色です。
ラーメン屋の隣にある駅前の小さな不動産屋に真理子は入りました。頭のはげた、
老眼鏡の男が眼鏡越しに真理子を見て、人の良い笑顔を浮かべて真理子を歓迎し
てくれました。
この町で男と暮らすアパートを借りるのが目的です。不動産屋の店主は真理子の
提示した金銭的条件に合う部屋を順番に案内して、最後にここに真理子を連れて
きました。
前に住んでいた独身男性が残して行った、冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、ガスレンジ、
照明器、ソファー、食器棚などがそのまま使えると判り、真理子は現場を見て、
その場でここに決めました。不動産屋の親父、田所が真理子の決断にびっくりし
ています。まさかこの娘がこのボロアパートを借りるとは思ってもいなかったよ
うです。
真理子は両親の住所を東京の連絡先に借用して、その男の名前で契約を済ませま
した。
真っ赤に錆びたトタン屋根のプレハブ2階建ての古いアパートで、一階に10部
屋、二階に10部屋が有り、一階の部屋はもう長い間、人が住んだ形跡が無く、
その窓ガラスが所々割れていて、それが有り合わせの板で補修されています。
どうやらそこは物置に貸し出している様子ですが、鍵さえ満足に使用されていな
いようです。
二階の通路に通じる鉄製の階段は真っ赤に錆びていて、そこを人が通ると建物全
体にその音が響きます。真理子が借りた部屋は二階の一番奥に在る210号室で
す。このアパートの住人は、真理子達も含め三家族で、他の二家族は独身男で、
出張が多い土建業の技術者です。
アパートの周囲は少し風が吹いても、砂煙が舞い上がる広い空き地で、工場の跡
地らしく所々建物の基礎が残っていて、そこには雑草さえ十分生えていません。
その先に自動車の解体工場が広がっていて、時折、車を丸ごとプレスする凄い音
と地鳴りがここまで響いてきます。最寄の住宅までは1000メートル以上離れ
ています。夜ともなれば、アパートの前にある街灯が唯一の灯りで、辺りは暗闇
に包まれます。
いわゆる2DKで、寝具と食器類を揃えると何とか生活できる形が整いました。
そして、花柄模様のカーテンを寝室に付けました。真理子は気が付いていません
が、隼人の寝室にあるカーテンと雰囲気が良く似ています。
その男がここへやってくるのは、3日後です。それまでに、生活に必要なものを
買い整えるつもりです。そして、できれば、真理子の働く場所も見つけたいので
すが、真理子はすでに隼人の籍に入っているので、住民票を取り寄せるのは憚れ
ます。そして身元保証人も居ません。この条件では働き口は極端に狭まります。
部屋を借りる時お世話になった不動産屋の田所に、働き口のこともそれとなく頼
みました。親切な主人で、今は不景気で、このあたりではパートの口でさえなか
なか見つからないが、気に掛けておくと言ってくれました。そして、少し間を置
いて、まさか風俗関係の仕事を希望していないねと、少し真剣な面持ちで訊ねて
くれました。真理子は力なく笑みを浮かべて、その質問に肯定も否定もしません
でした。隣町に比較的大きな歓楽街があって、そこに数件の風俗店や、たくさん
の飲み屋があると田所は教えてくれました。
長年、いろいろなお客と付き合っている不動産屋の親父の目には、良家のお嬢様
にしか見えない真理子が、独身男でさえ、二の足をためらうほどのボロアパート
を借りたのです。それも男名義で、何か事情はあるはずですが、真理子が明るく、
きりっとしているので同情の言葉を掛けることすら出来ません。しっかりした信
念を持った女性だと判断して、真理子の思うようにさせることにして、不動産屋
の主人はそれ以上の詮索はしませんでした。
真理子の事件(12)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/26 (水) 23:18
その日、真理子は5時に起きて、晩御飯の仕込をして、冷蔵庫にそれを収め、風
呂も直ぐ沸かせる状態に掃除して、部屋中をもう一度掃除して、昨夜買い求めて
きた白バラを食卓と寝室に飾りつけました。
8時にアパートの前にタクシーがやって来ました。昨夜、手配したものです。部
屋を出て、タクシーに乗り、真理子はここから車で40分ほど離れたその場所に
向かいます。その男とそこで9時30分きっかりに会う予定です。白い絹のブラ
ウスに、淡い水色のプリーツスカート、黒髪を黄色いリボンで結びました。ファン
デーションをナチュラルの薄いものにして、淡いピンクの口紅をつけ、ローヒー
ルの白いシューズを穿いています。23歳の真理子が3歳は若く見え、少女のよ
うな雰囲気が全身に現れています。
いよいよその日がやってきたと、真理子は興奮して、少し紅潮した顔を前方に向け
ています。真理子はもう何も考えていません。その男に会えば後は男と女の自然の
流れに身を任せるだけです。
今日も熱くなりそうで、さわやかだった朝の雰囲気はこの時間には既に消え去り、
路面から熱線が容赦なく車内に刺し込んでいます。予定どおり、定刻30分前にそ
の場所につきました。車の中で真理子はその男を待ちました。
建物から出てきたその男に真理子は直ぐ気が付きました。真理子はゆっくり車から
出ました。ムッとした熱気が彼女を取り囲みます。真理子はその男に近づいて行き
ました。男まで数歩を残して、真理子は立ち止まり、男をしっかり見つめて、ゆっく
り頭を下げました。男も立ち止まり、不審そうな顔で真理子を見つめています。
「山中さんですね、お久しぶりです。藤村真理子です」
男は真理子に名前を呼ばれて、不審な顔を隠さないでいましたが、真理子から事情
を聞いて彼女を直ぐ理解しました。そして、彼女がここへ現れたことにかなり感激
した様子で、何度も、何度もお礼を言いました。
近くに部屋を用意したから案内すると真理子が言うと、その男が恐縮して辞退する
のを真理子は、笑いながら、そんなに期待するほどの部屋でないからと男の手をと
ると、その男は大人しく真理子に背を押されるようにして、真理子が待たせていた
タクシーに乗り込みました。
アパートに着いた男は珍しそうに部屋を見回しています。私の力ではこんな所しか
準備できなくてと、謝る真理子に、ここは天国のようだと真顔でそう言って、男は
頭を下げています。真理子が風呂を勧め、その間に真理子は食事の支度を始めまし
た。男の歌声が風呂場から聞こえます。澄んだいい声です。
「下着とパジャマを有り合わせのものを準備しておきました。
お気に召さなかったら、明日にも買い整えますから、
今日はこれで我慢してください」
真理子がガラス戸越しに声を掛けて、男がそれにお礼を言っています。
風呂上がりのビールを一気に飲み干して、しばらく男は目を瞑り、その味を確かめ
ています。ビールを2本一気に空けた男は、真理子の勧めるままに、ウイスキーを
ストレートで飲み始めました。酒は強そうで、呑んで乱れる様子は有りません。そ
れでも久しぶりに飲んだ酒は回るのが早いと言って、男は恥ずかしそうに笑ってい
ます。
ステーキと生野菜のサラダ、そしてカレーライスのメニュウです。男が好きだと思
われるもので、真理子が何とか作れる料理の中から選んだ、究極のメニューです。
男は大喜びで、美味い、美味いと言ってそれを全て平らげました。
男が食後のテレビを見ている間に、隣の部屋に布団を敷き、買い求めたピンクのス
タンドに灯を入れて、真理子は風呂をさっと済ませました。
ロングの白いネグリジェをつけ、ピンクのルージュを引き、髪を全て下ろして、体
にコロンを少し使って、穿きかけたショーツを止めて、真理子は男の待つ部屋に
入って行きました。股間の暗い茂みが透けて見えます。
テレビを見て、笑っていた男が、驚いた顔でしげしげと真理子を見て、そして股間
の茂みに眼を移しはっとして、また真理子の顔を見ています。男の股間がパジャマ
を持ち上げているのが真理子にも判ります。
真理子は男の前に進み、そこに正座しました。真理子の体臭とコロンの混じった甘
い香が男を究極まで高めています。正座した女の股間にある暗い影が男からよく見
えます。
「改めて、ご挨拶申し上げます。あの時の真理子です。二十三歳になります。
山中さんと再会できるこの日をずっと待っていました、
行き届かないところが多いと思いますが
今夜から、私がお世話させていただきます・・・・。
やっと、この時が来たことを私は喜んでおります」
真理子は途中から涙声になりましたが、それでもにこにこ笑いながら、何度も、何
度も練習して、準備してきた口上を最後までよどみなく男に伝えました。
そして、黙って男の胸に倒れこみました。男は驚きで、信じられないと言った顔で、
真理子の肩に軽く手をおき、それをまた離し、また戻すことを繰り返しています。
真理子が顔を上げ、男の唇に、自分の唇を押しつけました。
男がやっとその気になったようで、意外に巧みな技巧を駆使して、真理子の唇を貪
り始めました。
真理子は、眼を閉じ、男の首に両手を軽く掛けて、男の唇を受け止めています。真
理子はさめた頭の中で、ウイスキーの香が混じった男の匂いを、嫌いな匂いでなく
て良かったと思っています。
男は巧みに舌で真理子の舌を絡めながら、ネグリジェの上から乳房をゆっくり揉み
上げ始めました。次第に真理子の体が蠢きだし、合わされた唇から低い呻き声が洩
れ始めました。
男はゆっくり下腹部を布の上から刺激しています。指を亀裂に添えて、さっと入れ
て、また引き去り、それを根気強く続けています。
次第に真理子が焦れて、自分でネグリジェの裾を上まで捲り上げました。真理子の
そこはそれと判るほど濡れています。
男はそれでもゆるやかな攻撃のピッチを早めません、真理子の手が伸びて、男の股
間から肉棒を取り出しました。それを掴んだ真理子は驚きの声を不覚にも出してし
まいました。
鋼鉄のように硬いのです。真理子は隼人の物しか知りません、その男のそれは黒い
鋼鉄で覆われたように表面が硬いのです。長さや太さには驚きませんが、色も手触
りも隼人の物とは質が違うと思いました。そして、人為的に埋め込まれた突起が点
在しています。真理子は勿論その知識は有りませんが、それがわが身に挿入される
ことは知っていますから、その異常さに軽い恐怖心すら感じています。
「私、初めてなんです、痛くしないで・・・、優しくお願いします」
真理子の事件(13)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/28 (金) 23:21
「私、初めてなんです・・・、優しく、優しくお願いします」
男は女の股間に入れた手を止めて、驚愕の眼差しで、真理子を見ています。そし
て突然思いついたように、慌しく、真理子の股間に触れている指を総動員してそ
の部分をチェックし始めました。やがて、女性経験が豊富な男の指は真理子のそ
の部分がほとんど未開発であると悟りました。男は真理子の眼を見つめて、
ゆっくり頷きました。男の目が涙で少し潤んでいます
「本当なんだね・・、一度もここに男を入れたことがないようだね、
俺みたいな者に、大切な処女をくれるのか・・、
君ほどの女が処女だなんて・・・・・
そうか、そうか、そうだったのだね・・・、それほどまで俺のことを・・・・」
男はそこまで言って、言葉を止めました。23歳になるまで、いろいろな誘惑を
振り払って、真理子がその男のために処女を守って来たことに気がつきました。
真理子の股間に添えた男の手が震えています。男は凍りついたように動きを止め
て、眼を閉じています。男の目から涙が溢れて、真理子の頬を濡らしています。
男は何か真理子に言いたいのですが、あふれ出る涙以外男は彼女の誠意に返す言
葉がないのです。
真理子は男の涙を頬に受けて、彼女の気持ちが十分に、男に届いたことを知りま
した。そして、真理子もまた自分の気持ちが通じたことを喜んで涙を流し始めま
した。二人の涙が混ざり合って、真理子の頬を伝い、彼女の顎に流れ、そこから
真理子の乳房の上に滴り落ちています。
「そうか、おれのために・・・、あの時のことを忘れないで・・・
ありがとう・・、何一つ良いことがなかった俺の一生が、
君のおかげで意味のあるものになりそうだよ・・・・」
男はこの娘の処女を自分のような者がいただくのは間違いだと思い始めています。
男は考えました、娘の好意は好意として、ありがたくいただくことにして、この
ままこの娘に手を触れないでそっとしておくことを考え始めています。
真理子のネグリジェ姿に刺激されて、男の股間は相当膨張していますが、今なら、
理性の力で真理子の体をあきらめることが出来るとその男は思いました。
「お嫌でなかったら・・・・、何も考えないで、私を抱いてください。
貴方のために大切にしてきたものをぜひ受け取ってください」
真理子は男が躊躇しているのを読み取って、男の体に脚を絡めて、股間を男に押
し付けました。濡れたその部分の感触を大腿部に感じて、男の股間がさらに緊張
して、男はほとんど理性を失い始めています。痺れるような欲望の中で、男はか
ろうじて残った理性を働かせて、真理子の心情を考え、そのことにやっと気がつ
きました。
真理子の体を断ることは、真理子が大切に育ててきた気持ちを踏みにじることだ
と男は気がつきました。この娘のけなげな決意をそのまま受け取ることが、今、
その男に許された唯一つの道だと、男は悟りました。そして、両腕に力を入れて、
ゆっくりと真理子を抱きしめ、彼女の亀裂に改めて指を添えました。
「お嬢さん、貴方の気持ちをありがたくいただきます。
死んでもこのことは忘れないよ・・・、さあ、俺に後は任せて、体の力を抜いて、
恥ずかしがらないでいいよ、ね、そう、そう、体の力を抜くんだよ
ちょっとここを見せてもらうからね」
男は、体を回転して、真理子の股間に頭を持ってゆきました。そして、やさしく
脚を開いて、そこに電灯の光がよく当たるように位置を調整しました。
やや濃い陰毛を手で掻き分けると、興奮して少し濡れた大陰唇が現れました。全く
色づかない、肌色の大陰唇は硬く閉ざされていて、亀裂は細い線の姿でそこに存在
しています。
その線をゆっくり指で開くと、指に絡まりながら、その秘密の扉が少し開き、その
中に隠されたクリと秘孔を少し見せてくれました。男は飽きずそこを見ています。
見つめられ、男の吐息を感じて亀裂の線から泡のように愛液がにじみ出ています。
男はゆっくりその部分に舌を這わせ、線に沿って舌を使いました、真理子が呻いて、
脚を拡げています。舌先を線の中に入れ、ホール、クリを舌で刺激します。懐かし
い香がそこから立ち上がっています。男は深呼吸をするように何度も何度もその香
を胸いっぱい吸い込んでいます。男の目から、はっきり判るほどに涙が流れて、男
の顎から滴り落ちています。
真理子が激しく動いて、驚くような声をあげ、同時に男の肉棒に舌を絡めてきまし
た。意外に上手い真理子の舌使いに男は驚いています。
「あちらにお布団を用意しているから・・、
ああ・・、そこは・・そこはダメ・・、そんなにしたら、ダメになるわ・・・
あちらでね・・、隣の部屋でね・・・、ねえ・・、ああ・・・・ん
ああ・・、そこで、そこで、ねえ・・、お願い・・、そこで、抱いて・・・」
真理子が喘ぎながら、その男に叫びました。男は真理子の股間から唇を解放して、
軽々と真理子を抱き上げ、隣の部屋に向かいます。男の顔が真理子の愛液でべっと
り濡れて光っています。真っ黒な鋼鉄の男根が真理子の臀部を支えているように
見えます。男は軽々と真理子を抱き上げ、隣の部屋に向かいます。境界の襖を真
理子が開きました。ピンクのスタンドに照らされて、白いシーツと赤い掛け布団
が妖しく浮かび上がっています。
真理子の事件(14)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/29 (土) 15:39
よく朝、男は台所から漂ってくる香ばしい味噌汁の匂いに起こされました。男は
四肢を布団の中でゆっくり伸ばし、こんな素晴らしい目覚めは記憶が無いと思わ
ずそれを言葉に出しました。
真理子は鮮血の証をシーツの上に残しています。男の枕元には、挿入直後の肉棒
を拭った桜紙が置かれています。おそらくこの紙は生涯、男の宝物として、大切
に保管されるでしょう。
昨夜真理子を寝室に運んで、真理子が準備した布団に彼女を横たえ、男は真理子
の全身を手と舌を使ってゆっくりと愛撫を始めました。男は真理子に直ぐ挿入
することより、処女の体をくまなく舐め回すことをまず選びました。男の舌でそ
こを十分に舐め尽くされて、真理子のそこは水浸しになったように濡れに濡れて
います。そこから流れた愛液が白いシーツを濡らし大きな染みを作っています。
男はゆっくりと体を起こし、余裕の顔で真理子を見下ろしました。巧妙な男の攻
めに、真理子は髪を振り乱し、手の指を口に入れて、大声を出すのを押さえなが
ら、ほとんど正気をなくして唸り声を出しています。大きく股を開いて、股間を
男に向けていっぱい開いて、夢中で男を求めています。
そこでは、端正な肌色の大陰唇がぱっくり割れて、その中から小陰唇が張り出し、
しきりに透明な愛液を吐き出し、暗い陰毛をべっとり濡らしています。
目を少し上に向けると、淫核がくっきりとせり上がり、その中からピンクの芽が顔
を出しています。そして、目の眩むような官能臭があたりに立ち込めています。男
は真理子の蠢く陰唇に心を奪われたように見つめています。しかし男がそれを見つ
めていられる時間は短く、堪りかねた男はいきり立った肉棒を握り締め、それを真
理子の陰唇に添えました。男が近づいたことを知った女陰がいっそう蠢いて、高い
破裂音を出して、また新たな愛液を吐き出し、近づいてきた亀頭に愛液を吹きかけ
て黒い幹までべったりと濡らしています。
男が腰に力を入れると、ズブズブと亀頭がその中に吸い込まれました。
「ああ・・・ん、入る、入るわ・・、ああ・・・ん」
真理子が夢中で声を出しています。そこの筋肉が無理やり押し広げるように、大き
な塊が入ってくるのを真理子は、はっきり感じ取りました。圧倒されるようないっぱ
いの充実感です。濡れに濡れた真っ黒な肉棒の先端が真理子の綺麗な亀裂を押し広げ
ています。亀裂の中にサーモンピンクの輝きが見えます。
男が腰を一気に前に繰り出しました。ズブズブと破裂音を出して黒い肉棒がその中に
全身を埋没しました。肉棒と亀裂の隙間から白い泡があふれ出て、肌色の大陰唇が肉
棒に絡み付いています。
「アツツ・・・、痛い、痛い・・・ィ、止めて、ああ・・、
ああ・・、どうなっているの・・・、痛い・・・イイ、ああ・・・・」
真理子は絶叫して破瓜の痛みに堪えかねてを男の体を上に載せたまま、悲鳴を上げて、
脚を使って、凄い勢いで背を滑らせて、体を1メートル以上ずり動かして、上半身を
布団からはみ出させています。男は女の顔をじっと見ながら、腰を彼女の腰に押し付
けたまま、彼女の体の動きに合わせて、自分も体を前に滑らせています。二人の股間
は深く交わったままです。股間から、真紅の鮮血が混じった愛液が湧き出しています。
傷ついた内部を労わるように男は深く入れた肉棒をゆっくり彼女の中から抜き取りま
した。黒い肉棒が鮮血と愛液で濡れて光っています。男が去ったことで、その部分の
痛みが急速に癒えるの感じながら、真理子は男の体に抱きついて泣き出しました。
女の涙を、そっと口で吸い取って、男は女を優しく腕の中に抱いたまま、まだ勢いを
保っている肉棒をそっと紙で拭い、そこに写し取られた鮮血を確かめ、そっとそれに
口付けして、大切な物を扱うように丁寧に枕元におきました。
真理子が落ち着くのを待って、男がもう一度ゆっくり真理子の中に入ってきました。
最初ほどの痛みはないものの、快感と呼ぶには程遠い挿入感を真理子は感じました。
男は十分感じた様子で、激しく腰を使った後、低い唸り声を上げて、真理子のお腹に
放出しました。その熱い感触を感じながら、真理子は、役目を無事果たした安堵感に
包まれて、引きずり込まれるように深い眠りに落ちて行きました。
真理子の気持ちを受け取り、男は感無量です。18歳で祖国を捨て、父の国日本に
来て以来、初めて人の真心に触れた気がしています。男は真理子の寝顔を飽きず眺め、
そしていつしか男も深い眠りに落ち込みました。泣き濡れた顔を男の胸に押し付け、
真理子は笑顔を浮かべ眠っています。女の頭に腕を貸し与えて、男もまたうっすら笑
顔を残して眠っています。犬の遠吠えに混じって、遠くから、最終電車の走る音が聞
こえています。
眼を覚ますと、男の顔が直ぐ側にあって、男に優しく抱かれていて、恥ずかしい部分
にぼうっと鈍痛を感じます。改めて昨夜の切り裂くような痛みを思い出し、思わず真
理子は涙を流しました。全ての女性が通ってくる道であっても、自分のように最愛の
人を裏切ってそれを為した女性はもっと痛みを感じて当然だと、真理子はすこし自虐
的な気持ちと、一方では女の通過点を無事通り抜けた感慨が半々の気分で、真理子は
目覚めました。
ゆっくりと男の腕を解き、布団から這い出て、シーツに残る鮮血の印を見て、恥ずか
しさと女になった感慨が新たに込み上げて来ました。そっとその上に準備したタオル
を敷いて、足音を消してその場を離れシャワーを使いました。
全身に残る男の香に包まれ、もう、隼人の香は思い出の中にしか存在しないことを知
らされました。
朝食の支度をしていると、もっと以前からこうしていたと思えるほど体が自然に動き、
真理子は股間の異常感もいつか忘れてしまいました。
真理子の事件(15)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/30 (日) 16:04
味噌汁、香の物、魚の干物、それが今朝のメニューです。真理子は寝室の襖を開
けました。男の匂いが真理子をムワーと襲います。股間がそれに反応して、少し
濡れだしています。この香が嫌でなくて良かったと真理子は思っています。男の
枕元に膝を着いて、肩に手を伸ばしました。
味噌汁の香ばしい香と一緒に真理子が寝室に入ってきた様子を背中で感じながら
男は眼を閉じています。真理子が枕元に座る気配です。昨夜十分に楽しんだ真理
子の濃い香が漂ってきました。男の股間が一気に極大に膨張しました。
「朝ご飯ですよ・・、ああ・・ん、ダメ・・、むむ・・・・」
男に下から抱きしめられ、唇を奪われ、布団の中に抱き入れられて、男がそこに
手を伸ばすと、もう濡れ始めています。
ショーツを取られ、男の指がたくみに動いて、真理子は短時間に駆け上がり、愛
液がそこから迸るほど感じ始めました。
男が真理子の両脚を持ち上げて肩に担ぎ上げ、スカートが腰の辺りにまくれ上が
り、べっとり濡れた女の股間が、男の目の前に曝されています。真理子のそこは、
ピンク色に色づき始めていて、その景色はもう処女のそれではありません。愛液
がそこをべっとりと濡らし、淫核がもう大きく立ち上がっています。男は躊躇し
ないで一気に業物をその中に挿入しました。ズブズブと音を立てて、肉棒が吸い
込まれてゆきます。真理子が消え入りそうなうめき声を上げて、もうすでに快感
を感じ始めている様子です。
男が腰を使い出すと、その部分からむず痒いような快感が広がり、真理子は、体
が沈んでいくような気分になり、頭の中が真っ白になり、気が遠くなり、そして
突然、全身に痺れる様な快感が下から湧き上がってきて、真理子は体を痙攣させ
始めました。
「どうしたの、どうしたの・・ああ・・、落ちてゆくわ・・、ああ・・、
ダメ・・・、そんな・・・、ああ・・・ン、いい・・・ィ」
今まで、隼人とのオーラルセックスで、これが逝くことだと思っていた快感が、
まったく子供だましであることにその時、気がつきました。男の腰に脚を絡めて、
両手で男にしがみ付き、真理子は自分から腰を突き出しています。
その部分から水音を立てて愛液が滴り落ち、シーツをみるみる濡らしています。
スカートは腰にひも状にまくれ上がり、激しい愛撫で白いブラウスは前のボタン
が全て外れていて、乳房がブラからはみ出しています。30分以上、男は堪えて、
真理子を何度も何度も逝かせました。
真理子のセットした髪はざんばらになり、朝引いたルージュが飛んで、唇は紫色
に変色しています。大声で叫んだため声が嗄れて、真理子はただ呻いています。
昨夜は綺麗な亀裂であったそこは業物をくわえ込んで、大きく捲れ上がり、生々
しいピンクの中身が外にはみ出し、そこから白い泡を吐き出しています。
真理子が気絶して、痙攣を始めたのを確かめて、男は低く呻いて、真理子のス
カートの上に樹液をたっぷり吐き出しました。それから一時間近く、真理子は布
団の上で気絶していました。
男は裸のままで真理子の支度した朝食を食べながら、時々優しい目つきで真理子
の体を見ています。股間のものがまた元気になってきました。
「どう、朝ごはんを食べないか」
男に揺り起こされて、真理子はまぶしい顔で、それでもうっとりして男を見上げ
ました。
「女の喜びが判ったようだね、おめでとう・・
良かったよ、最高だった、声も、体も、あそこも、全部最高だよ」
男は真理子を見つめて、そっと囁きました。男は女を抱いてこんなに感激したこ
とが無いと思っています。真理子は男の言っている意味が判ったらしく、頬を染
めてそれでも嬉しそうに微笑みました。男は上から真理子の唇に吸い付いていま
す。真理子もそれに応えています。男は真理子の衣類を丁寧にはぎ取り、真理子
の股間に吸い付きました。真理子も男の肉棒に舌を絡ませています。
それから二人は絡み合い、激しく腰を使いあって、真理子が気絶して、男もまた
真理子の上にたっぷり吐き出しました。
「ああ、お腹が空いたわ、お味噌汁すっかり冷えているわね、でもおいしい
ああ・・ん、ダメよ・・、まだ食べているのだから・・・、ああ・・ん
こうするの・・、ああ・・ん、くすぐったいわ・・、ああ・・ん
ダメ・・・、私も・・・、こうしてやるわ、ムム・・・・・」
絡みで乱れた裸体のままで、真理子が朝食をとっている間も、男は真理子の側に
座って体を弄り回し、真理子もそれを歓迎していて、両脚を大きく開いて、股間
の全てを男に開放しています。男が食卓の香の物を真理子の体に入れて、頭を股
間に入れ込んで、亀裂から香の物を口で取り出し食べています。
もう、ゆっくり朝ご飯を食べている余裕が真理子になくなりました。男の股間に
真理子は飛びつき、黒い肉棒を頬張り始めました。
食卓の側で、二人は互いの性器を貪りあい、やがて、男が真理子の両脚を肩に担
いで、中腰で挿入をしました。真理子の愛液が激しい腰の動きで飛沫になって飛
び散り、窓から差し込む朝日にそれが光っています。悲鳴に近い高い叫び声を上
げて、真理子がまた逝きました。
昼はカップヌードルを食べ、また絡み合い、夜は近くの店から親子丼を取り寄せ、
それを裸で食べ、また絡み合い、二人はその日、一歩も外へ出ないで、絡み合い、
真理子は何度も何度も逝って、体中の水分を全て愛液で吐き出してしまうかと思
えるほど、布団も、畳も、ぐっしょりと濡らしてしまいました。
翌日も同じようにして過ごし、その次の日も二人は力の続く限り絡み合いました。
4日目の朝、さすがに絡みに疲れた二人は朝食の後、絡み合うことはしないで、
布団の上に裸体を並べて、天井を向いて、ただ手を握り合っています。
真理子の事件(16)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/31 (月) 12:59
真理子は薄汚れた天井を見ながら、ここへ来てからの自分の変化を辿っています。
男と夢中で絡み合ったこの短い間に、乙女から一人の女に一気に成熟した自分を
真理子は他人事のように不思議な気持ちで見つめています。
会ったその日、男に処女を差し出し、破瓜の痛みに堪え、翌日、三度目の挿入で
女の喜びを知り、それから四日間、二人は盛りが憑いた獣のように、ほとんど寝
食を忘れて激しく抱き合いました。
真理子はその男によって、完全に体を開発され、もう、男をその中に迎えること
が真理子の中では普通のことになっていて、女として男を恐れる気持ちがなくな
りました。そうなると、もう怖いものはない気持ちに真理子はなりました。
何よりも真理子が嬉しかったのは、毎晩抱かれる男に、先ず体が先に反応して、
そしてその男に好意以上のものを感じ始めたことでした。これならそんなに苦労
をしないでこの男と一緒に生活できると真理子は自分自身の感情の動きに満足し
ています。男に抱かれる前は、その男がどんなに嫌になっても絶対ここから逃げ
出すことが出来ないと心に決めていたのです。その緊張感が緩んで正直ほっとし
ています。次の心配は生活の糧です。
ここへ来てから初めて、二人揃って街へ出ました。丸四日間絡み合った後では、
さすがに太陽がまぶしく、両脚に力が入りません。真理子は股間に感じる異常感
を他人に気づかれないかと、街ですれ違う人をそっと見ています。誰も二人に関
心を払う人はいません。
二人は体を慣らすようにゆっくりと歩いています。そんな調子でも、ものの15
分も歩けば商店街に着きました。1キロメートルほどのアーケードのある商店街で、
丁度、夕暮れ時の買い物客で賑わっている時間です。二人はどちらともなく手を取
り合って、その雑踏の中をゆっくり歩いています。男は、通りかかる全ての人が自
分達を見ているようで、恥ずかしいような、誇らしいような落ち着かない気分で、
顔を紅潮させています。
「奥さん、この鯵を安いよ」
魚屋で、店主に呼びかけられて、真理子は自分がそう呼ばれたことに少し戸惑いを
覚えながら、男を振向いて、男が頷くのを見て、それ買い求めました。食料品の他、
こまごまとした雑貨の買い物をして、二人は充実した気分でアパートに戻りました。
「ねえ、私、働きにでるわ、この町も不景気で普通では仕事はなさそうだけれど
何も仕事が無ければ、思い切って、風俗でもいいから働こうと思うのよ、
この部屋を紹介してくれたおじさんに頼めば何とかなると思うの」
食事の後、お茶を楽しみながら、真理子が男に相談しています。
親が持たせてくれた500万円を真理子は二人の生活に使うつもりはありません。
できる事なら、真理子が働いて二人の生活を支えたいと思っています。
別世界だと思っていた風俗の世界が、男を知ってみると意外と自分の近い所に在る
ような気がして、女なら誰だって、その気になれば出来るはずだと思うようになり、
