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フォレストサイドハウス(その13)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2016/02/12 (金) 16:28 ID:A7svNszk No.2806

山口と千春の問題は大事にならずにひとまず治まりました。それでも、二人の関係は完全に切れた
わけでなく、再会して肌を合わせ、互いの愛を確かめ合ったことで、二人の間には新たな関係が出
来上がった様子です。これから先、山口が千春の勤めるソープ店に訪ねてくる可能性はかなり高い
のです。山口に迫られれば千春は簡単に落ちる雰囲気です。その上、山口との関係を千春の夫、浦
上三郎は何となく認めている様子です。これから先、山口と浦上夫妻の間に何事か起こりそうな気
がします。今回は久しぶりに由美子を登場させます。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
  します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
 ていただければ幸いです。


[2] フォレストサイドハウス(その13)(417)  鶴岡次郎 :2016/02/12 (金) 16:37 ID:A7svNszk No.2807

女三人寄れば・・ 

あの日から10日過ぎても窓の女のことが意識から消えないのです。消えないどころかますます鮮明
に彼女のことが思い出され、彼女に会いたい思いが千春の中で募っていました。今までであれば、抱
かれた男への思いが強く、山口のことが忘れきれなくて、彼に何らかのつなぎをとるのが千春の常な
のです。今回に限っては、少し違うのです。男のことはそれなりに思うのですが、窓の女のことを考
えると居ても立っても居られない思いにとらわれるのです。

もう一度会いたい、会ってゆっくり話がしたい、きっと共通の話題がたくさん見つかるはずだ、異常
に男好きであることは互いに気が付いているのです、互いの男性経験も包まず話し合いたい、あの窓
の女に会いたい、その思いが千春の中に大きく成長していたのです。

〈普段着の服装から見て近所に住んでいるに違いない・・・
公園に来るのが日課に近い習慣になっているかも・・〉

まずその見当を付けました。

〈私の恥ずかしい姿を見ても動じていなかった・・・、
それどころか・・、一緒に楽しむ余裕さえ見せていた・・・、

他人のセックスを見ることに慣れている・・・・?
三郎さんが言っていたように、玄人筋の人かしら・・・・?

いや・・・、上品で、ゆったりとした様子から見て・・・、
夜の商売をしているとは思えない、かといって、専業主婦とも思えない・・〉

結局、窓の女の素性は千春には解読不明でした。

〈あの時間、あのトイレに寄ることができる人はかなり特殊な人だ、静かな公園内を散歩したいと思
う人でも、あのトイレに通じる道は選ばない、もっと静かで環境のいい道がある。

あの女が、あの時間、あの場所を通りかかった唯一の理由は、あのルートは公園の北口から入り、南
口に向かうのに最も近い道であることだ。
公園を通り抜けることに彼女の目的があると考えていい・・・、
・・といっても南口には泉の森荘という3階建てのアパート以外、これといった建物はないが・・、
あるいは彼女の自宅が南口の近くにあるのかもしれない。

・・であれば、彼女はあの時間、あの道を辿って、これから先も、北口と南口を往復する可能性が高
い…。根気強く待てば、いつか彼女と再会できる…〉

執念というのは恐ろしいもので、それから一週間、ソープ出勤前の忙しい時間を割いて、昼過ぎ一時
間ほど、公園内のあのルートのそばにあるベンチで当てもなく窓の女を待ち続けたのです。


最初に気が付いたのは千春でした。北口から入ってきたようで、ゆったりとした歩調で窓の女は千春
に近づいてきました。今日はあのトイレに寄る予定はない様子です。

白いブラウスに、オレンジ色のスカート、白いカジュアルシューズで、比較的大きな白い布かばんを
肩にかけています。買い物帰りの主婦然とした様子です。

木陰に置かれたベンチから立ち上がり、ゆっくりと頭を下げる女性を不審そうに見つめていた女の表
情が明るく弾けました。

「ああ・・・、先日の方ですね・・・・、
トラックの男性と一緒だった方ですね…」

「はい・・・、その節はお恥ずかし姿をお見せいたしました…」

二人の女は親友のように笑みを浮かべて手を取り合っています。

「少し歩きましょうか…」

「はい・…」

窓の女は千春が彼女を待ち伏せていたことに気が付いている様子で、歩きながら千春の話を聞くつも
りになって、先に立ってゆっくりと歩を進めています。千春は窓の女に肩を並べました。170セン
チ近い身長の千春と比べると窓の女はかなり小柄です。


[3] フォレストサイドハウス(その13)(418)  鶴岡次郎 :2016/02/15 (月) 13:59 ID:oFaqIvXQ No.2808

「いつもこの道を通るんですか…」

「この先に友達の店があるんですよ・・、
週に一度か、二度、お昼を過ぎたころ彼女を訪ねるの・・・、
彼女の店に行くにはこの道を利用するのが一番だから…」

「ああ・・、南口の傍にあるアパートの売店ですか・・」

「そう・・、店番を一緒にしながらおしゃべりするのよ・・」

「そうですか・・、お友達とおしゃべり・・、いいですね・・・」

そこで窓の女が突然立ち止まり、まっすぐに千春を見つめました。背の高い千春を見上げる格好で
す。

「今日ここでお会いしたのは偶然ではありませんね…、
あの日と同じように、わたしがここへ来ると思って待っていたのですね・・」

「はい・・、この時間、この道で待っていれば、
またお会いできるかもしれないと、淡い期待を込めて、
一週間ほど、ほとんど毎日、ここで待っていたのです・・・・」

「まあ・・・一週間・・・、それは、それは・・」

窓の女はかなり驚いています。そして、あることに突然気が付いた様子です。それはそうです、恥ず
かしい姿をさらしたとはいえ、名前も知らない女を探し当てるため一週間もさみしい公園の一角で辛
抱強く待っていたのです。女を探し出さなくてはならない重要な訳が千春に発生した。そしてその訳
は、千春の恥ずかしい姿を覗き見たことに深い関係があると思うのが普通です。窓の女はそれまでの
笑みを引っ込め、真剣な面持ちで千春を見つめ口を開きました。少し早口になっています。

「・・・で、何かまずいことが起きたのですか・・・・
あのことでしたら・・・
私・・・、
先日見たことは誰にも話していないし・・、
これから先も、誰にも話さないと約束できますが…」

「エッ・・・」

どうやら浮気がバレて、唯一の目撃者である窓の女と口裏を合わせるために、千春がここで待ち伏せ
をしていたと窓の女はとっさに考えたようです。

意外な窓の女の言葉と彼女の慌てようを見て、千春も驚いています。次の瞬間、窓の女がとんでもな
い誤解をしていることに気が付いています。そして突然、笑いだしています。窓の女は笑い出した千
春を見て当惑して、それでもあいまいな笑みを浮かべて千春を見ています。

「ああ・・・、ごめんなさい・・・、
ここは笑うところではありませんね・・・・・・、
でも・・・、あなたの発想が、あまりに面白くて、つい…、フフ…」

まだ笑いが収まらない様子で千春が口を押さえています。こうなると女はなかなか笑いが止まらない
のです、それを知っている窓の女は千春の笑いが収まるのをしばらく待つつもりになっているよう
で、ただ黙って立っています。

「ああ・・、苦しい・・、ごめんなさい・・・、
でも・・、ここで待ち伏せをしていたら、そう取られて当然ですね…
あなたを待っていたことは確かですが・・、
ただもう一度会いたかっただけなんです・・・。
スミマセン・・・・、フフ・・・・・」

千春の笑いを見て、ようやく窓の女は自分が犯したミスに気が付いた様子です。早合点したことに気
が付いたのです。

「なあ・・んだ、てっきりご主人に浮気がバレて、
私の口封じに来たのかと思ったわ・・・、
よく考えれば、お互いに名も知らない間柄だから、
私のところに探偵社の調査員が来る可能性はゼロですよね・・・、
心配して損しちゃった…、フフ・…」

「ご心配なく、主人にはすべてバレています・・・・、
・・と言うより、主人にはあの日のことはすべてを話しました。
勿論・・、あなたに見られたことも・・・
若い男に溺れ過ぎないようにと注意されました・・・・・」

「そう・・、いいご主人ね…
そして、あなたが素晴らしい女性だから、
ご主人もあなたを自由に泳がせているのね・・・・
素晴らしいご夫妻ですね・・・・・」

窓の女が千春の足先から腰そして胸、顔まで、千春を値踏みするようにゆっくり見て、ようやく千春
の人となりをそれなりに理解できた様子で、大きく頷き、つぶやくように言っています。


[4] フォレストサイドハウス(その13)(419)  鶴岡次郎 :2016/02/16 (火) 14:23 ID:S3R8qFcc No.2809

「ありがとうございます・・・。
気の向くまま他の男に抱かれている浮気妻と、
そんな彼女を認め結婚生活を続ける夫・・、
こんな私たち夫婦を、素晴らしい夫婦だなんて…、
まさかそんな言葉が聞けるとは、夢にも思っていなかった…。
本当にうれしい・・・。
やはり・・、私の思った通りの方だった…」

「・・・・・・・・・」

窓の女の手を握り、その手を激しく振り、涙さえ滲ませながら、千春は大きな感動を隠そうとしない
で話しているのです。女はただ微笑みを浮かべて、頷きながら話を聞いています。

その女に会いたい一心で公園の隅で一週間もじっと待ち伏せをした行為・・、大げさに再会を喜び、
涙さえ流している様子・・、どれをとってもかなり異常です。それでも、普通の人なら薄気味が悪い
と思うこの千春の行為を、窓の女はあっさりと受け入れているのです。

どうやら窓の女は千春の隠された性を正確に理解しているようです。そして同じ性を持つ者同士、千
春の心の動きがかなり正確に読めているようです。普通なら異常と思える千春の反応も、千春の立場
に立てば当然の行為だと理解できているのです。

「やむを得ない、人には言えない事情があって、この方法しか解決策がないと判っていても・・、
私たちのやっていることは、決して許されることではありません。
世間に知られれば、夫も私も・・、そして可愛い息子だって、
厳しい社会的制裁を受けかねないのです…」

〈この人はかなり自分の性や行為を卑下している・・。
…そんなに大げさに考える必要がないと思うけれど・・、
確かに、妻が他の男に抱かれるのは普通ではありえないことだけれど・・。、
そうした女が居ても仕方ないと思う・・・、
そしてそんな女の性を知りながら彼女を愛し、妻にして、
自由に泳がせている男が居てもおかしくないけれど…〉

千春のおしゃべりを聞きながら、窓の女は胸の内で反論していたのです。妻の浮気を放免することを
そんなに卑下する必要がないと思っているのです。それでもあえて反論しません。千春の滑らかなお
しゃべりは止まる様子を見せていません。口を挟まないで気のすむまで千春に話をさせるつもりに窓
の女はなっています。

「私たち夫婦の秘密は、今までどなたにも話したことはないのです。ところが、あなたを見て、この
人ならと思えた、私は迷いなく私たちの秘密をあなたにあっさり話すことができた。こんなに簡単に
大切な秘密を他人に話すことができたことに、私自身が一番驚いています。主人だって、きっと、こ
の話を聞けば驚き、そして、大いに感激すると思います・・・・・」

よほど千春はこうした会話に飢えていたのでしょう・・、窓の女という、いい聞き手を得て、堰を
切ったように千春の話は続きます。女はニコニコほほえみを浮かべて聞いています。


[5] フォレストサイドハウス(その13)(420)  鶴岡次郎 :2016/02/22 (月) 12:56 ID:fr9XWKa6 No.2811

「先日、恥ずかしい姿をあなたに偶然見られた。見られた方も、見た方も、普通なら互いに気まずい
思いになり、あの日のことは思い出したくもない惨めな経験として意識の外へ追い出そうとするもの
です。

しかし、実態は違っていた。あなたに覗き見られたおかげで、あなたの優しい、思いやりのある視線
を感じ取ることができたおかげで、私たちはとってもいい時間を過ごさせていただきました。あなた
に見られたことで私たちの情事が一層充実したものになりました。この気持ちは私だけでなく、先日
の男性も、「花を添えていただいた・・」と心から喜んでいました。

お別れした後、あなたのことをじっと考えておりました・・。なぜあの方の視線があんなに優し
かったのか、じっと考えました。そして、考えに考えた末、私の好色な性をあの方は正確に理解して
いるのだと結論付けたのです。私の性を理解しているからこそ、あんなに破廉恥な情事にふける私を
軽蔑するわけでもなく、驚きの目で見るわけでなく、優しく受け入れてくれた。そう思ったのです。

あの方であれば、世間で受け入れてもらえない私の行為を正しく理解していただけるかもしれな
い・・・、通常の社会規範とはかけ離れた生活をする私たち夫婦を正しく理解していただけるか
も・・、と淡い期待を抱いたのです。そう思うと、居ても立っても居られない気持ちになりました。

もう一度、お会いしたくて、いろいろ考えた末・・、ここで待ち伏せすることにしたのです。
でも・・、正直言って・・、お会いできる可能性は5分5分だと思っていました。お会いできて本当
にうれしい・・」

窓の女の手を握り、興奮を隠さないで千春はハイテンションで話しています。

「ああ・・、私ばかりおしゃべりをして、ご挨拶が遅れていました…。
申し遅れましたが、私・・・、浦上千春といいます。
公園前のマンションの住人で、商社に勤める主人と4歳になる長男がいます」

自己紹介して千春が頭を下げています。

「ご丁寧に・・・、
私は八丁目に住んでいる、鶴岡由美子といいます。
主人は定年退職して悠々自適の生活です。
二人の子供は家を出て自立しています…」

お互いに信用できると感じ取った様子で、隠さず自己紹介しています。

「千春さん・・、少し時間が取れますか・・、
よかったら、私と一緒に友達のいる売店に行きませんか・・・、
そこでいろいろおしゃべりしましょう・・、
私・・・、あなたとゆっくりおしゃべりがしたいと思っているの・・」

「はい・・、喜んで・・・」

「じゃ・・、ちょっと、愛さんに連絡するわね…
ああ・・、彼女は公園の傍にあるアパート、泉の森荘の管理人夫人なの・・、
三津崎愛さんという・・・、
アパートの一階に売店があるでしょう、
ああ・・、あなたは知っていたわね…、
あの売店で店番をしながら、私たちおしゃべりするのよ・・」

携帯を取り出し、愛に話しかけています。

「ああ・・、もしもし・・、私・・・
今そちらに行く途中で・・、そう・・、公園でね・・・、
珍しい方にお会いしたの・・・、そう・・、女性・・・

ううん・・・、
あなたは会ったことがないはずだけれど、会えばわかる方よ・・・、
そう・・、そのとおり・・・、勘が良いわね…、
では、一緒に行くからね・・・」

愛が快諾した様子です。


[6] フォレストサイドハウス(その13)(421)  鶴岡次郎 :2016/02/23 (火) 15:32 ID:B/.bqhCM No.2812

二人肩を並べて歩きだしました。先ほどの由美子と愛の電話での会話を聞くともなく聞いていて、
千春は何かに気が付いた様子なのです。それを由美子に確かめたくて、いたずらっぽい表情を浮か
べ由美子の顔を覗き込み、質問しています。

「由美子さん・・・、
トラックでの出来事を誰にも話していないと・・、
先ほど言っていましたね・・・」

「そんなこと言ったかしら・・・」

「ハイ・・、確かに聞きました…。
由美子さん・・・、
もしかして・・、そのお友達に・・、
話したでしょう・・・・」

笑みを浮かべた千春が由美子を問い詰めています。

「判りますか・・・」

「はい・・・、
私だって、あのように、面白い事件を目撃したら・・、
親しい友達には話さないではいられません、
そして、名も知らない女の浮気事件ですから、
話題にしても構わないと思うはずです・・・。

ここだけの話よ・・て、口止めをしっかしてね・・
女ってそうした生き物でしょう・・・」

「参りました…、
おっしゃる通りです、あの日あなたと別れた後、
愛さんに会って、すべて話しました…」

あっさり由美子が罪を認めています。

「誰にも話していないと言ったことを一部取り消します…。
愛さん以外には誰にも話していません…、
アッ・・、主人にも話しました…
スミマセン・・、フフ・・・・」

由美子が少し慌てています。千春が面白そうに笑っています。

「今から出会う愛さんも私同様スケベーな話が好きでね・・、
それから・・、それからって、粘るから、結局みんな話してしまった。
アレのサイズまで話さざるを得なかった…」

「エッ・・・、そんなことまで言ったのですか・・・」

「すごく大きかったと言ったら・・・、
愛さん、興奮して、自分も見たかったと残念がっていた。
今日会えば、根掘り、葉掘り聞かれると思う・・・、
覚悟していたほうがいいですよ…、フフ・・・・」

「怖いですね…、フフ・・・・」

二人の女が嫣然と笑いながら、愛の待つ売店に向けて歩いています。


愛が愛想よく迎えてくれました。千春を一目見て愛は彼女が気に入った様子です。管理人の三津崎
はアパートのオーナーのところへ出かけて留守でした。女三人遠慮ない会話を楽しむことができま
す。自己紹介が終わった後、由美子がおしゃべりの口火を切りました。

「私・・・、こう見えても浮気性なの・・・、
主人以外の男性に抱かれた回数は、誰と比べても断然多いかも・・・」

夫公認で、U(宇田川裕の通称)という、的屋の親分である愛人がいること、その関係で地方の親分
衆の求めに応じて彼らに月平均数回は抱かれていること、静岡で老舗のお茶会社を経営している70
歳を超えた社長の愛人をしていることなど、由美子は千春に正直に告げました。勿論、愛はこのこと
を良く知っています。

「へえ…、すごい・・・・
とてもそんな風には見えません・・・」

「そうよ・・・、この人は見かけによらないスケベーなのよ・・、
愛人稼業だけでなく、ストリップショウ、いかがわしい酒場のホステス、ソープ嬢、セックスショ
ウ、デリヘル嬢などなど、およそ女性が経験するあらゆる性的職業を経験しているのよ・・、
やっていないのはおそらく結婚詐欺くらいかしら・・・・、フフ・・・・」

笑いながら愛が千春に教えています。


[7] フォレストサイドハウス(その13)(422)  鶴岡次郎 :2016/02/24 (水) 14:29 ID:w1lnGt3. No.2813
「最初からそんなだったのではないのでしょう・・」

「そうよ・・、
私の初体験は案外遅かったの…、
今の主人が最初の人で、20歳になった春だった…
それから、数ヶ月後に結婚した…」

「そうですか・・・、
普通・・と言うよりは、かなり晩生(おくて)の部類ですね…」

由美子の初体験が20歳だと聞いて千春が何となく考え込んでいます。

「夫以外の人に抱かれたのは下の子供が幼稚園に入った年だった。
郵便局の局員で、真面目に外回りを続けていた定年近い人だった…、
長年、私のファンだったと告白されて…、
退職の思い出に、一度でいいからハグがしたいと言われた…。
つい・・・、家の玄関で抱かれた…」

「すごい・・、初めての浮気が家の玄関ですか…
それから先の由美子さんのことを考えると・・、
由美子さんらしいと言えば、そう言えますが、思い切ったものですね…」

「そうね・・、
私にできる最高のお礼をしたいと思ったら、成り行きでそうなっていた。
だから、決して後悔はしていなかった・・。
夫には、さすがに悪いと思って・・、二、三年後に告白した。

その時もそうだったけれど・・・、
私・・・、貞操観念が他の女の人とは少しずれていると感じることが多い…、
だから・・、私・・、あまり自分のことはしゃべりたくないの…」

「・・・・・・・」

愛にとっても初めて聞く話だったようで、二人とも返す言葉を失っています。由美子の行動は、由美
子の説明を聞けばなんとか理解はできるのですが、いざ自分がその場に立てばとても行動に移せない
ものなのです。どこか重い雰囲気がその場に張り詰めていました。その空気を破るように千春が愛に
向かって笑みを浮かべて質問しています。話題を変えるつもりのようです。

「愛さんはどうなのですか…」

「私は由美子さんほどの度胸もないし、それほど男好きでもない・・・、
ごく平凡な半生を過ごしてきたのよ…」

「好きな男と駆け落ちするのを平凡な人生とは言わないよ…」

由美子が笑みを浮かべて混ぜ返しています。

「エッ…、駆け落ちですか・・・、
クラッシックな響きですね…
でも、とってもロマンチック・・、
あこがれますね・・・、
聞きたい…、愛さん・・、教えてください…」

「結論が出ていない、目下進行中のことだけれど・・、
千春さんになら話してもいいと思う・・・、
この話をするのは由美子さんの他には千春さんだけよ…」

恥ずかしそうな微笑みを浮かべて愛は語り始めました。愛の夫、三津崎一郎は、元は著名な婦人科の
医師で、見込まれて関西の大病院の一人娘との縁談が調っていたのです。ところが、一介の看護師で
あった愛と激しい恋愛に落ち、縁談も、そして輝かしい未来も捨てて、二人は関東に逃げ伸びて来た
のです。縁あって、泉の森荘の管理人の職を得たのですが、三津崎夫妻は今も見えない追っ手を気に
しながら毎日を密やかに送っているのです。

「愛に忠実に生きたことには、悔いがないけれど、何も知らなかった彼の婚約者を始め、お世話に
なった方々を裏切り、ご迷惑をかけたことは間違いありません、一生かけて償いたいと思っていま
す。その意味もあって、夫も、私も、これから先、表舞台には出ないで、ひっそりとここで管理人と
して生きてゆくつもりなんです・・」 

「・・・・・・」

思いもしない愛の告白を聞いて千春は言葉を失っています。


[8] フォレストサイドハウス(その13)(423)  鶴岡次郎 :2016/02/25 (木) 13:42 ID:Xitas282 No.2814

またもや重い雰囲気がその場に忍び込んできているのです。そのことに気が付いた愛が陽気に声を上
げています。

「さあ・・、私のことはこれくらいにして・・・、.
スケベーで、元気いっぱいの千春さんの話を聞かせて・・・、
お茶はもういいね・・、
冷たいものがいいね・・、
・・と言っても麦茶しかないけれど…・・」

良く冷えたコップと麦茶を冷蔵庫から取り出し、手際よく並べています。

「そう、そう・・、先日のトラックの中での情事・・・、
すごかったんですってね・・・、
上に乗っかって、狂ったように腰を振っていたそうね…、
由美子さんが熱くなるほどだから、そのすごさは並みでないのでしょう…、
たっぷり聞かせて・・」

みだらな笑みを浮かべて愛が千春に迫っています。

「由美子さん・・、
全部しゃっべったんですね・・・、
それ以上・・、私から報告することは何もありません…」

由美子を見て笑みを浮かべてにらみつけています。

「まあ・・、まあ・・・、
私が無理に聞きだしたせいだから、そこは問題にしないで…、
彼のモノ・・、立派なんですってね…
由美子さんが褒めるほどだから、お墨付きよ・・・、
そのことを中心に聞かせていただいてもいいのよ…

女はあまりサイズを気にしないと言われるけれど・・、
やはり小さいより、大きい方が良いわ・・・、
張り裂けるような気分になるの…、知りたい…・」

「そんな…、あからさまには言えません…。
でも・・・、立派なことは間違いありません・・
私の知っている中ではトップクラスです・・」

「千春さんの知っている中って…、
いったい、何本知っているの…?」

「エッ・・、それを聞くのですか…。
いいでしょう・・、正直に言います…。
ざっと・・、300本ほどだと思います・・」

「エッ・・、そんなに・・・、
私から見れば子供のように思える、若いあなたが・・・、
そんな経験を積んでいるなんて…、想像もできなかった・・・・
関係した男の話を全部聞きたいけれど、それでは日が暮れちゃうわね・・・、
まずは・・、千春さんの経歴をあらまし聞かせてほしい…」

「こうなったら・・、何もかもお話しします…
驚かないで、聞いてください・・・・
高校を卒業するまでは普通の女の子でした…」

「そうよ…、誰だって清らかな時があったのよ・・
私だって…、もちろん由美子さんだって…・
ああ・・・、できることなら・・・、あの頃に戻りたい・・・・・」

愛の言葉に女三人頷いて、遠い目つきで視線を宙に泳がせています。それぞれにその時代に思いを
馳せているのでしょう。


[9] フォレストサイドハウス(その13)(424)  鶴岡次郎 :2016/02/27 (土) 16:31 ID:bFrLtGJ6 No.2815
千春が語り始めました。おしゃべりですから、非常にうまく説明しています。由美子も愛も千春の物
語に完全に引き込まれています。

高校を卒業してシューフイッターの道に入り、センスの良さと美貌の助けも借りて入店三年ほどで、
千春は銀座の有名店内でトップを走るフィッターになったのです。

売り上げが伸びれば出来高に応じて給料の上乗せがありますから、店員たちはあの手この手の売り上
げ作戦を展開しました。きれいな女性フィッターが居て、お金のある中年男たちが集まると自然の流
れで、隠微な雰囲気になります。客に恥ずかしい姿をチラ見させ、これと思うお客には触らせ、高価
な靴を買い取らせるサービスがこの高級店でも密かに行われていたのです。全員ではありませんが千
春も含めた複数の女たちの間でお色気作戦が密かに常態化していたのです。

そんな時、ある男がふらりと千春の店に訪ねてきました。高級で、粋な服装ですが、どこか崩れた感
じのする中年男でした。数人いる女店員を注意深く観察していたその男は千春を見つけると、すぐに
千春に接近してきました。最初の日は千春に顔を売るのが目的だったようで、高価な靴を買い求めて
直ぐに帰りました。それからかなりの頻度で顔を出すようになりました。

その男は直ぐに千春担当のお客と店内で認められるようになり、いつも千春がその男の対応をしまし
た。肉体的な関係ができたのはその男が店に現れてから一ヶ月後でした。関係ができると男は店に顔
を出さなくなり、店が終わった後ホテルで会うようになったのです。

後でわかったことですが、彼はY市でソープを経営するベテラン竿師だったのです。そして裏では、
金回りのいい顧客に密かに素人女をあっせんする、いわゆる高級コールガール斡旋稼業を副業として
いたのです。自分の顧客からこの店のお色気サービスを聞き、いい女が居ればスカウトするつもりで
訪ねてきたのです。そして彼の目に留まったのが千春だったのです。

店内では男のものを咥えるまではサービスしていましたが、店内で絡み合うことはしませんでした。
男は店外での付き合いを求めたのです。千春はこの要求を適当に聞き流していたのです。その気に
なったその日、千春の欲望が高まっていて、体が朝からうずき始めていたのです。そして、ぼつぼつ
男の要求を受けた方が今後のためにもいいと思ったのです。ところが、どこと言って特徴のない、ど
ちらかと言えば貧相に見える50男の手で千春は完全に翻弄されたのです。

挿入するまでに全身を舌と指で愛撫され、数え切れないほど千春は昇天しました。最後には喉が涸れ
て、思うように声が出せない状態になっていました。ホテルの部屋に入って40分後に挿入されまし
た。それほど巨大なものではなく、並みサイズでしたが、それは縦横に動き回り、千春のポイントを
確実に突き崩していったのです。何度か悲鳴を上げて逝った後、最後には全身をけいれんさせて気絶
してしまったのです。

初めて知った本物の男の味に、千春は夢中になりました。数回男に抱かれると、連絡が少しでも絶え
ると、千春から催促して男に抱かれる日を決めるようになりました。こうなると男の思うままです。
かねての計画通り男はことを進めました。

「千春は万に一人の才能を持った女だ。
一人の男に尽くして生涯を終える普通の女ではない・・。
そのことは千春が一番よく分かっているはずだ…」

ベッドの上で、そしてホテルに向かう道すがら、その男は千春の素晴らしさを歌うように教え込むよ
うになりました。

「千春は自分の情欲を恥じているが、それは間違っている・・。
誇りに思うべきで、もっと自分に自信を持ってほしい・・。
男欲しさから安易な気持ちになって、
あの靴店で女を安売りするのはなんとも惜しい…。
千春の価値はそんなものではない…」

体の疼きに堪えかねてお客に体を差し出している千春の苦悩を知り尽くしている男にとって、千春を
説き伏せることはそんなに難しくなかったのです。

「男が欲しいのなら・・、俺に任せてほしい・・・、
千春にふさわしい男をタイミングよく供給してあげる。
金が稼げて、安全に男を手に入れることができるのだ・・。

一歩踏み出すだけでいいのだ…、
そうすれば、こみ上げる欲望をいつでも満足させることが出来るのだ…、
そして、千春の秘密は俺が命を懸けて守り切る…」

普通の人が聞けば首を傾けたくなる都合のいい話ですが、体の中を突き上げる情欲に悩まされ、ほ
てった体をいつも持て余している千春にとって、優しく囁かれる彼の言葉は説得力があったのです。

靴を売るためお客に抱かれるのと、お金をもらって客の相手をするのは、そんなに違わないと千春は
考えたのです。人目を恐れて店内で破廉恥行為をするより、決まったところで男に抱かれる方が
ずっと安全だとも思ったのです。男の説得に千春は頷きました。

千春が了承したその夜、早速千春はお客をとりました。バタバタと決まった感じで、気が付いたらホ
テルのベッドで中年男に抱かれていたのです。体を売ったのは初めて経験でしたが、何の感傷も千春
の中には沸いていませんでした。それから週に二、三度お客をとるようになりました。


[10] フォレストサイドハウス(その13)(425)  鶴岡次郎 :2016/02/29 (月) 12:53 ID:tcgxfZmg No.2816
ここまで話して、千春は二人の女を見つめて質問して来ました。それは彼女自身への問いかけでも
あったようです。

「まともな仕事があるのに、何を好んで、コールガールに落ちるなんて・・と、
由美子さんも、愛さんも、思われるかもしれませんね・・・・、
軽蔑されるのは当然だと思います。
他の人が同じことをしていたら、私だって軽蔑しますから…。

でも・・・、その仕事を始めて、私・・、
はっきりと悟りました、売春は私の天職だと思いました・・・」

コールガールに堕ちたことを決して悔いていないと千春は主張しているのです。由美子も、愛も、
黙って聞いています。

「どうやら、お二人は私の考えに同感できない様子ですね・・。
ご理解いただけないのは、当然のことです…。
でも・・、誰かに理解してほしい・・、
理解できなくても・・、軽蔑しないでほしいと・・私は思っているのです・・」

千春がコールガールを天職だと言い放ったことに、由美子も、愛も納得いかない表情をしているのを
見て、千春はさらに説明を続けようとしています。

「お二人には隠さず何もかも話します。
私・・、いつでも男に抱かれたいと思っているのです。
いつも体を濡らしている状態です…。

自分でも異常体質だと思う時があります…。
汚い話ですが、生理の時だって、相手さえその気になってくれるのなら、
私は喜んで男を受け入れたいと思っているのです・・」

尋常でない情欲に悩まされていることを赤裸々に千春は告白しているのです。由美子も、愛も、真剣
な表情で聞いています。

「売春の仕事を始める前は、いつもうずく体を抱えて悩んでいました。お店でシューフィッテイグし
ている時、男の香りを身近で嗅いだりすると、私の中の女がうごめくのです。そうすると・・、盛り
のついたメスになって、媚を売ってしまうのです。

ワンピースのボタンをほとんど全部外し、タイトスカートの裾を高く巻き上げるのです。ほとんど下
着を丸出しの状態になるのです、男欲しさに自然と体が動いてしまうのです。最初はチラチラ見てい
た男たちも、二人きりの個室の中では大胆になります。

この女はやりたがっていると男には判るのですね、男たちは例外なく手を出してきて、抱きしめ
キッスをするのです。そして、彼の手がスカートの下へ伸びて、その手を私が拒否できないでいる
と、迷わず奥へ進むのです。そこは恥ずかしいほど濡れていますから、男たちは容赦しません、
ショーツのボトムをかき分け、恥ずかしい部分に指を入れてくるのです。

それを私も待っていたわけですから、ここまで来ると歯止めが利きません、男も女も店の中での異常
な絡みに極度に興奮して、あっという間に最後まで行ってしまうことになるのです。毎回おびただし
い精液を浴びせかけられますから、お客を送り出した後は急いでロッカー室へ戻り、下着は勿論、時
には制服まで着替えをすることになります。大方の女店員はロッカーに下着類を常備しているものだ
けれど、お客とのセックスに備えて、下着類を準備している女店員って、なんだか滑稽で、哀れです
ね…」

「聞いている限りはドキドキする内容で・・、
私など、うらやましい気になるけれど、当の本人は真剣に悩んでいるのだね・・・、
ある意味、かわいそうだと同情してしまう…
でも・・、そんなことをしていては、他の店員にバレるでしょう…」