勤務先に風俗店を選ぶことも今なら出来そうな気がするのです。
数日前までは男を知らなかったお嬢様、真理子にしては、驚くべき心理変化ですが、
好きな男に心を許して初めて抱かれる状況では、こうした心理変化は発生しないも
ので、真理子のように好きでもない男に破瓜されて、そのあと嵐のような絡みを繰
り返し、感性を開発し尽くされた女に、はじめて顕著に現れる心理変化です。
全身に降りかけられた精液の感触と、香り、そして股間から広がるあの光悦の喜び
を知った今は、男を恐れるより、たくさんの男と接するその職業に密かに興味を持
ち始めています。そして、心とは離れたところで、体の要求に従って男に抱かれる
ことを真理子はそれほどいけないことと、思わなくなっていて、美味しいものを食
べたい時に食べる、食欲の処理に似た感情で、性欲の処理も出来る素地が真理子の
中に芽生えているのです。
異常な状態で破瓜を経験して、その痛みが消えない内に激しい性交を繰り返し、女
の喜びを自分のものにした体験が、真理子のそうした特異な貞操観念を形成したも
のと思われます。
自分の中に芽生えた自由な貞操意識を真理子自身も異常だと気がついていて、その
ことを自分は存外、好色な女だと真理子は思い込み始めています。街で通りすがり
に見た男達を、抱かれたい男か、そうでないかを評価基準にしている自分に気がつ
いて、一人頬を染めていたのです。
以前は生理的な嫌悪感で、そのことを話題にすることさえ出来なかったのに、男を
十分知った今は、体を触らせたり、体を売る職業を真理子は自分の働き場所として
現実的に考えることが出来るようになりました。
真理子の相談ごとを男は黙って聞いています。真理子が風俗で働くことを止めるだ
けの力が男には有りません、嫌だとも言えないのです。
「勝手なことをいえない身分だけれど、出来たら体を売るのは止めてくれないか、
俺も一つだけ伝があって、その方の紹介で働き場所が何とか見つかりそうなんだ、
そうは言っても二人が食べていくだけのものは、お恥ずかしいが稼げそうもないけ
れどな」
男はそれだけ言うのがやっとでした。男は既に50を越しています。20歳を過ぎ
たばかりの真理子の処女をいただき、こうして毎日その体に溺れていることが、今
その男にとって、そう望んでも実現しない夢の生活であることを男はよく認識して
います。
真理子の好意に甘えていられる時間が短いことも男は知っています。
真理子にこれからどうするのだと、聞きたい気持ちを抑えて毎日過ごしています。
真理子の事件(17)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/01 (火) 10:53
突然真理子がいなくなることを男はいつも心配していて、彼女を抱く時は、これ
が最後だと、命の限り、精根を使い果たすまで頑張ります。もともと、将来に絶
望した身ですから、いまさらこの世に未練は有りませんが、真理子と一緒に居る
時間がいつまでも続いてくれることを願う気持ちが日に日に強くなってきて、柄
にもなく、真理子と暮らす生活を少し夢見たりして、慌ててそれを打ち消したり
しています。
真理子と接していると、男の記憶は一気に30数年遡り、祖国に残してきたイザ
ベラと過ごした頃に戻ります。抱きしめると首を伸ばさないと口付けが難しいほ
ど男の胸を押し付ける豊満な胸としなやかな褐色の肌を持った乙女でした。男が
18歳で貨物船にもぐりこんだ時、イザベラは涙も流さないで、手を振ってくれ
ました。
お互いそれが最後の別れだと知りながら笑顔で手を振り合いました。男はまだ見
ぬ父の祖国日本への期待に胸を膨らませていましたし、イザベラは短かったけれ
どめくるめく喜びを教えてくれた男との生活に感謝して、心から別れの手を振っ
ていたのです。
それから、30数年、この国での男の生活は挫折と不満の連続でした。それでも
イザベラには20年余定期的な仕送りと便りを出していました。彼女は結婚して、
3男4女の子宝に恵まれ、送られてきた写真を見るとすっかり豊かな体つきに
なって、貧しいけれど、幸せな生活を送っています。
長男がその男の息子だと知らせてきたのは、その子が成人した年でした。
その男の面影を残す青年の写真に同封されていた手紙の内容では、タカシと呼ば
れるその青年は、その国の最高学府を主席で卒業して、その褒章でアメリカに留
学しているとのことで、将来は祖国に戻って医院を開業する予定だと知らせてき
ていました。
そして手紙の最後に、その男のお陰で素晴らしい息子を授かったことと、定期的
に送ってくれたお金で7人の子供達に十分な教育を与えることが出来たと、お
礼がしたためられていました。男の生涯は決して無駄な一生ではなかったのです。
不動産屋の親父は親切にいろいろ当ってくれて、隣町のスナックを真理子の勤め
先として紹介してくれました。地元の人がよく通ってくる店で、春子ママと、
三人のホステスが居る20人も入ればいっぱいになる店です。10人ほど座れるカ
ウンター席と4人掛けのボックス席が3つ有ります。カウンターとボックス席の
間にちょっと踊れる程度の空間が有ります。
一人のホステスが結婚で店を止めることになり、代わりを探していたところでし
た。春子ママと会って、聞かれるままに年の離れた男と同棲していると話しまし
た。この種の勤めは始めてであること、部屋を借りる時に書いた東京の住所は、
以前二人が住んでいたところだと答えて、それ以上、東京のことは口を閉ざしま
した。
何か事情があるようだけれど、良い子であることは間違いないので、春子ママは
明日から勤めて欲しいと言いました。名前をどうするかとママが聞いて、真理子
の本名で出ますと彼女は答えました。それが意外に強い調子だったのでママが少
しびっくりした顔で、真理子を見つめました。それでは、「マリ子」にしようと
ママが言って、それに決まりました。
採用が決まって、勤務は明日からですが、ママは少し店の様子を見ていくと良い
と言って、店内に真理子を連れて入りました。数人の客と明日から真理子の同僚
になる佳代子、雛子がいました。佳代子は20歳代前半で、小柄で少し太めの、
若さが弾けるかわいい感じで、何よりもその豊かな胸が魅力的です。
雛子は、30歳代後半で、真理子ほどの身長で、スレンダーな体、胸は殆ど目立
たない程度です。面長な顔で、唇も眼も細く、お世辞にも美人とは言えませんが、
見ていると、お客は佳代子より雛子が気に入っている様子です。
店内はマイクロミニをつけて、Tバックショーツを着けることにしているからそ
のつもりでいて欲しいとママが真理子に言いました。真理子がそういわれて佳代
子達を改めてみると、普通に歩いていてもTバックショーツのボトムが見えるか
と思えるほどのミニです。
マイクロミニのスカートは店で準備するからと付け足し、職業的なクールな目で
真理子の体を改めてママが見ています。
「真理ちゃんは、綺麗な脚をしているから、マイクロミニがきっと似合うわ」
身長165センチを超える真理子の脚が綺麗に伸びているのを見て、満足した笑
みを浮かべています。できる事なら真理子がもう少しブスのほうがいいとママ
思っていますが、勿論そんなことは言えません。あまりに美人だと、男から敬遠
されることが有り、美人必ずしも人気者にならないことをベテランママは良く
知っています。
「ほら、佳代子ちゃんの様子をよく見てごらん、
貴方にもあのように、時々はカウンターから外へ出てもらうからね・・・・」
佳代子がカウンターの中から客席側に出てきて、ボックス席にお酒や、つまみを
置いています。驚いたことに、佳代子が側に来ると、お客たちはスカートの中に
手を伸ばしてほとんど自由に佳代子の股間に触っていて、彼女はそれを笑いなが
ら上手く交わしています。ある瞬間、男の指が確実に亀裂に入り込むのを真理子
は目撃しました。佳代子はさほど驚いたようすを見せないで、体を悩ましく捻り、
その男の背中を軽くぶって、笑っています。
真理子の事件(18)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/02 (水) 13:23
「マイクロミニを着けてもらう理由がわかったでしょう。フフ・・・
どう、面白そうでしょう、真理子さんはあれが出来るかしら、ねえ・・」
ママは笑いながら真理子に話しかけていますが、その目は真剣に真理子の様子を
チェックしています。
真理子は初めて目にする店の光景に驚きましたが、それで尻込みする様子は有り
ません。既に男を十分知って、女の体に驚くほど弱い男の素顔を十分承知してい
ますから、店内で目にする光景は当然のこととして理解できるのです。
マイクロミニの女を見るとそれがママの仕掛けた罠とも知らないで、見境なく手
を出す男達を、むしろ可愛いとさえ思っています。真理子の本音を言えば、触る
だけで終わるなら、亀裂に直接男達の指を迎えることもあえて拒否しないつもり
です。というより、佳代子の様子を見ているだけで興奮してしまった真理子はも
し男達に触られたら、真理子なら望んでそこに指を迎えるのではと自分の好色な
性を心配しています。
佳代子の様子を見ても、真理子が怯まないのを見てママは、にっこり笑って、真
理子に笑顔で頷いています。この素人娘は、見かけと違って男達のお触りをそれ
ほど嫌がっていない、案外好色なところがあると踏みました。端正な美人であり
ながらそれ相応に好色で、芯のしっかりした娘だと、ママは真理子に満足した様
子です。
「これだけの器量とスタイル、そして、頭が良くて、好色な本音を隠し持ってい
るのだから、S町でも、N01が張れるわ」
口には出しませんが、ママは以前勤めていた、新幹線駅の在る歓楽街、S町でも
十分通用する娘だと真理子をかなり高く評価しました。
「明日来れば判るけれど、時間が過ぎると、もう少しここは乱れるのよ、
その覚悟はしていてね、乱れるかどうかは、勿論貴方次第だけれどね」
ママが別れ際に言った言葉も真理子はそれほど気になりませんでした。一時は風
俗店で体を売ることも考えた身ですから、男の欲望を相手にする商売の方向は頭
の中では整理がついています。しかし、現実に乱れたその現場に直面した時、真
理子がそれに耐えられるかどうか、誰にも判りません。
一方、真理子の男は親切な人の紹介で駅の駐輪場で働くことになりました、24
時間勤務して、翌日8時間休む過酷な勤務ですが、何一つ文句も言わず、男は黙
々と働いていて、一緒に交代勤務で働いている初老の同僚が3人居るのですが、
彼らにも次第に好かれるようになりました。
男の唯一の楽しみは、真理子を店に迎えに行くことです。店のカンバン時を見計
らって、そこへやって来て、バイクの後ろに彼女を乗せて帰るのです。自分の勤
めがまだ残っている時は、彼女をアパートの前で下ろして、駐輪所に戻ります。
こうして真理子とその男の生活がこの小さな町でスタートしました。
真理子は真紅のマイクロミニに、ブラなし白いタンクトップで店に出ました。勿
論生足です。オーダされた酒を恐る恐る運んでいくと、男の指が大腿部にさっと
入ってきました。あまりの早業に、そのことを予想していても、そこに痺れるよ
うな快感を感じて、思わず声を出してしまいました。
その声に男が驚いて、頭を掻きながら謝りました。真理子は声を出した後、
にっこり笑って、その男を抱きしめて、唇に軽く口付けして、その男の手をとり、
その手を股間に持ってゆき、大腿部で男の手を挟み込んでしばらくその姿勢を保
ちました。その男の指が素早く亀裂に入るのも許しています。
「ごめんなさい、あまりに気持ちが良くて、つい声を出してしまって・・・
驚いたでしょう、マリ子と申します・・・・、
これはそのお詫びです・・、チュッ」
真理子の機転の効いた対応に、周りのお客たちが喜んで拍手をしています。当の
男も得意そうに、挟みこまれた指を皆に見せびらかしています。この店での真理
子のデビューはこれで無事終わりました。春子ママは期待した以上の娘だと真理
子の対応を見て喜んでいます。
その日から真理子は自由に男達に下着を触らせました。そして、2、3日経って
慣れてくると亀裂に男の指が届くことも多くなりました。たくさんの男からその
部分を触られる経験は、真理子にとって勿論初めてで、男達の刺激を受けて真理
子はそれだけで興奮して、その部分を滴るほどに濡らすようになりました。それ
が客たちの評判を呼び、さらにそこを訪れる男の指が増えました
そうした勤めにもようやく慣れてきた頃、このあたりを縄張りにしている組の配
下の一人が真理子にしつこく絡まり始めました。その男は40歳近い、組でも兄
貴分の男で、この店では上客の一人ですが、扱いを一つ間違えると粗暴になり、
迷惑な存在になります。春子ママもその男には腫れ物に触るようにして、強いこ
とはいえない状態で、真理子に上手く付き合ってくれるよう、それとなく言って
いました。
真理子の事件(19)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/03 (木) 15:35
その男、加藤は店にやって来ると、いつも店の奥に在るボックス席を独り占めし
て、お気に入りの真理子を独占して、彼女に抱きついてキッスをしたり、肩もあ
らわなシャツの胸に手を入れたりしています。真理子も心得ていて、それを嫌が
らず適当に相手をします。男は次第に酔って来ると真理子の腰を抱きしめ、真理子
も仕方なくそれまでは許しているのですが、スカートの下に手を入れ下着の上か
ら触ります。
真理子のそこは男達に散々に触られて、それなりに感じて、じっとり濡れていま
す。濡れているのが恥かしくて、大腿部を強く締め付けて防御するのですが、抱
きしめられ,デイープキッスをされて、巧みに布の上から股間を刺激されると、
次第に股間が緩み、遂には指が亀裂に入り込んできます。
「ああ・・・ん、加藤サン・・、まだ私、何も知らないの・・、
ね・・、だから・・、少しずつ教えて・・、お願い・・・」
真理子の願いを聞き分けて、男は直接そこに触れるのを止めました。男はゆっく
りマリ子を攻め落とす作戦のようです。
「適当に抱かれると良いわ、店に来てもあの調子でしょう
あまり焦らせて、店で暴れると、他のお客に迷惑をかけることになるわ
抱かれると、しばらくは優しいし、お金も時々くれるわよ
実を言うとね・・、私達も・・ね、月に何度か交替で抱かれているのよ
ね、だから・・、その気になったら、いつでも店を出ていいから、
近くのホテルへ車を飛ばすと良いわ、ホテルの名前を教えておくわね」
ママはそのホテルの名刺を真理子に手渡しました。ママも、雛子も、佳代子も、
その男には時々抱かれていて、真理子にも早く抱かれなさいと、言い出してい
ます。
ママからこの話を聞いて、お触りだけではその組員に到底対抗できないと真理
子は感じています。次に彼が現れた時は、多分その次のステップまで許すこと
になると真理子は覚悟しました。この店では、ごく親しい常連客だけに許され
た特別サービスがあり、真理子はまだ誰にもそのサービスをしたことが有りま
せん。
夜遅くなり、店内が常連客だけの世界となると、店内は急に淫靡な雰囲気にな
り、ホステスたちのひそやかな呻き声が静かな店内に流れ始めます。ここに勤
め始めた最初の日に、二人のホステスが親しい常連客の男根をボックス席で頬
張るのを真理子は見ました。男を知って十分成熟したと思っていた真理子でした
が、佳代子と雛子の行為は思いもよらない衝撃的なものでした。
これがママの言っていた「もう少しここは乱れるのよ、その覚悟はしていてね」
の実態だと気がつきました。不思議に嫌悪感は沸きません。むしろ、自分も機
会があればそれをやってみたいと真理子はその時思いました。
「嫌だったら、やらなくてもいいのよ、私は好きでやっているのよ・・・・、
雛子さんは凄いわよ、誰でも咥えるのよ、だから凄い人気よ
彼女は一日で10本以上咥えているわ、フフ・・・・
私は、よく店に来てくれるお客の中から、気に入った人を選んで、
3日に一度か二度やるわね、どうしても決まった人を選ぶわね」
カンバンになった後、佳代子がこっそり真理子に教えてくれました。
その日、アパートに戻って、その場で真理子は男に抱きつき、男のものを畳の上
でしゃぶりました。佳代子たちが客の男根をおしゃぶりする姿を見た真理子は店
にいるときからたまらなく興奮して、欲情して、全身が震えだす思いでアパート
までじっと耐えてきたのです。真理子は大きくなった男の上に、濡れた亀裂を押
し込んで、消え入りそうな悲鳴を上げています、股間に男の塊を受け入れてやっ
と体の震えが止まりました。
その日も、その組員が現れました。この男が真理子のところに通い始めて、5度
目の訪問です。今日、この男ははじめから積極的です。男の様子を見て真理子も
覚悟を固めています。今日はおさわりだけでは済みそうもない男の様子です。
客がまばらになった深夜近く。組員は狭いフロアーでダンスをしながら、キッス
をしたり、スカートの下に手を入れて、そこを擦りたて、散々に真理子を刺激し
ています。真理子は迷惑そうな素振りを見せながらも、かなり興奮していて、滴
るほどに股間を濡らしています。真理子の低い喘ぎ声が聞こえます。
男が真理子の体を180度回転して、後ろから抱き締めて踊り始めました。男の
右手が真理子の胸に、左手が股間に有ります。男の右手がゆっくり動いて、真理
子のタンクトップを下に下ろしています。肩紐のないシャツは簡単にはがされて、
真理子のタンクトップは腰の辺りまで引き下げられました。
両乳房が完全に露出しています。その乳房を男が後ろから手を伸ばしゆっくり揉
み上げています。股間に伸びた左手がスカートを持ち上げ、Tバックショーツの
ボトムを横にずらして、その指の先端が亀裂の中に少し入り込んでいます。その
指がゆっくり動き真理子の亀裂が男の手で擦られています。
抵抗していた真理子の体から急激に力が抜けて、きつく締めていた両足をゆっく
りと開いています。男の指が二本とも深々とそこに入り込み、激しく動き始めま
した。真理子の呻き声が高くなり、男が仰け反った女の首から耳の裏に唇を這わ
せています。
真理子の事件(20)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/04 (金) 14:28
真理子は首を後ろに仰け反らせて、男の肩に頭を載せて、顔をしかめて、湧きあ
がる快感にじっと耐えています。上半身裸で、スカートを腰の辺りまで巻き上げ
られ、十分に開いた両脚の付け根で、ショーツの小さな布の部分が、横にずらさ
れて、暗い陰毛に飾られた亀裂がむき出しになっています。そこから湧き出た愛
液が男の指を十分に濡らし、音を立てて床に落ちています。巧みに動く男の指に
サーモンピンクの膣壁が絡みついて、淫らにその姿を大陰唇の上に現しています。
真理子からほんの一メートル離れたところ、カウンターに面した椅子に座った男
が三人、後ろを振向いて、じっと真理子の姿を見ています。カウンターの中のマ
マも真理子を見ています。真理子の後ろにはボックス席が3台有り、一台目の席
に雛子と二人のお客、次のボックス席に加奈子と一人のお客が居て、全員が真理
子を見ています。
真理子は全員の注目を浴びて、露出した股間に痛いほどの視線を感じています。
見られることがこんなに刺激的で素晴らしいことだとは今まで真理子は気がつき
ませんでした。
店内の視線が集まる真理子の股間が視線を感じて焼け付くようになり、真理子は
それだけで逝く気分です。もう恥かしさは有りません、もっと、もっと見せたい
気分です。真理子は自然と両脚を開いています。
恍惚の表情を浮かべて真理子が腰をゆっくりグラインドを始めました、それに合
わせるように、男が右手で真理子の片脚をゆっくり持ち上げました。腰の位置よ
り高く脚が持ち上げられました。真理子はもう嫌がらないで、むしろ積極的に脚
を持ち上げて、その部分をいっぱいに露出しています。左指が挿入された亀裂が、
さらに鮮明に見えます。男が一気に左指のピッチを早めて、クリを激しく擦り始
めました。
真理子は近くにある椅子の背に右足を置いて、脚をいっぱい開いて、体をくねら
せて、悶えています。股間から愛液が音を立てて、ぽたぽたと床に落ちています。
「ああ・・・・ん、ダメ・・・・、そんな・・・、恥かしい・・・・
ああ・・・・ん、ねえ・・・、加藤さん・・・ああ・・ん、ダメ・・・」
真理子は体を後ろに倒し、全身を加藤に預けて悶え始めました。
「もうダメ・・・・、加藤さん、来て・・・、入れて・・・」
その叫びをかろうじて飲み込んで、真理子は手を後ろにまわし、男の股間を弄って
います。男がその気になって肉棒を出せば、その場で、皆に見つめられながら、そ
の黒い肉塊を膣の中に真理子は確実に受け入れるでしょう。
男の膨らんだ股間が真理子の臀部を圧迫していて、真理子はそれをズボンの上から
強く掴んでいます。男は極大に膨張していますが、それを出すことをためらってい
ます。一般的に男は裸体を人目に曝すことを嫌います。この場合も、組員は真理子
の局部を全開しておきながら、自分のものを曝す勇気が有りません。先端から透明
な汁が出るほど欲望は限界近くに高まっているのですが、肉棒を曝して挿入を果た
すことは出来ません。ただ、ズボンの中の塊を真理子の手に委ねて、ジンワリと精
液を滲ませています。こうなると男はだらしが無いとしか言いようが有りません。
カウンタ席に座っている3人のお客が、じっと真理子の乱れた姿を楽しんでいます。
ボックス席にいる客たちも側にいる佳代子や、雛子を攻める手を止めて、真理子を
見ています。もう、店内の誰からも真理子の亀裂と暗い陰毛を見ることが出来ます。
殆ど全裸を曝し、片足を高々と上げて、股間を男の指で辱められて悶える真理子は、
背中に居る男と股間を結合しているように見えて、店の男達には妖しくて、美しい
絡みがそこで展開されているように見えます。
ママも、二人のホステスも、淫らであるはずの真理子の姿が同性の目にもなぜか透
明な美しさをかもし出しているのを不思議な気分で見つめています。
「加藤さん・・、もうダメ・・、そんなにしたら、
私、立っていられない・・、ああ・・・ん、堪忍して・・・
ねえ・・、ボックス席に連れて行って・・、お願い、ねえ・・・・」
男は真理子を抱き上げ、奥のボックス席に向かいました。
真理子が十分に男達の股間を刺激して観衆の視界から消えると、店内のお客たちの
欲望はグーンと上がりました。照明の明るさをさらに落とした店の中はさらに淫靡
な雰囲気が深まりました。あたりに真理子が残して行った、官能臭が強く匂ってい
ます。
もう、乱れているのは真理子だけでなく、二人のホステスもボックスシートで客た
ちとほとんど全裸になって戯れています。二人の女は乳房やそこを直接愛撫され、
若い佳代子の高い嬌声に混じって、雛子の低い喘ぎ声が聞こえます。猫が水を飲む
ような淫水の音もその喘ぎ声に重なり合っています。
真理子の事件(20)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/05 (土) 12:31
雛子は両側に二人の男を侍らして、一人の男の唇に乳房を与え、もう一人の男に
唇を与えて、両脚を大きく拡げて、既にショーツが男達の手で取り除かれて、二
人の指が彼女の亀裂と臀部を攻めているのが良く見えます。
人目から隠れた席に戻った真理子の男は女のスカートを捲り上げ、ショーツの股
間を細く絞って、それを亀裂に埋め込ませて、それを引っ張りながら、真理子の
陰部が歪んで止め処なく愛液を垂らしている様子を詳しく女に説明しています。
その声が、店内に響いて、店の皆が真理子のそこを見ている気分になっています。
「加藤さん・・堪忍して・・・、もうたまらないわ・・・、ダメになりそう・・
あああ・・・・・・、そんな・・・・、ああ・・・我慢できない
ほしい・・・・、欲しい・・・・、ああ・・・ン」
真理子は顔をしかめて、肩で息をして、興奮して、かなり大きな声で、ここでは
絶対言ってはいけないことを口走っています。
男がジッパーを開いて、十分大きいものを引っ張り出しました。これからは真理
子にとって初めての経験です。それでも、真理子はためらわず、それに手を添え
てゆっくりと両手で絞りたて始めました。陰水焼けしたその肉棒は、なめし革の
ような光沢を放っていて、静脈が見事に浮き出ている業物です。太さも長さも
ちょうど良い食べごろサイズです。真理子は先端から出ている透明な液を手に移
してそれを肉棒に塗りこめて、肉棒をもみあげ始めました。
真理子の手の中で、組員のものが極大に成長して、亀頭がダウンライトに光って
います。男が何かを囁いて、真理子が頷き、ゆっくりと顔を寄せて、それを口に
含みました。強い匂いも、味も有りません。石鹸の匂いが少しする程度です。そ
の男は肉棒をいつも臨戦態勢に保つことに努力しています、トイレに寄るたびご
とに丹念にそこを石鹸で清めて清潔にしているのです。真理子が組員のものを
しゃぶる淫靡な音が店の中に響いています。
隣のボックス席に佳代子とお客がいて、お客が真理子のおしゃぶりの音に気がつ
いて、物欲しげに自分の肉棒を佳代子に見せています。佳代子は乳房を露出して、
ショーツをはぎ取り、そこをお客に解放していますが、その客にはオーラルの
サービスをする気がないようで、ただ笑って肉棒を手でしごき始めました。お客
はあきらめて、濡れた佳代子の股間に手を伸ばし擦りたてています。
もう一つのボックス席にいる雛子は体を横にして、一人の男のものを咥え込み、
股間をもう一人の男に触らせて、うめき声を上げています。
カウンター席に居る三人の客たちが、ママに同じことをして欲しいと冗談交じり
でねだり始めています。ママは笑って適当にあしらっています。それでも真理子
の成り行きが気になるらしく、ママは時々そちらをチラチラ見ています。
組員がそれ以上の行為を仕掛けたら、水でもぶっ掛ける覚悟でいます。ママは店
内での挿入はさせない方針です。一度でもその実績が出来ると、雪崩のように淫
乱な行為が店内に広がることをママは知っています、そのことが原因で店をたた
むことになった仲間を幾人か知っています。出来ることなら、軽いお触りを楽し
む程度の、もう少し落ち着いた店に戻したいとママは思っています。
真理子は男が言うままに男根を口にして、絞りたて、吸い込んで、遂に男が低く
呻いて精液を放出させるところまでサービスしました。隼人と過ごしたわずかな
新婚生活でオーラルセックスを十分経験した真理子です、喉の奥を打つ精液にも
それほど驚きません。この男の液を飲み込むのは次の機会にする計算を働かせて、
真理子は精液を唇から垂れ落としながら、洗面所に消えました。
ママがそんな真理子を笑顔で見送っています。雛子が男根を絞りたてる淫靡な音
が店内にまだ響いています。雛子は一滴残らず精液を飲み干すことで客の人気を
集めています。
その日、カンバンになり、店を出てゆく組員を見送りに出た真理子を、その男が
近くの駐車場まで強引に連れて行こうとしています。
「ああ・・・ん、加藤さん、待って、この格好では外へ出られないのよ
ああ・・ん、待って・・、もう・・、痛いわ・・、
ねえ、付いてゆくから、手を離して、痛いわ・・、
ママ・・・、後で戻ります・・・、私の服はそのままにして置いてください」
真理子は中途半端な気分で、男に手を引かれています。真理子と一緒に見送りに
出た春子ママは、男に手を引っ張られて駐車場に向かう真理子がそれほど強い拒
否反応を見せていないのを察して、男の行為を止めようとしません。この機会に
その男に抱かれるのも良いと思っているようです。
店にいるときから激しく股間を攻められ、踊りながら殆ど裸に剥かれて大勢の客
の前で亀裂を曝し、そこを男の指でいいように弄ばれ、皆に見られることで異常
に高まった真理子はその瞬間、その場で中に男を受け入れても良いと思いました。
男がそれを出来なかったのが真理子にとって幸いだったのか、それとも、残念な
ことであったのか、真理子の気持ちは判りません。
ボックス席で真理子は男の肉棒をしゃぶり、男の体液を口の中に受け止めました。
もう、体中に男の匂いが染み付き、燃え上がった体はその男に抱かれることを望
んでいます。男に手を引かれながら、そのまま連れてゆかれても、仕方ないと真
理子は思っていて、駐車場で男が真理子の唇を奪い、腰に手を回すと、真理子は
体の力を抜きました。女はもう体の要求に抵抗できなくなっています。
真理子の事件(22)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/07 (月) 07:08
前回のタイトルが「・・・(20)・・」となっています。「真理子の事件(21)、
寺崎探偵事務所物語」が正です。訂正してお読みください。
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男が真理子を引っ張って行った駐車場は、通りから少し離れた店の裏にあり、真
理子たちのいる場所までは街灯の光も十分届いていません。店の前に立つと、か
ろうじて人物の動きが判別できるだけで、通りから見ると男女の区別もつかない
ほどです。ママは二人がそこで抱き合っているのを見て、それでも心配そうに二
人を見ています。
男が唇を貪りながら真理子の股間に手を伸ばしショーツを脱がせています、真理
子は男の首に両腕を掛けて、しがみ付き、唇を貪りながら、脚を上げて男の作業
に協力して、その後、その脚を絡ませて露出した亀裂を男のズボンに摺り寄せて
います。男のズボンが愛液で見る見る内に濡れて、男は大腿部にべっとりした
感触を感じて、そこに女の性器がこすり付けられているのを男は感じ取っていま
す。男が亀裂に素早く指を入れて、そこを乱暴にかき回し始めました。
「ああ・・・ん、いい・・・、もっと、つよく・・・、オマ○コが良い・・
欲しい・・、貴方が欲しい・・・、我慢できないわ・・・・
ここで、このまま、ここで入れて・・、ああ・・・ん、ムム・・・、そんな・・
もうダメ・・・チ○ポを、チ○ポを入れて・・・」
股間をメチャメチャにかき回されて、真理子はカーとなって、もう何も見えなく
なり、何も考えられなくなっています。ただ男の肉棒をその中に入れることしか