千春の話に同情している様子を見せ、愛が尋ねています。

「当然、仲間の店員たちの知ることとなります。店長に言いつけたりしませんが、彼らから蔑みの眼
で見られることになるのです。それでも男の体恋しさに堪えかねて、私はそんな仕事のやり方を続け
ていたのです。

少数ですが、私と同じように女を売るのが好きな子もいて、独りぼっちでなかったことも、この仕事
のやり方を続けられた理由だと思います。しかし、いつまでも続けることが出来ないと怯えていまし
た。内通され、警察に逮捕されるとか、そこまでいかなくても、退社勧告を受けることになると、い
つも怯えていました…」

愛と由美子と言う良い聞き手を得て、すさまじい情欲を千春は赤裸々に二人に話しています。おそら
く、こんなにあからさまに、体の悩みを他人に話すのはこの時が千春にとって初めてのことだと思い
ます。


[11] フォレストサイドハウス(その13)(426)  鶴岡次郎 :2016/03/02 (水) 17:08 ID:ywL4lJGE No.2817

「いろいろありました・・、それでも、コールガールを続けたことで、大きな破綻なく表の仕事で
あるシューフィッターを続けることが出来たのです。店でのお色気サービスを止めましたので、仲
間から後ろ指をさされることもなくなり、本当の意味での友達もできました。何かに怯えて勤めて
いた頃に比べて、思いっきり仕事に打ち込めるようになりました。あの時点でコールガールの道を
選んだ私の選択は間違っていなかったと今でも確信しています。

考えてみてください、望めば毎日でも違う男が手に入り、十分なお金までいただき、面倒なトラブ
ルが起きそうになると例の男が出てきてうまく治めてくれるのです。避妊の方法や、病気の心配
だって、あの男が特別の医院を手配してくれて、懇切な指導と手当てを受けることが出来るように
なりました。

私のような女にはこれ以上の環境は望めません。彼には本当に感謝しております。私を救ってくれ
たソープの経営者、佐王子さんに感謝しています・・」

「エッ…、佐王子・…、
そのソープの経営者で、竿師の男って…
千春さんをコールガールに仕立て上げた男は…、
名前を佐王子さんと言うの…」

「ハイ・・・、そうです・・・、
佐王子保さんと言います・・」

由美子の質問に千春が不審そうな表情を浮かべています。

「由美子さん・・、ご存知の方ですか・・・・?」

「ううん・・・、
ただ珍しい名前だから、つい聞いてみただけ・・
・・・で、彼・・、幾つくらいの人なの…」

「はっきりわかりませんけれど…、
50歳は超えていると思います…」

「そう・・、50歳ね・・・、
私の知っている人とは別の人だと思う…・、
失礼しました・・、
話の腰を折ったわね・・、続けて・・・・」

由美子の質問に少し不審そうな表情を浮かべましたが、すぐ思い直したようで、笑みを浮かべている
千春です。それでも小さなわだかまりが・・、小さな疑惑が・・、千春の中に沸き上がっていたので
す。

〈由美子さんは佐王子さんを知っている・・・、
もしかすると、二人の間には深い関係があるかも…〉

しかし、それで不愉快になるほど深い感情ではありませんでした。直ぐに由美子の質問のことは忘れ
ていました。

「う・・ん・・・、
お話を聞いて、千春さんの言い分はよく判った…、
それでも・・、
千春さんが高級コールガールの道を選んだことは・・・、
やはり・・・、賛同できない・・・・。
もう少し、建設的な道がなかったのかと言いたい・・・・。

でも・・、矛盾しているようだけれど…、
一方では、今の千春さんの説明を聞いて、
千春さんが体を売る道を最終的に選んだのだことは非難できないどころか、
体の奥で千春さんの行為に賛同している自分が居る・・。

我慢に我慢を重ね・・、
狂いだすほど男恋しくなる日々が続き・・、
この先も永遠にこんな苦しい日々が続くのかと思い知らされた時、
『絶対に安全だから・・』
『誰にもバレないから…』
『望むままに男が選べるよ…』・・・と、
ベテランの仕事人から甘い言葉で誘われれば・・、
女なら・・、千春さんと同じ道へ踏み出すかもしれないと思っている・・・」

愛が難しい顔をして、自分に言い聞かせるように意見を述べています。由美子も同意見なので
しょう、頷いています。


[12] フォレストサイドハウス(その13)(427)  鶴岡次郎 :2016/03/03 (木) 13:59 ID:dxjp7rlE No.2818

「それにしても・・、
その佐王子さんというヤクザさんはなかなかの人物だね…、
そういえば由美子さんの愛人もヤクザの親分だったわね・・、
ヤクザさんもそれなりの人を選ぶと、女は幸せになれるのね…」

ソープ店のオーナーで、凄腕の竿師である佐王子も、的屋の親分であるUも、愛にかかれば、すべて
ヤクザ稼業の人と見ているようです。ソープ店の経営も、的屋も立派な正業ですが、由美子も、千春
も、笑みを浮かべているだけで、愛の誤解を聞き流しているのです。

「体の続く限り、私の賞味期限が切れるまで・・・、
売春稼業は続けるつもりでした…、
もちろん、結婚にも、赤ちゃんにも、人並みにあこがれていました…
でも・・、私の体に巣食う、異常な情欲を思うと・・・、
人並みの幸せは、夢の・・、夢とあきらめていました…」

「・・・・・」

愛も、由美子もしんみりとした表情を浮かべ聞いています。

「それがある偶然の出会いで・・・、
私にも人並みの家庭が持てるチャンスがやってきたのです」

「今の旦那様との馴れ初めね…、聞きたいわ・・・
千春さんのようなスケベー女を見事射落した男の話が聞きたい・・、
彼もその道では相当出来る人なんでしょう…、
かなりいいモノを持っているのでしょうね・・・、
わくわくするね・・・・・・」

愛がすっかり興奮しています。

「佐王子さんのおかげでコールガールのサイドビジネスも軌道に乗り、変な話ですが、体の疼きを忘
れてシューフィッテイングのお勤めに打ち込めるようになっていました。自分の中に女を意識し始め
てから、こんなにすっきりした気分でいられるのは初めてのことでした。

ある雨の宵、お客が途絶えた時、若い男がふらりとお店に入ってきたのです、
サラリーマン風で、一目見てお店の顧客にはなれない方と見ました…。
それでも、いい男だったことと、ちょうど暇な時でしたから、
からかい半分で、その頃は自粛していたお色気攻勢を彼に仕掛けたのです・・」

「凄腕の千春さんのお色気攻勢を受けたら、
若い男はひとたまりもなかったでしょうね…」

「そうでもなかったのです・・・。
予想に反して、彼の反応は全くなかったのです…」

「へえ…、そんなこともあるんだ…
それでは、千春さんがカチンとくるね…」

「そうなんです、私・・、プライドがひどく傷つけられました・・、
こんな若造に馬鹿にされては、私のキャリアーが泣くと思ったのです…」

「…で、どうなったの・・」

愛が話の先を急がせています。愛の反応を見て、焦らすようにお茶のコップを取り上げ、ごくりと喉
を湿して千春はゆっくり話し始めました。

「敵がその気なら、私の力を見せつけてやると思いました…」

「やる気になったのね…」

白いブラウスと紺のミニタイトスカートがお店の制服です。その服装で男の前に跪き、靴をフィッテ
イングするのです。その時の千春は前のボタンを三つ外しています。白い半ブラが顔を出し、ニップ
ルを隠す役目しか果たしていないブラ越しに豊かで青白い乳房が見えるのです。絨毯に膝をついてい
ますから、窮屈なタイトスカートは上に巻き上げられ、小さなショーツがちらちら見えるのです。目
を凝らせば淡い繁みさえ見えそうな気がするのです。

このお色気攻勢に反応を見せなかった男性を千春は知りません、遠慮がちにチラチラ見る男、無遠慮
に覗き込む男、直ぐにスケベな冗談を言い出す男、その反応は様々ですがどんな男でも股間を緊張さ
せて千春の体を楽しみ、次の展開を期待するスケベー心を丸出しにするのです。そして、その果てに
高価な靴を買い求める羽目に陥るのです。


[13] フォレストサイドハウス(その13)(428)  鶴岡次郎 :2016/03/07 (月) 11:43 ID:OlleIks2 No.2819

目の前にいる30代半ばと思えるイケメンは身長180を超え、何かスポーツで鍛えているので
しょう、理想的な贅肉のないきれいな体をしているのです。千春ならずとも、女なら誰でも商売気を
離れてお色気攻勢をかけてみる気になるいい男です。

ところが・・、その男性は千春のお色気攻勢に気づいて、困った風情を見せているのですが、股間は
平静を保っているのです。この様子を見て、千春の中に闘争心がさらに強く沸き上がりました。

「変ね・…、その人・・・、
欲望を抑えているのでなくて、
どこか悪いところがあるんじゃないの…
勃起不全の原因が他にあるんじゃないの・・・・」

千春の説明を聞いて元看護師の愛が専門的な質問をしています。

「さすがですね・・、
後でわかるのですが・・・、心の病が存在したようです…。
でも・・・、その時はその事情が判りませんから、
私を女と見ていない・・、
そう思って、かなり向きになりました・・・・・」

愛の質問に千春が答えています。愛が納得した表情で頷いています。


密室に近い空間ですから、千春がその気になればどんな破廉恥なことでも出来ます。攻める気に
なった千春は隙を見てかなり強引に男の股間にタッチしたのです。男はびっくりしていますが、嫌
がっている様子はなく、千春のなすがままです。

〈この人平然としている。大物なのか…、鈍感なのか…、
それとも大変な遊び人なのか・・
いずれにしても、私を嫌がってはいないようだ・・・
それなら・・、やりようがある・・・・・・〉

以前、この店では千春を含めて数人の店員が、裸を見せたり、お客の股間に触ったり、果ては挿入ま
で・・、お色気接待をして売り上げを伸ばしていたことがあったのです。しかし、こんな商売のやり
方を続けているといろいろと噂が立ち、店員の士気も落ち、結果として店の評価が落ちるものなので
す。店長の尽力で、誰を傷つけることもなく、ことを公にしないで、この悪習は次第に消えたので
す。

千春にとって、実に数ヶ月ぶりのお色気サービスです。男の体に触っているとすっかり忘れていた感
覚が蘇っています。目の前のイケメンは弄ぶ男としては申し分ないのです。こんなに若い男を弄ぶの
は初めてです。商売気を離れ、遊び心半分、スケベ心半分の気持ちで千春は、男さえ望めば、迷いな
く最後まで攻め抜く覚悟を固めているようです。

もう・・、遠慮なく股間に指を絡ませ、ズボンの上からですが、そこをまさぐりながら、ブラウスの
ボタンをすべて外し、ブラを押し下げ、乳首が良く見えるようにしています。両乳房の全景が男から
見えるはずです。さらに、タイトスカートの裾を上に巻き上げ、ブルーのTバックショーツを見せ付
けているのです。


[14] フォレストサイドハウス(その13)(429)  鶴岡次郎 :2016/03/08 (火) 15:39 ID:s6ryXkKA No.2820

「あら、あら・・・、
大変なことになったね・・・
いよいよ、エンジン全開だね…」

愛が妙に興奮しています。

「それでは、男は堪らないよね…
そこまでやって、その気にならない男はいないでしょう・・」

「ハイ・・・、
一度も失敗した記憶がありません…・」

愛が言うようにここまでやって、勃起しなかった客は今までいません。90歳を越えたお客の男根で
さえ、ここまでのサービスで変化の兆しを引き出した実績を千春は持っているのです。

「その若い男は簡単にダウンしたでしょう・・」

「そうでもなかったのです・・・」

ようやく男の股間に変化が見えてきました。ただ、千春は満足していませんでした。完璧な勃起とは
程遠い状態だと判断したのです。自尊心を大いに傷つけられた・・、千春の心境はまさにそれでし
た。何が何でも、浦上を完全勃起させると決意したのです。

「お客様・・、これなどいかがでしょう・・、
良くお似合いですよ・・・」

そういいながら、千春は男のジッパーを引き下げ、指を入れています。直接男根を掴むつもりのよう
です。

「こんなに高価な靴は私には不向きだよ・・、
毎日酷使するから、靴がかわいそうだよ…、残念ながら・・」

「そうですか・・、目下セールス中ですから・・・、
お買得だと思いますが・・」

靴が話題になっていますが、もう・・、二人にとって靴はどうでもいい存在になっています。千春の
指が直接男根にふれ、それを指でつかんでそっと引っ張り出しています。男の目が明らかに泳いでい
ます。千春は両脚を更に開いてTバックショーツの全景を見えるようにしています。脚がこれ以上な
いほど開いていますので、陰毛は勿論、ひらひらさえはみ出しているのです。ショーツが濡れている
のさえよく見えるのです。

小さな布切れからかなりの陰毛が食み出ています。50歳過ぎの男性が最も好む風景の一つです。こ
こまで来ると、ボトムを少し横にずらせて、亀裂の全貌を見せるのが千春の流儀ですが、若い男には
少し毒気が強すぎるかもと、さらし過ぎに配慮する慎重さも見せているのです。それでも床に愛液が
一滴、二滴と落下しているのです。男はその滴りを見て一気に興奮しています。

男根がようやくむっくりと動き始めました。ここまで来ると、あとは押しの一手です。男根の先端を
指で操りながら、浦上を見上げて、にっこり微笑みました。店員の意図を男は計りかねているようで
すが、迷惑そうにはしていません。

千春の手にした男根は、ようやく・・、本当にようやく、ひとり立ちできる状態までになっているの
です。先端から先走り汁がにじみ出て千春の指を汚しているのです。オスの発情臭がそこから舞い上
がっています。千春の好きな香りのようで、男根に顔を近づけその香りを深々と吸い込み、うっとり
とした表情を浮かべています。その香りから、この男は本来、性的に相当強い男だと千春は感じ取っ
ていました。修練を積んでいる千春はその部分の香りを嗅ぐだけで男の強さをある程度まで判断でき
るようになっているのです。


[15] フォレストサイドハウス(その13)(430)  鶴岡次郎 :2016/03/09 (水) 12:49 ID:YI8FfAAc No.2821
「千春さん・・・」

胸に付けた千春のネームプレートを見て浦上が彼女を下の名前で呼びました。

「千春さんにお礼申し上げます…」

興奮した口調ではなく、むしろ、冷静な、低い口調で、男がささやいています。おやと・・、千春が
男に視線を向けています。興奮で顔を紅潮させているのですが、口調は至極まじめなのです。

股間を勃起させた男たちの生態をよく知っている千春は、目の前の浦上の態度が、口調が、そして雰
囲気が、それまで接していた欲情した男たちとどこか違うのを察知していました。今から女を抱く浮
かれた様子は皆無で、むしろ何か真剣勝負をするような雰囲気さえ漂わせているのです。千春は手を
止めて、男の話を聞く姿勢を見せました。

「ココがこんなになったのは、実は4年ぶりなのです・・」

「・・・・・・・」

少しはにかみながら、千春が握っている股間を指差し、浦上が語り始めました。やはり何か事情が
あったのだと、男根に指を絡ませたまま、千春は納得の表情を浮かべています。

「4年前、妻を癌で失いました・・。
それ以来、女性に接していません・・」

「・・・・・・・」

「接していないのではなく、できないのです…。
その気になって、いかがわしい場所へ、何度も足を運んだのです・・。
しかし・・、いざその時になると・・、ダメでした・・」

「・・・・・・・」

あまりに深刻な話に千春は口を開くことが出来ないのです。それでも男根を握る指は小刻みに動いて
いるのです。それに応えて男根も硬度を維持しています。

「女性を抱くと妻の顔が浮かび上がるのです。
多分妻が許さないのだと・・、
本気でそう思っています・・」

「・・・・・・・・」

亡妻を愛しているからこそ、そうした幻想に悩まされるのだと、千春は目の前の男を見直す思いに
なっていました。そして、その幻想を彼女が追い払い、男を取り戻してやりたいと思う気持ちがむら
むらと千春の中に沸き上がっていました。

「何度も、何度も、そんなことを繰り返して・・・、
私はダメになったと覚悟を決め、あきらめました・・・・
妻の亡霊と一生過ごすのも悪くないと思い始めていたのです・・」

男がしんみりした口調で千春に告白しています。おそらく、この事実を他人に話すのは初めてのこと
だと思います。それだけ、千春に心を許しているのだと思われます。


[16] フォレストサイドハウス(その13)(431)  鶴岡次郎 :2016/03/10 (木) 11:33 ID:T6I9F1Dg No.2822

「う・・ん・・・、
そうした症状を見せる男性は案外多いのよ・・・、
女性は子宮で異性を感じ、男性は脳で女を識別するといわれるように、
女性より男性に、心の病からくる若年性不能者が多いのよ・・」

そうした事例を知っているのでしょう、愛が解説をしています。

「私の力で男を取り戻してあげよう・・、
この男を救うことが出来るのは私だけかもしれない・・・、
そう思いました・・・」

「一目惚れをしたイケメンが、意外にも勃起不全に悩まされていた、
この病を治癒できるのは私の愛情だけだわ・・・、
そう・・、思ったのね・・、
女はそういうシツエイションに弱いからね・…、
彼への愛が決定的になった瞬間だね・・・・」

「う・・・ん・・、どうかな…・
その時点では、そこまで行っていなかったと思います・・・。
いえ・・、そうではないわね・・・、
たぶん・・、愛情を超えた感情を抱いていたと思います・・。
彼が若くて、イケメンでなくて・・・、
結婚の対象にならない、さえない初老の男性であっても・・、
私・・・、同じことをしたと思います…」

「偉い!
それでこそ、スケベーな千春さんよ…
勃起不全で悩んでいる世の男性すべてに・・・、
遍く(あまねく)女神の愛を注ぐ、そんな決心だったのね・・・、
お見それしました…、頑張れ…、千春・・・・」

目の前に病んだ男の男根を握っている千春が居るかのように、愛が応援を送り、拍手しています。
千春がそれを受けてにっこりほほ笑んでいます。


新たな決意を心に秘めた千春は浦上の股間をもみ続けました。その部分の緊張は更に高まり、ほぼ完
全勃起状態になっています。先端から透明な液が出て、千春の指を汚しているのです。

「ああ・・、ずいぶん大きくなりましたね…
本当に久しぶりです。自分のモノとは思えない気持ちです・・」

女に握られた自身の男根を、珍しい別の生き物を見るような視線で、しみじみと、男は眺めているの
です。その目に涙さえ浮かべているのです。

「何故、ここまでしていただけるのか、私にはその理由が判りませんが、
千春さんの手で立派になったこれを見ると、感激で涙が出る思いです。
千春さんが女神に思えます・・・」

ほとんど裸に近い女に男根を握られた背広姿の若い男が、涙ぐみながら深々と頭を下げているので
す。奇妙と言えばかなりおかしな光景です。

「不思議な力をお持ちなのですね・・・、
最初は絶対ダメだと、私はあきらめていました…。

それが途中から・・、
今までの女性とは違う刺激を受けました・・。
この方となら…と、淡い期待を抱くようになっていました。  

千春さんの力が妻の亡霊を押し返したのですね…
多分・・・、妻は…、
千春さんならいいと許可してくれたのだと思います・・」

これまでの苦労と絶望の期間を思い出したのでしょう、男根を見つめる男は、あふれ出る涙を拭おう
ともしません。


[17] フォレストサイドハウス(その13)(432)  鶴岡次郎 :2016/03/11 (金) 12:53 ID:jgHGFsJo No.2823
もともとやさしい気持ちを持った千春です、勃起不全になった男の苦悩を完全に理解することは無
理でも、 涙を流す男の気持ちはある程度まで理解できているようです。男根をゆっくりしごきなが
ら、やさしい視線を男に向けています。ただ、男根だけがこの場の雰囲気を理解していない様子で、
いきりたち、透明な液を吐き出しながら周りに芳香を発しているのです。

男根を握った右手が疲れたのでしょうか、左手に持ち替え、右指に付いた粘液を舌で舐めています。
視線は男に向けて、笑みを浮かべているのです。

「淫らなことをしてはいけないと、お店からは注意されているのですが、
気に入った方にお目にかかると、
つい・・、我を忘れて奉仕してしまうのです・・・。
悪い癖ですね…、
お店にはこのことは秘密にしておいてくださいね・・」

男の涙には気が付かないふりをして、千春が笑いながら答えています。男根をもろ出しにした背広姿
の男性と、紺のタイトスカートを腰まで巻き上げ、両脚をいっぱいに開いてショーツをさらけ出し、
白のブラウスの前をいっぱいにはだけ、二つの乳房をあらわに出した女が男根をその手に握りしめ
て、男を見つめているのです。

この上なく隠微な光景ですが、どうしたわけか二人の様子は意外に真剣みを帯びていて、あたかも公
園のベンチに座った初対面の男と女が遠慮がちに見つめあっている雰囲気なのです。

「・・・で、この先はどうされます・・・。
十分に使える状態になっていますが・・」

艶然と好色そうな笑みを浮かべて、握っている男根をゆっくり振りながら、千春が訊ねています。

「千春さんさえよろしければ、
メニュウ通りに最後までやっていただくと、
私としてはこの上なくありがたいのですが・・・」

さすがに一流商社の営業マンです、隙を見せずうまい交渉術を発揮しています。

「メニュウ通りね…、
そういわれてもね・・、
ここしばらくは閉店休業だったから・・・」

隠微な笑みを浮かべて千春が首を傾けています。考えるまでもなく、千春自身も最後までやり抜くつ
もりなのです。股間から愛液がしたたり落ちています。

「この先・・・、どうすればいいのかしら…、
どんなことをすれば殿方に喜んでいただけるのか、
すっかり、忘れてしまったわ…、フフ・・・・」

そういいながらも手は滑らかに動き、空いた手が伸びて、巧みにショーツの紐を解いて下半身を解放
しているのです。はらりとショーツが床に落ち、濡れた亀裂が顔を出しています。驚きの表情を浮か
べ、それでも嬉しそうな表情で男が亀裂に視線を向けています。

「いいわ・・、思い出しながらやってみる、
不味い料理だったらそう言ってね、別のメニュウを出すから・・・・
それでは・・、まず最初は・・、アフ・・・ウウ・・・」

言葉が終わらない内に千春は、パクリと亀頭に唇をかぶせました。しばらく男根をしゃぶった後、頃
合いを見て、男の手を取って立ち上がらせ、一気にズボンとショーツを引き下ろして、男を床に寝か
せました。そして69の体制で男の上に跨り、男根にかぶりついています。男の眼前に濡れそぼった
亀裂が宛がわれています。男は当然のように亀裂に食いつき、愛液を啜り始めています。

見る見るうちに男の顔が愛液で濡れ、ネクタイにも、ワイシャツにも愛液の飛沫が降りかかっていま
す。

結局、男は最後まで行きませんでした。その場で射精することもできたのですが、限界に近くなった
ところで千春の背中をたたき、そこまでで終えることを女に告げたのです。


[18] フォレストサイドハウス(その13)(433)  鶴岡次郎 :2016/03/13 (日) 16:17 ID:t3qBpBxU No.2824

「止めるの…?
最後まで行けばいいのに・・・、
私はそうして欲しいと思っている・・・・・」

中途で止められ、女は少し不満そうな表情を見せています。

「ここまででも、僕にとっては大成功です・・・
ここで失敗したら、元も子もありませんから…」

失敗を恐れた男の理性が店内でのこれ以上の行為を止めたようです。無理はありません、いざとなれ
ば女はどこでも男を受け入れることはできるのですが、意外と男は場所を選ぶのです。これまでも、
経験豊富な中年過ぎのオヤジが、いざとなった時、急にしぼんでしまった例を千春は何度か見てきて
いるのです。千春は黙って男の指示に従いました。

「ありがとうございました。本当にお世話になりました・・。
お礼と言うには、とても足りないのですが、この靴をいただくことにします。
今日の記念に千春さんを思い出しながら、大切に愛用します・・」

身支度を整えた二人が少し照れながら微笑みを浮かべて見つめ合っています。男は給料の20%ほど
値になる靴を買い求めることにしたのです。室内には蒸れた二人の体液の香りが充満しているのです
が、もちろん二人は気が付いていません。

「お買い上げ、ありがとうございます・・、
喜んでいただけて、努力した甲斐がありました・・
それでは少々お待ちください・・・」

売上伝票とコーヒーそして特別に熱いおしぼりを三本も準備して千春が戻ってきました。男がおしぼ
りを使おうとしないので千春が使用を促しています。

「当分、お風呂に入らないし、顔だって洗わないつもりです。
あなたの香りに包まれて、暮らしたいのです…」

「あら・・あら・・、
嘘でもそう言われるとうれしい・・」

本当にうれしそうに千春が笑って答えています。

「あんなことをしてしまって、少し反省をしています。
お店の名誉のために言いますが、普段は絶対しないのよ・・」

「判っています…、
千春さんのご厚意を肝に銘じています・・」

「朝から私・・、少し変だった・・、
女にはそんな日が月に何日か来るのよ・・、
そこへ、素敵な三郎さんが現れたわけなの…、
言ってみれば、半分以上は三郎さんが悪いのよ…、フフ・・・・」

千春が艶然と微笑んで、親しみを込めて男を名前で呼んでいます。既に名刺交換を済ませているので
す。

「ここで千春さんに会えたのは僕にとって本当にラッキーでした。
恥ずかしくて、医者にも行けないで、このまま僕の男が終わると・・、
覚悟を決めていたのです・・・」

「私のスケベーな行為がお役に立ったのですね…、
こんな経験は初めてですが、
お役に立てて、私・・、とっても嬉しいです・・」

「ところで・・・、お礼と言うほどのものではないのですが・・・、
よろしかったら、デイナーをご一緒にいかがでしょうか…」

「はい・・・、喜んで…
今日は早番で、5時には店を出ることが出来ます…・」

その日、佐王子から指示が来ていて、コールガールの来客予定が入っていたのですが、それをキャン
セルするつもりで、千春は浦上の誘いを快諾しました。そして、食事の後、むしろ千春が誘うように
して、二人は近くのホテルへ向かったのです。


[19] フォレストサイドハウス(その13)(434)  鶴岡次郎 :2016/03/15 (火) 16:49 ID:oFaqIvXQ No.2825

「いよいよホテルに向かうのね・・・、
いよいよ食べるのね・・、
そうでなくては…・
う・・ん…、待ち遠しい…・」

「愛さん・・、そんなに興奮しないで…」

自分のことのように愛が喜んでいます。由美子がそんな愛を茶化しています。

「だって・・、このまま別れて、後日また・・では不自然でしょう…、
何事だって、勢いってものがあるから、
やるなら・・・、今でしょう・…、
彼にしても、最後まで行かないと完全復帰かどうかわからない・・、
千春さんにだって、見届ける責任があるよ…」

「おっしゃる通りです・…、
後になって、彼も言っていました・・・。
お店では、やりたい気持ちは強かったけれど、
失敗するのが怖くて、最後まで行けなかった・・・、
それで、大事をとって、ホテルに誘うことにしたそうです…」

「そうでしょう・・、当然のことよ・・・、
興奮したお二人の様子が目に見えるようだわ・・・
どこから見ても・・、私たちこれからやります…て、
そんな風に見えたでしょうね…・」

「そうでしょうか・・・」

「そうよ、絡まり合ってラブホテルに向かったのでしょう・・、
誰だって、今から始めるのだと思うよ…
うらやましいな・・、私はそんな味を忘れた・・・・」

愛は大はしゃぎです。千春が困惑の表情を浮かべ、由美子が笑っています。

「股間の棒が隠し切れなくて蟹股で歩いている男性・・・、
すっかり濡れて、足首あたりまで垂れ下がった来た液体を気にしながら、
それでも男性の腕にぶら下がって、
とろけるような表情を浮かべている千春さん・・
そんなお二人の様子が目に浮かぶ・・」

「やはり、愛さんはスケベーよ・・・
いやらしいことを言うわね・・・」

由美子が笑いながら言っています。

「そうよ、私・・、スケベーなの・・・、
だけど、臆病だから、皆さんのようには実行に移せない…、
ただ・・、楽しいお話を聞いて、妄想するだけなの…・」

「あら、あら…・」

「ここから先は特に事細かく説明してね・・・、
彼は奥さんが亡くなって以来、長い間、禁欲状態だったのでしょう…、
千春さんも、若い男とは久しぶりだから、
すごいことになった思う・・・、詳しく話が聞きたい…」

興奮した面持ちを隠さず愛が注文を付けています。

「はい・・、判りました・・
事細かに説明します・・、ふふ・・・・」


[20] フォレストサイドハウス(その13)(435)  鶴岡次郎 :2016/03/16 (水) 09:51 ID:S3R8qFcc No.2826
ホテルに着くと男と女はシャワーを使いました。バスタオル一枚を身にまとった男と女がベッドサイ
ドに立ち、見つめあっています。男はかなり身長が高く、学生時代柔道をやっていたというだけ
あって、筋肉が盛り上がった見事な体をしています。

「今でもはっきり覚えていますが・・・、
裸で向かい合った時・・、彼の体からほとばしり出る体臭を嗅いで、
私・・、めまいと思えるほど・・、感じていました…」

「若いオスの香りは強いからね…」

「私・・、同年代の男性に抱かれたことは一度もなかったのです…、
いつも年の離れた男性が相手でしたから…
若い男性の香りは新鮮で、衝撃的だったのです…・」

「・・・・・・・」

千春は年の割には男性経験が豊富です。それでも、たくさんの男に抱かれていながら、若い男の香り
が新鮮だと言う千春の告白を聞いて、これまで歩んできた千春の人生に思いを馳せて、愛と由美子は
何も言えずただ黙って千春を見ています。
若い女性にとって、異性経験が豊富であるということは決して幸せなことではないのだと由美子も、
愛も改めて考えていたのです。

男の体から立ち上がる香気に千春は酔いしれていました。慣れ親しんでいる中年男たちの加齢臭とは
異なる、干し草の香りに似た野生的な異性の香りに千春は衝撃を受けていました。シャワーを使った
直後ですが滴るほど濡れ始めているのです。

〈・・これが男の香りなんだ・・、
おじさん達の匂いも、決して嫌いではないけれど、
この香りを嗅ぐとさすがに違いを感じる・・・〉

男は千春の裸体の美しさに圧倒されていました。この時点で、彼のEDは完全にその姿を消していま
した。腰に巻いたバスタオルが大きな棒を入れたように持ち上げられているのです。ようやく浦上の
中から亡妻の影が消えたのです。

男はゆっくり女を抱きしめ唇を寄せてゆきました。目を閉じた女がやや唇を緩めて男の接近を待って
います。唇が重なり合い、二人の舌が絡み合いを始めると、男の腕に力が入り始めました。 

背の高い千春ですが、浦上に抱かれるとつま先立ちになってしまうのです。強く腰を引き寄せられた
女がうめき声をあげながら男の唇を貪り食っています。彼女の口の端から二人の唾液が混じり合った
物が糸を引いて床に落ちています。女の乳房は男の厚い胸板で極限まで押しつぶされています。

男の片脚が女の両脚を割り、深々と入れ込まれ、女は進んで足を開いています。二人のバスタオルは
すでに床に落ちています。

「アッ・・」

女が悲鳴を上げました。大腿部に載せて男が女を持ち上げたのです。男の毛深い大腿部が亀裂に食い
込んでいます。女の悲鳴が断続的に続きます。亀裂からあふれ出た愛液が男の脚を濡らしています。
女をベッドの上にそっと下ろしました。女は両脚を開いたままで、うるんだ瞳で男を見つめていま
す。天を衝くほどに勃起した男根が女の視線を捉えています。

亀裂からあふれ出た透明な液がシーツに流れ落ちています。すべて準備が完了しています。男は
ゆっくり腰を下ろし、女の両脚を両手で握りました。女がうめき声をあげ、進んで脚を広げていま
す。待ちきれない様子です。

ここで男の動作が不自然に止まりました。女がいぶかしげな表情で男を見上げています。そして、女
は何事かを察知した様子です。

「今日は大丈夫な日です・・、
そのままで・・、浦上さんさえよければ・・、
中へ・・、中へ出してください…、かまいませんから・・」

ささやき終わった後、男から視線を外し、女は頬を染めています。安全日であることを告げたので
す。コールガールを始めた時、佐王子に医院を紹介され、避妊処理と消毒処理を受けることになり、
それ以来定期的にその医院に通っているのです。もちろん、医院側は千春の職業を良く知っていて、
あらゆる便宜を払ってくれているのです。