考えていません。股間から高い破裂音が出て、愛液がドーとあふれ出ました。
人影がない暗がりであることを幸いにして、男が黒い肉棒を取り出し、真理子の
体を車に押し付けて、その先端を真理子の亀裂に触れさせました。真理子はさら
に大きく股を開いて腰を前に押し出しています。真理子の亀裂が肉棒の接近を
知って、いっそう蠢いて、愛液をピュッ、ピュッと迸らせています。
男のズボンがその愛液でヌタヌタに濡れています。男の亀頭が真理子の亀裂に半
分ほど吸い込まれました。真理子が車のボンネットに乗り上げるようにして背中
から倒れこみ、両脚を男の腰に絡めています。真理子の亀裂は肉棒の先端を確実
にくわえ込んでいます。
「ああ・・・ん、いい・・・、入れて・・・、グッと、グッと入れて・・・ェ」
真理子はたくましい感触を股間に感じて、眼を閉じ、そこに意識を集中していま
す。このまま肉棒が進攻すればその男が真理子の二人目の相手になるはずでした。
「ああ・・ん、ダメ・・、抜かないで・・・エ、入れて・・・エ」
男根の先端が、そこからヌルリと抜け出しました。真理子が高い拒否の声を上げ
ています。同時に真理子を抱いていた組員が悲鳴を上げて、地面に倒れこみまし
た。
いつものように真理子迎えに来た真理子の男が、二人の光景をじっと見ていて、
二人が夢中で抱き合っている内に近寄り、あっという間にその組員を殴り倒した
のです。組員はその鋭い一撃で戦闘意欲をなくして、露出した肉棒の先端から液
を垂らし、口から血を滴らせながら、逃げるように車に乗り込み、凄い勢いでそ
の場から車をスタートさせました。
何が起きたのか真理子は十分理解出来ないで、ぼーと立っています。彼女の足元
にぐっしょり濡れた黄色のショーツが落ちていて、仕事着のマイクロミニは完全
に腰まで跳ね上がり、肉棒の先端を少し味わった亀裂が物欲しげにサーモンピン
クの舌を出して、絶え間なくよだれを垂らしています。タンクトップのシャツは
腰まで下りて、上半身は裸です。
女の肩を真理子の男がゆっくり抱きしめ、シャツを引き上げ、まくれ上がったス
カートを下ろしています。ようやく事態が理解できた真理子は、組員の手から逃
れられた安堵感と、行き場を失った情欲の悶えに耐えかねて、夢中で男の唇にむ
しゃぶりついて、泣きながら勢い込んで、それを貪っています。
真理子の股間から愛液が激しく湧き出しています。男は黙って真理子を抱きしめ
ています。
「貴方来てくれたのね・・、うれしい・・、抱いて・・・、強く・・・
無理やり車に連れ込まれて・・・・、私もうダメだと思ったわ・・・」
真理子は組員にここまで連れてこられ、抱き締められ、自分から股を開いて挿入
されたのを、男が見ていたことを知り、奇妙な陶酔感を味わっています。あのま
ま深く挿入され、狂いだすところを男に見られていたらと、想像するだけで真理
子はまたたまらなく興奮してきました。
女が露出した股間を強く男の脚に絡ませています。男が真理子の腰を強く抱きし
めました。男の股間が完全に勃起しているのを真理子はズボンの上から感じてい
ます。真理子はそこに手を伸ばし、それをつかみ出しました。ばね仕掛けのよう
にそれが外に飛び出してきました。
男の手が濡れた亀裂に挿入されています。女の手が肉棒を激しく絞り込んでいま
す。二人は抱き合って、低い唸り声を出しながら互いの性器を激しく刺激しあっ
ています。真理子が低い悲鳴を上げて逝き、男の腕の中で、ぐったりしました。
男は優しく真理子を抱きとめ、何事か囁きながら、真理子を支えるようにして
ゆっくりとその場から離れてゆきました。
春子ママが店の入り口に立って、二人の様子をじっと見ていました
真理子の事件(23)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/07 (月) 22:22
翌日、いつもの様に、真理子が迎えに来た男のバイクの後に乗ると、そのタイミ
ングを計っていたように近くに止まっていた黒塗りの乗用車が、ヘッドランプを
真理子たち二人に向けて照射して、かなりのスピードで近づいてきて、バイクの
進路を阻むように、急停車しました。
舗装していない駐車場の中で、もうもうと砂煙が舞い上がって、その中で真理子
が高い悲鳴を上げています。真理子の男はその襲撃を予想していたかのように落
ち着いて、バイクのエンジンを切り、真理子を抱き抱えるようにバイクから下ろ
しています。
黒塗りの乗用車から4人の男が降りてきました。昨夜、真理子の亀裂に亀頭の先
端を挿入して、これからという時に殴り倒されて逃走した加藤が仲間を3人連れ
て、二人の帰りを待ち伏せしていたのです。
「昨夜、真理子がお世話になった方ですね、確か、加藤さんと真理子は言ってい
ましたが、今日はまた、大勢で何事ですか・・・、そうですね・・・・
ここでは人通りが多いので、よろしければ、あちらの公園に行きませんか・・・、
そうですか、ありがとうございます・・・、
では案内しますよ、車とバイクはここに置いて行きましょう」
真理子の男は身長180センチほどで、その身長がそう高く見えないほど、十分
に筋肉を蓄えた体躯をしています。出来る相手であれば、その構えや対応を見て、
その男の隠された能力を見抜けたはずですが、その男を襲った4人はそれほどの
男達ではありませんでした。
人気の絶えた公園に4人を誘導して、男が広場の中央に立つと、組員の一人、中
でも一番の大男が、声を上げて、体力に任せて、しゃにむに突進してきました。
真理子の男は良い体をしていても、峠を過ぎた50男だと見下して、その大男は
30代の体に自信をみなぎらせて突進してきました。
真理子の男は、突進してくる大男を避けないで、顎に見事なカウンターパンチを
入れました。鈍い骨を打つ音がしてその大男はその場に悶絶しました。顎の骨が
一部折れた音です。
それで止めておけば良かったのですが、能力のない組員たちはまだその男の力が
計れなかったようで、二人が同時にこぶしを振りかざして、殴りかかりました。
その男がゆっくり体を動かすと、二人の拳が男の目の前で空を切り、二人がそれ
に気が付いた時、彼らは腹部に痛撃を食らって、そのまま跪きました。多分息の
止まるほどの激痛を二人の組員は感じたはずです。
あっという間に助っ人の三人が倒されて、真理子を追いまわしていた加藤は慌て
て、ポケットからナイフを取り出しました。こんなところで、素人を相手にナイ
フを取り出せば、組の幹部からそれこそ、命に関わる制裁が有るのですが、その
ことも忘れるほど興奮しています。
真理子の男は慌てず、ぼうっとして立っています。一見、ナイフを見て足がすく
んだように見えます。加藤がそれでも、本気で刺すつもりのない一撃を男の腹部
に軽く出しました。その瞬間、男の体が加藤の視界から消えて、気が付いた時は、
ナイフを叩き落され、顎の骨が砕ける音がして加藤はその場に悶絶していました。
真理子がほとんど恐ろしさを感じる間がないほどの全てが一瞬の出来事でした。
加藤のナイフを見た時、凍りつくほどの恐怖を感じましたが、辛うじて悲鳴を押
さえ込みました。
男は広場に蹲ってうめき声を上げている4人の男達に見向きもしないで、真理子
の肩を抱きしめ、その場に背を向けて、バイクの場所へ向かいました。男に肩を
抱かれて、やっと恐怖を感じ始めたようで、真理子ははっきり判るほど体を震わ
せて、恐ろしさに耐えられない様子で、男の肩にすがって泣き出しました。
男がやさしく真理子の背中をさすっています。幸いその日は、男は非番でしたの
で、男と一緒に部屋に入り、優しく愛撫され、いつものように鋼鉄の塊を股間に
受け入れるまで、真理子の震えは止まりませんでした。
この事件は、当事者の組員以外は組の少数の幹部と真理子から事件の概要を聞か
された春子ママが知っているだけで、表沙汰になりませんでした。組の幹部は、
その男に関する情報を以前から持っているらしく、男が並みの者でないことを良
く知っていました。
「お前たち、殺されなかったのが儲けものだよ・・・・、
お前たちが何人かかっても敵う相手ではないよ、
どうしてそれが判らないのだ・・・、これに懲りて手を出すなよ」
これ以上真理子にも、あの男にも一切手を出すなと組の幹部は組員に厳命しまし
た。真理子を追い回し、果てはナイフを取り出した加藤の姿を見たものは、その
日以来誰も居ません。
組員がこの店に顔を出すことは前より増えました。あれだけの事件ですから、
薄々加藤の事件を、組員たちは知っていて、真理子を見るために顔を出し、何度か
通っている内に店の雰囲気が好きになり、数人が常連になりました。その中には、
かなり上の幹部も居るようですが、無理難題を言わず、綺麗に遊んでいます。
この事件以来、真理子は店内ではおしゃぶりは勿論、亀裂への指の侵入もよほど
のことがない限り拒否することにしました。真理子の気が向かない限り、お客は
お触りも自由に出来なくなったのです。ところが、真理子のスケベ心が動くと、
お触りどころか亀裂への指の進入も自由に許し、時には、フロアーでオナニーさ
え見せてくれることが有ります。こうした、真理子のわがままな対応が男達のス
ケベ心を刺激したようで、前にも増して真理子は店内でモテモテです。
雛子のように好色な様を恥らわずいつでも見せてくれる女を贔屓にする一方で、
お触りさえ度が過ぎると拒否する真理子を許して、女のわがままを受け入れて、
女が欲情するまでじっと待っているのです。
助平な男達の気持ちは良く判りません。ベテラン春子ママにして、「お客様の
心は、判らないわ」と言わせる所以です。真理子の人気が上がったことで、春
子ママは以前にも増して真理子を可愛がるようになり、そして真理子の後ろに
居る男の恐ろしさを知っているママはどんなに大切なお客から求められても、
強要して真理子に客を取らせることはしません。こうして、この店での真理子
の居心地はすっかりよくなりました。
そして、春子ママは思い切って、以前から考えていたことを実行に移しました。
真理子のお客対応に教えられて、決行することにしたのです。マイクロミニを
止めて、それぞれ女の子に好みの衣装を着けさせることにしました。お客たち
が女の子の股間に手を入れてくるのは以前と変わり有りませんが、長いスカー
トの裾を掻き揚げて、手を入れるスリルが、マイクロミニより上だと言う通人
もいて、お客たちの反応は上々です。
店内はママの希望通り、落ち着いたお色気サービスを求めるお客も戻ってきま
した。
真理子の事件(24)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/11/08 (火) 11:35
6、 8年前の事件
真理子が中学三年生の時、その事件が起きました。当時、真理子一家は祖父の弥
助、父母、そして真理子の4人で、銀座にある店舗の2階に住んでいました。
弥助は藤村家の5代目で、彼の時代に浅草からこの銀座に進出して、現在の藤村
宝石店の基礎を彼が作り上げました。
真理子の父、与一は藤村家の番頭だったのを弥助が見込んで、一人娘佳代の婿に
迎えて、藤村家の6代目に据えたのです。与一は真面目一方で、弥助はその真面
目すぎるところが多少不満でしたが、弥助が作り上げた店を無難に維持していく
には、彼のような人物が最適だと弥助は判断して、婿に迎えることにしたのです。
それでも時として、弥助は婿の商才無さに激怒して、従業員の前で、強くしかり
つけることも有り、そうしたことが長年続いて義理の父を尊敬しながらも、与一
の中では弥助に対する悶々とした反抗心が鬱積して行ったのです。
世紀末のどんよりした世の中に嫌気がさし、21世紀に人々が期待をかけていて、
いよいよ新世紀がスタートしたものの、それが期待はずれで、相変わらずの不景
気が続き、やはり新世紀への期待などは空しい希望かと諦め始めた頃、それが今
から8年前の日本の姿です。
その頃わが国は不況のドン底に居て、町には離職者が溢れ、老舗の藤村宝石店と
いえども苦しい経営を強いられていました。一時は10人以上居た従業員を3人
までに減らし、佳代夫人も店頭に立って一族総がかりで店を支えていました。
ある日、H・ミカロスと名乗るコロンビヤ出身のデイーラがエメラルドを持って
店を訪れてきました。今まで取引がなかった商人です。
十数点の石を見て、ミカロスの商う商品はしっかりしたものだが、全体に小粒で、
藤村宝石店が探している物は無いと見当が付き始めて、弥助が商談を打ち切ろう
としたその時でした、ミカロスが弥助の心を見透かしたように、にっこり笑いな
がらカバンから最後の品を取り出し、それを弥助、与一の前に出しました。
それを一目見た時、弥助と与一の目が光りました。その頃、藤村の店と古くから
取引しているお屋敷の令嬢が結婚することになり、その相手であるIT企業の社
長が金には糸目をつけないので、世情で話題になるほどの宝石を手に入れて欲し
いと、都内の宝石店に声をかけていて、当然藤村宝石店にも真っ先に声がかかっ
ていました。いわば、同業者の間では、これは密かなコンペになっていて、世界
市場の有名な石に、日本の宝石店から全て打診があったと囁かれているほど、や
や過熱気味のビジネスになっていました。
ミカロスが持ち込んだ石は、80カラットを超える超大粒のもので、濃いグリー
ンの中に夢のような白線が浮かび上がるエメラルドキャツアイです。これほどの物
が、無名のまま存在したことに、弥助も与一も驚きと興奮で声が出ないほどでし
た。
弥助や与一のようなベテランになると、世界市場の何処から流れて来ても、これ
ほどのものであれば一目でその石の出所と名前を言い当てることが出来ます。し
たがって世界の主だった宝石商が関与する市場にはこの石は存在しないはずで、
彼らの知らないところ、この石は密かに産地から流れ出したものと二人は考えま
した。ミカロスがエメラルドの世界的産地であるコロンビヤ出身であることも、
この石の神秘性を裏付けていました。
ミカロスは二人の反応を満足そうに見ながら、他の店からも引き合いがあり、藤
村で買い取るつもりがないなら、そう言ってくれと、藤村の足元を見たものの言
い方をしました。この石に関しては、日本の業界はそういわれても仕方がない、
売り手市場なのです。
一日待って欲しいと弥助が頼み込むと、1%の手付金、100万円を預かりたい、
それであれば、藤村を信用して丸24時間待つとミカロスは言いました。24時
間後に藤村側の事情で商談不成立になれば、その半額がミカロスのものとなりま
す。
バブル最盛期の頃は、1億の宝石を扱うことはそれほど珍しいことではありませ
んでしたが、今ではこれだけの取引は藤村宝石店でも年に一度有るか無いかの大
取引になります。弥助は、しきりに眼で合図する与一を無視して、現金を準備す
るように佳代に指示しました。
金が銀行から届き、ミカロスが、手付け契約書にサインをして、宝石を藤村が
24時間預かることになり、保険屋が呼ばれ、万一の盗難保険も掛けられました。
そうした契約書作成手続きのため、多少時間がかかるため、ミカロスとそのお供
の三人は、鄭重に店の奥に案内され、そこで茶菓の接待を受けました。ミカロス
の二人のお供は、一人はパブロと呼ばれている明らかに用心棒と思える屈強な体
をしたコロンビア人の男と、もう一人は日系二世の通訳で、山中和美です。
彼は母親がスペイン系コロンビア人で、父は現地に駐在していた日本の商社マン
です。180センチを超える身長で、風貌は母親譲りのスペイン系のもので、彫
りの深い顔、父譲りの漆黒のストレートヘヤー、そして黒い瞳で、藤村に勤めて
いる女店員たちが熱い目で見るほどの美貌の持ち主です。
保険の査定と、契約書の準備のため、結果として、ミカロスたち三人は一時間以
上この店に止まることになりました。山中が大きなカバンを肩から下げていて、
ミカロスの契約が終わるのを待っている間、店の中を歩いている時も、それを片時
も放さずにいました。普通の人であれば異常な光景ですが、誰もそれを不自然と
見咎めませんでした。宝石を取り扱うバイヤーは原則として、カバンを肌身から
離さない習慣で、中には手首とカバンを手錠で固定していることも少なくありま
せん。
24時間の仮契約と保険の契約が終わり、現金と宝石が交換された時は、すでに
閉店時間を一時間以上過ぎていました。ミカロスを店先で見送り、弥一と与一は
あたふたと店を閉めて、取るものもとりあえず、預かった宝石のケースを開けま
した。
「お父さん、奇跡ですね、本当に、これが我々のものになるのですか」
「うん、凄いね、『アジアの明星』を扱って以来の大物だね、実に美しい・・」
二人の宝石商は、時の経つのも忘れたようにその深いグリーンに見惚れています。
佳代が、夕食の寿司を持って表れても、それに手をつけようとしないほど二人の
男は、その石に魂を奪われています。
真理子の事件(25)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/10 (木) 22:01
翌日、弥助と与一はお屋敷を訪ね、あのキャッツアイをお客様に披露しました。
弥助の期待通り、お客さんは大喜びで、婚約者の社長もその場に駆けつけて来て、
一目見てそのグリーンの輝きに虜となり、その場で買取を承諾しました。キャッツ
アイを花嫁衣装の冠につけ、結婚式の後、冠から石を取り外し、ペンダントに仕
上げる計画をお屋敷のお嬢さんは、楽しそうに弥助に話し、藤村の総力を上げて
それを仕上げることを弥助は約束しました。藤村宝石店の商談は大成功です。銀
行筋の了解も取りつけて、買付資金の準備も出来ました。
翌日、ミカロスは約束の時間になっても現れません。宝石は我が手に有るわけで、
弥助は多少の遅れは気にしていませんでした。
与一は口には出しませんが、嫌な胸騒ぎを先ほどから感じていて、弥助の許しを
得て、金庫から石を取り出し、しげしげとそれを眺めています。与一の不安をよ
そにそれは相変わらず妖しい姿を見せています。そのエメラルドグリーンの鮮や
かさ、透明さは、尋常ではありません。
「まるで人造エメラルドのように鮮やかだ」
そう呟いて、与一は、はっとして、そして見る見る内に血の気が引いて顔が蒼白
に変化しました。与一は足早に店内を歩き回り、人造エメラルドと天然物をかき
集め、検査室に篭りました。沈痛な面持ちで与一がそこから出てきたのはそれか
ら一時間後でした。
「お父さん、ミカロスは来ないと思います。あれは人造物の疑いが濃いです。
多分・・、いえ、人造ものだと断定できます」
ベテランの宝石商二人が、単純なトリックに嵌ってしまったのです。
商談の初めにあまり高価でない石をミカロスは何個か出しました。初めて取引す
るデイーラですから、与一は一つ、一つの石を丁寧に検査して、それを天然物と
判定していました。
かなりベテランの宝石商でも、天然物と人造の判断を誤ることがあります。それ
ほど最近は人造物の質が向上していて、表沙汰になることは有りませんが、有名
宝石店が時々人造物を掴ませられた話が業界で増えています。与一が慎重に検査
して、ミカロスの石は全て上質のものだと判定しました。こうして、弥助と与一
は次第にミカロスの扱う石は本物であるとの先入観を持つようになり、ミカロス
を信用してよい男と思い始めていました。
そして、最後に例の石をミカロスは取り出したのです。その石のあまりの見事さ
に心を奪われて、弥助、与一ほどのベテランでも、我を忘れてその石も当然天然
物と思い込みました。珍しい宝石を捜している二人には、そう思い込みたい背景
もあったのです。
こうして、彼らは、それを人造物と見破る最初で最後のチャンスを失いました。
ミカロスが商談の始にその石を出していれば、そんな石が市場で名もなく隠れて
いること事態不自然だと思い、与一は徹底して検査したはずです。
藤村宝石店は、手付金と保険掛け金のすべてを失い、その上大切なお客をしくじ
る大失態を演じてしまいました。弥助の宝石商としての誇りはズタズタに切り裂
かれ、一日で、すっかり老け込んでしまいました。気落ちして動けない弥助に代
わって、与一が大車輪で駆け回り、事態の収拾に努めました。実害が発生しな
かったこともあって、お屋敷のお客様は、今回の失態を水に流すと言ってくれま
した。これは与一の誠実な対応がお客様の胸を打った結果です。
ところが藤村の災難はそれだけではなかったのです。
真理子の事件(26)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/12 (土) 11:57
ところが藤村の災難はそれだけではなかったのです。
慌しかった一日が終わり、昼間の事件ですっかり疲れ果てた藤村家の人達は
言葉すくなく、通夜のような夕食を済ませて、その後は各々自室に早々と引きこ
もりました。
その夜、寝付かれない夜を悶々と過ごしていた弥助は階下から聞こえるわずかな
音に気が付きました、耳を澄ませると明らかに何者かが店内を歩いている音がか
すかに聞こえます。むっくりと起き上がり、時計が2時を指しているのを確認し
て、弥助は電話器を取り上げました。発信音が出ません。回線が切断されていま
す。弥助は携帯電話を使えません。
与一を起こそうと思い廊下に出ました。階下の物音はそこでは、よりはっきり聞
こえます。もう疑いもなく、誰かが階下の店舗に居ます、しかも一人ではないよ
うです。弥助は一気に緊張しました。
与一夫婦の寝室の前に立ち、弥助は扉をノックしました。返事がありません、扉
に耳をあて部屋の中の様子を覗うと、佳代の呻き声がします、夫婦が絡み合って
いる様子です。これでは階下の物音に気が付かないはずです。弥助はむしょうに
腹が立ちました。こんな時に何も絡み合う必要が無いのにと、妻を亡くして孤閨
が久しい弥助は、二人の睦み合う声に嫉妬すら覚えました。
一人で階下に行くことも考えたのですが、老齢で非力になっている弥助にはそれ
はあまりにも無謀です。与一を起こすのがベストです。階下の物音は既に仕事の
終わりを告げる様子で、低い人声さえ聞こえます。弥助は緊急の場合だ、後で何
とでも言い訳しようと思い、思い切って扉を開きました。
ベッドの上で佳代が、下半身を海老のように折り曲げられて、消え入りそうな悲
鳴を上げています。裸の男が激しく腰を動かしています。佳代は一声、高い声を
げて悶絶しました。大きく拡げた彼女の股間は、白い泡で覆われていて、それま
でに長く、激しい絡みを二人が続けていることを物語る風景です。股間の泡を押
しのけるようにして、驚くほどりっぱな肉棒が女の亀裂に打ち込まれていて、そ
の周りから新しい泡が沸き上がっています。
弥助は、想像していた以上に激しい二人のセックスを見て、一瞬たじろぎました
が、見てしまった以上仕方がないと開き直って、大きな咳払いをしました。
佳代の脚を開いて、それを肩に載せて、腰を激しく使っていた男がその声に気が
付いて振り返りました。ベッドサイドの淡いスタンドがその男の顔を照らし出し
ました。なんと、あのミカロスが佳代を犯しているのです。
驚いた弥助が眼を転じると、ベッドの側に自分のパジャマで手足を縛られ、
ショーツ一枚の姿で口にテープを張られて、与一が呻いていました。
弥助は全ての事情を悟りました。大声を上げて弥助がミカロスに飛び掛りました、
ミカロスの右手が鋭く振られて弥助は、一メートルも横に飛ばされて、その場に
倒れこみました。ミカロスが佳代から引き抜いた肉棒の先端から糸を引く愛液を
滴らせて、仁王立ちになって弥助を睨んでいます。弥助はもう戦闘意欲を完全に
失って、殴られた顎を擦っています。
ミカロスたちは、昼間の商談中に藤村宝石店内を十分調査して、セキュリティ・
システムの内容を調べ、その上、山中がカバンに隠し持ったビデオカメラで要所
を撮影していて、大金庫の合せ番号さえも読み取っていたのです。彼らの狙いは、
最初からこの店を襲うことでした。偽のエメラルドは取引中に人造物と判定され
ることを十分覚悟していて、それは店内を調査するため、時間稼ぎをする材料に
すぎなかったのです。偽物とバレた時の対応もしっかり準備していました。
ミカロスが商談中に山中とバブロが十分店内をチェック出来れば目的は達成した
ことになると思っていた彼らは、弥助があの石を本物と勘違いして、彼から保証
金を受け取った時は、あまりの好都合な展開に湧き上がる笑いを押さえるのに苦
労したほどです。
夜を待ってこの店に侵入して、先ず警報システムを解除、電話線を遮断し、次に
家人が携帯電話で外部へ連絡するのを防止するため、ミカロスが4人の家人を縛
り上げる役目を引き受けて二階に上がり、山中とパブロが勝手知った店舗の中に
入り、ビデオカメラに取り込んでいた番号を合わせて易々と大金庫を破って、店
の商品を根こそぎカバンに詰め込むことに成功しました。
真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/19 (土) 17:59
翌朝9時、出勤してきた従業員が、いくらベルを鳴らしても店舗の裏口が開かな
いのです。いつもは裏口のベルを鳴らすと、ビデオカメラで従業員の顔がチェッ
クされ、藤村家の誰かが直ぐにドアーを開いてくれるのですが、今日に限って誰
も応答してくれません。全従業員が3人揃ったところで、彼らは二階の居住区を
訪ねました。
不思議なことに玄関ドアーが半分開いています、一人の従業員が声をかけながら、
中に入りました、そのとたん彼女は悲鳴を上げて、腰を床に落としました。その
まま声も出さずに、指を奥に向けて突き出しながら、後ろにいる同僚を振向きま
した。二人の同僚が仲間の異常な姿を見て急いで玄関に入りました。二人は同時
に大きな悲鳴を上げました。玄関で血まみれの外国人が倒れているのを発見した
のです。誰の目にもその男がもう息絶えているのが判りました。
心配なのは主人家族のことです。家の中には全く人の気配がしません。最悪のこ
とも考えて、従業員の一人が勇気を奮って、眼を閉じて倒れている男のそばを通
り過ぎ、恐る恐る奥へ入ると与一夫婦の寝室からかすかな人声が聞こえて来まし
た。聞き覚えのある弥助の声です。その従業員は急いでその中に入りました。
そこに家族全員4人が縛り上げられていました。佳代夫人以外は怪我もなく、意
外に全員冷静でした。佳代夫人は前歯を折る重傷で、顔が少し変形をするほど腫
れて痛々しい状態でした。
当時の新聞は次のように伝えて、一面を飾るほどの大事件になりました。
「8月7日、早朝、銀座、藤村宝石店に三人組が押入り、店内に保管されていた
宝石類150点余、時価2億円相当の品が奪われ、容疑者は目下逃走中。藤村宝
石店の二階が藤村一家の住宅になっているが、その玄関で三人組の一人と見られ
るH・ミカロスの死体が発見された。
なお、店舗二階に住んでいる藤村一家は4人で、ここに住んでいる宝石店の藤村
与一専務の夫人佳代さんが全治2週間ほどの傷を負ったが生命の危険はない模様。
また、そのほかの家族は全員無事であった。
その日、出勤して来た従業員が藤村一家の応答がない異常に気がつき、店舗二階
の藤村与一社長(75)の自宅を訪ねたところ、玄関扉が半開きになっていて、
そこに、倒れている外国人を発見して、・・・・」
これが第一報で、各社当局の発表をそのまま載せていて、各紙とも同じ内容でし
た。その日の夕刊に第二信が報じられました。この時も各社とも当局の発表内容
を中心に紙面を作っていました。藤村一家は事件発生いらい当局以外との接触を
頑なに絶っていましたので、全ての報道機関は当局の発表内容を中心に紙面を作
る以外手がなかったのです。
「・・・藤村宝石店、藤村与一専務の証言で、侵入者の名前が判明した。
侵入者は三人組で、主犯格の自称宝石バイヤーH・ミカロス、ミカロスの仲間であ
るバブロと呼ばれる白人系の男、山中と呼ばれる日系二世の男で、三人はいずれ
もコロンビヤ国籍だと自称している。
三人は犯行の前日、藤村宝石店に商談を装って訪問し、その時藤村与一専務とも
面談しており、事件当日侵入者の顔を目撃した専務は彼らの犯行であると断定した。
H・ミカロスの死亡に関して、藤村専務を含む藤村家全員がそのことを目撃して
おり、専務の証言によると、宝石の分配で仲間と揉めて、H・ミカロスが突然ナ
イフを抜き、振り回し、仲間の山中がそれを避けようとしてもみ合いになり、
誤って山中がミカロスの腹部を刺した。山中とパブロはミカロスを残して、宝石
を持ってそのまま逃走、ミカロスは傷つきながらも仲間の後を追ったが、出血多
量で力尽きて、玄関で倒れた。・・・・・」
事件発生の三日後、逃走中のパブロと山中が、九州から韓国へ向けてフェリーで
出国しようとしているところを捕まれられました。宝石は全て、無事に藤村家に戻
りました。
パブロは5年、ミカロスを過剰防衛で刺殺した山中は同8年の判決が言い渡され、
彼らは上告せず、それで処分が確定しました。
事件が発生した最初こそ、全国版のトップを飾ったこの事件も、二人の処分が確定
するころは、地方版の中段で10行ほどの記事になっていました。
この事件を契機に、藤村一家は郊外に居を移し、店舗にスイス製の完璧な防犯シ
ステムが導入され、警備の全てが保安会社に委託され、夜間、藤村宝石店は完全
に無人になりました。そして、真理子も新しい居住地の高校へ進むことになりま
した。
そして、それから数年経つと、宝石店の近所にいる銀座の人々の記憶からさえ、
この事件のことは跡形もなく消え去りました。ただ、藤村家の人々にとっては、
いつまで経っても忘れることの出来ない事件となり、店主の弥助は、この事件以
来すっかり気落ちして、店に出ることも少なくなり、それから3年ほど後、他界
しました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/19 (土) 18:21
お待たせいたしました。
今後ともよろしくお願いします。
真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/14 (月) 21:07
全文削除しました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 TT 投稿日:2005/11/18 (金) 06:33
どうして削除されちゃったの? その後の投稿は? 毎日楽しみにしていたのに!
再開を望んで止まないのは私だけではないと思いますが
[Res: ] Re: 真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/18 (金) 22:53
書上げた内容を読み直した結果不満足で削除しました。
書き直して近日中に入れ込みます。
もうしばらくお待ちください。
[Res: ] 真理子の事件(27)、寺崎探偵事務所物語 なお 投稿日:2005/11/19 (土) 14:36
真理子が 今からどうなるのかドキドキしながら ここまで 一気に読んでしまいました。楽しみ待っています。
真理子の事件(28)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/20 (日) 18:06
7 それから一年
あの真理子失踪以来、もう一年近い歳月が流れています。真理子は小さな町の片
隅であの男と肩を寄せ合うようにして過ごし、単調ですがそれなりに幸せな日々を
過ごしています。あの男は人生で最高の幸せを味わっていて、この時間が永遠に
続くことを夢見ています。
いつまでも続く不況で、藤村宝石店の売り上げは低いレベルで安定して、回復の
兆しさえ見えません。店主の与一は真理子の失踪事件以後、急に年を取った感じ
で、深いため息をつくことが多くなりました。このまま売り上げが伸びないなら、
自分の代で藤村の店を閉じることも考え始めています。
一方、隼人はあの時以来、一時も真理子のことを忘れたことが有りません、しか
しそのことで自暴自棄になることもなく、外見上は殆ど変わりません。ただ、多
少無口になり、会社業務の中で憂さを晴らすように、がむしゃらに仕事に取り組
んでいます。彼の仕事は東南アジアへの輸出業務で、目下、半導体を中心にした
日本のハイテク製品がその地で品薄になっていて、こなしきれないほどの引き合
いや、注文が殺到しています。彼はその仕事に埋没して、新居に帰る時は、いつ
も12時過ぎで、それも相当酔っ払って戻ります。
真理子の荷物はあの日のままになっていて主の居ない部屋には、引っ越してきた
荷物がそのまま放り出されています。
真理子が失踪した当初は、真理子の両親や、彼女の親友のゆり子、久美子もここ
へ訪ねて隼人を力づけてくれましたが、最近ではこの家に寄り付きません。隼人
がいつもこの家を空けていることが多く、例え居ても、話し会うことがなくお互
いに辛い思いをするばかりで、自然と彼らの足が遠のいています。
直属の神沼課長だけには妻の失踪を隠さず話していて、課長は時々二人きりの時
に事情を聞いてくれますが、最近では報告する内容もなく、課長とその話をする
ことが隼人には辛くなっています。今日も、課長が同期入社の山田と一緒に飲み
に行かないかと誘ってくれ、山田が一緒であれば、真理子のことは話題にならな
いだろうと思って、隼人は二人に付いてゆきました。
三人とも酒豪で、飲み始めると、一ヶ所に止まり、とことん飲みます。酒豪三人
は互いに相手をけん制しながら、今晩、誰が先に倒れるかそのことを考えながら、
コップ傾けています。
「課長、先日、中部地方に出張で出かけた時、小さな町に泊まりました。
ほら、○○電気の工場があるところですよ、丁度、夏祭りに出くわしましてね、
決定的なものは撮れませんでしたが、それなりに、鄙びた祭りの風景は切り取れ
ました」
山田がカバンからカメラを出しながら、得意そうに説明を始めました。山田は独
身で酒の次に好きなのが、カメラで、街のスナップを撮るのを趣味にしています。
セミプロ級の腕で、何度かコンテストに入賞したことがあると隼人は聞かされた
ことが有ります。
さすがに良いカメラを数台持っていて、今日はいつも持ち歩いている一眼レフの
デジタルカメラを持っています。画素数が小型デジカメの倍近くあり、レンズも
交換できる本格的なもので、カメラに接続できるノートパソコンもいつも持ち歩
いています。神沼課長もカメラマニアで、二人でよく撮影旅行をしている仲です。
山田が撮影した祭りのスナップをノートパソコンのモニターに映し出し、なにや
ら専門的な用語を交えながら、二人は夢中で話し込み始めました。隼人はカメラ
の趣味が有りませんので、二人の話には割り込めません。見るともなくその画面
を見ています。さすがに良い腕で、モニターに映し出させる映像は、何の知識も
ない隼人が見ても、その画面に引き付けられるほどの魅力を持っています。
祭り衣装に身を固めた若衆に担がれた御輿が古い家並みを背景にして踊っていま
す。そこから祭りの歓声が聞こえて来ると思えるほどの迫力です。
次に投影された写真は御輿と古い家並みが画面の背景に有り、その映像に覆い被
さるようにしてぼやけた外人女性の上半身が写し出されています。青を基調にし
た浴衣を着て、ライトブラウンの髪をアップにまとめて、白いうなじを見せてい
る素晴らしいカットです。そのまま「日本の夏祭り」と題する絵にしたいほどの
傑作です。
「う・・ん、これは良い、これは負けたよ、
山ちゃん、これは、秀作賞確実だよ、このうなじの白さが生きているね
それに、この黒子、これがあるから、
この絵になんともいえない色っぽさを与えているよ
ここでカットすると、もっとこのうなじの白さが生きるね・・・・・」
神沼課長が唸るだけの写真です。課長の話を聞きながら、隼人はその外人の姿を
じっと見つめていました。あの黒子・・、うなじの黒子、どこかで見たことがある。
「山田、こ、この女の写真、もっとないか・・・、早く、早く見せてくれ」
凄い剣幕で、山田を問い詰める隼人を見て、神沼は何かを悟ったようで、山田に
代わって、パソコンを操作して、次々と画面を切り替え、あの女の姿を探してい
ます。パソコン画面いっぱいに、にっこり笑っている真理子が現れました。ライ
トブラウンに髪を染めて、髪をアップにしています。
真理子の事件(29)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/21 (月) 12:41
「あれ、この人、日本人だね、てっきり外人と思っていたのだが・・・」
少し酔いの回った山田が間の抜けた声を出しています。隼人の目から涙が流れ出し
ています。神沼が黙って、隼人のコップに酒を満たしながら、肩をぽんぽんと叩き
ました。隼人は神沼の顔を見て、顔をくしゃくしゃにしてその強い酒を一気に喉に
流し込みました。
「明日は、休みを取って、探偵事務所へ行け、金はあるか・・、そうか
よし、言っておくが、決して自分でここへ行ってはだめだよ、
真理子さんはきっと何か事情があって、こうして隠れているのだから
お前がそこへ直接顔を出すのは、今は危険だよ
明後日、いや、明日の午後、遅くなっても良いから、
探偵事務所から、真っ直ぐ会社へ来い、必ず顔を出すのだぞ
これは課長命令だ、それに今晩はもうこれで帰れ、ゆっくり休め
写真は、これから自宅のパソコンに送ってやるから安心しろ、
アドレスは・・、ああ山ちゃんがメモっているね」
山田がパソコンを操作して、10枚ほどの絵が隼人の自宅へ電送されました。
隼人は課長に抱きつき、泣き出したいのをじっと我慢して、課長の手を両手で
しっかり握って、課長を見つめています。神沼の目にもうっすら涙がにじみ出
ています。隼人の苦悩と彼の頑張りを一番近くで見てきたのは、神沼だったの
です。隼人の苦悩を知っている神沼課長は隼人の喜びと興奮を共有できるただ
一人の人なのです。
隼人は真理子をついに見つけました、少しやつれていますが、雰囲気はそんな
に変わっていません。浴衣を粋に着こなしているのが、何となく色っぽくて、
以前の少女のような雰囲気は消えています。隼人にとってはすこし不安ですが、
最悪の底辺まで落ち込んでいる様子では有りません。
この一年間、隼人は真理子の身に降りかかるいろいろな可能性を考えました、
眼を閉じると隼人の描く苦難の世界で真理子が一生懸命生きている姿が目の当
たりに浮かび上がるのです。隼人の描く世界で、どんな環境に置かれても、真
理子はいつでもけなげに現実と戦っていました。
ある時は風俗の世界に無理やり引き込まれて、夜毎たくさんの男達の慰めもの
になっているのですが、そんな中にあっても、真理子は真面目に男達に尽くし、
彼らを喜ばせ、彼らから天使のように慕われているのです。
真理子がどんな姿で隼人の前に現れても、彼の中ではそれは既に「想定内」の
事実として処理できるだけのシュミュレーションを何度も何度も繰り返してきて
います。そしてたとえ、彼の予想を超える姿で真理子が現れても、時間をかけ
て、愛の力で元の真理子に戻してみせる自信を隼人は深めていました。
離婚を考えたことは一度も有りません。それどころか、苦悩の中にいる真理子
を救えるのは隼人しかいないと強く思い込んでいるのです。それは純愛と呼ぶ
にふさわしい、青年のみが持つことが出来る女性へのひたむきな愛情です。
頭脳明晰で育ちの良い、世間知らずの青年だった隼人はすっかり変わりました。
1年近い苦悩の経験が彼を思慮深い、勇敢で物事の本質を見つめる眼を持った
大人の男に育て上げたようです。以前の隼人であれば、誰が止めても、直ぐそ
の夜の内に真理子の下へ走ったでしょう。しかし、今の隼人は課長の忠告を
しっかり理解して、少し落ち着いて考えると、そうすることが真理子のために
も、一番良いことだと彼は自分の感情を抑えることが出来たのです。
神沼が言うように隼人が直接真理子の前に現れることは非常に危険です、囚わ
れの身でない真理子自身が自分の意志で連絡もしないで一年近く、消息を絶って
いるのですから、そこには大きな秘密があるはずです。隼人が無理に彼女を
引っ張ると真理子は次の瞬間には、隼人の手が届かないところへ行って、もう
永久に隼人のところには戻って来ない可能性が高いのです。
密かに真理子の周辺を調査して、情報を集めることが一番大切だと隼人は考え
ました。今現在でも、何故、真理子が自分の意志で失踪したか、両親を含めて
誰も心当たりがないのですから、それなりの慎重な対応が必要になると隼人は
考えました。一つ間違った手を打つと、もう戻ることが出来ない深い淵に二人
とも沈み込む危険があると隼人は考えました。それでも理性では抑え切れない、
感情がふつふつと隼人の中に湧きあがってきます。
「真理ちゃん・・、会いたい・・、僕はどうすれば良いのだよ・・
何があったの、真理ちゃん・・、元気そうだね、僕は、僕は待っているよ・・」
パソコンのモニターの中で微笑む真理子に隼人は声を出して、語りかけていま
す。隼人はたまらなくなって、泣き出しました。神沼にも見せなかった大粒の
涙が頬を伝って、隼人の顎から机に滴り落ちています。そんな隼人を、モニター
中から真理子がじっと見詰めています。
翌日、寺崎探偵事務所を訪ねた隼人は、はやる気持ちを見事に抑えきって、寺崎
に事情を冷静に説明して、真理子に気づかれないように、写真の人物が真理子で
あるとの確認と、彼女の生活状況とその周辺を調査して欲しいと依頼しました。
当然彼女の周りに、男の影があると隼人は予測していましたが、それを口に出し
て調査依頼することはとても出来ませんでした。
隼人の依頼を受けた寺崎事務所は、その日の内に佐伯をその町に派遣しました。
狭い町ですから、その町に佐伯が着いてから一時間後には、真理子の住所も、勤
め先も、そして同棲相手の情報も彼は掴みました。
翌日、佐伯は真理子の勤めるスナック周辺、その男の勤務する駐輪所、そして真
理子に部屋を紹介した不動産屋などの聞き込みに回りましたが、目立った成果は
ありませんでした。
真理子を含めた数人の写真を見せて金融機関が貸し付けのため一般的な身元調査
をしていると佐伯は思い込ませたのですが、聞き込みに行った先で、皆が一様に
警戒していたことと、真理子自身が自分たちの秘密を外部に漏らしていないこと
もあって、彼女が何故この町に来たのか、同棲相手との馴れ初めなど、詳しい内
情は何も聞き出すことは出来ませんでした。
二人は仲睦まじい、働き者で、真面目な夫婦であると皆が証言しました。ただ、
かなり年が離れた夫婦で、真理子が人並み以上に優れた器量であるため、周囲の
人は、彼らが何か秘密を抱えて、ひっそり暮らしていると思っているようで、
そっとして置いてやりたいとの思いやりが皆の態度から感じ取れました。
佐伯は真理子とその男の後を就けて、10数枚のスナップ写真も撮りました。そ
して最後に、佐伯は、その男に駐輪所の職を紹介した「親切な男」を訪ねました。
その親切な男を真理子の男は「先生」と呼び、定期的に会っていることを聞き込
んでいたのです。
佐伯の持ち帰った写真と報告書を見ながら、寺崎はその報告書に書かれた内容に
何か引っかかるものを先ほどから感じています。この時間、佐伯も秋子も退出し
て、寺崎一人事務所に残って、先ほどから佐伯の報告書を眺めているのです。
真理子の事件(30)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/22 (火) 11:51
8 真 相
女が部屋を借りる時に使用した住所が真理子の実家のそれで有り、借りている部
屋の表札も山中和美・真理子となっており、女が真理子本人であることはほぼ間
違いなく、佐伯が撮った素顔のスナップを隼人が見ればさらに確信を深めるはず
です。これ以上の調査は、その女に面会して、それを確かめることですが、それ
は依頼主から固く止められています。佐伯のまとめた報告書を隼人に差し出せば、
彼の依頼事項を完璧にクリアして、この仕事は終わります。
その男から真理子を取り戻すのは隼人の仕事です。山中と呼ばれるその男は、以
前は問題があったようですが、今は、普通の男で、二人とも真面目に働いて、平
凡な同棲生活を送っているようですから、後は裁判でも起こして、離婚か、元の
鞘に納まるか協議すれば良いことです。探偵の出番は終わったのです。今回はU
の出番は無さそうだと寺崎は考えました。
いくら考えても、それ以上発想展開はしません、今夜は秋子の部屋に行くかと佐
伯の報告書を閉じました。そう考えると目に前に秋子の白い体が浮かび上がり、
急に下半身が緊張してきました。電話を取ろうとして、思い止まり、秋子を突然
訪ねて、彼女が男と寝ているところを襲うことができればそれも面白いと寺崎は
にんまりと笑いながら、椅子から立ち上がり、もう一度机の上の報告書に眼を落
しました。
それはA5用紙に印字された報告書が数枚ホッチキスされていて、それには数枚
の写真が添付されています。そして厚紙の表紙にタイトルが20ポイントの文字
で黒々と印字されています。「山中真理子の調査報告」と記されています。
寺崎はそのタイトルをじっと見ています。喉に刺さった魚の小骨のように先ほど
から気になっていたのはこれです。「橘真理子の調査報告書」と書かれるべきも
のです、佐伯は現地で調査してその情報に基づいてこの報告書をしたため、そし
てその仕事の流れの中でタイトルも迷わず「山中真理子・・」にしたのです。
そして、寺崎は佐伯があの町で最後に会った人物、「先生」の言葉を思い出して
いました。寺崎はもう一度椅子に座り直し、ゆっくりとそのページを開きました。
「山中さんですか・・・・、ハイ、私が身元保証人です。
いえ、古い知り合いではなく、ほんの一年前からのお付き合いです。
いえ・・、こうした方々のお世話をするのが私の職業です・・・・ハイ。
今は真面目に働いていますよ。月に一度は私も会っていろいろ話を聞いています
が、すっかり落ち着いて、今の生活を楽しんでいるようです。
問題のない方ですよ。それは私が保証します。
そっとしてやって欲しいのですね、過去にいろいろあっても、今はすっかり落ち
着いています。
ああ・・、ローンの調査ですか、駐輪場の給与で賄える額であれば・・・」
先生と呼ばれる男は保護監察官だと、寺崎は見当をつけました。
「・・・とすると、山中は・・・、ああ・・・そうか」
寺崎は目の前がさっと明るくなった思いです。桜田門前に居た頃の興奮が体の中
から湧き上がってきました。事件の真相に迫る扉の前に立った気分です。もう、
秋子の白い体のことは頭の中から消えました。
寺崎はパソコンを開き、意外にスマートに、素早くパソコンを操作して、目的の
ファイルを見つけだしました。それは前回、真理子失踪時に調査した9年前の藤
村宝石店強盗事件の調査ファイルです。前回調査した時は、この事件から真理子
失踪の手がかりは何も得られなかったのです。
佐伯の報告書と強盗事件の資料を照らし合わせて、そして、大きく頷き、何事か
しばらく考え込んでいましたが、やがて寺崎は電話器を取り上げました。
「・・ハイ、お嬢様の件ですが、重大な事実が判りましたので、夜分遅くですが、
よろしければお伺いしたいのですが、いえ、それは・・、こちらは一向に構いま
せん、こちらは・・、ああ、ご存知ですか、それではお待ちしております」
30分ほどで、藤村宝石店の店主藤村与一と佳代夫人が、寺島事務所を訪ねてき
ました。その時間、二人は自宅に戻らないで、まだ銀座の店にいたのです。
寺崎は二人に椅子を勧めて、準備していたお茶を出し、夜分呼び出した非礼を詫
びて、本題に入りました。
「隼人さんの依頼を受けて、当事務所の担当を派遣して、中部地方の○○町で真
理子さんを発見しました。現地の調査で得た、全てのデータから判断して、その
女性が真理子さん本人だと判断しました。明日、隼人さんには報告する予定です」
寺崎がここまで話して、藤村夫妻の反応をじっと見つめています。夫妻は驚き、
真理子がとにもかくにも無事であったことを素直に喜んでいます。二人が真理子
のこと知っていて今まで隠していた様子はないと寺崎は判断しました。ただ、手
放しでそのことを喜べない事情が二人にあるようです。彼女が今どんな境遇にい
るのかそれが不安なのでしょう。二人は寺崎を見つめて、話の続きを促す表情を
示しています。
「真理子さんは、ある男と同棲中でした。真理子さんはスナックに勤務して、男
は町の駐輪所で働いていて、豊かな生活ではないですが、真面目で落ち着いた暮
らしぶりのようです、これはご近所で聞き込みました」
藤村夫妻の気がかりなことを、寺崎はまず話しました。やはり男と一緒だったか、
そうだったかと、夫妻は諦めの表情を隠さず表に出しています。佳代はがっくり
と肩を落してハンカチで眼を押さえています。幸せな将来を約束された隼人との
結婚がこれで終わったことを夫人は悲しんでいるのです。
真理子の事件(31)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/23 (水) 16:25
寺崎は佐伯の撮影してきた、真理子のスナップを数枚、二人の前に並べました。
スナップ写真の一枚を取り上げ、少しやつれた真理子の姿を見て、佳代は泣き出
しています。幸せを約束された結婚生活を捨てて、うらぶれた街の片隅で名も知
れない男と同棲している娘、笑顔の少ない娘の写真を見て、母親として、こうな
るまでに何も力になれなかった自分の不甲斐なさを呪って、佳代はただ泣くだけ
です。
与一も、笑顔の少ない真理子のスナップ写真に娘時代の華やかな真理子の面影す
らないことに気が付いています。一年足らずの時間の経過が、最愛の娘を大きく
変えたことに、両親は胸が張り裂ける思いです。
「この男に見覚えが有りますね」
真理子と同棲している山中のスナップを数枚、寺崎は二人の前に並べました。二
人はいぶかしげな顔で、そのスナップを手に取り、それを見て、そして寺崎を見
て首を捻っています。
上下お揃いの褐色作業服を着て、同色の帽子を被った男性のスナップに二人は途
惑っています。スナップ写真に偶然写りこんでいるあたりの人と比較してもその
背の高さがわかるほどで、身長は180センチ以上あるでしょう、肩幅も十分広
くて立派な体です。よく見ると彫りの深い顔立ちで、やや日本人離れした白人系
の混血を思わせる顔立ちです。しかし、全体の印象は、取り立てて目立つものは
なく、平凡な中年過ぎの男性です。
最初に与一が気づき、続いて、佳代が気付きました。スナップ写真を持っている
二人の手が震えています。この瞬間、二人はすべての事情を悟りました。そうで
ないことを願いながら、それ以外にあり得ないと考えていたことが、今現実と
なって、寺崎からそれを突きつけられているのです。
「お二人は、真理子さんが失踪した時点で、
その可能性が高いことに気づかれていましたね、それでもじっと黙っていた。
あなた方の財力ならやれば出来る、大掛かりな失踪捜査も敢えてやらなかった、
真理子さんの気持ちを優先したのですね。
もう、全部話してください、9年前のあの日のことを、何があったのです」
佳代がワッとテーブルの上に泣き崩れ、与一は流れ落ちる涙を拭うこともしな
いで、佳代の背中をゆっくり摩っています。この二人も苦悩の一年間を過ごし
てきたことに寺崎は気が付いています。
寺崎は立ち上がり、二人に熱いコーヒを入れるために部屋の隅に消えました。
佳代のすすり泣く声が人気のないビルに木霊して、亡霊の声が聞こえてきたよ
うな気がして、寺崎は思わず薄暗い部屋の隅に視線を移しました。
現役刑事の頃、容疑者を追い詰めて、ようやく事件の核心に迫り、もう一押し
すれば事件の真相を暴くところまで来た時、いつでも寺崎はある種の感慨を感
じていました。刑事を辞めてからは、そうした感慨を味わうこともなく過ごし
てきたのですが、今、久しぶりにあの感慨が戻ってきました。
自分がこの聖域に入る資格はあるのだろうか、今やっている自分の行為が間違
いないものだろうかと寺崎は今、自問しています。
コーヒメーカーからほのぼのとした香が立ち上がり、寺崎は救われた思いに
なって、下を向き、机の上に並べた三つの白いコーヒカップに温かいお湯を注
ぎいれました。そこから立ち上がる淡い湯気が薄暗い天井に消えてゆきます。
余熱の終わったカップに褐色の液体をゆっくりと注ぎ入れ終わると、寺崎は再
び仕事への意欲が湧いてきました。真相はそこに見えている、この事件でも真
相を追究することがみんなの幸せに繋がると寺崎は確信しました。
与一が熱いコーヒを口に含み、目を閉じて、その香をじっと味わっています。
彼は寺崎に全部話すつもりになりました。
今日話すことは当局に取調べを受けた時も黙っていたことで、山中の刑も終
わったことだから無理に隠す必要は無いけれど、出来れば公表したくないこと
だと断って、与一はポツリポツリと話し始めました。
真理子の事件(32)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/24 (木) 15:27
あの日、そう三人組が藤村宝石店を襲った日です。あっという間に与一は着てい
たパジャマで縛り上げられ、ナイフで脅かされて、寝室に在る小型金庫の番号を
ミカロスに無理やり聞き取られました。小型金庫から宝石を収めた大金庫の補助
キーを取り出し、パブロと山中がカバンを下げて階下の店舗に行きました。
大金庫の合せ番号は知っているよと、ミカロスは与一を見てあざ笑いを浮かべ、
眼を転じてベッドで震えている当時40歳なったばかりの佳代をじっと見ていま
した。
与一がナイフで脅かされている側で、豊かな胸の半分以上が露になるネグリジェ
の裾を乱し、佳代は震えていました。ようやくミカロスの粘りつくような視線に
気がついて、佳代は乱れた裾を気にし始めましたが、その時は既にミカロスの獣
欲に火が点いていました。泣き叫ぶ佳代に飛び掛り、ネグリジェを捲り上げ、
ショーツを引きちぎる音が室内に響いて、直後、ミカロスの股間でいつの間にか
露出されていた肉棒が佳代を一気に貫きました。激しい痛みと恐怖で佳代が狂っ
たように高い悲鳴を上げています。その声がさらに男の獣欲を高ぶらせたようで、
ミカロスは激しく腰を振りはじめました。
佳代は突き上げてくる快感に必死で耐えていました。しかし、女ざかりの佳代の
抵抗できる時間はそう長く有りませんでした。ベッドの側で猿轡をされ、後ろ手
に縛り上げられ、涙を流し見つめる夫の耳に、淫靡な水の音が聞こえるようにな
り、激しく上下する、金色の獣毛に覆われた男の臀部の陰に、与一は愛液の白い
泡が見つけました。
「・・あなた、堪忍して、許して・・・、もうダメ・・、ああ・・ん」
佳代はベッドサイドで猿轡をされて転がされている与一に泣きながら哀願して、
ついにミカロスの首に手を回し、両足を彼の腰に絡ませました。驚くほど大きい
肉棒が佳代の亀裂を激しく攻めているのが与一から良く見えます。その瞬間から
佳代は一匹のメスに変わりました。
かすかな階下の異常音に目覚めた弥助は、何者かが階下に居ることを知りました、
電話線が切られて、携帯電話を使う習慣のない弥助は外へ連絡することが出来ま
せん。与一に知らせるため夫婦の寝室の前までやって来て、佳代の呻き声を聞い
て夫婦が絡んでいることを知りました。しばらく躊躇して、この場合、与一を佳
代の上から引き剥がして、急を知らせに走らせる以外道はないと決心して、破廉
恥な行為と知りながら夫婦の寝室へ入りました。
弥助が目にしたのは、男の肩に両脚を掛けて、体を海老のように曲げて、股間に
途方もなく大きな肉棒を咥え込んで、そこから止め処なく愛液を垂れ流して、今
にも絶命するような悲鳴を上げている佳代の姿でした。振向いた男の顔を見て、
その驚きはさらに増しました。
弥助は夢中でミカロスに飛び掛りましたが、70半ばを過ぎた弥助はミカロスの
片手で簡単に払われて、大きな音を立てて、床に倒れこみました。
佳代から抜き取ったばかりの肉棒の先端から愛液を滴らせながら、ミカロスはま
だ欲望を放出しない巨大な肉棒を立てたまま、弥助を縛り上げるために彼に近づ
きました。
「キャー・・、お爺ちゃん」
物音を聞いて起き上がってきた真理子が寝室の入口に立って、この光景を見て思
わず叫びました。ロングの白いネグリジェを着て、いつもはお下げに編み上げて
いる長い髪が肩にかかって、それが彼女の年齢を押し上げていて、清楚なお色気
を発散しています。振り返った、ミカロスがその姿を見て、佳代では未遂に終
わっている欲望の捌け口を真理子に向けたのは不幸な流れでした。
裸の大男が自分の方にゆっくり近づいてくるのを見て、真理子はまた大きな悲鳴を
上げました。両手を縛り上げられ、猿轡の与一が必死でもがきます。股間を大き
く開いて気絶寸前の佳代は、娘の悲鳴で我に帰り、必死で起き上がり、何か叫び
ながらがらミカロスの脚にしがみ付きました。ミカロスの左手が鋭く振られて、
顔を平手で叩かれた佳代は床の上に動けなくなって口から血を流しています。
弥助も必死でミカロスの脚にしがみ付きましたが、足先で腹を蹴り上げられ、悶
絶しました。
すくみあがって逃げることも出来ない真理子をミカロスは簡単に抱き上げました。
あたりを切り裂くような真理子の悲鳴が響きます。縛られた与一、苦痛で動くこ
とが出来ない佳代、二人は涙を流し、ミカロスに許しを請っていますが、彼には
日本語が通じませんし、例えその意味が判っても、今のミカロスは完全に獣に
なっていて両親の血の叫びを聞く耳を持たないでしょう。
ミカロスはこの寝室で、両親の前で、その幼い娘真理子を犯すことだけは断念し
たようで、それだけが彼が見せた人間の心でした。叫び続ける真理子を抱いて、
廊下に出てミカロスはゆっくり真理子の寝室に向かいました。
その時、階下で二階の騒ぎを不審に思った山中が駆け上がってきました。当時、
40歳代の男盛りです。少女を抱き、廊下を歩くミカロスの背に、山中がスペイ
ン語で何事が叫びました。振り向いたミカロスは、獣欲で引きつらせた顔をゆっ
くり横に振りました。もう、ミカロスの獣欲は行き着くところまで行かないと止
らないようです。山中は両手を開いて、あきれた顔でミカロスを見送って、それ
以上彼の後を追おうとしません。
ミカロスとの付き合いの中で、彼のあきれるほど貪欲な獣欲を山中は何度も見て
おり、彼の獣欲は行くところまで行かないと止まらないことをよく知っています。
今回も、こんな大切の時に女を抱くことはないだろうとの思いで彼を見送ってい
ます。ミカロスが真理子の寝室を探し当て、その扉を開けようとしています。
ミカロスに抱き抱えられた真理子はもう叫び声さえ出すこともできないで、全身
を折り曲げて、両手で両脚を抱いています。
真理子の事件(33)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/26 (土) 13:49
ミカロスの無体な行動を見送り、首を振りながら山中が夫婦の寝室を覗くと、裸
の佳代が顔中血だらけにして、山中を見つけて、こちらに向かって床を必死で
這っているのが目に入りました。山中が数歩彼女の側に歩み寄ると、その山中の
脚に捕まり、必死で佳代は何かを話そうとしています。
血が女の口の中に溢れてよく聞き取れません。山中が佳代の側に跪き、指を入れ、
血を吐き出させようとするのですが、それでもダメで、山中は唇を彼女の唇に押
し当て、唾液を流し込み、彼女の血を吸いだしました。
山中の胸にすがるようにして、力を振り絞り、佳代は文字通り血の叫びを上げま
した。
「お願い、お願いします。あの子を助けて、助けて、まだ15歳の子供です・、
私でも、財産でも、欲しいものはなんでも差し上げます、あの子を助けて・・」
それだけ叫んで、佳代は山中の胸に頭をつけて、肩で激しく息をしています。気
が高ぶって、それ以上声が出せなくなったのです。山中の黒いシャツが、みるみ
る鮮血に染まっています。山中が佳代の顎にそっと手をあてて、顔半分を鮮血で
汚している佳代を見つめて静かに頷き、ゆっくり佳代の体を自分から離し、優し
く床に横たえました。
次の瞬間、山中は身を翻して部屋を出ました、飛ぶように廊下に躍り出たしなや
かな黒ずくめの体が廊下の淡い照明に浮かび上がり、大鷲のようなシルエットを
見せていました。佳代は泣きながら山中のその後姿に手を合わせていました。
山中が真理子の寝室の扉を開けて入ると、ミカロスが真理子の体から、ネグリ
ジェをはぎ取ろうとしています。男の意図を察していても、幼い少女はもう声も
出せない状態で、両手両脚を硬く閉じて、貝のように固まってじっとしています。
部屋の入口で、山中がひと声をかけて、飛鳥のようにベッドに走って行きました。
ミカロスが振向く瞬間、山中の鋭い一撃がミカロスの顎に決まり、ミカロスはう
めき声を上げて、ベッドに崩れ落ちました。
涙で顔を濡らした真理子を、佳代のところに連れて行き、真理子を彼女に手渡し
ました。佳代は真理子を抱きしめ、真理子の無事を知って泣いています。
「二人とも衣服を着て、急いで・・・」
山中は、無表情に二人に言いました。佳代の箪笥から有り合わせの衣服を取り出
し、それを身に着けた二人の側に寄り、山中は、何も説明もしないで、手近に脱
ぎ捨てられているネグリジェで二人を軽く縛り上げ、同じ様に、まだ腹部の激痛
に呻いている弥助もシーツで縛り上げ、家族全員を、与一の周りに座らせました。
しばらくして、ミカロスが顎を摩りながら、寝室に現れました。そこで縛られて
いる二人の女と山中を交互に見て、早口のスペイン語で山中をなじっています。
山中が言葉少なくそれに答えて、ミカロスは舌打ちをしながらも、床に散らばっ
ている自身の衣服を拾い集め、床に座り込んでそれを身に着け始めました。衣服
を着けながら、真理子がそれだけは一生忘れることの出来ない獣の眼で真理子と
佳代を舐めるように見ているのです。ミカロスが女を忘れていないことがはっき
り二人には判り、恐ろしさで、二人は震えだしました。
その時、最初からミカロスの動きをじっと見ていた弥助が叫びました。
「アッツ、危ない、後が・・・」
服を着終わったミカロスが、ゆっくりした動作で立ち上がりました、左手には床
に落としていた刃渡り30センチの登山ナイフが握られています。弥助の叫びに
少し遅れて、ミカロスは山中の背後から、必殺の突きを入れました。彼のナイフ
が山中の心臓を後ろから確実に串刺しにしたと誰にも思えました。
弥助の声を聞き、体を緊張させた、その直後に、山中は背後に焼け付くような鋭
い殺気を感じて、床に身を投げていました。
最初の一撃を交わされたミカロスは身を低く構えて、ナイフを前に突き出してい
ます。山中は素手の両手を前に軽く出して、やや腰を落として、柔軟な受けの姿
勢で構えています。互いに相手の力を知りつくしていて、容易に攻撃を仕掛けら
れません。その姿勢のまま、凍りついたような緊迫した睨み合いが続きました。
パブロが、その大きな体を音も立てずに二階に運んできたのはさすがです。足を
忍ばせて、二階に上がりついたパブロは二人が睨み合っている気配を下に居る時
から感じ取っていました。何故二人が殺しあっているのかパブロには理由はわか
りませんが、早くどちらかが倒れて、この殺し合いが早く終ることが、パブロの
最大の関心事です。どちらかが倒れれば、パブロの分け前は増えます。ただ、計
画した脱出時間が迫っています、パブロ一人ではこの後の逃走ルートが不安です。
日本語の出来る山中が絶対必用です。パブロは決心しました。
静かに部屋の入口に立ったパブロは手にした登山ナイフを山中の足元に軽く投げ
与えました。ミカロスはパブロの行為を援軍だと錯覚したようで、パブロが投げ
たナイフの一投で山中の体勢が怯むことを読んで、無謀にも一機の勝負に出てき
ました。山中ほどの手練の技を持った相手に、この攻撃はあまりにも無謀でした。
山中が足元のナイフを取り上げ、下からそれを突き上げると、その上にミカロス
が乗りかかってきました。少なくとも、側で見ていた弥助達の目にはそう見えま
した。
パブロがミカロスに近づき、そのナイフをもう一度深く押し込み、一捻りして、
そして勢いよくナイフを引き抜きました。これでは出血多量でミカロスの死期は
数分後に確実にやってきます。ミカロスが信じられないと言った目つきをして、
山中とパブロを見ながらゆっくり膝を床に着きました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(33)、寺崎探偵事務所物語 赤 投稿日:2005/11/26 (土) 17:21
息を飲む緊迫した描写ですね!