まさか浦上に避妊処理をしていると告げることが出来ませんから、安全日だと伝えたのです。実のと
ころは、一番欲情する時を迎えていて、本来であれば今が一番危険な時期なのです。


[21] フォレストサイドハウス(その13)(436)  鶴岡次郎 :2016/03/17 (木) 16:21 ID:K04qhetI No.2827

「避妊を気にするところなんか、なかなかできた男だね・・
女は気にするけれど、男は殆ど気にしない・・・」

愛がまぜっかえしています。

「そうなんです・・、私が知っている方は・・・、
・・と言ってもみんなお金を出して私を抱く人達ですが・・・、
ほとんどの人が避妊を気にしません…。

中にはゴムを欲しがる人がいるのですが、
避妊ではなくて、病気を心配しているのです。
そんな人は決してクンニをしませんから、判るのです・・・」

「そうなの…、厳しい現実だね・・・。その場限りでもいい、肌を合わせる男と女の間にはもう少
し、甘い情愛が欲しい気がするけれど・・・、金を払って抱く女であっても、情愛をかければ、
それなりに楽しめると思うけれどね・・・」

「そんなことを気にしていたら、この商売はやっていけません…
男がゴムを望むのなら、その方が、私も安心なのです…・」

「・・・・・」

愛が黙り込んでいます。現実問題として、娼婦・・、それも隠れた組織のコールガールですか
ら・・、そんな女を抱くとなれば、当然性病感染のことが気になります。女を抱きたいが病気が怖い
と思っている男たちの気持ちが愛にも良く判るのです。

千春の話には現実世界の厳しさがいつもあふれています。惚れたはれたの浮ついた感情を吹き飛ばす
ような、ぎりぎりの欲望が男と女の間で渦巻いている様子が千春の話の中に散りばめられているので
す。

千春の話は続きます。

男が女の顎に手を添えて持ち上げ、唇を寄せました。女が勢いよく、その唇に食いついています。抱
き合ったまま二人はベッドに倒れこみました。男が女の両脚を割り、体を入れました。

それまで千春の接して来た男達は指や舌を使って延々とその部分をもてあそび、千春が悶え狂って欲
しがっても、焦らすのです。千春はそんな性交に慣らされてきたのです。浦上は違いました。舌を使
うことなく、指すらも触れないで、男は男根を直接ソコへ挿入しようとしているのです。これほどス
トレートな性交を千春は知りません。

〈ああ…、いきなり入れるの…
凄い・・、ああ・・、たまらない…
来て・・、早く・・、来て・・・・!〉

男根の先端がそこに触れる感触で、女は一気に高まり、悲鳴を上げ、それだけで潮を噴き上げていま
した。


「凄いね・・・、触れるだけで潮を吹くなんて…、
私なんか・・・、
まあ・・、私のことはここでは関係ないから、いいとして・・、
千春さんはいつもそうなの…?」

「そんなことありません…、
毎回、潮を吹くわけでもありません…、
このときは、異常でした・・・」

「そうでしょうね・・・、
毎回じゃ・・、体が持たないわよ・・、フフ・・・
それにしても、いきなり浴びせられて、
浦上さんびっくりしたでしょうね・・・」

「そうだと思います…」

亀頭が触れただけで大量の潮を浴びせられ、男はびっくりしています。女性経験がそれほど多くない
男にとって初めての経験でした。勿論亡妻は普通の育ちで、ベッドでも淑やかな女性だったのです。
挿入前に潮を浴びる異常な刺激を受けて一気に男根が膨張しています。お腹にくっつくほど勃起して
いるのです。これほどまでに男根が膨張するのをいままで男は経験したことがありませんでした。


[22] フォレストサイドハウス(その13)(437)  鶴岡次郎 :2016/03/18 (金) 14:59 ID:yyReHfXA No.2828

男は完全に狂い始めていました。獣のような唸り声を発して男は一気に挿入しました。激しい破裂音
と女の発する断末魔のような悲鳴が部屋中に響いています。女は両手を男の背中に絡め、いっぱいに
開いた両脚を宙に突き上げています。

「うっ・・・・ッ・・・」

男根が食いちぎられるような激痛を感じ取りながら、脳天を貫く,恐ろしい快感に襲われ、男は一気
に吐き出しました。挿入してから2分と経過していないのです。当の本人でさえ驚くほど大量の精液
が注ぎ込まれています。その流れが永遠に続くと思われるほど射精は続きました。

「ああ…、熱い・・、熱い・・・・
い・・、いっぱい・・・

あっ、あっ・・・・ッ・・・・、ダメ…・、
ああ・・、ダメ・・・」

女の両脚が激しく痙攣して、その後突然、力を失った両脚が音を立ててベッドに落ちました。女も、
男も、動かなくなりました。二人は重なり合ったまま動かなくなったのです。女が男の肩に歯を当
て、その部分から鮮血がにじみ出ています。

男と女の妖しい、強い香りが部屋中に満ち、異常な静けさが訪れています。二人の男女がこの部屋に
入ってから、まだ20分も経っていないのです。


「ふう・・・つ・・・・、
入れた直後に逝ってしまったんだ…、
二人とも同時にでしょう・…、
それって凄いことだよ・・、
私は経験ないけれど、由美子さんは…?」

「二人同時に、短時間で・・と言うのは珍しい・・
普通はどちらかが待たされるのよ・・、
相性が良く、その上、好きモノカップルでないと無理ね・・・」

「二人ともやりたくて、うずうずしていて・・・、
それでも、なかなか時間が合わなくて、先延ばしになっていて・・、
やっと、抱き合うことが出来た・・、そんな時・・・、
二人は同時に、一気に頂点に駆け上がるんだ…・」

愛の言葉に千春も、由美子も笑いだしています。

なおも千春の話は続きます。

それから10分ほど経って男が覚醒しました。いっぱい精気を吐き出し萎えた男根はしっかり女の膣
に咥えこまれたままでした。そのことに気が付いて男が驚いています。勿論初めての経験です。終
わった後も離さない女に出会ったことが今まで無かったのです。男の気配を察知して、女がうっすら
目を開けました。間近に男の顔があるのを見て、女が慌てて瞼を閉じています。そして、もう一度
ゆっくり目を開け、男の顔を確認して、恥ずかしそうにっこり微笑みました。

「アッ・・、血が・・・・・
ゴメンナサイ・・、痛いでしょう・・・」

男の肩に鮮血がにじみ出ている傷を見つけて、女が傷にそっと手を添えています。

「なんともないですよ・・」

「でも・・、かなり血が出ている・・」

ちょっとためらいを見せた後、女が傷口に唇を当て吸い付いています。痛みを感じたのでしょう、男
が顔をしかめています。女は懸命に吸い始めました。両手、両脚を男の体に絡めて、男の肩に吸い付
き、ゆっくりと腰を動かしています。女唇には男根がまだ咥えこまれたままです。女の口の周りには
鮮血が付き、女の表情をより妖しく変えています。


[23] フォレストサイドハウス(その13)(438)  鶴岡次郎 :2016/03/21 (月) 16:06 ID:uYCjRJPM No.2829

肩の傷に女の唇を押し当てられ、男はその痛みに耐えかねて顔をゆがめています。できることなら
そっとしておいてほしいと男は思っているのですが、鮮血の味を感じ取った女はその行為を止めるど
ころか、さらに熱心にその部分に食いつき、盛んに血を吸い取っています。

どうやら鮮血は女の欲望を掻き立てている様子です。四肢に力を入れて女は男の体に自身の濡れた体
を押し付けて、全身をくねらせ始めました。目は欲望に輝き、膣には新たな愛液が噴出しています。
膣内に咥え込まれたままの男根にもその影響はすぐに表れました。

〈ああ・・、この動きは何だ・・・
根元をやさしく締め付けられ・・・、
先端が舌でなめられているようだ・・・
これが・・、噂に聞く名器なのか・・・
凄い……〉

絶妙な膣の動きに男は感動していました。一気に男根が固く、膨張しています。男根の膨張に呼応し
て、女唇の蠢きが更に活発になっています。膣内に保存されていた大量の精液が逆流して、男根と女
唇の隙間から、破裂音を発して宙に吹き出しています。二人の体が交わったあたりに、吹き上げられ
た精液が雪の様に舞っています。

四年ぶりに女体を抱いた男の欲望はとどまるところを知りません。女もその欲望によく応えました。
大方の女であれば、ギブアップしているところですが。千春は対等以上の対応をしました。

二人はそれから三時間余りホテルで過ごしました。その間、驚いたことに二人の体は一度も離れるこ
とはなかったのです。4年間欲望をため込んでいた男根もすごいことはすごいのですが、そんな男を
相手にして三時間余り抜かずに性交できたのはたぐいまれな吸引力を持つ千春の女陰のおかげと言え
ます。おそらく男も女も、数えきれないほど逝ったはずです。逝った後、いち早く覚醒した者が仕掛
けて相手を挑発し、抜かずに性交を繰り返したのです。


「それにしても、抜かずに、三時間やり通すとは…・
凄いの一言ね・・・、うらやましい…・・」

愛のコメントです。由美子も同感している様子です。女三人、セックス直後のような表情です。目が
潤み、ほんのりと頬が赤く色づいているのです。目の前のコップを取り上げ、冷たいお茶で喉を潤し
ています。三人とも無性に喉が乾くようです。


「この日を境に・・、
二人は週に一度ほどの頻度で付き合い始めました・・・
その都度抱かれましたが、もちろん、お金はいただきません…、
お金をいただかないで男性に抱かれた経験が少ないので、
どのように対応していいのか最初は戸惑いましたが、次第に慣れました」

最初の時の様に狂気の様相を見せた性交は影をひそめましたが、男も女も互いの肉体を相性のいい相
手と感じたようで、会うたびごとに新しい発見をして、二人は何もかも忘れて愛の時間に埋没してい
たのです。勿論、この間、千春のコールガール稼業は休業状態でした。

「いいお話ね・・・・、
エロぽくて、臨場感があったから、すごく感じた・・、
ああ・・・、なんだか、ムズムズする・・・・。
最近はご無沙汰続きだから、今夜あたり私からお願いしようかな…」

さすがに大人のガールズトークです、愛があからさまな感想を述べ、由美子も笑みを浮かべて頷いて
いるのです。当人たちは気が付いていませんが、熟れた女の香りが狭い店先に充満しているのです。


[24] フォレストサイドハウス(その13)(439)  鶴岡次郎 :2016/03/22 (火) 11:57 ID:fr9XWKa6 No.2830

「半年ほどお付き合いして、結婚しました。
そして・・・、結婚を機に退社しました・・」

「エッ・・、寿退社したの…?」

シューフイッターの仕事に情熱を傾けていた千春があっさり寿退社を決めたことに愛が驚いていま
す。若い二人ですから、子供ができるまでは共稼ぎできたはずなのです。.

「お店勤めを続けながら静かな結婚生活を続ける自信がなかったのです。
私のことですから・・・、きっとお客様に手を出すと思ったのです。
佐王子さんとの愛人関係も消滅し、
もちろん、コールガールの仕事も辞めました…」

「愛人稼業も、コールガールもその時点では、自然消滅したんだね・・
過去を清算し、きれいな状態で結婚したんだ…
その意味では寿退社を決めたことは評価できるけれど…・」

愛が複雑な表情を隠そうとしないでコメントしています。口には出しませんがその後再び佐王子との
愛人関係が復活し、さらにソープに勤めることになる千春の運命を愛は知っているのです。

「その気はあったのです。
狙い通り・・、結婚ですべてが円満にリセットされました・・。
この平穏な期間が続けば普通の生活に戻れたと思うのですが・・・」

「・・・・・・・」

悲しそうな表情を浮かべ語る千春を愛が慈愛を込めた表情で見ています。

「それでも、頑張って…、
結婚後・・、5年間は夫一人の生活を守り切ることが出来ました…」

「そう・・・・、よく頑張ったね…」

「毎日のように、複数の男に抱かれていたわけですから・・・、
正直言って・・・、
夫一人を守り切るのはつらい時期もありました・・・。
それでも、長男が生まれると、
子育ての中で体の疼きを忘れることができるようになり、
三年間ほどは夢中で子育てに専念できました・・・・」

「そうね…、
子育て中は簡単に男を断つことができるとよく言われるね…、
女ってそういう体のつくりになっているのかもしれない…」

同じ経験をした由美子が同感の言葉を出し、子供のいない愛までが大きく頷いています。

「この先もわたしの体が落ち着いてくれれば、問題はなかったのですが・・・、
長男が幼稚園に入るころから、私の中にいる悪い虫がうごめき始めました。
以前にも増して、体が燃え始め、どうにも我慢できない状態になりました・・・」

「情が濃いというのも大変なことなんだね・・・」

愛が呟くように言い、由美子が難しい表情で頷いています。二人には千春の苦悩が良く理解出来るの
です。

「旦那様がいち早く私の異常に気が付きました・・・。
彼・・、佐王子さんと相談し、
昔のように、佐王子さんが私を定期的に抱いてくれることになったのです・・・・」

「そう…、佐王子さんとの愛人関係が復活したのだね…。
それしか方法がないよね…」

愛が頷いています。

「それにしても旦那様の対応は素早いね・・
千春さんの異常に気が付いて、直ぐに佐王子さんを宛がったのでしょう…、
普通の男はそうはいかない…。
妻に別の男をあてがう決心をするまで、相当時間が必要になるはずだけれど・・」

どうやら由美子自身の身に起きたことを振り返っているようで、由美子が疑問を口にしています。
由美子の場合は別の男が宛がわれるまで、夫婦の間でいろいろな葛藤があったのです。

「そうね・・、由美子さんの言うとおりよ・・・、
妻に愛人をあてがうと決心するのは、男にとって大変なことだから…。
そうだ・・・、もしかして・・、
佐王子さんが旦那様より早く千春さんの異常に気が付いたのでは…」

突然の思いつきを愛が話しています。


[25] フォレストサイドハウス(その13)(440)  鶴岡次郎 :2016/03/23 (水) 10:58 ID:B/.bqhCM No.2831

「千春さんのことを良く知っている佐王子さんは、
いずれ、千春さんが乱れると予想していたのよ・・・。
それで、千春さん一家の動静を注意深く見守っていたのよ・・・。
そして、旦那様より早く異常に気が付いた佐王子さんが動いたのよ…」

愛が得意そうに説明しています。

「ハイ・・・、愛さんのおっしゃる通りです…。
佐王子さんの伏線が張られていたようです…。
結婚後しばらくしてから、私は知らされたのですが・・・」

千春が口ごもりながら話し始めました。この話は千春としては避けたかった話題のようですが、
ここまで来れば話さない訳にはゆかないと判断したのです。

「三郎さんと結婚すると決まった時・・・、
私・・・、
佐王子さんとの関係をある程度まで告白しました…」

「愛人関係だと話したの…?」

「いえ・・、愛人だと、あからさまには話してはいません…。
数人のお客様と時々・・、実際は、数え切れないほどなんですが・・・、
数人のお客様と時々・・、肉体関係を持ったことを匂わせ・・・、
その中で特に親しくしているお客様の一人が佐王子さんだと話したのです・・」

「なんで・・・、話したの…・、
そんな中途半端に告白するのなら、
隠し通すべきよ、全部隠せばいいのに…」

「だって・・・、それは無理です…・。
三郎さんとの出会いが、そもそも接客中のみだらな対応が縁ですから・・、
私は何も知らない処女です…とは・・、とても言える状況でなかった・・・」

「そうだね・・・、そう言えばそうだった・…、
お店に初めてやった来た男のアレをしゃっぶたのだからね・・・、
他のお客とも同じことをやっているだろうと思われても仕方ないね・・・」

「そうなんです…、
他のお客とのみだらな行為を隠し通すのは無理だと思ったのです…。
それで、少し控えめですが・・・、
少数のお客様と関係を持っていると話したのです・・」

「・・・・・・・・」

その程度の嘘は許されると二人の女は思っている様子で黙って聞いています。

「ところが・・、
三郎さんはそんなことでは騙されなかったのです。
佐王子さんとは特別の関係があると睨んだようです。
それで、彼は佐王子さんを訪ねて、二人きりで話し合いを持ちました…」