毎日読むのを楽しみにしています。
真理子の事件(34)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/27 (日) 21:18
パブロがスペイン語で何事か叫び、山中がその声に応えて、時計をチラッと見て、
それから、一家に頭を少し下げて、身を翻して扉から消えてゆきました。相当の
深手ですが、獣のような生命力でミカロスが立ち上がり、腹を押さえて、何事か
叫びながら、二人の後を追います。そして玄関あたりで人の倒れる音を弥助達は
聞きました。それを最後に耳の痛くなるような静寂があたりに訪れました。
真理子と佳代の縛りは少し体を動かすと簡単に解けました。携帯電話を使おうと
する佳代を弥助が止めました。
「良いか、このまま、朝まで待つのだ、あの方のために・・
従業員が見つけてくれるまでじっと待つのだ、そうしよう、我慢できるね」
佳代も、真理子も弥助の意図がよく判ったようです。もう一度、佳代が真理子を
縛り、弥助と与一が口を使って、佳代を何とか縛り付けました。
「私達は、あの時、命を懸けて真理子を助けてくださった山中さんに、全財産を
お渡しするつもりで、山中さんの逃げる時間を作ったつもりです。
それが、韓国へのフェリーに乗る寸前に、不幸にして山中さんは掴りました」
与一は、淡々と事実を寺崎に話しています。鮮明な記憶が今でも消えないようで、
話の筋に迷いは有りません。
「父は、あの事件以後、急に気落ちしたようになって、6年前に亡くなりましたが、
生前は口癖のように、山中さんへの恩返しを繰り返し言っていました。
私はそれに理由なく反発していました。押入ってきた男の気まぐれな行為にそこ
まで恩義を感じる必要はないと、口ではとてもいえませんが、腹の中では反発し
ていました」
養子に入り、商売能力でも、人間の器量でもとても敵わない義父に、与一は尊敬し
ながらも、男の本能として、何か対抗する種を探していたのです。
「私が、父の言うとおり、もっとあの男のこと真剣に考えていたら、真理子をそ
こまで追い詰めることがなかったと思います。あの男への恩義を私が真剣に考え
ていないことに気が付いて、真理子は祖父の気持ちは、自分が引き継ごうと決心
したのだと思います
私があの子をそこまで追い込んでしまいました、クク・・・・・」
与一も堪らず泣き崩れました。テーブルに声もなく泣き伏せている二人の背中が
急に年老いたように見えます。
「藤村さん、そんな風に考えると、真理子さんのせっかくの気持ちを台無しにし
てしまいますよ。真理子さんは誰のためでもなく、自分の意志で山中の下へ走っ
たと思いますよ。命を懸けて、真理子さんの貞操を守ってくれた山中に自分の無
垢な体を捧げだすことを、真理子さんはかなり早い時期からそれを考え、ずっと
心に秘めていたと思います。
それは、お爺ちゃんの気持ちを引き継いだものでもなく、ましてや、お父さんが
何もしない代わりに山中の下へ行ったのでもなく、純粋に真理子さん自身が自分
の意志で決めた行為だと私は考えます」
義理と人情を何よりも大切にする江戸っ子、弥助にすれば、例えそれが自宅に押
し入った者への恩義であっても、それが命を懸けた恩義であれば、人として自
分もそれ相応の恩を返すことは当然と考えていました。
真理子もまた、真理子の体を救うため、殺人まで犯した山中へ、彼女の処女を捧
げることを早くから決めていたと寺崎は考えました。
人は時として、愛や、憎しみの感情に目がくらみ、信念とは違う行動を取ること
も有りますが、逆に自分の信念を貫くため、愛も、憎しみも超越できることがあ
るのです。この時の真理子がそうです。隼人への愛を断ち切って、自分の信念を
貫くために山中の下へ走ったのです。
与一も、佳代も寺崎の説明を聞いてようやく真理子の真意をおぼろげながら理解
できたようです。それでも彼らが真理子を完全に理解することは無理だと寺崎は
思いました。案の定、二人は寺崎ががっかりするような依頼を持ち出しました。
「寺崎さん、今からでも間に合うなら・・・、
全ての財産と交換で真理子を救い出したいのです。真理子が哀れです。
隼人さんと別れることになっても良い、とにかく彼の所から真理子を救い出した
いのです。
このままでは、私達は生きている意味が有りません、かといって、おじいちゃん
の所へもこのままでは行けません、お願いです真理子を助けてください。
費用は私が出します。良い方法を探し出してください」
二人はそれだけ言って、寺崎の返事を待たずに立ち上がり、これから自宅へ帰る
と言って、寺崎に背を向けました。
寺崎は、気落ちして、がっくりして、刑場に引かれて行く囚人のように歩く藤村
夫妻の後ろ姿を見送りながら、あの二人には真理子の行動は永久に理解できない
だろうと思いました。事務所の扉に手をかけた藤村の背に寺崎は声をかけました。
「藤村さん、ご依頼の件は、検討させていただきます。
ただ、今から申し上げることをもう一度考えてください。
その上でお考えが変わらないようならもう一度ご連絡下さい。そのとき具体的な
救出方法のご相談をさせていただきます」
寺崎は二人を見つめて、微笑を浮かべながら、話しかけています。二人は寺崎に
全面的に頼る弱弱しい表情を見せています。藤村夫妻は実子である真理子の気持
ちが判らなくなり、親として完全に自信を喪失している様子です。
「真理子さんは自分の意志で隼人さんの下から出て行きました。
そして、今、山中さんと同棲しています。
多分誰が迎えに行っても、そこを動かないでしょう。
山中さんのところを離れる時も、真理子さんは自分で決めるはずです。
強引に二人を引き離すことには私は反対です。
いずれ、真理子さんはあなた方のところへ必ず戻ってきます。
それまで待って上げることは出来ませんか・・・・・」
寺崎の言葉は理解したようですが、それが単なる慰めだと藤村夫妻は思ったよう
で、気落ちした様子を隠さないで、それでも何度も、何度も頭を下げて、二人は
庇い会うようにして夜の闇に消えました。
寺崎は一人事務所に残って、真理子のことを考えています。
弥助が生きていたら、佳代があの時、叫んだあの約束どおり、出所して来た山中
に藤村宝石店の全財産を差し出し、そして、その時でも真理子はやはり、自分の
体を山中に捧げるだろうと寺崎は考えました。
女の信念を貫き通す真理子が不憫で、可愛くて、たまらなく、愛しく思えるので
す。明日、隼人に会って経過を報告して、この仕事を終わりにしよう。
そう思うと急に、下腹部が緊張してきました。時計は午前3時を指しています。
今から行けば、夜明けまで、秋子と絡めます。急いで、戸締りして、外へ出てタ
クシーを止めました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(34)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/27 (日) 21:44
赤さん
ご声援ありがとうございます。
つたない内容でも、読んでいただいている生の声が聞こえると
次の製作に意欲が増します。真理子を見守ってやってください。
真理子の事件(35)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/28 (月) 22:30
9 危ないほど完熟した真理子
勤め先の駐輪所を探偵が訪ねてきて、同僚に山中のことをあれこれ聞いて行った
と聞かされて、彼は来るものが遂に来たと覚悟しました。
山中は真理子が隼人と結婚していることを知りません。一緒に暮らしている両親
に黙って真理子は藤村宝石店を出奔したはずで、当然、両親はあらゆる手段を尽
くして、必死になってその行方を追っていると山中は考えました。
誰かが山中の名前を思い出し、刑務所に問い合わせれば、毎月、保護監察官と連
絡を執っている山中は直ぐ見つかります。両親の調査の眼がこちらに来るのは時
間の問題で、その時が真理子と別れの日になると覚悟していたのです。
それが意外にも真理子との生活は一年近く続き、山中はこのままこの生活がいつ
までも続くのかと夢見る思いになったことも有りました。しかし今になって、遂
にその追っ手がやってきたのです。
その日、真理子が勤めを終わるのをスナック前の広場でいつものように待ちなが
ら、山中はじっと考えに耽っていました。いつ真理子が山中の所から出て行って
もそれに耐える準備を始めようと山中は辛い決心を固めました。そう決めると、
真理子と一緒に居るこの瞬間を精一杯楽しむつもりになっています。
真理子がスナックから出て来て、彼に手を挙げ、小走りで駆け寄ってきます。雨
の日も、晴れた日も、こうして真理子を待ち、彼女が小走りで駆け寄ってくる姿
を楽しみ、抱きしめ、一日の勤めで濃くなった彼女の体臭を鼻腔いっぱいに吸い
込んで、口付けをして、バイクの後ろの座席に彼女を乗せ、背中をやさしく圧迫
する彼女の乳房を感じて、いつものように彼が股間を緊張させると、真理子が笑
いながらそこを摩るのです。時間があれば部屋に入ると直ぐに抱き合い、まさぐ
りあって、互いの性器を舐めあい、一時間以上絡み合うのです。
処女の体を山中に捧げて、破瓜の痛みに堪えた最初の夜、そして性交の快感を真
理子が知ったのは三度目の挿入の時でした。それから回数を重ねるに従い真理子
は男に慣れて、一ヶ月も経過すると、真理子から脚を絡めてそれを要求するよう
になっていました。
真理子自身は自分のことをかなり好色な女だと思っています。山中との絡みは毎
日でも歓迎ですし、スナックで男達に体を触られたり、抱きつかれたりするのが
どちらかと言えば好きです。もし、山中が居なかったら、夜毎に男を取り替えて、
抱かれているだろうと真理子は自分のことをそう思っています。
隼人への純愛を断ち切って、愛のない奉仕の姿勢で始めた50男、山中との同棲
生活で幼く白紙の状態であった真理子の体は急激に開発されました。山中の巧み
な性儀に翻弄されて、めくるめく女の喜びを経験して、真理子の体は飛躍的に成
熟しました。この過程で真理子は体の喜びと心の傾斜を使い分ける術を自然と身
につけたようです。
言葉を変えると、普通の主婦にはないオープンな貞操感覚が真理子の中に出来上
がり、愛のない行きずりの絡みも、それほどの抵抗感を感じないで楽しむことが
出来る精神構造が真理子の中に出来上がったのです。
処女のまま結婚した花嫁は愛する主人で初体験を済ませて、引き続きその男性と
の性交渉を繰り返すことにより性的に成長しながら、同時にその男性に対して忠
実な貞操観念を形成してゆきます。したがって主婦が他の男に抱かれるには、夫
と共に築き上げたこの強固な貞操観念が最初の大きな障害になります。
真理子の場合は最初から愛してもいない50男に抱かれ、その巧みな技で女の扉
を開かれ、めくるめく女の喜びをいち早く感じ取り、男の良さを実感し、やや大
げさに表現することを許していただければ、スポーツを楽しむようにセックスを
楽しむことが出来るようになりました。その上、好色だと彼女自身が認めるほど、
男への興味が何処まで行っても尽きない真理子です。
さらにスナック勤務でたくさんの男に体を視られ、触られて、少女期から抜け出
した直後の、白紙の状態だった真理子の官能は、理想的な環境の中で短時間の内
に開発し尽くされ、若い頃からお水の世界で生きてきた春子ママさえ舌を巻くほ
ど、妖艶な感性を身につけることが出来ました。それでいて普段の彼女から受け
る印象は一年前処女だった時とそんなに変わりません。幼い雰囲気を保ちながら、
その裏には燃えるような情欲と男への限りない好奇心が隠されているのです。
真理子が身につけたこの感性は、「触れなば落ちる風情」と表現されて、古来、
あまたの粋人が求めてきた理想の女性像です。それは、普段の生活では知性に溢
れた佳人の姿を崩さないでいるのに、男を喜ばせる振る舞いを本能的に知ってい
て、男とのコンタクトが始まると、日頃の慎ましやかな姿からは想像も出来ない
ほど妖しく乱れて、奔放に色事に溺れることが出来る女性です。
粋人たちは最愛の妻や愛人を他の男に抱かせる苦渋の選択をして、彼女達に真理
子と同じ様なオープンな貞操感覚を持たせる工夫と努力をしてきました。真理子
はそれを意図しないで、短時間にその境地に到達したのです。
その上、山中との性生活が充実しているせいか、肌がつやつやに輝き、臀部が
バーンと張って真理子の幼かった体は完全に成熟しました。こうして、心も、体
も完全に成熟した良い女に真理子は成長しました。男と接触している真理子をは
たから見ているとあまりに妖しく、危かなしくて、はらはらするほどの女性にな
りました。
スナックでもそんな彼女は人気者です。
真理子の事件(36)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/29 (火) 13:05
彼女を目当てに、地元の若者が続々集まるようになりました。勤め始めた頃、真
理子は生足の下着まで触らせることを許していましたが、酔いが回って、気に入っ
た男が居ると、つい気を許して、亀裂に指を入れさせるようになりました。一度
その行為を受け入れると後は、慣れてきて、男の指を許すことは珍しくなくなっ
ていました。そのことであんなに男が喜ぶなら、やらせてみようと思う気持ちが
真理子の中で強く働くのです。
「マリちゃん、それはないよ・・・・、松田ばかりに触らせて、
俺にも少し良い思いをさせて欲しいな、ハハハ・・」
夜も更けて、常連さんの時間帯に入っています。ノーブラで肩が露になったシャ
ツを着て、ロングのスカートを穿いた真理子は、お気に入りの松田の側に座って、
脚を大きく開いて彼の指に股間を開放しています。スカートの裾が殆ど腰の辺り
まで巻き上げられて、ショーツのない股間の暗い影がチラチラ見えます。もう、
誰が見ても松田の指が亀裂の中で蠢いているのが良く判ります。真理子は松田に
寄り添い、眼を閉じて、肩に頭を載せて、少し眉をひそめて、湧きあがる快感に
耐えています。耳を澄ませばかすかな水音さえ聞こえます。そんな二人を、松田
の悪友、工藤が大きな声で囃し立てたのです。
真理子より、松田がその声にびっくりして、慌てて、真理子の股間に入れていた
手を引き抜いています。松田のこんな初心なところも真理子が彼を気に入ってい
るところです。真理子が名残惜しそうな顔で松田を見て、そして、少し怖い顔を
作って大声を出した工藤を睨んでいます。
「ああ・・ん、せっかく良いところだったのに・・・
工藤さんたら大きな声を出すんだから、皆こちらを見ているわよ、ふふ・・・
いいわ、工藤さん・・・
今日は特別サービスするわ・・・、私、今とってもHな気分なの・・・」
工藤の大声にびっくりして、松田の指が股間から消えて、やり場のなくなった欲
望で頬を紅潮させている真理子は、、ボックス席に居る松田の頬にキッスをして
立ち上がり、カウンターの側に酔いが少し回った様子で歩み寄りました。
「ママ、いつもの曲をお願い・・・、
皆さん・・・、ただいまからマリ子のショウを始めます」
カウンターに背を向けて、まり子が少し声を高めて、店に居るお客達に伝えまし
た。その声を聞いて、カウンター席に二人、ボックス席に松田達を含めて4人居
るお客が椅子から立ち上がり真理子の周りに集まりました。ママも他の女の子も
笑って真理子を見ています。
お客の一人が拍手しました。欲情した時の真理子のサービス内容を知っているお
客です。サンダルを脱いで、真理子が掛け声を上げて、椅子に足を掛け、器用に
カウンターの上に立ちました。お客の拍手がさらに強く鳴り響きます。真理子が
にっこり笑ってそれに応えています。
スローテンポのムード音楽が流れ始めました。ママがCDをセットしたのです。
店内の照明が落ち、真理子をスポットライトが浮かび上がらせました。真理子が
腰を振りながら、胸を覆っていたシャツを腰までゆっくり下ろしました。白い乳
房がライトに浮かび上がり、ピンク色の乳首が少し立っています。お客たちが熱
狂的な拍手と口笛を送ります。にっこり笑って、真理子はロングのスカートを徐
々に上に巻き上げ始めました。店内はシーと静まり返っています。もう男達は拍
手する余裕を失っています。
真理子は眼を閉じて、何事がうわごとを言いながら、腰をゆっくり上下左右に巧
みに振って、それに合わせて、スカートを持ち上げています。もう、スカートの
裾は、真理子の膝を通り過ぎ、下から覗く男達の視線が、股間の暗い茂みを見つ
けています。真理子は腰を落とし、脚を大きく開いて、さらにスカートの裾を持
ち上げました。もう、スカートの裾が亀裂の先端にまで達しています。男達の全
ての視線が、真理子の亀裂からはみ出したサーモンピンクを捉えることが出来ま
した。
その状態で、真理子は激しく腰を上下、左右に振りはじめました。股間から滴り
落ちる愛液が飛沫になってスポットライトに煌いて、口をあんぐりあけてそこを
覗き込むでいる男達に降りかかっています。
真理子がゆっくりカウンターに腰を下ろし、両脚を大きく開きました。スカート
は腰でひも状に収まっています。真理子の両脚の間に、男達が先を争うようにし
て頭を入れ込んでいます。
焼け付くような男達の視線を濡れた股間に感じながら、真理子はカウンターの上
に座り込み、両手を後ろに付いて、頭を後に仰け反らせて、脚をいっぱい開いて、
そこを男達に曝しています。真理子の片足が側にいた男の肩に乗せられました。
さらに大きく真理子の股が開いています。
真理子は淫らな自分の行為に酔って、情欲を高ぶらせて、カウンターに愛液を
いっぱい流し始めました。スポットライトが濡れた陰毛、蠢く大陰唇、その中か
ら顔を出した少陰唇からクリトリスまで余すことなく照らし出しています。むせ
返るような真理子の性臭に包まれて、男たちは真理子の股間に顔を寄せて、殆ど
そこに密着するばかりに接近しています。真理子が眼を閉じてぶつぶつと何か
言っています。
「もっと見て、私のオマ○コ、きれい・・、もっと見て・・・」
男達に真理子の呟きがはっきり聞こえるようになりました。
真理子の事件(37)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/11/30 (水) 14:20
もう真理子は夢の中に居るようです。真紅のマニュキュアをした真理子の指が二
本、濡れた亀裂にゆっくり沈み込み、そこで蠢き始めました。次第に指のスピー
ドが速くなります。サーモンピンクの膣壁が指に絡みついて外にはみ出していま
す。愛液が激しい指の動きで白い泡に変化しています。男達の興奮は最高潮に達
しました。中には、既に下着の中にたまらず放出している者が居る様子です。激
しい吐息と中には呻き声さえ出す男が居ます。その声が真理子を刺激して、次第
に真理子のあえぎ声が急を告げてきました。
狂ったように指が激しく動いています。真理子が高い声を上げて、二本の指が強
く亀裂の中に押しいれられ、真理子の両脚が痙攣しながら閉じられました。その
中に頭を入れていた男達が慌てていますが、強い真理子の締め付けで、そこから
逃げ出すことが出来ません。その男達の顔に大量の潮が吹きかけられました。も
う男達全員が放出を完了しました。
さすがにそこで、CDが止まり、ママが声をかけて、真理子が閉じた両脚を緩め
ました。ママの手でタオルが真理子の股間にかけられました。真理子は陶然とし
た顔をして、男達を見ています。ようやく男達が拍手を始めました。次第に拍手
が高くなり、真理子が股間を被ったタオルを取り去り、もう一度男達にそこを曝
して、ショウは終わりました。
ママが止めないで居ると真理子はその部分に男達の唇や指を受け入れかねない勢
いになります。こうして酔うほどに淫乱になり、妖しく、美しい、今盛りの女、
真理子の人気はやや過熱気味です。
それでも、何度誘われても、多少その気になっても、真理子は男達と最後まで行
きません。ある時から、山中がやたらと嫉妬深くなったのです。地元組員との喧
嘩でみせた山中の凄さを真理子は良く知っています。体の疼きに負けて、町の若
者を抱いた後が心配なのです。真理子に手をかけることはないと判っていますが、
真理子の浮気が引き金になって、山中が相手の男を傷つけることになりかねない
のです。そんなことになれば、保護監察下にある山中は、監獄へ逆戻りです。真
理子のために、山中が再び罪を犯すことになります。その怯えが、真理子の浮気
心を封じ込んでいました。
しかし、ある時、ふとしたことで山中の中に潜むものを見つけたことで、真理子
の姿勢が変わりました。
毎日スナックの外で待っているのは山中の変わらない習慣ですが、あの組員、加
藤の事件を境にして、真理子が駆け寄ると、真理子を抱きしめ、体の匂いを嗅ぎ、
素早く亀裂に指を入れその指の香りを嗅ぎ、安心した顔でやっとバイクの後ろに
乗せてくれるのです。部屋に入ると、男に何処を触られたか、どんなことをされ
たか、しつこく聞き、最後には興奮して、真理子に飛びついてくるのです。
最近では、スナックの中で男達にされたことを少し誇張して真理子は山中に教え
ることにしています。
今日はお客に陰毛を抜き取られて、ここがひりひりすると言ってその部分を見せ
たり、店では下着の上からタッチされただけなのに、その部分に無理やり指を二
本も入れられ、同時にもう一人の男に乳首を噛まれて、思わず軽く逝ったなど、
かなり誇張して、その上できるだけ丁寧に状況描写をして山中に告げるのです。
山中は真理子の話しを聞き、興奮して呻きながら、ひりひりして痛いという真理
子の亀裂を覗き込み丁寧にそこを舐めたり、男達の汚い指の後を清めると言って、
その部分を風呂場で丁寧に洗うのです。
真理子は大きく股を開いて、悲鳴を上げながら、山中の舌や指をそこに受け入れ
て、その後、二人はうめき声を上げて重なり合います。こうした戯れを真理子は
勿論、山中も嫉妬に身を焦がしながら十分楽しんでいます。それでも、真理子に
店での淫らなことを止めろと決して山中は言いません。真理子にも山中の本質が
何となく判ってきました。うまくことを運べば真理子の浮気を山中はそれほど嫌
がらないし、それどころか真理子が他の男に抱かれるのを認める可能性が高いと
真理子は気づき始めています。
献身的な山中の愛を、変則的な愛だと思いながら、そのことを真理子はあまり重
荷に感じないで、彼を受け入れてきました。この真理子の姿勢を見て、彼女の気
持ちが自分に少しは向いていると感じた山中は次第に真理子への感情を募らせ、
彼の中には真理子以外何も無い状態になりました。もし真理子との生活が中断
されることになれば、山中はその日から生きる目的を失うことになります。
一方、真理子は、山中に処女を捧げることが目的で彼に近づき、その仕事を無事
完了した後は、適当な時期に彼から離れるつもりでした。しかし、山中との生活
が予想外に快適で、彼の強靭な肉体と巧みな性愛の虜になり、彼から離れる時期
を失っていたのです。言い換えると真理子自身も山中の一途な思いを断ち切るだ
けのものが他にない状態で、このままズルズルと山中との生活を続けることにそ
れほど抵抗を感じていないのです。それでも真理子は山中との生活は長くても一
年間と最初から決めていて、とにかく一度は山中と別れることがレスタートの原
点だと考えています。もう直ぐその一年が過ぎようとしています。
真理子の事件(38)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/01 (木) 22:18
純粋で、無謀とも思える乙女の信念で始めた山中との同棲ですが、そこに飛び込
むには真理子なりの覚悟をしていました。大恩ある人とはいえ、30近い年の差
がある50男との生活です。処女にとってそんな男との生活は考えるだけで
生理的な嫌悪感が先行しました、それでも真理子はその嫌悪感を強い信念の力で
抑えこみました。彼との同棲は我慢と忍耐の連続だろうと考え、真理子はどんな
ことにも耐える悲壮な覚悟で彼の元に飛び込んだのです。
それが、最初の夜、男の体臭を嗅いだ時から、その香がそれほど忌み嫌うもので
なく、むしろ好ましい香だと真理子は思うことが出来ました。そしてスペイン系
の血を引く山中はかなり格好よく、街中でも目立つ中年でした。このことも真理
子の気持ちを和ませました。
山中との生活は全てが物珍しく、取り分けて経験豊富な山中との性生活は最初か
ら好都合に展開しました。真理子自身が自分を好色だと思い込むほどそれは刺激
的で、その時だけは隼人への思いを忘れるほどに絡みの虜になりました。
もっと早い時期に山中から離れる計画でしたが、山中との生活が充実していて、
ズルズルと一年近くの歳月が流れたのです。このまま山中とこの地に埋もれて暮
らすのも悪く無いと、何度も、何度も考えました。特に彼の巧みな愛撫に悶えて、
悦楽の世界で愛液を迸らせて、放心し、果てた後では、女の幸せはこれだと思っ
て、山中から離れて暮らすことなど出来ないと思うことも多くなりました。それ
でも、そのつどその気持ちを断ち切ってくれたのは隼人への思いでした。
隼人がもう一度自分を受け入れてくれるとはとても思えないものの、このまま山
中とこの地に住み着くにしても、隼人に最後の別れが言いたい気持ちを真理子は
捨てきれないでいました。
隼人に会って、彼から見限られ、もう一度山中のところに戻ってくることになる
にしても、このままズルズルと山中との関係を引きずるのではなく、一度リセッ
トして、その後、隼人ともはっきりと離婚して、その上で山中との関係を冷静に
見直すべきだと真理子は考え始めたのです。
こうして、ともすれば山中との生活を続けることに傾きそうな自分の気持ちを奮
い起こして真理子は山中との別れをようやく決意しました。
そして、真理子を愛して、女に育て上げてくれた山中のことを思うと、別れに際
して生木を裂くような、痛烈な痛みを彼に与えることだけは避けたいと真理子は
考えました。そのためには山中の心を独占している真理子の存在をもう少し小さ
なものにする必要があると真理子は考えました。
少し荒療治ですが、真理子は自分の好色な本性と山中のM性に合った作戦を考え
ました。これが実現すれば、山中は真理子を少し離れて見るようになり、年の離
れた友達として、それほどの衝撃を受けないで別れることができ、次に会う機会
があればセックスフレンドとして交流できるはずです。
それにしても気になるのは隼人の気持ちです。真理子から連絡すればその場で隼
人の気持ちは判りますが、今の真理子はそれをする勇気が出ません。隼人の気持
ちが判らないままでは、なかなかその気になれなくて、山中との別れの作戦も、
その実行を一日延ばしに延ばしている真理子です。
このまま何も起きないなら、真理子は何もしないで、このまま山中との生活を続
けても良いと、また、一番安易な道に傾き始めていました。真理子は山中との生
活は自分に与えられた運命だとさえ思い始めていたのです。
そんな時、探偵が自分の周りを調べ始めたことを真理子は知りました。それが隼
人の命を受けたものだと直ぐ判りました。このことを知って真理子は泣きました。
隼人の手がそこまで近づいている、その手は真理子を突き放す手でなく、強く抱
きしめる手だと、真理子は感じ取りました。
それより少し前、ある若者との遭遇があって、何の根拠もない、直感的な閃きで
したが、その若者が真理子の居所を隼人に知らせるはずだと真理子は予測して、
隼人の手が伸びてくるのを期待して待っていたのです。
「神の差配が働いた」と、真理子はこの後何年も経った後で、あの日、あのカメ
ラマンとの遭遇を懐かしく、不思議な感慨で思い出します。
あのカメラマンとの遭遇が無ければ、そして隼人の気持ちが読めないままであれ
ば、真理子は山中との別れに踏み切れずに、そのままズルズルと彼との生活に浸
りきって、それなりの生涯を送ることになり、それはそれで意味のある女の一生
であったと真理子は後になって時々、この時のことを懐かしく思いだします。し
かし現実にはゆっくりと何かが真理子の周りで動き始めました。
近くの旧城下街へ、スナックの同僚そしてママと夏祭りに行った日、旅行者らし
い若者がフラッシュを光らせているのを見つけました。勿論そのカメラの若者、
山田と真理子は面識が有りません。普段の真理子であれば、そのカメラの眼を避
けたはずですが、その時は引き付けられるように、自分を積極的にそのカメラの
前に曝しました。
華やかに光るフラッシュの光に包まれながら、その若者が構えるレンズの奥に、
なぜか隼人の視線をはっきり真理子は感じ取ることが出来ました。
人生を振り返る時、説明のつかない神がかり的な予感を感じ取ることや、その後
の人生決める決定的な偶然に遭遇することが誰でも一度や二度は有ります。この
時の真理子がそうでした。このカメラマンのフラッシュを浴びながら、隼人の手
が必ず真理子に伸びてくると、なぜか真理子は確信したのです。
そしてその日から間もなく、期待したとおり探偵が現れました。両親に依頼され
た探偵であれば、有無も言わせず真理子を引っ張って帰るはずです。また、隼人
の気持ちが真理子から離れていれば、彼は探偵をここに派遣しません。
隼人が派遣した探偵は、真理子たちの生活に十分気を使って、彼女の周辺を丁寧
に調査して行きました。その探偵の心行き届いた調査行動を知って、真理子は隼
人の暖かい思いやりの心を感じ取りました。
真理子本人を確認した後でも、無理やりそこから真理子を引き剥がすことをしな
いで、隼人は真理子がその地を離れる日を温かく見守っていると、彼女は考えま
した。今なお続いている隼人の深い愛情を真理子は感じ取りました。
「隼人は、私を待っている・・・、あの家で待っている・・・。
帰りたい・・、そうだ帰ろう・・・、隼人クン、待っていてね・・・」
そう思うとあきらめていた望郷の気持ちが猛然とわきあがってきました。もうあ
れほど迷っていた山中への未練は心の片隅に追いやられました。ここへ来た時と
同じように、迷わず、山中と別れる作戦に真理子はすんなり取り掛かりました。
目標を決めた時の真理子はそれ一筋に走り出します。真理子が動き出しました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(38)、寺崎探偵事務所物語 kaze#とんがらし 投稿日:2005/12/01 (木) 23:29
鶴岡次郎様、毎回楽しく読ませていただいております。
今後もすばらしい小説をよろしくお願いいたします。
突然の質問で申し訳ございませんが、この小説はフィクションなのですよね?
探偵という職業をよく理解していないので、依頼をするのを怖く感じています。
このような人情味のある探偵さんは現実に存在するのでしょうか?
変な質問で申し訳ございません。もしご存知であるなら教えていただきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
[Res: ] Re: 真理子の事件(38)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/02 (金) 14:25
kazeさん
探偵とのお付き合いなど、一生ないのが理想です。
私は企業に勤めている時、いろいろ利用しました。
自分で手配しておりませんので正確なところは不明
ですが多分、顧問弁護士事務所の紹介で、探偵を雇った
はずです。
貴殿もその必要があれば、弁護士事務所に相談されるのが
ベターでしょう。参考になりましたか。ではよろしく。
真理子の事件(39)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/02 (金) 15:08
10 離別へのアプローチ
その日、春子ママも、同僚の女の子も帰り、真理子は一人店に酔いつぶれていま
した。山中はこの店に入ることがなく、外でじっと待っているはずです。真理子
の側に隼人に良く似た、いけ面の若いサラリーマンが座っていて、心配そうに真
理子の背中を摩っています。この青年に真理子は以前から惹かれていました。
真理子は酔いが醒めてきた頭の中で、練りに練った作戦を今夜実行に移す気にな
りました。側に居る坊やに抱かれるつもりです。
熱いと言って、ブラウスを取り、ハーフカップのブラ一枚になり、真理子はカウ
ンターにうつ伏せになりました。白い肩越しに豊かな乳房が見え、少し色づいた
乳首さえ見え隠れしているのですが、坊やは何もしないで、真理子の背中をさ
すっています。真理子は男の股間をそっと握りました。確かな手ごたえが有りま
す。真理子は椅子から立ち上がり、淫乱な笑みを浮かべて男を見つめて、彼の腰
に手を伸ばし、男のベルトを外して、ズボンをショーツと一緒にはぎ取りました。
まだ黒くなっていない、それでも大きなものが勢い良く飛び出しました。
真理子は欲情した笑いを浮かべて、それを口に含み、上目を使って松田を見なが
ら美味しそうに松田の肉棒をしごき始めました。静かな店内に淫靡な音が響いて
います。真理子の唇の端から、精液とも唾液とも判らない液体が糸を引いて床に
落ちています。ここまでは時々店のサービスでやることがあり、松田にも、真理
子はサービスしたことが有ります。それでも誰も居ない閉店後の店の中では、何
かがその後に起こりそうで、松田はいつもと違ってかなり興奮しています。
「マリ子さん、そんなことをしたら・・、ああ・・」
その青年は我慢できなくなったようで、真理子を抱きしめ、荒々しい手付きで真
理子のスカートをはぎ取り、ショーツに手をかけています。しかし、大きな臀部
に邪魔をされて、ショーツを上手く取り去ることが出来ません。真理子が笑いな
がら、自分でショーツを脱ぎとりました。
淡い照明に真理子の陰部が黒々と浮かび上がり、そこから、湿った性臭が湧き上
がり松田の敏感な鼻腔を刺激しています。男はその匂いで頭が白くなるほど興奮
して、乱暴に真理子を抱き上げて床に座らせました。そして、唸り声を出しなが
ら真理子の両脚に手をかけて、いっぱいに股を開きました。
亀裂の中で、サーモンピンクが濡れて光っているのが男の目に良く見えます。
「ああ・・ん、ダメよ松田君・・、ああ・・ん、そんなに見ないで・・
ああ・・、ダメ・・、そこを触ると、私、私、ダメになるわ・・・」
男が指を伸ばして、亀裂を触り始めました。驚くほどの愛液がほとばしり出て、
塩ビタイルの床を濡らしています。床に腰を落とし、両手を後ろに付いて、真理
子は股間をいっぱい開いて、そこに男の指を十分に迎え入れています。
男が頭を股間に割り込ませて、そこに吸い付いてきました。床に座り込み、白い
喉を見せて、真理子が仰け反り、両手を後ろに付いて、両脚をいっぱいに開いて、
男の頭を挟みこみ、股間を男の舌に開放しています。激しい水音が響いて、真理
子の愛液が床に大きな染みを作り始めています。
「松田クン・・、良いわ・・・、もっと奥を・・、奥を舐めて・・・
ええ、そうよ・・、ああ・・ん、もういいわ・・・、もう、来て・・・」
真理子が男の首に両手をかけて、男の体を引き上げ、上に載せて、両脚を男の腰
に絡めました。男が肉棒を真理子の亀裂にあてがい、一気に腰を使いました。ズ
ブズブと破裂音がして、肉棒が真理子の中に、埋没してゆきます。
「ムム・・・・・、ああ・・・ん、いいわ・・・、いいわ・・・」
それから、30分間、狭い床の上で二人は絡み合い、男は真理子の腹に大量の精
液を吐き出し果てました。
全てが終わって、真理子が酔いで体を揺らせながら、山中のところに行くと、彼
はいつものように体をチェックして、真理子がショーツも、ブラも取り外し、体
から強い男の匂いを出しているのを直ぐに嗅ぎ取りました。
山中は今にも泣き出しそうな顔で真理子を見つめて、それでもやさしくバイクの
後ろに乗せ、アパートへ向かいました。真理子が後ろから手を伸ばして、いつも
のように山中のそこを触ると、ズボンを突き上げるようにそこが異常に勃起して
います。
真理子が予想したとおり、怒り狂うより前に、嫉妬に身を焦がして、山中は凄く
興奮しています。早く部屋に戻って、男の精液で汚れた真理子を抱き、その中に
肉棒を挿入することだけを考えている様子です。
部屋に戻り、真理子は酔いの残った口調で、男に抱かれたことを山中に謝りまし
た。
お客から散々に悪戯されて、店が終わった頃は体が疼いて我慢できなくなって、
とてもこのままでは帰れないと思って、真理子から若い男に働きかけて、男の肉
棒に吸い付き、そして床の上で抱かれたことを説明しました。
こうして抱かれたと、片足を持ち上げて、その足を椅子に置き、後ろから挿入さ
れた様子を山中に見せました。片脚を大きく開いてショーツのない股間をむき出
しにして、陰毛で飾られた亀裂のみずみずしい姿を山中の目に曝しています。も
う愛液が沸き出て、それが雫となって床に滴り落ちています。男を呼び寄せるよ
うに大陰唇がヒクヒクと蠢いています。
抱かれた格好を演じている真理子の後ろに山中が立ち、いきり立たせた肉棒を手
に持って、その男がやったように突き入れました。首を仰け反らせて、真理子が
それを受け入れ、高い喘ぎ声を上げて、叫びました。
「ああ・・ん、いい・・、もっと奥を突いて・・ああ・・・いい、
やっぱり貴方が一番良いわ・・・・、もっと・・・・
ねえ、・・これから、私はやりたい時に、男を抱くわ、貴方一人では・・・
ここが、ここが・・、オマ○コが疼いて仕方がないのよ・・、
でもあなたが駄目というなら・・・
やめても良いのよ・・、ああ・・ん、もっとそこを突いて・・・ああ・・」
山中は、他の男が残した精液の香りをかぎながら、真理子を後ろから攻めていま
す、山中自身が驚くほど肉棒は強くなっています。他の男に真理子が抱かれたこ
とで山中の肉棒が巨大になっているのです。
「真理子、真理子・・、良いよ・・・、凄く良い・・・
一つ約束してくれ・・・、俺に隠れてやらないで欲しい・・・
男と寝た後、そのまま帰ってきて欲しい・・、
それだけ、それだけを守ってくれるなら・・・・仕方ないよ、抱かれて良いよ」
山中は真理子が他の男に抱かれることを不承不承認めました。男に抱かれた後の
絡みの素晴らしさに、山中はもう抵抗できなくなっていました。それに最近山中
は真理子の女盛りの情欲にたじたじで、一人では対抗できそうもないと少し弱気
になっていました。
「いいわよ、オマ○コにも、お口にも、お尻にも、いっぱい精液を溜めて
持って帰るわ、ああ・・いい・・、もっと・・・・
変な人ね・・、こんなにチ○ポを硬く、大きくして・・凄いわ・・いいわ・・・
あなた変態よ・・ああ・・・ん、逝くわ、逝く、逝く・・・ゥ」
真理子の事件(40)寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/03 (土) 21:50
あの青年、松田を含めて三人の若い男を選び、その日以来、真理子は気が向けば、
彼らの中からその日の相手を選び、表で待っている山中を無視して、男を連れて、
タクシーに乗り、ラブホテルに行くようになりました。その車の後ろを山中がバ
イクで追いかけ、真理子がそのホテルから出てくるのを山中は待っていて、こと
の終わった彼女をアパートに連れて帰るのです。
アパートで、山中は真理子が男に抱かれた様子を聞き、悶えながら、ほとんど泣
きながら、真理子に絡み付いています。
山中が、ある日、真理子さえ良ければ、アパートの部屋を使って良いと言いまし
た。真理子もそのほうが、面倒がなくて良いと喜んで、その時以来、よほどのこ
とがない限り真理子は男を自分の部屋に連れて行くようになりました。
一週間に2度ほど、山中が夜勤の日を選んで、真理子は男に抱かれました。男が
帰った後、男の匂いがいっぱい充満した部屋の中で、真理子を抱くのが山中の楽
しみになりました。
夜勤のない夜、真理子が男に抱かれて呻き声を上げ、激しく体を使う建物の軋み
を、階下の空き部屋でじっと聞いていて、山中は肉棒を握り締めて、必死に耐え
ていることもありました。そんな時、山中はいつも泣いています。
男が帰るのを待って、山中は極限まで高まった情欲を真理子にぶつけるのです。
山中が破裂しそうになった肉棒を握って部屋に入ると、真理子は男に抱かれた姿
のまま、全裸で、男の精液を体一面にたっぷり降りかけられて、四肢をいっぱい
開いて、肩で息をして、眼を閉じていて、山中が部屋に入ってきたことにも気が
つかない状態になっています。
股間の茂みは愛液と精液で濡れて、どろどろになっています。その汚れた体を舐
めつくすことから山中は始めます。泣きながら舌を使い、足先から頭までくまな
く舐め回します。真理子が蘇り、山中の丁寧な愛撫に反応を示しだすと、山中は
カチカチになった肉棒を挿入して、懸命に体を駆使して、命の限り肉棒をたたき
つけます。若い男達に負けないよう、その時、山中は鬼になります。やがて時が
来て、真理子が何度目かの頂点を極め、気を失って四肢の力を抜くと山中は真理
子の膣に深々と放出します。山中は真理子の希望でパイプカットを済ませていま
す。
ある時、山中と真理子が部屋に居る時、男が今から部屋に来ると電話してきまし
た。山中が部屋を出ようとしています。いつものように階下の空き部屋で聞き耳
を立てるつもりです。
「ここに居たかったら、居ても良いよ、私も、多分彼も気にしないと思うわ」
真理子が、淫乱な笑いを浮かべて、キャミソール一枚、Tバックショーツの格好
で、山中の背中にかぶさりながら囁きました。山中は、びっくりして、それから
慌てて、首を振り、しばらくして、こっくり頷きました。
布団を出した後の押入れに山中が隠れて、襖の隙間から、二人の絡みを覗くこと
にしました。山中は、小用に使う洗面器と、ペットボトルを持って、股間をいっ
ぱいに緊張させて押入れに入りました。山中の視線、一メートル先に若い二人の
布団が敷かれています。
「松田さん、いらっしゃい」
松田は真理子好みの若い、いけ面です。浮気相手に山中が闘争心を失うほどの若
くて、良い男を選ぶことにしていて、それは真理子にとっても勿論楽しいことで
す。
激しい口付けの後、真理子は自分でショーツもキャミソールも取り外し、股間を
いっぱい開いて、そこを男に舐めさせています。男にそれほどテクは有りません。
それでも悶えて、真理子は男の股間のものを頬張り、その姿を山中に見せ付けま
す。山中に足先を向けて、大きく開き、真理子は肉棒を亀裂あてがい挿入を促し
ています。真理子は松田と絡むこと以上に、山中に見せ付けることに集中してい
ます。
「入れて、いれて・・、チ○ポをいれて・・」
次第に真理子は興奮してきて、山中に見せるための演技をする余裕がなくなって
きました。両手、両脚を男に絡めて、しがみ付いて泣き叫んでいます。それから、
若い二人は、三時間以上休みなく絡み合い、その青年は、5度も放出して、真理
子の前にも、後ろにも、たっぷりの精液を注入しました。
最後には、煌々と照らされた電灯の下で、大股を開いて真理子の陰毛をすべて剃
り落すことになりました。つるつるのその部分を見る度に、この日のことを山中
に思いださせることが狙いで真理子が松田に陰毛を剃ることを求めたのです。
大きく開いた真理子のそこに男が顔を密着させて、そこを散々に弄くり、かみそ
りで刺激しています。最初、真理子は笑っていましたが、終わりの頃は泣き叫ん
で、肉棒を激しく求め始めました。男の肉棒も凄い勢いになっています。
やっと剃り終わると、男がその部分に肉棒をいきなり挿入しました。準備が十分
できていた真理子は仰け反って、悶えています。それから男の若さに任せた攻撃
が続きました。突かれて、突かれて、声の嗄れるほど絶叫して、果ては、四肢を
投げ出して真理子は悶絶しました。きれいに剃りあげられた亀裂から、サーモン
ピンクの中身がはみ出して、それが精液で濡れて光っています。今日は安全日だ
と言って松田に膣内放出を認めたのです。実はこっそりピルを服用しているので
すが、真理子は勿論それを言いません。
男が帰った後、山中が押入れからなかなか出てきません。
真理子の事件(41)、寺崎探偵事務所 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/05 (月) 14:49
松田が帰った後、山中が押入れからなかなか出てきません。激しい絡みに疲れ果
てて、立ち上がれない裸の真理子がそこまで這って行って、襖を開けると、山中
は押入れの中段に、裸になって、肉棒を握り締め、泣きつかれた赤ん坊のように、
蹲っていました。洗面器にいっぱいの小水がたまっていて、凄まじい臭気を辺り
に撒き散らしています。山中の股間の周りには、大量の精液が溜まって棚の上で
既に固まり始めています。
真理子は押入れの中断に掴り、体を持ち上げるようにして、ようやく立ち上がり、
泣きながら、山中の唇に口付けして、元気を失っている彼の肉棒を右手で握り、
左で腰を抱きしめました。
「ごめんね、ごめんね・・・・、こんなにいっぱい出して
辛かったのね・・・、ごめんね、さあ、降りて・・・、
ねえ、私を抱いて、やっぱりあなたでないと
私、満足できないの、あなたのこれがほしいわ・・・」
真理子が左手に力を入れて、山中を押入れから下ろそうとしました。その弾みで、
洗面器が傾き、中の小水が流れ出し真理子と山中にたっぷり降りかかりました。
真理子は顔にかかった小水を舌で舐め、体に降りかかった液体を手で全身に塗り
こめました、先ほどまで抱かれていた松田の体液の香は山中の小水の匂いで完全
に消されました。
真理子は山中を戸棚から下ろし、畳の上に横たえました。優しい目で山中を見て
いた真理子は跪き、舌を突き出し、彼の股間から、そして全身を舐め始めました。
山中は痴呆になったように、真理子に全身を舐められながら、ただ泣いています。
「バカ、バカ、バカ・・、どうして我慢するの
止めろといえば・・、一言、真理子、止めてくれ・・・、そう言えば良いのよ
ごめんね、もう、こんなことしないから、私、元の真理子に戻るわ」
真理子は脚を開いて、山中の上に跨り、亀裂と陰毛で、山中の全身を擦り上げて
います。唸りながら、山中の体の上で、白い裸体をくねらせる真理子、ただ、お
いおいと泣き続ける山中、彼の股間は緩んだままです。
真理子が立ち上がり、寝ている山中に股間を開いて、顔といわず、腹といわず
シャワーを振り掛け始めました。
「ムワワ・・・、真理子・・・、いいぞ・・、もっと・・ムム・・・」
山中は口を開いて、シャワーを口で受け止めながら呻いています。山中の股間が
突然、緊張して天をつきました。すかさず、真理子がその上に腰を落とし、肉棒
を亀裂の中に納めました。高いラッパ音が室内に響いています。
女が激しく体を上下し始めました。二人の体が、尿と愛液で濡れて、ぬめぬめと
光っています。あたりにすごい臭気が漂っています。プレハブのアパートが激し
く揺れて、天井の照明が揺れて、真理子たちの体が揺れる照明中でいっそう狂った
ように踊っています。
男が真理子を抱きしめ、体を反転させて、彼女の上になり、女の脚を高々と持ち
上げて、えびのように曲げました。女の亀裂が男の目の前で蠢いて潮を噴出して
います。一年前、ただ線だけが走っていた真理子のそこは、景色が一変していま
す。紫に色づいた大陰唇がいっぱいに開き、その中から、小陰唇が完全に顔を突
き出し、獣が一気に獲物を飲み込むために口を大きく開いたように見えます。そ
こから激しく唾液を吐き出しています。山中の全身を飲み込むような勢いです。
一時間後、裸の二人が、尿に濡れた畳の上で悶絶しています。あたりは耳が痛く
なるような静寂です。良く見ると、山中の目から、止め処なく涙が流れています。
山中は真理子との別れを悟りました。
いけ面の若い男に抱かれて、悶えて、絶叫する真理子を覗いていて、真理子にふ
さわしいのは、今、真理子を抱いている若い男達だと山中は思い知らされました。
「あの男は5度も放出できた。それに比べて俺はもう・・・」
50を過ぎた山中がいつまでも真理子を独り占めすることは出来ないと、山中は
覚悟したのです。
こうして、真理子が山中一人のものでないことを教えられ、山中は悶えながら、
泣きながら、真理子を自分の女でなく、一人立ちさせるべき女だと悟りました。
処女だった女を開発して、妖しい魅力を持った女に真理子を成長させたことを誇
りにして、山中は表舞台から消え去る気持でいます。
山中が思うまま扱ってきた真理子の体は、こうして、少しはなれたところに行っ
てしまいました。今なら、真理子が突然山中の前から消えても、自分のものが消
えたと山中が思うことはなく、真理子が自分の意志で山中の前から消えた、仕方
がないと受け入れる素地が山中の中に出来上がりました。
これ以上はもうダメだと思えるほど若い松田に激しく攻められた後、それほど時
間を置かないで、尿と体液にまみれて山中に抱かれ、また、真理子は、悶え、悶
絶しました。真理子は自分の底知れない性への貪欲さに自身でもあきれています。
そして、こんな悦楽を与えてくれる山中に、隼人への思いとは違う愛情がまた、
ふつふつと湧き上がってきました。
悦楽に酔い痴れた後はいつものように、きっぱりと別れると決心した気持ちに迷
いが出てきました。隼人のところへは戻りたい、しかし、山中とは離れたくない
と、けだるい喜びの余韻がのこる四肢を大きく拡げて、真理子の心は二人の男を
思い、揺れ動いています。
迷い始めた真理子の右手が自身の亀裂に触れて、細い指が亀裂に埋没しています。
ゆっくり指が動いて、そこから燃え立つような快感が広がって来ました。真理子
は我を忘れて指を動かし始めました。そして、指を入れたまま、起き上がり、頭
を側に居る山中の股間に埋めて、彼のものを頬張り始めました。もう一度男を膣
の中に迎え入れて、その後でもまだ隼人への思いが切れないようなら、計画通り
隼人の下へ帰ろう、もし山中の肉棒が隼人を完全に忘れさせてくれたら、ここに
残って、山中との肉欲生活を続けようと、真理子は最後の判断を自分の淫蕩な体
の決断に任せることにしました。
山中のものを精力的に頬張り、股間の指を凄いピッチで動かし始めました。真理
子の呻き声が静かな部屋の中に響いています。
山中が蘇り、山中の男根が真理子を串刺しにして、真理子は悲鳴ともうめきとも
知れない声を上げて、四肢を痙攣させて山中の攻撃に応えて、男の体にしがみ付
いて、肩にかじり付きそこから鮮血が流れています。真理子の異常な欲情に刺激
されて、山中は真理子の両脚を大きく割ってそこに体を沈めて、腰を激しく真理
子の股間に打ちつけ、乳首を強く噛んでいます。
そして二人は上になり下になりして獣のように部屋中を転げまわりながら、長い
間絡み合いました。
息絶えるような悲鳴を上げて、先ず山中が全身を痙攣させて真理子の中に樹液を
振り絞って吐き出しました。続いて真理子が痙攣して、山中の股間に激しい水音
を出して、潮を噴出し、白い首を仰け反らせてそのまま失神しました。その瞬間
真理子は隼人の笑顔を思い出し。隼人が真理子をやさしく呼んでいる声を聞きま
した。
「隼人・・、いい・・、オマ○コいい・・・」
真理子の絶叫を山中は、はっきり聞き取りました。二人は重なり合ったまま動か
なくなりました。
真理子の体が結論を出しました。山中の中には真理子との別離の準備が既に完了
しています。一年前に封じ込められた隼人への愛は、それが肉体的な思い出が少
ないだけに、衰えることなく、純粋に培養されて、真理子の中では望郷の気持ち
に似た感情に変わっています。山中との刺激的で、淫らな生活から離れて、真理
子は「故郷」に帰る決心を固めました。
「隼人の下に帰る」それが彼女の次の目標になっています。隼人に会えばその瞬
間から、彼への愛が燃え上がるはずです。
真理子の事件(42)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/06 (火) 10:55
11 失踪する前の晩と同じ花柄のエプロンで・・
隼人は、寺崎から詳しく報告を聞きました。藤村夫妻が語った9年前の強盗事件
も、寺崎は詳しく隼人に説明しました。しかし、藤村夫妻が、あらゆる犠牲を
払っても真理子を取り戻したいと寺崎探偵に依頼したことは隼人には話しません
でした。義理の親子関係とはいえ、いや、その関係があるからこそ、利害が必ず
しもいつも一致するとは言えませんから、あえて藤村夫妻の真理子奪還の依頼は
伏せていたのです。
強盗事件を藤村夫妻が隼人に今まで説明しなかったのは、他意はなく、もう、過
去の事件で話す必要がないと判断したからで、真理子がそこまであの事件に囚わ
れていたことに、藤村夫妻は気が付いていなかったと説明しました。
この説明に、隼人は何かを感じたようですがあえてそれを追求しないで、ただ
黙って聞いていました。
「・・・・、以上が、私達の調べた全てです。真理子さんの現在の住所、その他
の情報はその報告書に詳しく書いています。また、現地で撮影した真理子さんと、
山中と呼ばれる男のスナップもその中に貼り付けています」
寺崎は話し終わって、隼人の言葉を待っていました。当然、隼人は次の行動に迷
いを持っているはずで、それについて意見を求めてくると寺崎は思っていたので
す。その時は、寺崎の気持ちを正直に話す準備をしていました。
しかし、隼人は黙って、報告書を拾い読みして、その内容が今寺崎が話したもの
と同じであることを確かめ、報告書を閉じ、スナップを丁寧に見ています。隼人
の表情からは彼の心の内は寺崎には読めません。緊張して、興奮しているようで
すが端正な顔を崩さず、丁寧に写真を見ています。寺崎は感動して彼を見つめて
います。
真理子が失踪した時、初めてこの事務所を訪れた隼人はまだ子供の面影を残して
いました。あの時、あまりに痛々しくて、花嫁に失踪された詳細をこの事務所の
中で話させるわけには行かないと事務所の皆が思って、この事務所のスタッフ、
秋子が自分の部屋につれて帰り、ベッドで優しく彼を抱いて、やっとすべてを聞
き出したのです。それほど、無垢で、壊れ易い印象の青年でした。
今、寺崎の目の前にいる男は、当時と変わらない甘い横顔を見せていますが、彼
から漂ってくるものは、力強い男の精気と、何者にも屈しない強い意志を持った
若者の覇気です。一年間の苦悩が彼をここまで成長させたようです。寺崎は感嘆
の気持ちで隼人の横顔を見ながら、この様子では、隼人は既に自分の気持ちを決
めていて寺崎の意見を言う出番は多分ないだろうと考え始めています。
「よく判りました。あの時、もし山中さんが真理子を助けていなかったら・・・、
その後、真理子は自分で命を断っていたでしょうね・・・・・、
真理子の命を山中さんが救ってくれたのです。
真理子が山中さんに処女を捧げると思い込んだ気持ちが良く判ります。
私の悔しさは、それでも変わり有りませんが・・・・・・、
お話を伺って、そんな真理子がもっと好きになりました。
我妻ながら素晴らしい女性だと、今は彼女を誇らしく思っています」
隼人は言葉を選びながら、静かに話しています。寺崎はこの一年の空白がこの青年
を素晴らしく成長させたことをさらに強く感じています。
「ありがとうございました。短期間に良くここまで調べていただきました。
御礼を申し上げます。
それで、藤村の両親はこのことを全部知っているのでしょうか、
ああ、そうですか・・・、それで・・、いやそれはいいです・・・、
私のほうから連絡を執ります」
隼人は丁寧にスナップ写真と報告書を封筒に入れて、請求書の金額を支払い、寺崎
に挨拶をしてこの事務所を出る様子を見せました。お金を支払う時、秋子が側に来
た時、ちょっと頬を染めて、挨拶をしていて、そこに一年前の隼人の素顔が現れま
した。
あれ以来、秋子は月に四度ほど隼人を自室に呼び出していて、寺崎にそのつど、そ
の結果を詳細に報告しています。秋子の話では、隼人は真理子以外の女を新しく
作った様子がなくて、以前と違ったことといえば、お金で解決できる女性を平気で
抱いているようで、夜のテクも、もう秋子が教えることは何もなく、最近はいつも
気を失って、彼が部屋を出て行くのを知らないことが多いと、うっとりして寺崎に
報告しています。
「彼にもう教えることは何も無いわ、あなたから教えて貰ったこと、そして私が感
じる女のウイークポイントを全て彼に伝えたわ、彼は天性の業物を持っていて、そ
の上、私と貴方が開発した性儀の全てを自分のものにしたのよ、彼とベッドを共に
する女は一生彼を忘れないほどの男に、隼人さんは成長したはずよ。
真理子さんと言ったわね、彼の奥さん、彼女もこの一年間であちらの方も随分と経
験を積んでいると思うけれど、もしこの後、彼に抱かれる機会があれば、以前と違
う彼のオスの力に、驚き、満足して、もうどんなことがあっても彼から離れないと
思うわ、ちょっと悔しいけれどね・・・女はそんな動物的なところもあるのよ」
つい最近、寺崎に抱かれた後、秋子が隼人についてこのように報告しています。隼
人はこの一年間でメスを引き付けるオスの能力も大きく、強くなったようです。
「橘さん、それで、どうされます。真理子さんを迎えに行かれるのですか」
隼人が何も言わないで帰ろうとするので、寺崎は堪りかねて、自分からその話を切
り出しました。立ち上がりかけた腰を、もう一度戻して、隼人はゆっくり首を横に
振りました。
真理子の事件(43)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/08 (木) 11:40
「真理子は今のまま、もうしばらくそっとして置くつもりです。寺崎さんの調査
では、真理子は束縛されることも無く、自由な生活をしているようですから、私
が無理やり、そこから真理子を救い出す必要が無いと思っています。
真理子は強い自分の意志で、山中さんのところへ行きました。それと同じ様に、
彼女がその気になれば、いえ、この仕事が終わったと彼女が決めたら、彼女はそ
こを離れるはずです。出て行った時と同じ様に、何の前触れもなく、突然、僕の
ところへ戻って来ると私は信じています」
男でもうっとりするような端正な顔を寺崎に向けて、隼人はゆっくりと説明をし
ました。
「こちらのお世話で真理子の周辺を調べたことを真理子はもう気がついていると
思います。そして、彼女の居所と暮らしぶりを知りながら、それでも私が彼女を
迎えに出向かないことに今頃は真理子も気がついていると思います。
彼女の意思を尊重して、彼女を遠くから見守り、ただじっと待つ私の気持ちを真
理子はきっと理解してくれると思っています。そして、私が変わらず彼女を愛し
ていることが真理子に伝わったと信じています。
だから、今は、私は動かないでただ彼女を待つだけです。彼女が帰ってきたら、
その日から私達の新婚生活が始まるのです」
隼人は動き出さないことが、真理子への愛情だと思っていて、それを真理子が理
解するはずだと信じているのです。真理子が隼人の行為を理解することが出来な
い場合、また、真理子が心変わりして隼人のところに戻らない場合は、それはそ
れでいたし方のないことと、隼人は心に決めていると、寺崎は隼人の説明を聞い
て理解しました。
そして、寺崎がハッとするような人を引き付ける笑みを浮かべて、ゆっくり一礼
して、立ち上がり、事務所の出入り口用のドアーに向かいました。
ドアーのノブに手を掛けて、隼人は寺崎を振向きました。何か言い忘れたこと、
それとも言わずに帰ろうと思っていて、思い直して、言うことにした、そんな素
振りで寺崎に数歩近づき語り掛けました。
「多分、真理子の両親は自分では動くことは出来ないでしょうが・・・、
我慢できなくて、思い余って、あなたに真理子を連れ戻して欲しい、代償として
山中さんに全財産さえ差し上げると、そのように貴方に依頼してくると思います
が、私からも二人にはよく話しておきますが、できれば、もう少し、真理子を
そっとしてやって欲しいのですが・・・・、無理でなければそうお願いします」
寺崎の返事を待たないで、その場で丁寧に頭を下げ、自席で立ち上がって見送る
秋子に目礼のサインを送って、隼人はドアーの影に消えました。
寺崎が首を縦に何度も振って、満足そうな笑みを満面に浮かべています。
「格好良い・・・。私ますます虜になりそう、ああ・・、隼人様」
秋子が大げさに両手で胸を抱きしめ、大きな声を出しました。寺崎も、佐伯も思
いは同じらしく、ただ笑っています。
それから一ヶ月経過しました。隼人が一日の仕事を追えてマンションに帰ってき
ました。ここ二ヶ月ほど前から、隼人の生活は落ち着きを取り戻し、何かに憑か
れた様に仕事に埋没していた様子はすっかり影を潜め、すっかり落ち着いて、で
きる男のペースをとり戻しています。そんな隼人の様子は周囲の人にも良く判る
うで、隼人の同僚山田が撮影したあの祭りの写真の中に、真理子を偶然見つけて
以来、隼人がすっかり落ち着いてきたことに神沼課長は気が付いています。
もう無理に飲みに誘うこともしないで、厳しく仕事のチャレンジをしています。
真理子はまだ帰っていないようですが隼人であれば、道を誤らないだろうと神沼
は思っています。
隼人はいつものようにマンションの扉を開けました、週末以外は深酒もしなくな
り、仕事の後は寄り道をしないで家に戻ってきています。玄関を開けるといつも
と少し違う香りが漂っている気がしましたが、気のせいだと思って、靴を脱ぎ、
居間に通じるドアーを開きます。真っ暗な家に戻るのが嫌で、あれ以来玄関の灯
と、居間の灯は点けたまま出勤する習慣が付いています。
居間からキッチンに通じるドアーを開けました。ローストチキンの香ばしい香が
隼人を襲ってきました。キッチンに通じる廊下に、真理子があの日、そう失踪す
る前の晩と同じ花柄のエプロンで、白いブラウス、灰色のプリーツスカートで
立っています。
真理子は大きな瞳に、涙をいっぱい溜めて、じっと隼人を見詰め、そしてゆっく
り頭を下げました。頭を下げたまま、両手で顔を被い、そのままそこに蹲りまし
た。そして肩を震わせ、湧き上がる涙と嗚咽を押さえ込んでいます。
ゆっくり真理子に近づいた隼人は、側に跪き、真理子の肩に手を置いて、ゆっく
り引き寄せました。崩れるように真理子は体を隼人に預けています。真理子の流
す涙が、隼人のYシャツの薄い布地を通り抜けて、隼人の肌を濡らしています。
その生暖かい激情を感じ取りながら、隼人の中の大きな塊がスーッと体から抜け
出しています。一年間、隼人の中に溜め込んでいた、迷い、怒り、嫉妬、それら
の感情の残渣がゆっくり抜け出しているのです。隼人はそれをはっきり感じ取っ
ています。それらが抜け出すと、張り詰めていた心に大きな空洞がポッカリ開い
た気分です。
「ああ、やっと戻ってきた」そう思って、真理子をしっかり抱きしめました。甘
い、あの真理子の体臭が、ほのぼのと立ち上がり、ポッカリ空いた心の空洞を真
理子の香がゆっくりと埋めています。うっとりして、そのまま倒れこみそうにな
るほど、良い気持ちです。
隼人に抱かれた真理子がゆっくり顔をあげ、隼人を見上げました。涙で濡れた顔
に、淡いピンクの唇が震えています。隼人はゆっくり顔を下ろして、その涙を唇
で吸い、淡いピンクの唇にゆっくり唇を寄せました。二人の歯が音を立てて当り、
二人はにっこり笑い、もう、一度唇を寄せ合って居ます。
「部屋、汚れていただろう」
「うん、忙しかったよ、掃除して、お布団を干して、私の荷物を片付けて・・・
今晩は、ローストチキンだよ、ワインも買ってきたの」
二人が交わした、あれ以来の会話です。二人はもう一度、今度は長い、深い口付
けをしました。二人が一つになった時間が静かに過ぎて行きます。
真理子の事件(44)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/10 (土) 13:57
隼人がシャワーを使っている間に、真理子はテーブルに食器を並べています。新
生活のために買った食器類が、一年ぶりにテーブルを飾っています。準備をしな
がら、真理子はあふれ出る涙を抑えることが出来ません。
チキンにナイフを入れ、白ワインを口に含むと、隼人はこらえていた涙を抑える
ことが出来なくなりました。無性に泣けてきます。真理子を見て、笑いながら、
涙を流しています。押さえようと思っても、後から、止め処なく流れ出してきま
す。
「おかしいね、クク・・、嬉しいはずだのに、クク・・・
涙が出るよ、このチキンとっても美味しいよ、クク・・・、ごめんね」
ナプキンで涙を拭いている隼人に、真理子が自分のハンカチを渡しました。真理
子も頬を濡らしています。真理子はこの時初めて、真理子の行為がどれほどに隼
人を苦しめ、追い詰めていたかはっきり悟りました。
結果として隼人を騙したことを、真理子は一日も忘れたことが有りませんでした。
隼人が苦悩して、悩んでいることも頭では理解していました。ただ、自分の信念
を貫き通すことに夢中で、真理子はあまりに隼人の愛に甘えていたことを彼の涙
を見て悟りました。隼人が一番苦しんでいたことをようやく理解しました。真理
子の失踪は、結婚に夢を託して居た青年にとってあまりに大きい負担であったと
いまさらながら、真理子は自分の罪の大きさに慄いています。そしてその大きな
試練を乗り越えた隼人の大きさと、彼の愛の深さに言葉では言い表せない、感動
と感謝の気持ちを感じています。
食後、居間に隼人を残して、真理子はバスを使っています。体の隅々まで、奥ま
で、丁寧に指を使って洗いました。いくら丁寧に洗っても、まだ山中の、そして
戯れに抱いた男達の残渣が体内に残っているような気がして、何度も、何度も、
薫り高い高価な石鹸をふんだんに使って、体を洗いました。
洗い終わった体を等身大の鏡に映して、全身をくまなくチャックしました。山中
に見せ付けながら抱かれた男が剃り落した陰毛はきれいに生え揃っています。何
処にも痣や、傷跡は有りません。最後に股間に手鏡を当てそこをチェックしまし
た。以前の状態をこんなにしげしげ見たことが有りませんので、その変化は真理
子には判りません。少し色づいて、ふっくらした大陰唇が少しその唇を開いてい
ます。真理子はそれをそれほど醜い景色だとは思いませんでした。
ショーツを着けるかどうか迷いましたが、新婚初夜、パリのホテルで着たベビー
ドール一枚だけを身につけました。陰毛が透けて見えます。真理子の母がこれを
夜使いなさいと言って、旅行カバンに入れてくれた香水を空中に散布して、その
中に体をスーと入れて、香を少しだけ体に移しました。
真理子の姿は見えませんが、忘れていたあの香水の香が漂ってきたのを敏感に嗅
ぎ取り、隼人は振向きました。両手を股間で組み合わせて、真理子が笑顔で立っ
ています。豊かな胸が、淡く透けた布越しに見えます。真理子の手では隠しきれ
ない股間の影が淡く暗い影を見せています。隼人はゆっくり立ち上がりました。
そして、真理子の側に近づき、彼女を抱き上げて、寝室に向かいました。
真理子の香は変わっていました。あの野性的な香は跡形もなく消えて、甘い、痺
れるような香がそこから立ち上がっています。隼人はベッドに真理子を下ろし、
ベビードールを取り払い、唇から、胸、そして大腿部とゆっくり時間をかけて唇
で真理子の全身を愛撫しています。
隼人にとって真理子のその部分とはあの日以来の再会です。あの日、ほのかに揺
れる淡い陰毛の陰にふっくらした肌色の亀裂だけが見えていたそこは、今は濡れ
に濡れ、濡れそぼって肌に張り付いた陰毛を押分けるようにして紫色に色づいた
大陰唇が、せり出して、その中からサーモンピンクの膣壁まではみ出そうとして
います。秋子のその部分に比較しても遜色なく、見事に色づいた亀裂です。
その部分に少なくない男根を迎え入れ、その男根と亀裂の激しい交接で肌色一色
だった亀裂がすっかり色付いたことに隼人は気が付いています。その景色の変化
がこの一年間の空白を痛いほど隼人に語りかけています。隼人はそこをじっと見
ています。
真理子はそこを見つめられ、明らかに変化した景色を彼がどう見るかも考える余
裕が無くなり、高まる興奮にじっと耐えながら、わずかに脚を開いて、この先ど
う反応してよいか迷っていて、ただ体をくねらせて、高まる快感に低い声を出し
ています。
股間は恥ずかしいほど濡れています。山中との絡みであれば、ここで股間をいっ
ぱい開いて、そこを男の唇に預けて、真理子は男の頭を両脚で締め付けながら、
男性器に手を伸ばし、それを口に含んでいるところです。真理子はまだ迷って、
腰をうねらせています。
「真理子、我慢しなくて良いよ、感じるままに
うんと乱れても良いよ、僕はそんな真理子が好きだから」
「貴方、どうしてそんなに優しいの・・・・、
ああ・・・ん、我慢できない・・・いや、もう・・、恥かしい・・・
ああ・・・ん、私、私いやらしい事いっぱいしたい・・・・ああ・・・ん
こんなになった私を嫌わないでね・・・ああ・・ん、隼人・・・・」
真理子の理性が欲望を押さえ込むことが出来たのはここまででした。ついに彼
女は盛り上ってくる体の蠢きを抑えることが出来なくなりました。
真理子の事件(45)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/10 (土) 22:09
真理子は体を反転して、隼人のものを手にして、口いっぱいに頬張りました。そ
して、股間を攻める隼人の舌の動きに反応して、体をそらし、両脚をいっぱい拡
げて、その中に男の頭を迎え入れ、それを締め付け、大量の愛液を隼人の顔に吹
きかけています。二人はその姿勢のままで、激しく互いの性器を吸い、齧り、あ
ふれ出る愛液を嚥下して、それだけで高いところにたどり着き、うめき声を上げ
て互いの性器を口に含んだまま、果てました。
真理子は呻きながら、隼人の精液を舌の上でゆっくり味わいながら嚥下していま
す。男の精液の味が、人それぞれそんなに違うものとは、失踪前の真理子は想像
すらしていませんでした。あの地に行って山中の味を知り、そしてスナックで数
知れない男達の精液を味わってきた真理子は今、最愛の隼人のそれを一年ぶりに
味わっています。若々しい、干草の香がして、頭が痺れるようなまろやかな味で
す。真理子はこの味が一番好きだと感じています。そして一滴も残さないよう、
肉棒の先端に残っている残渣もチュチュと音を立てて吸い込み、唇の周りに付い
た液も舌を出して舐めとり、舌の届かない位置にある液は指で擦り取って、口に
運んでいます。まだ味わいつくせない素振りで肉棒に舌を絡めて、深く、浅く唇
を移動しながら、真理子は夢心地で肉棒に戯れています。
隼人の肉棒を頬張りながら、真理子は密かに心配していた一つのことが消えて
ほっとしています。あの地で数え切れないほどの男のものをしゃぶり、数人の男
に抱かれて、山中の物がかなりの物だと真理子は直ぐ気が付きました。その物に