「千春さんから手を引け・・・・と、
三郎さんは切り出したのね・・・」

「そうだと思います…。
ところが・・・、
佐王子さんは私のことを全部・・、
彼に話したのです・・」

「エッ・・・、全部って…、
愛人であることも・・・、
そして・・、体を売っていることも・・、全部なの…」

「ハイ・・・、全部です…・・」

「・・・・・・・・・・」

愛と由美子が絶句しています。


[26] フォレストサイドハウス(その13)(441)  鶴岡次郎 :2016/03/24 (木) 14:56 ID:w1lnGt3. No.2832

「どうして・・・、また…、
そんなことをすれば、すべてが終わってしまう…。
あっ・・・・」

そういってしまった後、目の前の千春を見て、愛が次の言葉を飲んでいます。

「終わりではなかったんだ・・・
浦上さんは・・、千春さんとの結婚をあきらめなかったんだ…。
ああ・・・、ゴメンナサイね・・、こんな言い方をして・・・」

慌てて、不注意なことを言ってしまった愛が謝っています。

「いえ・・、いいんです・・・、
愛さんがそう思うのは当然です…。
生涯、夫には売春のことは隠し通すつもりでした・・・・。
この秘密が漏れれば・・・、
婚約破棄になると覚悟していましたから・・・」

「浦上さんの底知れない度量には感服するけれど・・、
佐王子さんのやり方は間違っていると思う・・。
そんな話を聞けば、男は逃げ出すものね…、
佐王子さんは何を考え、何が狙いだったのかしら・・・」

千春の秘密を全て浦上に話した佐王子のやり方を愛は責めているのです。

「もしかして…、
千春さんを手放したくなくて…、
浦上さんをあきらめさせるため・・・、
愛人稼業も、娼婦稼業も、洗いざらい、すべて話したのかな・・」

「私もそう思いました…。
結婚後しばらくしてから、この話を夫から聞いたのですが・・・、
佐王子さんが嫌がらせで言ったのだと、その時、思いました…」

「誰でもそう思うよ・・
それ以外の理由など他に考えられない…」

愛が怒りを込めて相槌を打っています。

「でも・・・、
夫の受け取り方は違っていました・・」

「エッ・・、
旦那様は違う受け止め方をしていたの…」

「ハイ・・・、
嫌がらせかなと一瞬疑ったそうですが・・、
直ぐに、そんな汚い手を打つ佐王子さんではないと思い直したそうです。
もし、私を手放したくないと思うなら、佐王子さんは真正面から勝負をする人だと言っていました。
佐王子さんは二人の婚約を本当に喜んでいたそうです…」

「彼を信用しているんだ・・
旦那様は…・」

あきれた表情を浮かべ愛が呟いています。それまで黙って二人の話を聞いていた由美子が何事か感じ
るところがあるようで、何度か頷いています。

「それにしても、判らない・・・!
嫌がらせでなく、心から二人の婚約を祝福しているのでしょう・・、
その佐王子さんが、なぜ、愛人稼業と娼婦稼業の秘密を婚約者に明かすの…、
そのメリット・・・、目的は・・、いったい何なの…・?」

不機嫌そうに愛が言っています。


[27] フォレストサイドハウス(その13)(442)  鶴岡次郎 :2016/03/28 (月) 10:47 ID:y9sL7xsI No.2833

「まさに・・・、
愛さんが今抱いている疑問・・、
その疑問を夫も抱いたそうです・・・」

愛のつぶやきにも似た言葉を聞いて、千春がわが意を得たように、顔を輝かせています。

「夫に接する佐王子さんの真摯な態度を見ていて、彼は決して嫌がらせや、その場の思い付きで、
重大な秘密を明かしたのではないと確信したのです。そして、重大な秘密をあえて、婚約者である
夫に明かすには、それなりの深い意味があると考えたのです。

そこまでたどり着くと・・・、
佐王子さんの考えていることが自然と見えて来たそうです・・」

「そう・・、旦那様には見えたのね…。
申し訳ないけれど、私には何も見えてこない・…」

愛が困った表情で千春に言っています。

「参りました…、
男たちの高尚なやり取りは、到底私には理解不能です・・。
お願いだから、佐王子さんの考えていることを教えてください・・」

愛がついにギブアップしています。

「二人の男たちは千春さんに心から惚れているのよ、
私から見ても異常なほど彼らは千春さんに惹かれている・・・。
彼らの行為は千春さんの吸引力が重要な要素になっているから、
千春さんの口からは言い難いこともあると思う・・。

ここから先は、私の意見を言っていいかしら…。
間違っているようだったら修正してください…・」

それまで静かに話を聞いていた由美子が笑いながら口を開きました。千春が微笑み、頷いています。

「佐王子さんは千春さんを心から愛していて・・・、
千春さんの体のことを隅から隅まで知っていると自負している…。

愛人にしたのも、売春をさせたのも、何も知らない他人から見ると千春さんを食い物にしているよう
に見えるけど、これらはすべて、千春さんを愛するが故に、千春さんのためを思って、佐王子さんが
あえてしたことだと思う。

誤解を恐れないで言えば・・・、
愛人稼業も、売春稼業も、千春さんの天職だと彼は考えた上で・・・、
その仕事を千春さんに与えたのだと思う・・。
多分・・、千春さんもこのことをよく理解していて、
進んで佐王子さんの誘いに乗ったのだと思う…」

由美子の説明に千春が小さく頷き、愛が不審そうな表情を浮かべています。

「変則的な愛情と言えば、否定できないけれど、千春さんと出会って以来、
佐王子さん千春さんをずっと守り続けてきた・・。

結婚後は・・、当然のことながら・・・、
その役割を浦上さんが引き継ぐことになる・・・。
そのためには、千春さんの体に関し、
浦上さんが佐王子さん並みの知識を持つべきだ・・・と、
佐王子さんは考えたのだと思う…」

千春が何度も頷いています。どうやら由美子の推量は的を射ているようです。愛もおぼろげながら
由美子の説明が判ってきた様子です。

「ああ・・・、そうか・・・、
浦上さんにとって、耳に入れたくない、本当に辛い秘密でも・・・、
この先、千春さんを守るためには・・・、
千春さんの全てを知る必要があると佐王子さんは考えたのね・・。
妬みや、嫌がらせとは発想が根本的に異なるのね・・・、
すごいね・・・、男の愛情は・・・・・」

由美子の説明を何とか理解できた愛が興奮して感想を述べています。その言葉に由美子が軽く頷き、
千春が涙ぐみながら何度も頷いています。

「おぼろげに佐王子さんや、夫の大きな愛を感じ取っていましたが・・・、
由美子さんの解説を聞いて、改めて彼らに感謝する気持ちでいっぱいです・・」

男たちの愛情を本能的に感じ取ってはいたのですが、由美子の説明を聞いて、千春は改めて二人の
男の大きな愛情を言葉で理解して、涙を流しているのです。


[28] フォレストサイドハウス(その13)(443)  鶴岡次郎 :2016/03/30 (水) 14:41 ID:4kIL9I7M No.2834

「由美子さんの説明で、男の大きな愛情はよく判った…、
私には思いつくこともできない二人の男の愛情表現は、何とか理解できた…。
それでも・・・、私は一言いいたい…
これで本当に良いのかと言いたい…。
いえ・・、世の女たちを代表して男たちに訴えたい…・」

愛が少し開き直った様子で言葉を出しています。由美子と千春が笑みを浮かべて愛を見ています。
こんな時、愛は時としてピント外れのコメントをするのです。二人はそれを期待して笑っているの
です。

「愛人稼業と売春稼業をやっていることは・・・、
未婚の女にとって並みの秘密ではない・・・、
絶対、隠したい秘密よ・・、
いえ・・、隠すべき秘密だと言える・・。
そのことには異論ないでしょう…・」

由美子と千春が大げさに頷いています。ここで反論でもしようものなら愛をさらに刺激することに
なるのです、二人は慌てて賛同の意を表現しているのです。二人の賛同を得て愛が満足そうに笑って
います。

「この重大な秘密がバレれば、婚約だってフイになる可能性が非常に高い…。
それでも、千春さんのためを思って、長い目で見れば千春さんの幸せにつながると考えた上で、
佐王子さんはすべてを浦上さんに打ち明けることにした。
これは・・・、乗るか、反るかの、賭けだね・・・。

勇敢に賭けを仕掛ける男はそれでいいかもしれないけれど・・、
賭けの犠牲になるのは女よ・・、

失敗すればドン底に落ちるのは女だから・・、
もろ手を挙げて、彼の行動には賛成できない・・・」

由美子と千春を睨みつけるようにして、愛が言葉をまとめました。

「お言葉ですけど…・、
佐王子さんは賭けとは思っていなかったはず・・・、
わたしは、そう・・思う・・・・」

「エッ・・、賭けではなかった・・・
だって・・、その話を聞けば逃げ出す男の方が多いでしょう・・・、
破談を覚悟して、将来の幸せのため、
すべてを打ち明ける賭けに出たと、私は思うけれど、そうじゃないの・・?」

納得できない表情で愛が由美子に詰問しています。


[29] フォレストサイドハウス(その13)(444)  鶴岡次郎 :2016/04/01 (金) 16:50 ID:AsyGzxic No.2835

愛の問いかけを受けて、にっこり微笑み、目の前のコップを取り上げ、白い喉を見せて由美子が水を
飲みました。その様子を愛がじれったそうに見つめています。千春は二人のやり取りを楽しんでいま
す。

「賭けなど・・・、そんな不確かな発想で・・・、
人の生き死にさえも左右しかねない大きな秘密を明かすことはしないはず・・。
佐王子さんほどの男がそんな安易な賭けはしないと思う…。
秘密を明かすことに、もっと確かな、はっきりした目的があったはず・・、
私は・・、佐王子さんが浦上さんに仕掛けたテストだったと思う・・・」

「エッ…、テスト…?」

「もし・・、その事実を知って、
浦上さんが結婚を取りやめるような男であれば・・・、
千春さんを嫁にする器量がない・・・、
そんな男なら秘密を隠して結婚してもいずれ破たんが来る・・・と、
佐王子さんは考えたのだと思う・・」

由美子の言葉に愛が大きく頷いています。

「誤解を恐れず、大胆なテストを仕掛けた男も大したものだけれど、
愛する女の秘密を堂々と受け入れ、テストに合格した男も立派だね・・、
二人ともすごい男たちだね…、
そんなすごい男達を本気にさせる千春さんも、また凄い…・」

涙をあふれさせながら愛が言葉を出しています。千春はもう言葉が出ない様子です。

「私は・・・、愛さんの言うほど凄い女ではありません…。
ただ・・、他の女より少しだけスケベーなだけです・・
そんな女がたまたま素晴らしい男たちと巡り合えたのです…」

涙を浮かべながら千春が言っています。


「由美子さんのことが知りたい…、
私と同じような悩みを持っているのですよね…、
私は佐王子さんのような理解者に助けていただいたけれど…、
由美子さんの場合にもそんな方がいらしたのですか・・・」

千春の問いかけを受けて、由美子が少し考えている様子です。それでもすぐに決心がついたようで
ゆっくりと口を開きました。

「私には佐王子さんのような方はいなかった…
千春さんのために、佐王子さんが拓いた道を、夫と私で切り開いてきた…」

遠い視線を宙に漂わせて由美子が静かに語り始めました。

「以前にも言いましたが、夫が最初の男だった…。
結婚して6年後に初めて、二番目の男を知った…。
最初の浮気に、夫は・・、しばらく気が付いていなかった…」

殆ど彼女自身のことは他人に語らない由美子ですが、千春の問いかけをうけて由美子は話すつもりに
なっているようです。

「末の子を幼稚園に入れた時、これで子育てが終わったと思った・・。
ぽっかりと空白の時間が突然私に訪れた・・・、

ある日、街に出て、行きずりの男に声をかけられ、
そのままホテルに付いて行って抱かれた・・・。
今考えると、その日は朝から異常なほど欲情していた。
男から見れば飢えた女に見えたのだと思う…。

一度禁を犯すと、女はダメね…・
堰を切ったように、その日を境に毎日のように男漁りを始めた…」

ぽつり、ポツリと由美子が話しています。おそらく、このことを他人に話すのはこの時が初めてのこ
とだと思います。


[30] フォレストサイドハウス(その13)(445)  鶴岡次郎 :2016/04/02 (土) 14:23 ID:ywL4lJGE No.2836

「女って悲しい動物なんだね・・、
由美子さんほど理性的な女でも、
その気が沸いてくると、自制できないんだね…。
どんな女もこの業(ごう)から逃げられないのだね…・」

愛の言葉に千春が何度も頷いています。

「私たち女は・・、
子宮の中にいつも火種を抱えているのよ・・・、
何かのはずみでそれが燃え上がると・・・、
当の本人でも手を付けらない状態にまで燃え上がることがある…。

それが女なのよ…・、
女と生まれた以上、この業(ごう)から逃げることができない…」

愛がしんみりと語っています。夫一人を守りきり、おとなしく生活している愛でさえ女の業を感じる
時があるようです。

「私なんか・・、火種どころか・・・、
燃えさかる火の玉を子宮に抱えているのかも知れない・・、
どんなに頑張っても、沸き上がる情欲を我慢できない時がある。
自分の欲望を解き放つとを家庭が崩壊すると判っているのに、
抑えきれなくなるのです・・・」

千春が少し声を高めて話しています。

「そんなにあからさまに言ってしまっては、
聞く人によっては誤解され、とんでもないことになるよ、
人前ではあまりそんなことは言わない方が良い…」

愛が苦笑を浮かべて千春に助言しています。

「ハイ・・・、判っています…・。
こんな話が出来るのはお二人だけです・・。
変なことを言いました。由美子さんの話を続けてください・・・」

素直に愛が頷いているのです。

「よその男に抱かれたことを…、
最初は隠していたけれど、とても隠しきれるものではない…、
一ヶ月ほど経ってから、夫に全てを告白した…。
夫を愛していること、体が疼いて我慢できないこと・・・、
そして、離婚のこと・・」

静かに語る由美子、千春と愛が真剣な表情で聞いています。

「当然のことだと思うけれど…。
告白を聞いた夫はその場では結論を出せなかった…。

そして・・、一週間後・・、
夫から宣告された…、

私を愛していること・・、離婚はしないこと・・、
そして、他の男に抱かれることを認めてくれた・・・」

「その一週間、悩みに悩み、考えに考え抜いた末・・・、
誰にも相談しないで、旦那様は一人で結論を出したのね・・・、
お二人の幸せを考えると、その道しか方法がないと思えるけれど、
旦那様にとっては辛い決断だったと思う…」

愛の感想に千春も、由美子もただ頷くだけです。


[31] フォレストサイドハウス(その13)(446)  鶴岡次郎 :2016/04/04 (月) 11:02 ID:/F13JabY No.2837

愛と千春に続いて、由美子も告白しました。三人の女はそれぞれに胸の奥にしまい込んでいた秘密
を、少しだけですが吐き出すことが出来たのです。三人はそれぞれ、物思いに耽りながら、愛が入れ
てくれた熱いお茶を飲むことに専念しています。平日の公園ですから、外は静かです。三人の表情は
穏やかです。誰にも言えない秘密を明かした仲間意識が三人の女の心を熱くしていました。黙ってい
ても互いの心が繋がっている思いを三人三様に感じ取っていたのです。

「二人の話を聞いて改めて分かったけれど…・、
千春さんも、由美子さんも、間違いなく普通ではない・・」

「何よ・・、その言い方・・・、
黙って聞いていると、私たちが異常者に聞こえる…」

愛のつぶやきに、早速、由美子が噛みついています。ただ二人の表情には笑みが浮かんでいます。

「ごく普通の私から見ればうらやましいのよ・・・、
二人はあふれ出る女の力に恵まれている・・・。
夫一人の力では癒しきれないほど、その情欲は強い…。
私にはよくわからないけれど、
世の中には同じような悩みを抱えて、
一人で苦しんでいる女性が多いはずよ・・。
そのことを考えたことがあるかしら…・・」

「・・・・・・・」

愛の言葉に由美子も、千春もただ黙って頷いています。どうやら二人は自分のことで精いっぱいで世
の中の超スケベーな女のことまで気が回っていない様子です。

「お二人には理解のある旦那様が居て・・・、
そして、いい愛人に恵まれて・・、
うらやましい限りだわ・・・・。
そんな良い男たちに巡り合えたことに感謝しなくてはいけない・・」