慣れた体が、隼人の物で満足するか心配だったのです。心でいくら惹かれていて
も、ベッドでの行為に山中とあまり差が有りすぎると、隼人との仲が微妙なもの
になると真理子は不安でいっぱいだったのです。それだけ真理子は夫婦生活にお
いて、絡みの大切さを認識していたことになります。
こうして隼人を知ると、その心配が吹き飛びました。あの秋子が驚いた業物です。
表皮こそ山中より柔らかく、男根の色も薄く、勿論あのシリコンのボチボチも有
りませんが、香りが強く、真理子の両手に余るほど大きさで、姿形は隼人のもの
が格段に上です。それに復元力が抜群です。先ほどたっぷり真理子の口中に放出
したのに、もう十分になっています。
隼人の精液をたっぷり飲み、股間をいっぱいに開いて、そこを男に曝し、男の舌
を亀裂に誘い込んで、真理子は成熟した女の感情で、隼人の物をじっくり観察し
て、それを弄くることを楽しみ始めました。ここまで来れば、自分の好色な性と
豊富な男性経験を隠す必要は無いと真理子は思っています。
それに隼人は期待以上に女の体を知っているようで、這いずり回る舌も、巧みに
動く指先も、全て真理子のポイントを的確に捉えています。山中と遜色有りませ
ん。勿論スナックで知り合った若者たちとは比較にならないほど巧みに女体の
ウィークポイントを攻撃してきます。
全身を這いずり回る男の唇、舌、そして強く、弱く体を摩る巧みな指先、真理子
は、もう自分を抑えることが出来なくなりました。山中に抱かれた時と同じ様に、
いえ、それ以上に興奮して、全身を汗と唾液そして愛液で濡らし、大声を出しす
ぎて、しわがれてしまった声で悲鳴を上げています。
「ああ・・・、凄い・・、もう・・、ダメ・・、そこはダメ・・・ダメ・・・エ、
隼人・・・、入れて・・、入れて・・・、チ○ポ、チ○ポ、欲しい・・・ィ」
真理子は隼人の肉棒を口に咥えて、全身を男の愛撫に任せています。口から肉棒
が外れ、真理子は白目さえ剥いて、絶叫しています。隼人の顔といわず、胸とい
わず、全身に真理子は愛液を吹きかけています。ベッドのシーツがぐっしょり濡
れて、二人の体に絡み付いています。
隼人が真理子の口から肉棒を外し、体を反転して、女の両脚をいっぱい開いて、
それを肩に担ぎ上げ、男の指が亀裂をいっぱい開いて、その中のサーモンピン
クを曝しています。男の息がそこを刺激して、真理子はもう夢心地で、自分から
大きく股を拡げています。
真理子はこの恥かしい姿勢が実は一番好きなのです。山中にこの姿勢で散々攻め
られて、真理子はこの姿勢をとるともう止まらなくなり、どんな恥かしい、破廉
恥な行為も平気でこなします。
海老のように下半身を折り曲げられ、何も抵抗できない状態に追い込まれて、亀
裂も菊座も男の目の前にいっぱいに露出して、あふれでる愛液を男の口で吸い取
られ、その様子を女は自分の目で確かめることが出来るのです。
陰毛の中に男の舌が差し込まれ、亀裂を舐るのさえ女は自分で見ることが出来ま
す。女は目で自分のはずかしい姿を楽しみながら、同時にクリから陰孔を攻める
舌の動きに、高められては我を忘れて大声を出し始めます。
真理子がもう眼を閉じて、声にならない呻き声を出し、男の挿入だけを求めて、
全身で蠢いています。男根を迎え入れるためなら、今の真理子はなんでもする勢
いです。男の目の前で大陰唇が割れ、中身があふれ出て、愛液が滴り落ち、陰孔
が蠢いています。そこに男は肉棒の先端を軽く当て、ゆっくり擦っています。秋
子が隼人に教えた必殺のじらし技です。真理子は呻き声を上げ、それが悲鳴に近
い声に変わり、そこから溢れた愛液が真理子の陰毛から溢れ、腹を伝わり、流れ
落ちてシーツに大きな染みを作っています。そして、遂に大声で、それを要求し
始めました。
「貴方、いい・・、もう、来て・・、ああ・・・ん、
もう・・、ダメ・・・・、ああ・・ん、欲しい、欲しい、ああ・・ん
チ○ポ欲しい・・入れて・・・エエエ、ああ・・・ん
ああ・・ん、そんな・・・、オマ○コが痺れる・・ああ・・・ん、ゥゥウ」
隼人は、真理子の4文字発声を聞いて、思わず洩らしそうになるのを堪えていま
す。真理子が髪を振り乱し、眼を吊り上げて、唾液を飛ばしながら、両脚で隼人
の腰を強く締め付けて、それを激しく動かして、挿入を督促しています。
真理子の事件(46)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/12 (月) 20:42
隼人はそんな真理子を余裕で見つめながら、肉棒の先端を陰孔にあてがい、一気
に体重をかけました。真理子が息を深く吸い込んで、目を反転させて、白くして
います。
「アウ・・・ンン・・・・、
イイ・・・ダメ・・・・ェエ、
逝く・・・・ウゥッ・・・・・」
真理子が最初の挿入で、そのまま逝きました。隼人の肉棒が締め付けられ、激し
い膣の動きに肉棒は翻弄されています。すばらしい感動です。隼人は眼を閉じて、
ヒクヒクと蠢いて肉棒に絡みつく、真理子のやさしくも、淫靡な膣の動きを楽し
んでいます。
この夜、抱き上げた真理子をベッドに下ろして、ベビードールを剥がした時、真
理子の亀裂の大きな変化に隼人は自分の眼を一瞬疑いました。そして、その中に
出入りした男のことを思い、隼人は心を締め付けられるような嫉妬を感じ、そ
の部分から眼を逸らしたくなりました。
しかし、真理子を抱き、その素晴らしい反応と妖しい体を体験すると、真理子が
素晴らしい女性に成長したことを認めざるを得ません。秋子は勿論、街で買った
どの女性より妖艶で、絡みのテクも際立って確かです。特にオーラルでは、真理
子ほどのテクを持った女性を隼人は知りません。挿入してからの反応もただ驚き
です。
互いに待ちに待った交接とはいえ、隼人はかって感じたことがないほどの光悦を
感じ取りました。目がくらみ、ほとんど失神寸前の快楽を感じることが出来たの
です。一年の空白が真理子を素晴らしい女性に仕立て上げたことを隼人は感じて
います。ここまで真理子を仕上げてくれた山中に奇妙な親近感さえ隼人は感じ始
めています。確かに、交わりの中で見せる真理子のあらゆる行為、妖しく乱れる
姿態、喜びの声、そして膣の蠢きにさえ、山中の強い影を身近に感じますが、隼
人はその男の影を感じて余計に刺激され、さらに高い所に逝く自分に気がついて
います。
もし、真理子の失踪が無く、あのまま二人が新婚生活を送っていたら、とても今
のような光悦の頂点にたどり着くことは無かったと隼人は考えています。一年の
空白の代償が妖艶に変化した真理子だと考えて、隼人はある種のあきらめに似
た、満足感を感じています。
真理子を今夜抱いた時、彼女が他人に抱かれたことに対して、生理的な嫌悪感や、
強い嫉妬心が無かったといえば嘘になりますが、それは一過性のもので、他の男
根でその部分の色が変わるほどに散々に突かれ、彼の精液をたっぷり飲んで見事
に磨き上げられた真理子の体を経験すると、この体が自分のものになるなら、悶
えるような嫉妬の苦労にこれまで耐えた抜いた価値はあると隼人は割り切りまし
た。
所詮、男とはそうした生き物だと隼人は覚めた目で自分の心の中を覗き込んでい
ます。そしてここまで真理子を育ててくれた山中に、お礼を言いたい気分です。
もう山中に処女を取られた悔しさは記憶の隅に押しやることができました。
真理子が失踪したあと、一人でいろいろ考えて、気が狂い出す思いをしたことも
有りましたが、真理子のすばらしい体を十分味わった今は、あの苦悩が嘘のよう
に思えるのです。頭の中では決して許せない山中と真理子の行為も、真理子の素
晴らしい体を抱くと、山中にお礼を言いたい気分になるのです。男と女の関係は
頭で考えるより、体を接して、体液を交換し合って、感じ取るものだと隼人は改
めて感じ入っています。
一方真理子は、山中を凌ぐ業物と、期待以上に高度なテクを持った隼人に完全に
参っています。高度な女性操縦テクを隼人が何処で習得したか少し心配な真理子
ですが、一年間酒場で男達の相手をしてきた彼女は、男達の生理に関して、十分
な知識が有り、隼人もそうした男達と同じ様に、街で何度か女と過ごしたと思っ
ています。適当な機会にチェックを入れて、それが病み付きにならないよう注意
する必要があると考え、真理子はそれ以上の隼人の女性関係には気を使っていま
せん。
それから、二人はカーテンの隙間から朝日が差し込むまで、逝っては、蘇り、ま
た絡み合う、愛の交歓を心行くまで楽しみました。
欲望が先行して、ただ性器を絡め合う行きずりの男女の性交は、どこか覚めたと
ころが有って、ことが終わればそそくさと身支度をして、何となく後ろめたい気
になって、元の知らない仲に戻るのですが、愛し会う二人の性交は、愛を確かめ
合う行為で、性交を重ねるごとに、愛が深まり、絡めあう性器の快感もそのたび
ごとに前回を凌ぐ快感を生み出します。
朝日を浴びながら、二人は息、絶え絶えになりながらも、性器を絡ませ、そこか
ら燃え上がる悦楽に身を焦がしました。
隼人をそこにやっと迎えることが出来た喜びと、山中に開発しつくされた女の官
能が爆発して、ほとんど狂ったように、真理子は男に抱きつき、絡みつき、濡れ
て泡を吹く女唇を、隼人の顔といわず、腹といわず押し付け、愛液をぬたくり回
して、果てはいきり立った肉棒をその中にいっぱい入れて、痙攣して果てるので
す。
何度も何度も逝って、蘇り、また肉棒を迎えて高まり始めた時でした。その時、
真理子の体の奥から得体の知れないものが湧き上がり、真理子自身が驚くほどの
勢いで大量の液体が亀裂から音を立てて流れ出ました。
「助けて、助けて・・・、ああ・・・、落ちるわ、落ちるわ・・・、ああ・・ん
ダメ・・・・、出る・・ウウ・・」
隼人も、勿論真理子も初めての経験です。そこから湧き出る潮を腹に受けて、
隼人は思わず声を出しています。隼人が驚いて体を離し、驚きの目でそこを見て
います。勿論隼人も初めて見る光景です。シーツに広がるその液体を見て、二人
は子供のように笑いこけ、隼人が真理子の股間に首を入れ込み、指でそこを開い
て、覗きこみ、ついで真理子自身も、股を開いて、そこを覗きこみ、笑いながら、
首を捻っています。
それからは、真理子が大量の潮を吹くのは珍しいことではなくなりました。真理
子はまた一皮剥けた新しい女の領域に入ったようです。
真理子の事件(47)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/13 (火) 10:44
「ハイ、申し訳有りませんが、寝坊しまして、今、起きました。
よろしかったら、午後から出勤させて欲しいのですが、・・・実は・・」
隼人と真理子が眼を覚ましたのは、よく朝10時を過ぎていました。勤め先の始
業時間を過ぎています。ベッドの中から神沼課長に隼人は電話をしています。
「何・・、寝坊した、バカ・・・、
今、起きただと・・・・・、何時だと思っているのだ・・・
夕べは呑まないで早く帰っただろう・・
何・・、良く聞こえない・・・、うん、うん・・・・・そうか、良かったな」
隼人が真理子の帰宅を神沼に伝えました。神沼は声を詰まらせています。声を低
くして、喜んでくれました。
ところが、突然、電話口で大声を出し始めました。もともと、神沼は電話の声は
高いのですが、さらにそのボリュームを上げています。20人以上いる課員が課
長の声に聞き耳を立てています。話の相手が隼人だと皆が知っています。
「するとなにか・・・、女房が久しぶりに帰ってきて、
嬉しくなって、励んで、朝寝坊したというのか、だらしがないね・・・・、
若いくせに・・、だらしがないぞ、俺なんか・・、まあ・・それはいいか
判った、今日は出てこなくて良い、これは課長命令だ、
明日も休め、明後日、出勤するのだ、いいか、これは課長命令だぞ」
神沼課長は大声でそういって、電話を切りました。やたらと課長命令を発動する
のが神沼の欠点だと、隼人の同僚山田が笑いながら隼人に話していたことが有り
ました。神沼の笑顔に涙が浮かんでいます。
課員は隼人の妻が何かの事情で失踪していることを皆知っています。そして今、
真理子が帰ってきたことを皆が知りました。隼人がこの一年間、この苦悩に負け
ないで、一生懸命働いていたのを温かく見守ってきた皆は、心からそのことを喜
んでいます。その部屋に居る全員が笑顔で課長を見ています。神沼が皆を見回し、
ゆっくり何度も何度も、頷いています。
その日、「課長命令」で休みが取れたので、二人で連れ立って、藤村宝石店を訪
ねました。事前連絡をしないで、店の入り口に二人が立つと、店員の一人が目ざ
とく見つけて、奥に向かって「お嬢様がいらっしゃいました」と連絡すると、半
信半疑の顔で佳代夫人が現れ、真理子を見つけて、大きな声を上げて主人の与一
を呼びました。
泣き出す両親を、なだめて、真理子は二人を抱えるようにして、二階の部屋に連
れて行きました。店の従業員には、真理子はアメリカに留学していると言ってお
り、久しぶりの対面で年老いた両親が泣き出したと店の皆は思っていて、にこに
こ笑いながら、藤村親子を見送っています。隼人は親子水入いらずで、話がある
だろうと思い、会社に顔を出してくると言って、2時間ほど後、この店で会うこ
とにして、真理子とそこで別れました。
隼人はその足で寺崎事務所を訪れました。寺崎も、佐伯も、そして秋子も事務所
に居ました。失踪調査願いを出したことを真理子には秘密にしておきたいと隼人
は思っています。
「そうですか、昨日、真理子さんが帰ってこられましたか、
それはおめでとうございます。わざわざお知らせいただいて、恐縮です」
寺崎は心から喜んでくれました。出来れば真理子に会いたい気持ちですが、真理
子の知らない調査ですから、叶わない望みです。
寺崎は真理子と山中が円満に別れることが出来たかどうか心配していて、そのこ
とを隼人に確かめましたが、まだそうした話をする時間が無くて、失踪後のこと
は何も真理子から聞いていないと、隼人は言いました。
「真理子から言い出さない限り、私から訊ねることはしないつもりです。
これからもずっと黙りとおすなら、それはそれで良いと思っています」
隼人は気負わないで、淡々とその気持ちを寺崎に伝えました。ただ、真理子の気
持ちを尊重して、今後一年間は、山中の暮らしぶりとか女出入りを定期的に調べ
て欲しいと寺崎に依頼しました。月一度、佐伯が現地に行って調べることが決ま
りました。
真理子の事件(48)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/14 (水) 16:23
寺崎との話が終わって、店に戻ると、両親と真理子が隼人を待っていました。
二階の居間に隼人は案内されました。ここを訪れるのは隼人にとって初めてのこと
です。真理子と交際を始めて以来、真理子の住まいは郊外の家だと教えられていた
ので、あの失踪事件で調査を依頼した寺崎報告書で、真理子が中学生になるまでこ
こに住んでいたことを初めて知ったのです。
案内された応接間に一人残された隼人はこの部屋であの事件が起きたのだと、ソ
ファーから立ち上がり興味深く部屋の中を見回しています。部屋の中は当時のまま
に綺麗に維持されている様子で、英国調の古いテーブル、布張りの椅子、ライテイ
ングデスクなどが、厚手のカーテンの隙間からわずかに差し込む日の光りに鈍い光
を放っています。ペルシャ絨毯を敷き詰めた床を踏んで、窓際に行くと、今時では
珍しい木製の窓枠に嵌めこまれたガラス越し銀座の街角が多少歪んで見えます。
窓ガラスも昭和初期以前のもののようです。
「事件は、ここではなく、あちらにある両親の寝室で起きたのよ」
隼人の背中で真理子が突然言葉を発しました。隼人がびっくりして振向くと、やや、
青ざめて、緊張した顔で真理子と両親が立って隼人を見つめています。真理子の眼
に涙が少し湧き上がっています。隼人が笑顔で頭を下げながら3人に歩み寄ろうと
しました。真理子と両親が突然、絨毯に跪きました。隼人はあまりに突然のことで
驚きそこに立ち尽くして、3人を見下ろす形になっています。
「両親から全部聞きました。貴方は全てを知っていながら、私の気が済むまで待つ
と言ってくださったことを両親から聞きました。私のわがままから、貴方には取り
返しのつかない、ひどいことをしたのに、それに文句も言わないで、私を信じて、
待って下さったばかりでなく、取り乱した両親さえ説得していただいたと聞きまし
た。
なんと申し上げたら良いか、私はそんな大きな貴方の愛情を受ける資格のない女だ
と、両親の話を聞いて良く判りました。
それで、もし貴方が・・・・・」
真理子の両親は絨毯に跪いて、頭をたれて、すすり泣いています。真理子は両手を
絨毯について、涙を押さえ込む気丈さを見せて、隼人を見上げながら、ゆっくりし
た調子で、それでも切々とした感情のこもった、張りのある声で話しています。
隼人も、ゆっくりその場で膝を折り、絨毯の上に正座して、真理子をじっと見てい
ます。緊張した顔を紅潮させて、それでも隼人から眼を逸らさないで、必死で涙を
抑えて真理子は話しています。そんな真理子を隼人は美しいと思いながら、ゆった
りした気分で真理子の話を聞いています。そこまで聞いて、真理子が次に言い出す
内容が判りましたので、隼人は手で真理子の話をやさしく遮りました。
「真理ちゃん、もし、僕があの時、君からその話を打ち明けられて、山中さんのこ
と、そして君の決意を知っていたら、やはり君が山中さんのところへ行くことを許
したと思うよ、だから、君が僕を裏切ったと思う必要は全く無いよ。結果は同じだ
からね。
ううん・・・、いま思いついたことで無く、君がいない一年間、いろいろのケース
を考えて、シュミュレーションをしたのだよ。
勿論、最初は何が原因で君が失踪したか判らなかったけれど、君が自分の意志で家
を出たことは判っていたので、君の思い込んだ気持ちをいろいろ考えたのだよ。
いろいろな可能性を考えている内に、すっかり僕は気が楽になってね、その目的と
仕事の内容は判らないけれど、君は大切な仕事をやるために家を出た、君がやり遂
げようとしている仕事が終わってから、僕達は結婚すれば良いと割り切ったのだよ。
だから僕はいつまでも君を待つ決心をその時固めたと言えるね」
隼人はそこまで話して、じっと眼を閉じています。彼自身、そのことを話しながら、
そうはいっても悩み苦しんだ当時を思い出し、迫るものを感じて、眼を閉じてそれ
に耐えているのです。
真理子はそんな隼人の様子を見ながら、意外なことを聞くという驚きの表情をいっ
ぱいに浮かべて、それでも一言も彼の言葉を聞き逃さないように、眼をいっぱい開
いて、次の言葉を待っています。
「最近になって山中さんのことを知ったのだが、勿論悔しい気持ちが無いといえば
嘘になるけれど、君が命を救われた恩を忘れないで、その恩に報いるため君が綺麗
な体を山中さんに捧げようと決心したことを、僕は素晴らしいことだと思うよ、そ
んな真理子がもっと好きになったよ」
隼人の話を聞きながら、じっと我慢していた真理子の目から大粒の涙が流れ出して
います。そんな真理子を優しい目で見ながら、隼人はそこで居住まいを正して、3
人を均等に見ながらゆったりと話し始めました。
「真理子さん、そしてお父さん、お母さん・・・・・。
私は改めて、真理子さんを妻に迎えたいと思っています。お許しいただけますか」
両親が堪りかねて大声をあげて、床に泣き伏しました。真理子はじっと固まって、
隼人を見つめています。
「そんなこと言って・・・、後で後悔しても知らないよ・・、
別れるチャンスを私が与えたのに、貴方はそれを放棄したのだから
後は知らないよ、もっと綺麗な人が見つかっても、もう離さないからね」
真理子は、顔をくしゃくしゃにして、隼人にしがみ付いて、両親が居るのも構わず、
男の唇を貪り始めました。隼人は両親の手前、恐縮して、真理子を離そうとしてい
ますが、彼女は噛り付いて離れません。そんな二人を涙で濡らした顔で嬉しそうに
真理子の両親が見ています。この二人が心から笑顔を浮かべたのは、そう、一年ぶ
りのことです。
与一はその後、重大な話があると前置きして、自分たち二人はすっかり疲れて、店
をやっていく気力が萎えてしまった、できる事なら、真理子に跡を継いで欲しいが、
その気が無いなら、6代続いた店を自分限りで終わりにすると言い出したのです。
与一にすれば、隼人に跡を継いで欲しい気持ちは強いのですが、エリートサラリー
マンの彼にこれ以上の勝手は言えない気持ちです。
「何言っているのよ、お父さんも、お母さんもまだ引退の年で無いわよ、
そんなこと言うと、亡くなったおじいちゃんに叱られるわよ・・・・・
いいわ、私、明日から、店に出るわ、将来のことはその後で相談しましょう
いけない・・・、ねえ、隼人、また自分で勝手に決めたけれど、いいかしら・・・」
勿論隼人が反対するはずが有りません。真理子が店に出ることがこれで決まりま
した。
真理子の事件処理も含め、与一はすっかり自信をなくしていて、早く、引退したい
様子ですが、とりあえず真理子が店に出てくれることで、満足しました。真理子は
店の建て直しと、主婦業の兼業で忙しくなりそうです。
真理子の事件(49)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/15 (木) 13:18
12 エピローグ
「ねえ、私がいない間、夜はどうしていたの、いい人がいたのでしょう」
真理子と隼人はその夜もベッドで一年間の空白を埋めるように頑張り、全身を二
人の性液で濡らし、今は小休止です。真理子が隼人の肉棒を握って、隼人の生活
にチェックを入れています。特定の女性が居ないことはこの部屋に戻ってきた時、
真理子は女性の本能で嗅ぎ取って安心はしているのですが、毎晩のように真理子
を参らせる夜のテクを考えると、隼人が女気なしで一年間過ごしたとは到底思え
ません。それで一応チェックを入れて見たのです。
「うん、新婚旅行から帰って直ぐ、君が居なくなって、新婚生活は知らないまま
だから、元の独身生活の延長で、君が居なくてもそんなに不自由を感じなかったよ」
この一年間で真理子は随分と男性経験を積みましたが、隼人の言葉通りなら、彼は
一年前と変わっていないことになります、真理子は隼人に申し訳ない気分になり、
それ以上追求できません。隼人が特定の女性と懇ろになっていても真理子は文句の
言えない立場です。
しかし現実には隼人も、あの時とは随分変わりました。寺崎事務所の秋子に童貞を
卒業させてもらって、彼女にはそれ以来、月に二度か三度お世話になり、女性のこ
とは全て彼女に教えてもらいました。秋子で女を知ると、お金を出して抱く女でも
ある程度快感が得られるようになり、そちらの方は、月に4度ほど、お金の工面が
つく範囲で通いました。気がつくと真理子にイメージが似た女性を選んでいました。
真理子へ心の傾斜が強いまま、生木を裂かれるように別れたせいか、他の女に心を
移す余裕がなく、街で遭遇する女性にもほとんど興味を示しませんでした。ただ一
人隼人が心を許した女性、秋子本人は隼人を可愛いセクフレとして扱っており、そ
れ以上の感情を見せないよう慎重に付き合ってきました。それを察して、隼人も優
しいお姉さまとして秋子を慕っていて、恋愛感情までその思いを発展させないよう
にしています。隼人は秋子のことを真理子には話さないと決めています。
「そう、そうだったのね・・・、隼人は一年前のままなのね
ねえ・・・、隼人・・・・・・、
本当のこと教えて、どんなことを言われても私、我慢できるから
今日、私に結婚を申し込んでくれた貴方の気持ちは、
一年前、結婚を申し込んでくれた時と同じだと私は信じているのよ
でも、あの時に比べて私の体は変わったわ、これも事実よ・・・・
見たでしょう私の体、数え切れないほど、彼のものを・・・変わっていたでしょう
そんな私を、隼人は昔どおり愛せるの、ほんとにいいの、同情は嫌よ・・」
その時、真理子が握っている隼人の肉棒に変化が起き始めました。かなりはっき
り変化が出てきたのです。ことさら真理子が刺激をしたわけではなく、むしろ真
理子としてはこれから深刻な話をしようと思っているところでした。
処女を他の男に差し出し、その男に真理子の処女はむしり取られて、その後真理
子の亀裂は散々にその男根で突き崩され、開発し尽くされ、元の形を止めないほ
どに変化したのです。こんなに変わってしまった真理子の体を昔のように愛せる
のか、もう一度隼人に確かめるつもりだったのです。隼人のそれに元気がなく
なっても不思議ではない成り行きなのです。
それが真理子の思いとは逆に勃起を始めたのです。何が隼人を刺激したのか、真
理子は考えました。真理子はこれと似た経験が有ります。他の男に真理子が抱か
れた話を聞くとその男の肉棒が元気になるのです。嫉妬がエネルギーになって、
男が立つ現象を山中で真理子は経験済みです。まさか、隼人にその性癖があると
は、もしかすると全ての男性にその傾向があるのではと真理子は思いはじめまし
た。
それで、隼人のM性をもう少し刺激してみることにしました。一年前とすっかり
変わってしまった真理子の体を隼人が本当に好きになれるかどうか確かめること
を棚に上げても、これを確かめるほうが大切だと真理子は思ったのです。
「山中はもう50を過ぎた男だけれど、元組員で、女性経験も豊富だったの
彼、ここにシリコンを入れているのよ、最初の時、それが判らなくてびっくりし
たわ、だって、私は隼人ものしか知らないでしょう。
凄いの、あそこの皮がカチカチで、大きさは隼人の方が大きいけれど
表面の皮がね、鰐皮のように硬いのよ・・・・それが・・・」
もう間違い有りません。隼人のそれは、真理子の手の中で張り裂けるように膨張
して、先端から汁を少し出しています。山中や、隼人が特別でなく、男性は皆、
愛する女が他の男に抱かれた話を聞くとものすごく興奮するものだと真理子はよ
うやく理解しました。
普段は山中にしろ、隼人にしろ、あんなに物分りのいいことを言ったり、行動し
たりしていながら、こと真理子が他の男に抱かれた話を聞くと嫉妬に身を焦がし、
その嫉妬がエネルギーになって、ギンギンに股間を緊張させているのです。
あまり焦げ付かないように、上手に刺激して、妬かせれば、隼人を上手く操縦で
きると真理子は悟りました。そうと判れば、処女喪失から、今まで、真理子の体
験を小出しにして、隼人を喜ばせてやることにしようと思いました。
二人で生活すると決めた以上、山中とのことを負目に感じて隼人の前で卑屈にな
るのは決して二人のためにいいことで無いと思っていた真理子は、隼人の意外な
M性に気がついて、隼人が大きな気持ちであのことを受け入れてくれたことに甘
えて、これからは一年前の新婚気分に戻って隼人に接しようと決めました。
もともと真理子は間違ったことをしたとは思っていません。しかし、隼人の純真
な気持ちを踏みにじったことも事実です。それには一生かかっても償いきれない
ものがあると真理子は隼人にいい知れない負目を感じていました。ところが、負
の遺産だと思っていた山中との経験が、隼人との生活にこの上もない刺激剤にな
ると判ったのです。男と女の間は、予想外の展開があるものです。
頭の中で考えるのではなく、体を接して、互いの性器を触り、体液を交換して初
めて男と女は理解し合えるものだと真理子もまた感じ取りました。そして淫靡な
笑みを浮かべて濡れた亀裂にぴんぴんに膨張した隼人のものをあてがいました。
真理子の事件(50)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/16 (金) 13:41
「山中は何も知らない、初めての私を優しく扱ってくれたわ、全身を嘗め回して
あそこも、お尻も全部、汚くしている所を何度も、何度も、舐めてくれるの、
私いい気持ちになって、脚をいっぱい開いて、あそこをいっぱい濡らしていたわ、
あなたのものを舐めることに慣れていたから、山中のものも丁寧に舐めたの
少し変な味がしたけれど、嫌な味ではなかったわ、その味にも直ぐ慣れたわ」
真理子は聞かれてもいない破瓜の瞬間を説明するつもりになっています。時々、
隼人の表情を覗っていますが、平然として、うっとりした顔をしています。股間
の肉棒は真理子の手にぬらぬらの液を洩らし始めています。真理子はもう少し話
をすることにしました。
「痛かったわ、何も快感は無くて、ただ痛いだけなの
最初はそうして終わったわ、悲しい気持ちも無く、ただ痛いだけなの
しばらくして、二度目にあれが入ってくると、まだ痛さは残るの、ひりひりして
出血は2度目から、なくなったけれど
そう、三度目にあれが入ってきた時、
突然気持ちよくなって、我慢できなくなって、
そう・・・、私のあそこから何かが沸きあがってくるの、
するとそれを待っていたように、山中のあれが私の中で激しく動き出して
お汁が驚くほど流れ出て、お尻が冷たくなるほどだったわ、
私は、もう頭が真っ白になって、夢中になって、大声を出して
そんなに好きでもない山中の首にしがみ付いて、
両脚を彼の腰に絡めていたわ、多分、私のあそこを彼に押し付けていたと思うわ、
私って、いやらしいでしょう・・・、こんなに最初から感じる人、居るかしら
ああ・・・、ねえ・・・こんなに大きくなっているわ、ふふ・・・
貴方、入れて、入れて・・、私もこんなよ・・・、ああ・・ん」
真理子は隼人の肉棒を握り、彼の上に載りあがるようにして両脚を開いて跨りま
した。真理子の体重で肉棒の先端がメリメリと亀裂の中に吸い込まれて行き、肉
棒の脇から、白い泡が勢いよく湧き上がりました。真理子が白い首を仰け反らせ
て、体を上下し始めました。
「ああ・・ん、やっぱり、あなたのものが一番、
山中よりのものより大きくて、硬いわ
うれしい、ああ・・ん、もっと、もっと突いて、ああ・・ん」
隼人が大きな唸り声を上げて、真理子の中にいっぱい放出しました。真理子は隼
人の上に載ったまま、肉棒を開放しません。中を締めて、肉棒を刺激しているよ
うです。
「山中はね、あの年でしょう、一度逝くと、しばらくはダメなの、
それで彼は放出しないで、我慢してくれて、凄いのよ最初の時は、4日3晩、
裸で絡み合ったわ、寝る時間と、食べる時以外、夢中で絡み会っていたわ、
その間、山中はあそこをピンピンに保っていたわ、
私はそれが普通だと思っていたけれど・・・、
男にとってそれは大変なことなのね、他の人は直ぐダメになるけれどね
ああ・・、勿論、私は隼人と山中のもの以外知らないから・・、
そう思っただけよ、ねえ、そうでしょう・・、
あの年では大変なことなのでしょう、男にとって、
隼人のように若くない山中にはそれが大変なことだと、私は思ったの」
うっかり真理子は他の男と比較して山中が凄いと言おうとして、思い止まりまし
た。スナックで数え切れないほど男根をしゃぶった経験をうっかりばらすところ
でした。真理子は、ややドギマギしながらなんとか話を続けています。幸い隼人
は真理子の慌てように気が付かないようです。
「4日3晩、そうして山中は私を優しく抱いてくれたわ、
私、もう抱かれるたびに天国に行って、全身に彼の精液が付着しているのよ
夢うつつで、一日中丸裸で過ごしたわ、もう恥かしさは無くなって
彼にわざとあそこを開いて見せつけて、彼がそこに舌を入れるのを楽しんだわ
食事の間も、彼がそこをしゃぶると、私も彼のものを口に入れたりしたわ
もう、私のあそこは難なく山中のイボイボのものを迎え入れていたわ、
そして、3日目からはどうしょうもなく、体が疼いて、
彼のものがそこに無いと、なんだか寂しいの、私から彼の上に載っていたわ
私いくらでも出来るようになったのね、私、天性の淫乱女かもしれないわよ、
自分でも時々変に思うことがあるのよ・・・、
ああ・・ん、ねえ、隼人・・ん、こんな私を嫌にならないで・・・」
隼人の肉棒が、真理子の中でまた元気になってきました。隼人は山中に負けて
いられない気持ちです。真理子がもう良いと言うまで頑張る悲壮な決意をしま
した。どんな男でも惚れた女の前では他愛無くなります。
その日、真理子と隼人は明け方まで絡み合い、簡単に朝食を取り、少し寝て、
課長命令でとった休暇を全て絡みの時間に向けました。隼人は山中には負けら
れない気分です。
「真理子、どうだ・・・ここは、いいか、どうだ、いいか・・・
山中さんはどんなことしてくれたの・・・、ここを、ここをこうしたのだろう
言ってごらん、ここをこうされたの・・・
教えてくれたら・・、その通り真理子にして上がるよ・・真理子言ってごらん」
隼人は真理子の脚を高々と肩に持ち上げて、両手で真理子の亀裂をいっぱいに
開いて、そこに顔を埋めて、ホールから、クリまで、舌を使って、強く弱く、
刺激しています。そして、真理子に山中との絡みの様子を執拗に聞いています。
山中と対抗することで隼人はさらに燃え上がっています。真理子は仰け
反りかえり、顔をしかめて、あえぎながら、山中との絡みを思い出し、喘ぎな
がら隼人に告白し始めました。
真理子の事件(51)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/17 (土) 22:41
「ああ・・ん、いい・・、山中はね・・・・、
ああ・・、恥かしいわ・・、ああ・・ん
でも・・言うわね・・・、
ああ・・ん、隼人、そこ、そこがいいわ、もっと強く・・」
真理子は、山中との激しく、濃厚だった絡みを一日も忘れたことは有りません。
隼人に抱かれるたびに、山中を思い出しています。確かに隼人は逞しく、巧み
で、真理子の事前の予想は良いほうに狂って、真理子は夜毎に隼人に抱かれて、
十分満足しています。これなら、山中と比較しても遜色ないと真理子は密かに
喜んでいるのです。
ただ、長い組員生活で磨きをかけた山中のテクは、真理子の体にくっきりと大
きな足跡を残していて、隼人が若く、素晴らしい業物を持っていて、秋子に教
えられたテクを駆使しても、真理子は隼人に抱かれながら、その極限のところ
で山中を思い出すのです。それは隼人への不満というより、真理子の体に刻ま
れた、山中の思い出が、亡霊のように真理子の体の中に蘇るのです。
この時もそうでした。隼人に山中のことを聞かれて、真理子は山中とのあのめ
くるめく瞬間を思い出しています。山中が長い時間をかけて真理子の体を開発
して、体に叩き込んでくれた、あの味を、真理子は隼人に教える気になりまし
た。
「あの人はね・・、あの人はお尻が好きなの、前よりお尻が好きなのよ、変ね
それで、毎日そこを舐めて、指でそこをほぐしてくれて、そしてある時・・・
ああ・・ん、恥かしい・・、何度も、何度もそこを・・・、ああ・・・、いい
それでね、私も、私も・・、ああ・・、そこに欲しいの、ああ、欲しい・・隼人」
真理子は山中と絡み合った、その感触を思い出して、隼人の肩に持ち上げていた
足先を天井に向けていっぱいに伸ばし、前を滴るほどに濡らし、後ろの部分を隼
人に見えるように曝して、その部分を男の顔にこすり付けようとしています。
山中は真理子の膣に男根を埋め込んで真理子の体を正当に楽しみながら、ある目
的を持って、毎日丹念に菊座を舐め、指でその部分をほぐすことを始めていまし
た。指を一本、その先端を少し入れることから始めて、根気強く揉み解し、三日
後には二本に増やし、その部分を一週間十分に揉み解し、10日も経った頃には
3本の指を入れても真理子は痛がらなくなりました。その頃には真理子もその部