「はい・・、感謝しています…」

殊勝な表情を浮かべ千春が頭を下げ、由美子も頷いています。

「ところで・・・、千春さん…、
先日公園内で、トラックの中で若い男に抱かれていたそうね・・、
その人・・・、その・・、話題のヤクザの愛人さんではないでしょう…」

「ハイ・・・、たまたま知り合った方です…」

「たまたまね・・・、
あなたの場合・・、
新しい男はいつも、たまたま見つかるの…?」

あきれた表情をわざと作り愛が千春をにらんでいます。

「由美子さんにも言っていないのですが・・・、
私・・、週に二度か、三度・・・、
Y市にある佐王子さんのソープに勤めているのです…」

「エッ…、ソープ勤めをやっているの…」

「ハイ・・、主人と佐王子さんが相談して・・・、
自由に遊ばせるよりは、お店に勤めさせる方がいいと判断したのです。
私に手綱を付けたのだと思います…・」

「へえ…、手綱ね・・・、
確かに・・、家に置いておいて、手当たり次第、男漁りさせるより、
ソープ勤めを認めた方が安心できるかもしれない…」

感心した表情で頷く愛です。


[32] フォレストサイドハウス(その13)(447)  鶴岡次郎 :2016/04/07 (木) 16:11 ID:OlleIks2 No.2838

「トラックの人は・・、山口さんというのですが、
お店で知り合ったお客様です…、
偶然、公園内でばったり出会って・・・、
意気投合して、そうなってしまったのです・・」

「エッ・・・、公園でばったり出会って・・・、
そのままトラックの中で抱かれたの・・・・。
そうなんだ…、
女がその気になれば、どこだってチャンスはあるってことなのね…
勉強になる・・・・」

愛も、そして由美子でさえ千春の発作的な行動にびっくりしています。

「由美子さんの話を聞いてすごいと思ったけれど・・・、
千春さんは違った意味ですごいね・・・」

本能に任せて行動する千春に、愛はただ驚いているのです。

「旦那と、愛人の相手をして・・・、
その上、週に二度か、三度ソープで不特定多数の男に抱かれているのでしょう、
そして、今度は公園で男を拾って、トラックの中で立ち食いしてしまった…。
いったい、何人の男を食べたら満足するの…?」

「はい・・・、スミマセン・…、
そういえば、突き詰めて男の数を数えたことはないのですが・・、
体に支障がない限り、毎日男に抱かれていることになりますね・・・。
そして、日に三人以上を相手にすることも珍しくありません。

他の女の人に比べると、少し多いかなと思っていたのですが・・・、
改めてこうして愛さんの質問を受けて考えると・・・・、
私って…、かなり異常だと、いまさらのように思いました・・・」

千春自身が驚くほど、千春は男に溺れていることが判ったのです。

「考えるまでもなく、異常だわよ・・、
そういうのを、アソコが乾く暇がないと・・、表現するのよね・・、
明らかに異常よ…、フフ・・・・

三十代半ばでしょう…、今が旬の時期ではあるけれど・・・、
うらやましさを通り越して、驚き以外何物でもないね・・、
いや…、参りました。本当に参りました…」

愛が大げさに頭を下げ、三人の女は笑いこけています。

「ねえ…、
お二人に確かめたいことがあるの・・」

「何ですか…」

「愛さんのことだから・・、
どうせ、スケベーな質問でしょう…」

「当たり・・・、
お二人ともヤクザさんの愛人さんを持っているでしょう・・・」

「ヤクザとは違うよ…」

由美子が反論しています。

「そうだったわね・・・、
でも・・、二人ともその道のプロでしょう・・。
私・・、正直に言うとそんな男にすごく興味があるの…、
そこで聞きたいことがあるの…」

愛の瞳がキラキラ輝いています。身を乗り出して、千春と由美子の表情を見ながら低い声で話してい
ます。


[33] フォレストサイドハウス(その13)(448)  鶴岡次郎 :2016/04/14 (木) 17:22 ID:MAWbGSP2 No.2839

「お二人は間違いなく・・・、
身も心も愛人さんに捧げているよね・・
愛人さん・・て、そんなにいいモノなの…・?」

「そうかしら・・、
そんなに身も心も・・、というほどでないけれどね・・・、
普通よ・・・、
主人と同じ程度に愛していることは確かだけれど・・・」

そんな言われ方は心外だと言わんばかりの口調で由美子が反論しています。.

「あら、あら・・、そんなこと言って…、
何かあれば、Uさん、Uさんと・・・、
手放しでのろけるのは誰だったけ…?
きっと、旦那様以上と感じている時間が多いと、私は睨んでいるのよ・・
少なくとも、ベッドの上では絶対、愛人さんがいいでしょう…」

「まあ・・、当たらずとも遠からずと言っておきます…、
それで、質問とは何なの…」

わざと不愉快そうに顔をしかめて由美子が畳みかけて、問いかけています。

「世間ではその道のプロはすごいモノを持っていて、
テクもすごいと言うじゃない・…。
彼らの手にかかるとどんな女も一コロだと聞かされているし、
あなた方二人とも愛人にメロメロの様子だし・・・、

彼らのモノはそんなに立派なの・・?
旦那様と比較してそんなに差があるの…?」

愛が真剣な表情で質問しています。

「由美子さん・・、
最初はあなたから答えて・・、
Uさんのモノは相当立派だと、私は思っているのだけれど…」

「仕方ないわね・・・、愛さんには逆らえません・・・
え、え・・、おっしゃる通りです、彼のモノはすごいです・・・、
彼のモノの大きさと強さに、私は惚れています…、
これで回答になっていますか…」

笑いながら由美子が答えています。

「それでは、千春さんの場合はどうなの…」

「私の場合は由美子さんとは少し事情が違います。主人と知り合う前からの関係で、一度は真剣に結
婚を考えた相手です。彼がその気を見せなかったので結婚はあきらめましたが、彼からいろいろ学び
ました。異常な情欲に悩まされていた私を正しく導き、女に育てくれたのは彼です。その意味で、彼
なしでは今の私は存在しません・・・」

少し改まった口調で千春が力説しています。愛にしてみればもう少し不真面目な返事を期待していた
のですが、こと佐王子のこととなると千春はふざけることが出来ない様子です。

「私にとって、佐王子さんは別格です。
愛人であり、恩人であり・・、人生の師であり・・、
それと・・、もっといろいろ言いたいのですが、
彼を表現するぴったりの言葉が見つかりません…」

ここで千春は言葉を切りました。由美子と愛が少し驚いた表情で千春を見ているのに気が付いたので
す。想像以上に強い佐王子への思いを語る千春に二人の女は戸惑いを感じているのです。少し硬い雰
囲気が女たちの間に広がっています。


[34] フォレストサイドハウス(その13)(449)  鶴岡次郎 :2016/04/15 (金) 15:30 ID:oFaqIvXQ No.2840

「愛人であり、恩人であり、人生の師でもあるとは・・・
凄いほれ込みようだね・・・、
ところで・・・、
その・・、佐王子センセイの持ち物は立派なんでしょう…・?」

その場の雰囲気を和らげるためでしょう、愛がわざと卑猥な口調で質問をしています。

「愛さんはどこまでもサイズにこだわるのね・・・、
男の価値はサイズで決まると思っているみたい・・・」

「あら・・、違ったかしら・・」

愛がふざけた口調で二人の女を見ながら言っています。

「もう・・・、愛さんたら・・・、
そんなこと思いもしていないくせに…・。
いいでしょう、正直に言います…」

笑みを浮かべて千春が答えています。愛の卑猥な仕掛けでその場の雰囲気が明るくなっています。
千春もその浮かれた調子に乗るつもりのようです。

「主人のモノの方が断然立派です…。
主人のモノは、他の人と比べてもかなり大きい方です。
佐王子先生のモノは・・・、ごく普通サイズです…」

「そんなことはないでしょう…、
ここでは遠慮することはないのよ、気にしないではっきり言っていいのよ、
竿師と呼ばれ、たくさん女を竿一本で手縄づけて来た人でしょう・・・、
稀代の持ち物を持っているのが当然でしょう…」

「そう思うのは当然だけれど、そうではないのです…、
威張れることではありませんが・・、
私だって100人を超える男を知っています。
モノの大小くらい正確に判定できます・・」

少し意地になった様子を見せて千春が愛に説明しています。

「千春さんがそう言うなら・・、
信用しない訳にはゆかない…、
なにしろ、私たちは彼のサイズを知らないからね…
そうでしょう・・、由美子さん…」

「エッ・・、なに・・・、
ああ・・、佐王子さんのサイズのことね・・・、
それはそうよ・・、私たちは想像するだけよね・・・・」

突然話を振られて由美子が珍しく戸惑っています。

「それにしても・・、不思議なことね…、
彼のサイズが普通だとすると・・・、
どうして、たくさんの女が彼に靡くのかしら…
私は・・、てっきりアレの力だと思っていたけれど…・」

「愛さん・・・、誤解しないでほしい…、
彼のアレに魅力がないとは、私は言っていません・・。
サイズは普通だけれど、
彼のアレは本当に素晴らしいのです・・」

「そうなんだ…」

「そうなんです…、一度味わったら・・・、
女なら・・、一生忘れられない思いになります。
他の男では絶対味わえない思いを味わうことができます…
愛さんも一度味わえばその味が判るはずです…・」

うっとりした表情で千春が佐王子のアレへの賛辞を披露しているのです。


[35] フォレストサイドハウス(その13)(450)  鶴岡次郎 :2016/04/18 (月) 16:28 ID:yyReHfXA No.2841

「一度食べたら忘れられない味と言われても・・・、
ようするに、食べてみないと判らないということね・・・、
千春さんがお膳立てをしてくれれば、ごちそうになってもいいけれど、
こればっかりは、そういうわけには行かないね・・・。
由美子さんはどう思います・・・」

「そうね・・・、確かに・・・、
大きくなくても、凄い人はいるものよ…」

思い入れたっぷりに由美子が答えています。どうやら過去に味わった男の味を思い出している様子で
す。

「由美子さんもそんな男の味を知っているようね・・・、
もしかして・・、由美子さんも・・・、
佐王子さんを食べたことがあるの…?」

「ちょっと…、止めて…、
冗談でもそんなこと言わないで…」

「アハハ…・、悪い冗談だね・・・、ゴメンナサイ・・・、
私だけがその味を知らないから、嫌味を言いたかったのよ・・・」

愛の冗談に由美子がかなり慌てています。調子に乗って悪い冗談を言ってしまったと愛は潔く頭を下
げています、一方千春は冷静な表情で由美子を見ているのです。由美子の様子から彼女なりに何かを
感じ取ったのかも知れません。

「由美子さんまでそういうなら・・・、
そうかもしれない・・、
男はただアレが大きいだけではダメなのね・・・」

「そうです・・・
愛さん・・、男の味はサイズで決まるわけではないのです…、
判ってください…」

「アレの味は大きさだけで決まるわけではないということね・・、
奥が深いね…、
どうやら私にはこの話題を論じる知識も経験も乏しいようだね…」

これ以上この話題を続けるべき知識も、経験もないと愛は判断した様子です。これで男性器に関する
熱い議論は終わるかと思えたのですが、どうやら千春は佐王子の男性器に関連して、別の疑惑を抱え
始めている様子です。

「由美子さん・・・、
間違っていたらごめんなさいね・・・」

思い切った様子を表情に浮かべて、千春が由美子に声をかけました。

「もしかして・・、
由美子さんは佐王子さんを以前から知っているのではありませんか・・・、
男と女の関係を持ったことがあるのではありませんか・・・」

「・・・・・・」

千春が笑みを浮かべてゆったりと質問しています。質問の内容は、唐突で、かなり挑戦的なものです
が、それでも決して詰問調の問いかけではありません。慌てる様子を見せないで由美子はただ黙って
千春を見ています。沈黙を保っているのは心の動揺を表に出さないためかもしれません。


[36] フォレストサイドハウス(その13)(451)  鶴岡次郎 :2016/04/20 (水) 15:36 ID:0/SPKTpw No.2842

「佐王子さんはその道のプロですから、過去にも現在でも、たくさんの女性と関係を持っていること
はよく知っています。私のマンションに限っても10人を超える女性と関係があるのを知っていま
す。妬けないと言えば嘘になりますが、それがあの人の稼業ですから、あきらめて現状を受け入れる
ことにしているのです」

千春がゆっくりと説明しています。由美子は平静な表情で千春を見つめています。しかし笑顔はあり
ません。由美子と千春の間に火花が散っているのに気が付いたのでしょう・・、愛は困惑した表情を
浮かべて二人の表情を交互に見ています。

「それで・・、もし・・、
由美子さんと彼の間に何らかの関係があったにしても私は驚きません。
もしそうした関係があったのなら・・・、
むしろ、うれしい…、そう思えるのです・・」

「困ったわね・・・、
どうして気が付いたの…」

「私が佐王子さんのことを説明し始めた、その時・・、
由美子さんは『珍しい名前ね・・』と言って突然口を挟んできた…。
そして、佐王子さんの年齢を聞いた・・。
愛さんと違って・・・、
私ごとき女が口にした男の話を聞いて、
直ぐに反応する由美子さんではないはずと思っていたのです・・・、

ああ・・、ゴメンナサイ・・、愛さん・…、
軽蔑しているわけではありません・・。
ただ・・」

「いいの、いいのよ・・・、
こと男女のことに関して、私は好奇心が旺盛だから・・」

愛が笑って答えています。

「それが・・、あのレスポンスでしょう・・、
単純にびっくりしたのです…・」

「・・・・・・・」

「もしかしたら…、
私の佐王子さんを・・・、
由美子さんは知っているかも・・・と、
そう思いました・・・」

「鋭いね・・・・・・」

「そして・・、愛さんが佐王子さんのサイズを話題にして・・、
それほど大きくないと私が言った時・・・、
由美子さんが・・、ゆっくり、何度も、頷いていたのです…。
由美子さんは佐王子さんとアレを食べたことがあると・・、
この時、確信しました・・」

「そうなの…、困ったものね・・・、
うっかり本音を漏らしてしまったのね・・・
まだまだ未熟だね…・」

由美子が苦笑しています。

「そして・・、はっきり・・、思い出したのです…・
以前・・、大分・・、前のことですが・・・、
佐王子さんの口から聞かされた話を思い出したのです。
しばらく忘れていたのですが、今、鮮やかに思い出しています…・」

「・・・・・・」

意外なことを話し出した千春の表情を愛も、由美子も見つめています。


[37] フォレストサイドハウス(その13)(452)  鶴岡次郎 :2016/04/21 (木) 14:19 ID:uYCjRJPM No.2843
「結婚した後…、
体の中で悪い虫が騒ぎ出し、夫と佐王子さんが相談して、
佐王子さんに再び抱かれるようになった頃でした…」

千春がその時を思い出しながら、豊かな笑みを浮かべて話し始めました。

「夫が認めてくれているとはいえ、
人妻が他の男に抱かれるのは異常なことです。
肉体は満足しても、心は日々すさんで行きました。
佐王子さんに抱かれた後、
罪悪感と自己嫌悪感で押しつぶされそうになっていた時・・、
保さん・・・、いえ・・、佐王子さんが・・、
慰めと元気づけのために、こんな人もいるよと・・、
ある女性の生き様を話してくれたことがあったのです・・・」

「その人が・・、由美子さんだったのね…・」

「ハイ・・・、その時に限らず私が行き詰まった時、佐王子さんは私にいろいろと女の生きる道を
教えてくれました。そしてその都度、彼は具体的に実在の女を登場させて、その女の生き様を話し
てくれるのです。勿論名前までは明かしてくれませんが、彼の話に登場する女たちはみんな彼が抱
いた女だと私は気が付いていました。感銘する話も多いのですが、どちらかと言うと、反発を感じ
る話の方が多かったと思います・・・」

「それはそうだね・・・、
他の女の話は、それがいくらありがたいお説教でも、
女にとっては、ごめんこうむりたいものだからね・・・、
それが判らない佐王子さんではないと思うけれどね…、
多分・・、千春さんを理想の女に育てるため、
野暮だと知りながらも、嫌われる仕事を買って出ているのね・・」

「そうかしら・・、
私を恋愛対象の女と見ていないのだと思います…、
いつも、自分の娘に説教するような口ぶりです…。
散々に抱いていながら、女とみなしていないなんて・・・、
失礼なことだと思いますが・・」

やや不満そうな口調ですが、千春の表情は笑っているのです。

千春が語り続けます。

「当時、彼はある闇の組織に身を置いていて、同じ組の者からでさえ嫌われる売春組織の一員でし
た・・。その女の方と出会ったのは、そうした闇社会で活動中のことだったそうです。その方は表
向きは堅気のサラリーマンの妻で、小学生と中学生になる子供を育てながら、一方では、著名な的
屋の親分の情婦でもあったのです・・」