分を触られることに慣れて、恥かしがらなくなり、その部分を舐められ、指で穿
られると前部とは違う感触で悶えることを覚えました。
そして、真理子はいつかそこに男根を迎えることを予期するようになっていて、
そのことを思って、指でそこをほじられると全身で悶えて、男根を知らず知らず
に呼び込んでいたのです。
ある日、突然、何の前触れも無く、イボイボの男根がそこに入り込んできました。
激痛の中に奇妙な屈辱感と、恥かしさが交じり合った複雑な感情が先行して、前
部とは違う快感が真理子の中から沸きあがってきました。山中はこの中に入ると
短時間で頂点に達するようで、その日以来、最後の仕上げはいつも後部で、山中
は逝くようになりました。
真理子は後ろに山中を迎え、前にデルドーを挿入されて何度も何度も狂いだすよ
うな頂点に駆け上がり、後と前の両穴を攻められることが山中との性生活のポイ
ントになりました。
真理子はこの技を隼人にぜひ教え込みたいと思っています。その機会がこんなに
早くやってくるとは真理子は思っても居ないことで、その準備さえ、今夜はして
いなかったのです。
よく考えてみると真理子は自分でその部分を掃除したことが有りません。山中は
事前の準備も丁寧にやってくれました。山中本人は掃除をしなくても構わないの
ですが、真理子が嫌がるので、山中は真理子を赤子のように扱って、いつもその
部分を掃除してくれました。
真理子はまだ決心が付きません。隼人にそんなはしたないことを要求できないの
です。しかし、隼人は、少し色の濃いホールに唇を移し、そこを舌先で穿り出し
ました。この技も、秋子に手ほどきされたものです。隼人は自分から望んでそれ
をするほど、その行為が好きではありませんが、秋子の指導でその経験を多少積
んでいます。秋子は寺崎とこの行為を頻繁にやっているようで、隼人にも当然の
ことのようにそれを教え込んだのです。
「ああ・・・ん、いいわ、良いわ・・、だめ・・・、そんなにしたら・・、ああ、
貴方、どうして・・、そんなに何でもできるの・・、ああ・・ん、いい・・」
真理子は山中に翻弄された味を完全に思い出しました。体の底からあの淫靡な山
中との絡みの興奮が、湧き上がって来たようです。真理子は完全に狂いだしまし
た。真理子はその部分が弱いことを隼人に知られたようです。
真理子の事件(52)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/18 (日) 12:30
「欲しい、欲しいけれど・・、今はダメよ、ああ・・ん
ああ・・ん、ほしい、ほしい・・・、ああ・・ん、ダメ、ダメよ・・・・
ああ・・ん、どうしたら良いの・・・、
ああ、いいわ、欲しい、前も、後も、メチャメチャにして欲しい・・・イイ」
真理子は後ろの処理をしていないので、手でホールを押さえて隼人の攻撃を必死
で止めています。それでも、女はもう我慢できなくなっています。そこに塞いで
いた手が、次第に離れて、もう隼人の亀頭がその部分に接していて、隼人の手で
愛液が肉棒に塗りたくられて、準備は完了しています。
山中は事前の掃除をしていない真理子のホールに平気で挿入してくれていました。
山中とはどんな恥かしい行為もそれほど躊躇しないでやることが出来た真理子も、
隼人には出来ません。年の離れた山中には甘えることが出来ましたが、隼人には
そこまで自分をさらけ出すことがまだ出来ないのです。
しかし、隼人が男根の先端でその部分を擦り始めると、真理子は正常な感覚を次
第になくして行って、山中とのめくるめく感激が直ぐそこに来ていることを感じ
て、もうそこをいっぱいに拡げて、男根が押入ってくるのを待っています。隼人
への恥かしさと遠慮は次第に消えて、真理子は欲望で頭が白くなる思いで、唸り
始めました。
「ああ・・ん、ダメ・・・・、ダメ・・・、ああ・・ん」
隼人のものがメリメリと押入っています。真理子はもうその部分から手を離し、
両脚を十分開いて、大きな業物をその部分に受け入れています。隼人は真理子が
この部分も秋子と同じ様に十分開発されていることを悟り、複雑な気持ちですが、
その心地よい強烈な締め付けを楽しみ、少し湧き上がってきた嫉妬心を直ぐに忘
れ去りました。秋子に教えられたように、隼人は指を使って、前の部分を刺激し
始めました。
「ああ・・・ん、隼人、そんな、ダメ・・、ダメになるわ・・ああ・・ん
ごめんね、ごめんね・・・、隼人、汚れるわよ、いいの・・、
いいわ、いい・・、いいわ、いいわ・・、ああ・・ん、かんじる・・・、
ああ・・ん、貴方、あなた・・・あ、もっと、もっと・・・・
ああ・・・ん、いい・・・う、ダメ・・・・・エエ・・・」
真理子は泣きながら、悶えています。真理子は挿入しているのが隼人か、山中か
判らなくなって、混乱しています。隼人が大きな声を出して、爆発しました。
真理子が仰け反りかえり、痙攣して、失神しました。二人は折り重なるようにし
て、ぐったりとしています。時々真理子が痙攣する以外は、二人は全く動かなく
なりました。
シャワーを浴び、真理子は隼人の腕の中で眼を閉じて、眠り落ちるまでの幸せな
時間を過ごしています、隼人は既に眠りに入っていて、安らかな寝息が真理子の
耳に届いています。
真理子は今夜繰り広げられた隼人との激闘を思い出しています。
山中のことを少し話しただけで、隼人はいきり立ち、彼の行為を真理子に問い質
し、それに対抗して、隼人は果敢に真理子を攻め立てました。その意気込みを真
理子はにんまり笑いながら、体からあらゆる水分を全て吐き出すほど、悶え、の
たうち、隼人の体を十分に楽しみました。
そして最後に、両方の愛孔で肉棒を味わうことも出来ました。真理子は体も心も
隼人に完全に参っています。もう何も不満を言うことが有りません。山中との生
活も懐かしく、過ぎ去った思い出として、余裕を持って思い出すことが出来ます。
山中同様に、隼人の隠された本性を知って、真理子は男がますます好きになって
います。彼等は素晴らしい発想と行動力を持ち、女にはとても理解できないほど
大きな包容力がある反面、惚れた女の前では子供だましの罠に簡単に嵌りこむ単
純なところがあるのです。こんな男達を可愛くて、素晴らしいと真理子は思って
います。真理子は隼人の厚い胸にそっと口付けして、男の腕を優しく解いて、自
分のベッドに戻りました。明日から二人の新しい生活が始まります。
こうして、この日から橘家の生活はすっかり真理子ペースで回転を始めました。
真理子は隼人に感謝の心を失いませんが、もう負目を感じることが有りません。
山中との生活も徐々に隼人に話していくつもりです。そしてスナックでの経験、
そこで知り合った男達との交情、ストリップ・ショウ経験など、折を見て、隼人
の成長に併せて真理子は少しずつ女の本性を隼人に曝していく計画です。真理子
は全てが充実した思いで、それが真理子の肌にも現れて、今盛の花がまばゆいば
かりに咲いている風情です。
真理子の事件(53)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/19 (月) 13:11
真理子は、藤村宝石店に毎日出勤するようになり、隼人はますます張り切って仕
事に飛び回っています。真理子は祖父譲りの度胸と商才があったらしく、わずか
一ヶ月で、商売のこつを覚え、新しい企画も提案するようになり、3ヶ月もする
と、すっかり店の顔になっていました。
黒いロングドレスを優雅に着こなして、真理子が自分で選んで仕入れた品や、デ
ザインした品を勧めると、客はすっかりそのムードになり、その品を求めていく
のです。銀座の店で、優雅な女主人に優しく勧められたネックレスが最高の品だ
と客は思い込むのです。お客はネックレスと一緒に真理子と店のムードを買い
取った気分で、そのネックレスを着けるたびに、あの時真理子に会った優雅な気
分に戻れるのです。
半年もすると、真理子は週刊誌にも取り上げられるほどの人気者になりました。
Marikoと名づけられたらカスタムオーダの装飾品が、少し余裕のあるOLや銀座
マダム達の人気になり、注文に生産が追いつかない状態で、その状態がさらにお
客の購買心を刺激したようで、Marikoはちょっとしたブームになっています。
一時は倒産寸前まで行った藤村宝石店の売り上げも順調に回復して、従業員も元
の十人まで増やしました。
店主の与一は元気になり、しばらく店主として頑張って、頃合を見て真理子にそ
の地位を譲るつもりです。佳代はもう店に出なくなり、郊外の家でのんびりして
います。後は真理子が孫を与えてくれるのを心待ちにしています。
「真理子、一度山中さんの様子を見てきたらどうだ、
僕のことは遠慮しなくてもいいから、真理子さえその気なら・・・、
山中さん、きっと待っていると思うよ、週末なら時間が取れるだろう」
夕食の後、ポツンと隼人が切り出しました。真理子が帰ってきてからもう10ヶ
月近く経っています。真理子にまだ言っていませんが、山中の動向調査は月一度、
寺崎探偵事務所より報告を受けています。
彼は駐輪所勤務を続けていて、真面目な日常生活で、特定の女性が山中の部屋に
来ることも無いようです。保護観察期間は過ぎていて、どこへ行くにも自由なは
ずですが、真理子と過ごしたその場所を離れたくないのでしょう。じっと思い出
に浸りながら、そこでひっそり暮らしています。一人、日々老いて行く身を見つ
めて、真理子の思い出だけに生きている山中が不憫で、隼人はある決心をして、
今日真理子に声を掛けたのです。
真理子はハッとして、隼人を見つめました。今、ぼんやりと、あの粗末な、ちょっ
とした風に吹かれても建物が軋み音を上げていたプレハブの部屋を思い出してい
ました。10ヶ月も経っているのに、昨日のようにその景色が鮮明に思いだされ
るのです。
この10ヶ月は真理子にとって激動の期間でした。山中との別れ、隼人との再会、
新生活のスタート、そして藤村宝石店の再興、目の回るような忙しさでした。
夜、隼人を迎え入れるたびに真理子は山中のことは思い出していました。隼人の
体に溺れながら、彼とは異なる山中の感触、肌の匂い、そして優しい愛撫を思い
出していたのです。二人の男に抱かれているような気分にいつもなっています。
それでも真理子は隼人にすっかり参っていて、山中のところへ戻りたいと思った
ことは有りません。ただ、体に刻み込まれた山中の思い出が、自然と真理子の中
に湧き上がってくるのです。一年足らずの間に真理子の体に刻み込まれた山中と
の性生活はそれほど強烈で、凄まじく、女性の感性を根底から揺さぶるほど官能
的だったのです。もし、隼人があれほどの業物を持っていなくて、そして秋子に
女性の操縦術を教わらないで昔の姿で真理子を迎えていたら、真理子は未熟な隼
人との絡みに悩んで、遂には体の疼きに耐えかねて、山中の下へこっそり走った
かもしれません。秋子に鍛えられた隼人のテクが、真理子を繋ぎとめているので
す。
山中とのセックス以外に、あの地での生活は真理子の女の原点になっています。
忙しく立ち振る舞う銀座の店で、お客の相手をしている時、ちょっとした弾みで、
あのスナックで客の相手をして、お客の手が股間に伸びるのを優しく受け止めて
いたあの頃のことを真理子は思い出すのです。そして、銀座の店でもお客の欲望
をいつも探っていたあの頃の気持ちでお客に接する彼女は、優雅で、妖しく、同
性のお客でさえ、真理子の振る舞いに魂を奪われるのです。
スナックの客たちは男の欲望を丸出しにして、真理子に迫りました。真理子はそ
うしたお客たちの欲望を女の本能で嗅ぎ取り、ある時は優しく、ある時は笑いな
がら、男の欲望を上手く受け止め、男達の感情を巧みに操り、彼らを十分満足さ
せるテクを身につけました。
その経験が、銀座の店で生きたのです。
[Res: ] Re: 真理子の事件(53)、寺崎探偵事務所物語 三度笠 投稿日:2005/12/19 (月) 20:56
鶴岡さんって、多分真面目で几帳面な人なんだろうな・・・。
時々ここを訪れますが、ストーリーを読む度にそう感じます。
真理子の事件(54)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/20 (火) 12:39
店に立ち、お客に接すると、不思議にお客の欲望が手に取るように真理子には読
めるのです。お客のほとんどは女性客ですが、彼女たちは宝石の前に立つと、男
達がスナックに来てみせるあの表情と同じ顔になります。男達が女を求めてス
ナックに集まると同じ様に、女たちも真理子の店に入ると、女の欲望をストレート
に出して、宝石を求めます。隠されていた欲望が露になる点では、男にとっての
スナックと女が宝石店に求めるものは共通点が多いのです。
女達の欲望を読み取り、それを満たすことは真理子にとってそれほど難しいことで
はありません。
女達の赤裸々な欲望に取り囲まれて、その相手をしていると、真理子にはあの地の
生活が、今の生活と同時進行しているように思え、あの地で、奔放な生活を送って
いるもう一人の真理子が居るような気さえしているのです。
そして、あの地で、お客の指先を亀裂に受け止めて、身をくねらせながら働く真理
子を銀座の店で働く真理子より、自然な女の生き方だと真理子は時として考えるこ
とがあります。
心も体も隼人に溺れていても、山中と彼の住んでいる街は、真理子にとって忘れる
ことの出来ない女の故郷です。こちらの生活に十分満足していても、ある時、ふっと、
考えるとそこに戻りたい気持ちが突然沸きあがるのです。故郷とはそうしたものの
ようです。
そして今日、突然、夕食の後で真理子の心を覗いていたように隼人が山中のことを
言い出したのです。
「エッツ、今、なんて言ったの、山中さんと言った・・・」
真理子は虚を突かれて、もう一度聞きなおしました。隼人が笑いながら、優しくもう
一度そのことをゆっくり話しました。
「・・・一度、顔を出してみたらどうだ。
山中さん、多分、誰とも接触しないで、一人で、真理子の思い出の中に浸りきっ
ていると思うよ、真理子との生活があまりに衝撃的で、他の生活を選ぶことが出来
ないでいると思うよ。
もし、そうなら、このままでは可哀想だよ。せっかく真理子の気持ちを差し上げた
のに、このまま捨てておくと、山中さんは真理子の思い出だけに生きる、ただの抜
け殻になってしまうよ。それでは真理子の好意が、かえって山中さんを不幸にした
ことになるね・・・」
隼人はそんなことを言うつもりは無かったのですが、口に出してみると、確かにそ
うだと思いました。なまじ、真理子の処女を受け取ったことで、山中は他に生きる
道を封じ込まれたのです。真理子との思い出の中でしか生きてゆけなくなってし
まったのです。
真理子は山中と別れて、隼人との充実した生活を手に入れました。その中で、真理
子は山中とのセックスを思い出し、二人で過ごした一年間の生活を思い出して、そ
れが隼人との生活の活力源にすらなっていますが、他に生きる道がない山中には、
真理子との生活を思い出すことだけが生甲斐になっているのです。
「でも、あそこへ行くと、私、山中さんにいっぱい抱かれるよ、
隼人は、それでいいの・・・・、妬けない・・、
山中さんのボチボチが付いたアレを、あそこに入れるのよ、
山中さんの体液をあそこにいっぱい受け入れるのよ、嫌じゃないの、ふふ・・」
久しぶりに実家に帰れる新妻に似た心境で、真理子は喜びを抑え切れない表情です。
それでも少し淫蕩な目つきで隼人を見て、からかいました。隼人はむっつりして黙
り込んでいますが、真理子には判ります。隼人は股間をもう爆発寸前まで勃起させ
ているはずです。真理子も自分の淫乱な想像に負けて、股間をじっとりと濡らして
います。
金曜日の夜、真理子はあの朝と同じ様に、一人でひっそり新幹線の下り列車に乗っ
ています。あの朝、新幹線の一番列車は今と同じ様に暗闇を凄いスピードで走り、
真理子の大切な人も、楽しかった思い出も、全てを置き去りにして、真理子の体を
山中の下へ運びました。泣き出したいのをじっと我慢して、後を振り返らないで前
方を見つめることに集中したあの時、信念だけが真理子を支えていたのです。
隼人の優しい思いやり、それに屈折した男性心理も少しは加味されていると真理子
は思っていますが、今、その隼人の勧めで、山中の下へ真理子は向かっています。
今晩と明日の晩、山中のところで泊まり、日曜の夜こちらに戻ってくる予定です。
真理子はあの時とは違い、もう、山中のことしか頭に有りません。隙間風が絶えず
入り込んでくる、黄色くなった畳の上で、二人の流した体液が乾いて、そこから
漂ってくるすえたような、それでいて体の奥から官能を掻き立てるようなあの匂い
に包まれて、何のためらいも無く、あらゆる羞恥心を忘れて、ただ男に抱きつき、
甘えて、めくるめく頂点に真理子は駆け上るのです。
彼の唇と手が全身を這いずるまわり、真理子は呻きながらあらゆる体液を吐き出し、
全身を濡らして、あの硬い男根を受け入れるのです。
真理子は淫らな期待で、ほとんど何も考えられない状態で、盛り上ってくる快感に
身をゆだねて、両脚を強く締め付けて、それを時々擦り合わせながら、新幹線のり
クラインニングに身を横たえています。人目がなければ、股間に指を伸ばしたい気
持ちです。眼を閉じて、じっと山中のことを考えています。
「ただいま・・・・、二日ほどここに、泊めていただいていいかしら、
元気そうね・・・、部屋はそのままね、変わっていないわ・・・」
真理子の事件(55)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/21 (水) 14:06
山中は口をあんぐり開けて、口も利けない状態で、入口に立った真理子をただ、
じっと見つめています。真理子の体から優しい香りが漂ってきて、山中は真理
子をようやく実感しました。「真理子が、真理子が帰って来た」と心の中で何
度も叫んでいます。そして、彼の頬を伝って大粒の涙が落ちています。
真理子がここに戻ってこないと知っていながら、毎日、山中は部屋を掃除して、
真理子が居た時と同じ様に綺麗にして、真理子がいつ帰ってきてもいいように、
いえ、いつも真理子がここに居るようなつもりで部屋を整えてきたのです。
そろいの湯飲みにお茶を入れ、二人は黙って、緑色のお茶をゆっくり飲んでいま
す。山中は一言も口を開いていません。真理子もじっと山中を見つめたままです。
二人の目にうっすらと涙が滲んでいます。遠くから、電車の走る音が聞こえてき
て、それが消えると、またキーンとした耳の痛くなるような静けさが二人を取り
囲みました。山中がコホンと空咳をして、ようやく口を開きました。
「結婚していたのだね、あの時・・・。
週刊誌で読んだよ、一年間の留学と書いてあったが・・・・、
新婚旅行の後なのに、処女のまま俺のところへやってきたのだね・・
知らなかったとは言え・・・・、
俺は、君と旦那さんに随分ひどいことをしたのだね・・・」
銀座ママの紹介記事で、週刊誌に真理子が取り上げられたことが有りました。
それを山中は読んだのです。処女だった真理子をてっきりまだ独身だと山中は
思い込んでいたのですが、そうではなかったことをその時教えられたのです。
知らなかったとは言え、若い二人の将来を捻じ曲げたことを山中はそれ以来、
激しく悔いていたのです。8年間の刑期を終えた時、山中は残された人生を、
世の役に立てないまでも人に迷惑をかけないよう過ごしたいと心に決めていた
のです。それが、自分の人生でおそらく最後のエベントだと思える真理子との
生活でも、隼人と真理子の人生を狂わせるほどのことをしでかしたのです。
あの時、真理子の申し出を断っておけば、真理子の綺麗な体の誘惑を跳ねつけ
ていれば、と山中は悩みました。結局、山中の一生はこの世に不用なものだっ
たと山中は沈みこんだ毎日を過ごしていたのです。その気持ちは真理子を目の
前にしても変わりません。これ以上の罪を犯したくない気持ちが、真理子の妖
しい香に包まれて高まった山中の欲望を押さえ込んでいるのです。
真理子がこの部屋に入ってきて、真理子のあの懐かしい、妖しい香に包まれて、
山中は濡れるほど勃起させています。ゆったりと着たブラウスの胸から、あの
懐かしい乳房も見えます。タイトスカートから伸びた滑らかな脚に唇を這わせ
ることが出来たら、山中はこのまま死んでも良いとさえ思っています。
しかし、山中は真理子を抱き締めたい気持ちを押さえ込んで、体を動かすこと
が出来ません。
あの週刊誌の記事を読んで、真理子の真相を知ったことで、楽しい思い出であ
るべき真理子との生活が山中には悔い多いものに変わってしまい、そして、今、
目の前に居る真理子が遠くに居る他人になってしまったと山中は感じています。
真理子は山中の様子を見て、彼にとって真理子の居ない10ヶ月が後悔の日々
であったことを悟りました。
隼人が言うとおりこのまま捨てておいたのではあまりに山中が哀れです。今な
ら山中を慰め、真理子との生活を素晴らしい思い出に戻すことが出来ると真理
子は考えました。そしてこのタイミングで、ここへ来ることが出来たことを隼
人に改めて感謝している真理子です。
少し居住まいを正して、山中を見つめて、真理子はゆっくりと口を開きました。
山中の気持ちを慰め、男の気持ちを奮い立たせるつもりです。
「主人、橘隼人と言って、28歳の商社マンよ、
あなたの言うとおり、新婚旅行から帰って、
その日の内に彼を残して家を出たのよ、勿論、彼に黙って来たのよ、
その後、彼は調べて、貴方のことも、こちらの生活も全てを知ったわ、
それでも私をそのままにして、放置してくれたの、
そして今は、全てを許して、私を大切にしてくれているわ、今、私とても幸せよ
私が新婚旅行で彼に体を開かなかった時も、何も聞かないで、我慢してくれたわ
そして、今度も、あなたの所へ行きなさいと言って、送り出してくれたの
私が綺麗な体をあなたに差し出したことを、隼人はりっぱな行為だといってくれ
たのよ、ねえ、だから・・・・、前のようにね・・・」
真理子は隼人から託された手紙を山中に差し出しました。真理子が出かける時、
ちょっと笑いを浮かべて、中を読んではダメだよと言って、隼人が真理子に託し
たのです。
既に十分欲情している真理子の顔を見て、そして差し出された手紙を見て、驚き
の顔を隠さないで、山中はゆっくり封を切って、読み始めました。
便箋二枚に書かれた簡単な手紙です。それを、何度も、何度も山中は読み返し、
そのたびに顔が紅潮しています。じっと何かに耐えている様子です。不審そうな
表情の真理子に山中はその手紙を渡しました。お世辞にも上手いと言えない手書
きで、それでも丁寧なタッチでそれは書かれていました。
「山中様
真理子の夫、橘隼人と申します。28歳で商社に勤めるサラリーマンです。
今回は二日間の予定ですが、真理子との生活をぜひ楽しんでください。私も、勿
論、真理子もそれを希望しています。私の気持ちはご想像通り複雑ですが、よく
考えればそれは単純な嫉妬心で、それ以上のなにものでも有りません。
貴方にとって、私達の行動、特に真理子の行為は、結局迷惑なものであったと、
今、冷静に考えるとそう思っていますが、もう過ぎ去ったことを悔やんでも仕方
ないことで、これからのことを考えております。
真理子をあの時助けていただいたおかげで、私達は幸せな生活を楽しむことが出
来ていると、私もあなたへの感謝の気持ちを忘れないようにしようと思っていま
す。
それで、貴方が真理子を大切に思っていただいている気持ちが変わらない限り、
そして、真理子にその気がある限り、私は、真理子を定期的にあなたの所へ送り
届けるつもりです。私は嫉妬深いので、長い間はダメですが、一ヶ月に2日、ま
たは3日なら我慢できそうです。私が一人で居るのに慣れて来たら、この滞在日
数を増やすことも出来るでしょう。この滞在日数の問題も含め、私達三人で話し
合う機会が直ぐにも来そうですが、今回は手紙で失礼しました。
なお、貴方がご存知の真理子は、最近もっと淫乱になっています。ご注意くださ
い。それでは、真理子をよろしくお願いします。
橘 隼人 」
「なに、これ・・、もっと淫乱になっていますだって・・、失礼ね・・」
真理子は涙をいっぱい浮かべて、そしてゆっくり山中の膝に乗り、両手を男の首
に絡めました。山中も涙を浮かべて、真理子をしっかり抱きしめました。
[Res: ] Re: 真理子の事件(55)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/21 (水) 14:45
長い間お付き合いいただきましたが、次回がこの
物語の最終回です。お世話になりました。
ジロー
[Res: ] Re: 真理子の事件(55)、寺崎探偵事務所物語 トンボ 投稿日:2005/12/22 (木) 15:02
ごぶさたです。忙しくて探偵事務所から真理子の冒険は読ませてもらってませんでした。
今、社員寮と女祭りを再読して、なんかこのくらいのソフト系が、次郎さんの作品では一番ウルウルくるかな、と思っています。
また、新しい趣向のものに挑戦してみてください。楽しみにしています。明子さんと洋子さんが一番再登場に期待ですねえ。
真理子の事件(56、最終回)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/22 (木) 16:37
忘れかけていた、柔らかい肌の感触、妖しい香り、山中は眼を閉じ、この瞬間命
を絶たれても悔いは無いとさえ思っています。そして、まだ会ったことの無い青
年、真理子を与えてくれた隼人に深々と頭を下げています。
そっと真理子の脚に手を置いて、じっとその暖かい滑らかな手触りを山中は感じ
取っています。真理子はもう高まり始めているようで、興奮した女臭が匂う吐息
を山中に吹きかけて、男の唇を呻きながら貪り始めました。山中の手がゆっくり
脚を滑って、股間に達しました。ショーツは既に新幹線の中で女が取り去ってい
て、そこはもう洪水状態です。山中は真理子と唇を重ね合わせたまま、ブラウス
とスカートそしてキャミソールをはぎ取りました。真理子はもう眼を閉じて、夢
の中です。
男は涙を流しながら、足先から、大腿部、そして腹部、胸から首と丁寧に味わい
ながら、唇と舌で女を味わい、懐かしい味と香を堪能しています。
男が女の両脚を肩に掛け、両脚をいっぱいに開いて、亀裂を目の前にさらしてい
ます。次から次と透明な愛液が湧き出て、そのラッパ音に女の呻き声が絡んでい
ます。愛液と涙で顔をくしゃくしゃに濡らした男がゆっくりと亀裂に舌を挿入し
ています。女が呻いて、男の首を白い脚で締め付けています。
それから、しばらくして、このプレハブが久しぶりに主を迎えて、昔のように、
風も無いのに揺らぎ、音を出し始め、部屋のランプが大きく揺れて、やがて、ま
るで大嵐が来たように、建物が大きく揺れ出しました。
嵐が過ぎた後、全裸の体を山中の腕に預けて、懐かしい山中の香に包まれて真理
子はうっとりしています。突然、真理子がむっくりと体を起こし、山中の体に乗
りかかるようにして、手を伸ばし、男の股間のものを握りました。真理子の中に
放出して、それはやや元気を失っていますが、それでも黒褐色に光る粒々が異様
な景色を見せています。真理子は久しぶりに見るそれをうっとりと眺めて、ゆら
ゆらとそれを右手で弄びながら、淫蕩な笑顔を浮かべて、山中に囁いています。
「ねえ・・・、良かったわ、やはり凄いわ、貴方・・、わたしは、どう・・
嬉しい、そう良かったの、ねえ、一人で何していたの、いい人は居ないの、
そうなの・・・春子ママはあなたのこと好きなのよ・・・・、
そうそう、若いに似合わず、隼人も凄いのよ・・・、ここは・・・」
真理子はそういって、山中のイボイボが付いた男根を右手で握って少し振りまし
た。
このイボイボの感触は久しぶりです。隼人にも他の男にもない山中の感触です、
これに触れると初めてこれに遭遇した時のことを真理子は鮮明に思い出します。
恐怖より興味のほうが強かったことを憶えています。ただ女を喜ばせるために、
これだけの手術をしたその男の心意気を真理子は素晴らしいと思いました。
真理子はそれを振りながら、山中の耳に口を寄せて、ひそやかな声で囁いていま
す。
「隼人の方が少し大きいわ、硬さは、そう・・、貴方の方が上ね、
他のものを経験すると二人の凄さが判るのよ、私、それだけでも幸せよ
彼、毎晩抱いてくれるわ、何度も何度も・・、いっぱい、出すのよ
私、彼のお汁で全身がベトベトになるのよ、シーツの洗濯は毎日よ・・
ああ・・ん、大きくなってきたわ、ふふ・・」
山中の男根がいきり立ってきました。隼人の話を聞いて、山中も刺激されたよう
です。真理子はにんまり笑って、それを右手でゆっくりとしごき始めました。
「ねえ・・・、明日の昼間、ここへ松田君を呼んでもいい、
ダメ・・・、ねえ・・・どうして、いいでしょう、ダメなの・・・
エエ・・ツ・・、隼人の許しが必用だと言うの・・・・、
だって、黙っていれば、彼には判らないでしょう・・・」
松田というのは真理子お気に入りの、いけ面青年で、市の商工会議所に勤めていて、
真理子がスナックで摘み取った青年です。明日、山中が駐輪所に出かけて留守の間、
真理子は松田に抱かれるつもりになったのです。
山中は、以前と違って、頑として真理子のわがままに首を縦に振りません。押し問
答の末ようやく、真理子は山中の気持ちを理解したようです。
「判ったわ・・、あなた、隼人に男の義理とやらを感じているのね・・、
それで、どうするの・・・、私がもしあなたに逆らって浮気をしたら
隼人に言いつけるの、それとも・・・」
そこまで言って、真理子は言葉を呑みました。山中がじっと真理子を見つめて真面
目な悲しい表情を浮かべているのです。真理子は戯言に近い問答のつもりだったの
ですが、山中は予想外に真剣に真理子の問いかけを受け止めているようです。真理
子は、淫蕩な笑みを急いで消して、山中を見つめています。
「真理子・・・それは違うよ、お手紙をいただき、真理子の話を聞いて、
俺など側に近寄ることさえ出来ない大きな方だと判ったのだよ
こうして優しくしていただけることを思えば、
どんな些細なことでも、あの方を裏切ることは出来ないと思っているのだよ」
義理とか、好意を受けた恩義などの表現で言い表せない感情を山中は隼人に抱いた
ようです。生涯をアングラの世界で生きてきた男が、直感的に、この方だと思った
のです。
「真理子が直接、旦那さんに訳を話せば、
きっと、その松田とのことも許してくれると思うよ、
ご主人はそんな方だよ、そうしてくれないか・・・・それに・・」
そういって、山中は真理子を優しく抱きしめました。
まだ一度も会ってもいない隼人にそこまで惚れこんだ山中が可愛くて、真理子は
そっと、唇を寄せて、男の唇を塞ぎ、松田の話題はそこで止めました。急ぐことは
無いのです。それに、松田との浮気を隼人が許すだろうと山中は言いますが、真理
子はそんなこと、とても信用できません。そこまで隼人を買いかぶる山中が滑稽だ
と真理子は思っています。客観的に見ると、山中の推測は案外正しいのですが、女
の真理子には屈折した男の気持ちはまだまだ、不可解なもののようで、それを理解
するにはもう少しの時間が必要です。
ここに定期的に来ることが決まったわけですから、時間をかけて、隼人と山中を説
得して、スナック勤めも再開したいと真理子は考えています。男達に囲まれて、ス
ナックの中でちょっと恥かしい行為を見せるのも楽しいことです。松田達を摘まむ
機会もいずれ来そうです。
銀座マダムがここへ来ると50男の情婦で、スナック勤めの尻軽女に変身するので
す。新幹線は真理子を別世界に運ぶ、夢の箱舟になったのです。真理子はすっかり
開放的な気持ちになりました。
「ねえ・・・、今、考えたのだけれど・・・・、
後で良いから、私のあそこの毛をそってちょうだい、
ううん、全部でなくて、ホールの周りだけよ、隼人にそこを見せ付けるわ
貴方にそこを剃って貰ったって、彼に教えるのよ、彼どんな顔するかしら
そんなに怖い顔しないで、私から貴方に頼んだと、ちゃんと言うから、ね・・、
ああ・・ん、ねえ・・、もういいわ・・、もう一度、今度はね・・
以前のように、これで、前も一緒に可愛がって・・、ああ・・ううう・・」
真理子は極太のデルドーを取り出して、前のホールに自分で挿入しています。山中
の肉棒が後にゆっくり収まって、真理子は頭を布団につけて、お尻を高々と山中に
差し出して、首を大きく折り曲げて、呻き声を出し始めました。長い二人の夜は、
いよいよクライマックスに差し掛かっています。天井からぶら下げた照明が激しく
揺らぎ始めました。獣の鳴き声に似た真理子の声が、外にあふれ出て、人気のない
暗い広場に響いています。
寺崎探偵事務所に調査依頼された花嫁失踪事件は、意外な展開を見せましたが、と
にかく、この事件もハッピイエンドで終わりました。真理子の華麗な男遍歴をさら
に追いたいところですが、それはまた機会があれば報告します。
真理子の事件(寺崎探偵事務所物語) おわり
[Res: ] Re: 真理子の事件(56、最終回)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/22 (木) 17:02
トンボさん、そして読者の皆様
お久しぶりですトンボさん。お便りありがとうございます。
好きで書いているのですが、どのように読まれているのか、
このサイトの方々の趣向に合うのか、時々気にはしている
のですが。いかがでしょうか。
寺崎は急逝した友のイメージを追って作り上げた人物です。
書いているとそこに彼が居るような気がしています。このシリーズ
は、また書きたいと思っています。今後ともご支援をお願いします。
[Res: ] Re: 真理子の事件(56、最終回)、寺崎探偵事務所物語 トンボ 投稿日:2005/12/22 (木) 19:01
遅ればせながら、年賀状書く合間に真理子さんの物語も拝見しますね。なんだか、由美子さんの、彼女が選ばなかったもうひとつの人生のようで、なんだか心温かな目で読ませてもらえそうな物語ですね。
[Res: ] Re: 真理子の事件(56、最終回)、寺崎探偵事務所物語 XYZ 投稿日:2005/12/22 (木) 21:41
お久しぶりです!鶴岡さんご苦労さまでした
今回も楽しく読ませていただきました!
次回作楽しみにしてます!
[Res: ] Re: 真理子の事件(56、最終回)、寺崎探偵事務所物語 鶴岡次郎◆weER9g 投稿日:2005/12/22 (木) 22:25
XYZさん、そして読者の皆様
XYZさん、お久しぶりです。お便りが無く、何処かへ行かれたのかと
思っていました。
私の知り合いが、アメリカでクリスマスを過ごすため、明日出発する
予定です。そんなニュースを聞くと、年の瀬だと思いますね。
トンボさん、私は年賀状はもう出しましたよ(笑い)。
ところで、関東地方以外は、荒れ模様の天候のようですね、皆様のとこ
ろはいかがですかお見舞い申し上げます。それでは、どちら様も
メリークリスマス、そして、よいお年をお迎えください。
ジロー
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真理子の事件・寺崎探偵事務所物語 (2005年10月〜12月作品)
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