話し始めると忘れていた内容が鮮明に思い浮かんでいる様子で、よどみなく話し続けているのです。


「的屋・・、知っているか・・?・・・、そうだ・・、その通りだ・・・、古い言葉で最近はあまり
使わないが、お祭りなどで屋台を出している業者のことをそう呼んでいるのだ。正業のないヤクザと
は基本的に違うのだが、それでも彼女が育った社会では親しくなる機会がなかった別世界の人である
のは確かだ・・。その夫人はある事情から的屋の親分の愛人になった。勿論その方のご主人も承知の
上でのことだ…・」

佐王子はその女のことを千春にこのように紹介したのです。

「その親分の愛人となった夫人は、その日から毎日のように親分に抱かれるのは勿論のこと、月の内
何度か、仲間の親分衆へも貸し出されるようになった。それが彼らの習慣だったのだ。こうして、夫
人は毎日のように違う男を相手するようになり、抱かれた男の数もあっという間に100人を超え
た。普通の家庭の主婦であった夫人が娼婦並の男性経験をすることになったのだ。

このように話すと、夫人は堕ちるところまで堕ちた場末の娼婦の様に変貌したと思うだろうが、上品
な雰囲気は変わらず、ただ、多数の男達と接した結果、一寸した仕草ににじみ出る色香がさすがと思
わせるほどすごいものに変わって、もう・・、誰も近づけないほどの雰囲気を持った女に成長してい
た・・・・・」

その夫人にかなり入れ込んでいる様子を隠さないで佐王子は話していました。


[38] フォレストサイドハウス(その13)(453)  鶴岡次郎 :2016/04/22 (金) 16:29 ID:fr9XWKa6 No.2844

「もともと稀代の才能に恵まれていた夫人の性感は、激しい情交を重ねることで大きく花開いた。夜
の夫人は昼間の淑やかな様子からは想像もできないほどすごかったと思う・・・。おそらく一度でも
その女に接した男は生涯彼女の虜になるほどだったと思う。その証拠にこと女性に関しては、百戦錬
磨の全国の親分衆が列をなしてその夫人を抱く順番を待っていると噂されていたほどなんだ…。勿
論、ご主人も夫人のその変化を歓迎されていた・・・」

「でも・・、いろいろな男の味を知ったら、女は元へは戻れないと思う・・、
結局、その夫人はご主人の元を離れ、家庭は崩壊し、
いずれ、彼女自身はどん底の社会に堕ちることになるのでは・・」

千春が当然の質問をしています。

「そうだね・・、夫人のような環境に堕ちた女のほとんどは、
二度と這い上がれない社会の底辺に落ちるものだ・・・。
俺も・・、そんな女を数え切れないほど見てきた…」

千春の追及にあっさり佐王子が折れています。できれば反論してほしいと思っている千春は少し不満
げにしています。

「主婦が体の欲するままに男遊びをすれば、彼女の家庭が崩壊し、いずれ女は社会の底辺に落ち込ん
で行く…、これが一般的な結果だね…。

しかし、その夫人の場合は違った・・・、
一年経っても、三年経っても、彼女は勿論、彼女の家庭も変わらなかった…」

「・・・・・・・」

その訳が知りたいのだと、千春は黙って佐王子を見つめています。

「実を言うと、私も一度その夫人と接したことがある。
その時感じたのだが、私と一緒に居る間・・・、
私の腕の中では、夫人は完全に私の女になっていた・・。

ご主人のことも、情夫である親分のことも、全部忘れて、
私のことだけを考えている雰囲気だった。
私自身は『夫人に愛されている』と、全身で感じることが出来た。

そうはいっても私もその道のプロだから、女の演技に騙されることはない。
そんな私が『・・・惚れられている・・』と感じたのだから、
姐さんはあの瞬間、本気で、私に惚れていたに違いないと思う・・・」

「・・・・・・・・・」

他の女との関係をここまであからさまに千春に話したことがありません、うっかり口が滑ってし
まったのです。千春の反発を待っていた佐王子ですが、彼女が口を開かないのを知り、また話し始め
ました。

「全てが終わって、衣服を着けてお話しする段になると、その時は礼儀正しい令夫人の居ずまいに
戻っていて、わずか30分前、私の腕の中で娼婦の様に悶えた夫人の姿はどこにもなかった」

「・・・・・・・」

何か言いたそうなそぶりを見せるのですが、心のもやもやが言葉にならない様子で、千春はじれった
そうにだんまりを続けています。


[39] フォレストサイドハウス(その13)(454)  鶴岡次郎 :2016/04/27 (水) 11:46 ID:bFrLtGJ6 No.2845
佐王子と女の濡れ場を詳しく聞かされても、千春がそれほど不愉快な様子を見せていないと思ったの
でしょう、佐王子はさらに話を続けました。ここまで話してしまった以上、今日は、この場で、日頃
考えていることをすべて吐き出すつもりになっている佐王子です。

「その時になってようやく気が付いた・・・。
夫人が俺に惚れていたのは確かだが・・・、
それは30分前のことで、
今、衣服を着けて目の前に座っている夫人は別の人だと悟った・・・」

「・・・・・・・」

不審な表情を浮かべ、それでも真剣に佐王子の話を聞こうとしている千春の態度を見て満足したので
しょう、小さく頷きながら佐王子はさらに話を続けました。

「夫人を抱いている時、私は夫人から惚れられていると感じたのだが・・、
それは夫人の演技のせいでもなく、俺の思い込みでもなく、
間違いなく夫人は俺に惚れていた…・。
それは間違いのない事実だと今でも確信している…・・」

千春の表情を見ながら佐王子は言い切りました。千春が軽く頷いていました。佐王子ほどの男がそう
言い切る以上否定する材料がないのです。

「そしてわたしは別のことにも気が付いた。
夫人の態度は、それが私に限ったことではなく、
他の男に抱かれている時も同じなのだと気が付いた。

夫人はすべてを忘れ、その男に惚れこみ、その男の女になって情事に没頭し、
事が終われば、寝室での戯事をすべて忘れたかのように他人の関係に戻る。
夫人にはそんな切り替えのできる天性の才能が備わっているのだと悟った・・」

千春がびっくりした表情で佐王子を見つめ、佐王子の言葉に反論するそぶりを見せました。それで
も、彼女はかろうじて気持ちを抑え込み、口を閉じていました。今は、軽はずみな異論を出さず、最
後まで佐王子の説明を聞くべきだと判断した様子です。彼女が抱えている疑問が判ったのでしょう、
その問いに答えるように佐王子は説明を続けました。

「それが、それこそが、その女の演技なのだと・・、千春は言いたいのだろう…。
確かに・・、普通の女がそんなことをすれば、どこかにほころびが出て、男たちの嘲笑を受けること
になるものだが、夫人の場合は、その切り替えがあまりに見事で、男達は夫人の演技を喜んで受け入
れ、その演技を楽しむことになるのだ・・・。
いや、ここまで来れば演技と呼ぶべきでない・・、
ベッドでの夫人も・・、目の前の夫人も・・、
間違いなく夫人の素顔そのものだと思った…」

「・・・・・」

そんなことが出来るはずがないと千春は思っている様子で、不満そうな思いを表に出しています。
それに構わず佐王子は話を続ける様子です。

「男と居る間は娼婦と化し、家庭に戻ればいい妻であり、優しい母に戻っている。勿論、何もかも
知っていながらそんな夫人を信頼し、心から愛しているご主人も素晴らしいと思う、並の男ではとて
もできないことだと思う。そして、娘さん達は、もちろん夫人の乱行を知ることもなく、お二人から
愛情をたっぷり注がれ、すくすくと成長され、それぞれに大学を出て、独立され、今ではそれぞれに
幸せな家庭を築かれていると聞いている」

「私も・・、その奥様のような生き方が出来ると、言うのですか・・?
主人を愛する一方で、何人もの男に抱かれ、
その都度その男たちに心の底から夢中になり、
ことが終われば、他人に戻れ・・・、と言うのですか・・・・。
無理・・、無理・…、
想像するだけでも、私にはとてもできそうもない…」

少し怒気を含めて千春が佐王子に食いついています。

「誰にでもできることではないと思う。
そのような女性の生き方には、それをうまくやるための、方法論や、精神論は存在しないと思う。
また、誰かに教えられて、出来ることでもないと思う…。
言葉を変えて言うと、選ばれた女性だけが出来る生き方だと思う…。

俺が千春に言えるのはここまでだ…・、
これから先は、千春自身が考え、経験を重ねた末・・・、
千春自身の生き方を見つけ出すことだ・・・・」

ここで佐王子は言葉を飲み込んで、じっと千春を見つめています。千春は複雑な表情を浮かべ、必死
で何かと戦っている様子です。


[40] フォレストサイドハウス(その13)(455)  鶴岡次郎 :2016/05/01 (日) 11:07 ID:AsyGzxic No.2846

「結局、その時・・、
私にはその女の生き方が良く理解できなかった・・・、
反発する気持ちの方が強かったような気がする…。
佐王子さんも、それ以上のアドバイスはしなかった…

それで・・・、私はその夫人のことは意識して忘れることにした…・
私ごときでは、真似ることさえ難しいと思ったからです…
そして・・・、今日まで、彼女のことはすっかり忘れていた…・」

由美子と愛を前にして、千春は佐王子から聞かされたある女の生き方を事細かに説明しました。由美
子と愛がただ黙っています。

「いかがですか・・、
これが佐王子さんから聞いたある女の物語です・・・、
その夫人は今、目の前に居る方ですよね…・」

千春が笑みを浮かべて由美子に質問しています。

「偶然と言うのは恐ろしいモノね・・・、
それとも、これは神様が描いた私たちの運命かしら…・」

由美子がゆっくり口を開きました。

「そうよ、千春さんの思っている通りよ、
彼を知っている・・・・。
二度か、三度寝たことがある…、
もう何年も前のことだけれどね…」

「やっぱり…」

千春が少し気落ちした表情を見せています。愛はおろおろした表情を隠さないで二人の女の表情を交
互に見ています。少し気まずい雰囲気がその場を支配しています。

「千春さん・・・、
由美子さんの経歴を私が全部暴露したでしょう・・、
その時、どうして・・・
由美子さんがその女だと気が付かなかったの・・」

その質問にどのような意味を持たせようとしているのか意識しないで、愛が思いついたままを口に出
しています。質問を受ける千春の出方次第では気まずい雰囲気をさらに悪化させるかもしれないので
す。由美子がはっとした表情で千春と愛の顔を見ています。

「そうですよね・・、
もっと早く気が付くべきでした…、
由美子さんの愛人が的屋の親分だと教えられ、
かなり奔放に男性と関係を持っていると聞いたのですからね・・、
その時に、佐王子さんの話を思い出すべきでした・・
でも・・、私・・・、
本当に気が付いていなかった……」

千春自身も首をかしげています。

「顔を合わせたわけではないから・・、
他人の口から聞いた噂話だから・・・、
噂の人物が目の前に居ても、この人だと、判る人はむしろ少ないかも・・」

愛がとって付けたようにして慰めています。

「それは・・、そうかもしれないけれど…
それにしても不思議ね・・・」

千春自身、佐王子が話してくれた噂の女が、由美子だと気が付かなかった自身のうかつさに、本音で
驚いている様子です。


[41] フォレストサイドハウス(その13)(456)  鶴岡次郎 :2016/05/04 (水) 14:41 ID:/F13JabY No.2847

「私どうかしていたのかしら…、
由美子さんの経歴を愛さんから教えてもらった直後だのに・・、
噂の女を由美子さんとは思わなかったのでしょう・・、
あれだけの情報を与えられていながら・・、
気が付かないなんて…、
普通・・・、そんなことありえない……」

ぶつぶつ独り言を言いながら、千春がしきりに頭を捻っています。由美子の経歴を愛から教えられた
時、佐王子から聞かされていた的屋の情婦が由美子だと気が付かなかったことがかなり気になってい
る様子です。

「ああ・・、そうか・・・、
そういうことなんだ…・、

判りました…、
これこそが、由美子さんのミステリアスなところなのね・・、
男たちと同じように私も・・、
由美子さんのマジックに嵌っていたのですネ・・・。
ああ・・、スミマセン・・、マジックだなんて…・。
他に適当な言葉が見当たらないのです・・」

千春が少し大きな声を上げ、慌てて由美子に頭を下げています。由美子が苦笑いしながら首を軽く
振っています。

「そうか・・・、そうなのね・・・
私にも読めてきた…。
千春さんも由美子さんに騙された口なんだ…、
何百、何千と言う男たちと同じように、騙されたのね…」

「何よ・・、愛さん・・・、その言い方、引っかかるな・・・・
何百、何千の男をだましている性悪女のように聞こえますが・・」

「あら・・、違ったかしら…・
ハハ・・・…」

愛と由美子が朗らかに笑っています。

「愛さんのおっしゃる通りです・・。
私の中に居る噂の女のイメージと由美子さんが一致しなかったのです・・・。
あまりに違いがありすぎて・・、気が付きませんでした・・・。
佐王子さんの話を聞いてイメージしていた女性はもっと・・、
性悪女そのものでした・・・」

千春が朗らかな表情で話しています。

「ここへきて・・、初めて・・・
佐王子さんの言っていた由美子さんの凄さが・・・、
今、ようやく実感できました…・」

感動した面持ちを隠さないで千春が由美子に話しかけています。

「佐王子さんから由美子さんの生き方を教えられた時、
私はとうていそんな女には成れないと・・・、
強く反発しました…。
今の今まで、その女のことを意識して忘れるようにしてきました。

そんな女など存在するはずがない、
男たちは騙されているのだ、
女の私なら、簡単にその女の化けの皮をはがしてやる…。
そう思っていたのです」

千春が正直な気持ちを吐露しています。愛が軽く頷いています。

「由美子さんにお会いして、その神秘的な凄さがよく判りました。
佐王子さんが言っていたことが正しかったと素直に認める気持ちになりました。
これからは、少しでも由美子さんに近づきたい…、そう思っています・・」

「・・・・・・・」

由美子の手を取り、千春がほとんど泣きそうになりながら話しかけています。由美子が黙って頷いて
います。女の業にかかわる苦悩を共有する女二人、心がまた一歩近づいた瞬間でした。


[42] フォレストサイドハウス(その13)(457)  鶴岡次郎 :2016/05/05 (木) 17:45 ID:mhK4LO7o No.2848

その場が少しシリアスな雰囲気に変わっています。燃え盛る情炎をその内に抱え、毎日のように、数
知れない男たちの腕の中で悶え狂いながら、家庭に入ればいい妻を演じている由美子、そんな女の存
在を認めなかった千春がようやく由美子の実像に触れたのです。

由美子のような生き方をしたい・・。千春は心からそう思っているのです。一方、体と心のギャップ
と戦いながら、必死で生きる道を探し続けている千春の苦悩を由美子は誰よりも良く理解していまし
た。そして、由美子の苦悩とこれまでの血の滲むような努力を一番理解してくれるのが、知り合った
ばかりの千春であることを、由美子は本能的に感知していました。

傑出した女の性を持つ女二人がしっかりと手を握り、黙って見つめ合い、永遠の友情を誓い合ってい
るのです。

「同じ女性と関係を持った男性達を『穴兄弟』と呼ぶでしょう・・、
同じ男性と関係を持った女性は何と呼べばいいのかしら…」

ニコニコほほえみながら愛が千春と由美子の表情を見ながら質問しています。少し湿っぽくなった
その場の雰囲気を変えようと、ことさら陽気に振舞おうとして選んだ話題なのです。

「肉棒姉妹・・・、なんだか即物的ね・・・、
おチンコ姉妹・・・、これでは品がないし・・」

千春が愛の意図を受けて、きわどい言葉を連発しています。

「マラ姉妹と言うのが一般的だけれど…、
私は竿姉妹がいいと思う…」

由美子もその場の雰囲気を盛り上げようとしています。

「さすが由美子さん・・・、
それがいい…、きれいな言葉…」

愛が大きな声を上げています。

「私と由美子さんは竿姉妹なのね・・・、
由美子さんが長女で私が何番目かの妹…、
それにしても、何人の姉妹がいるのかしらね・・・、
100人・・、いや・・、1000人は軽く超えるかも…」

千春が思いを込めて言っています。由美子も軽く頷いています。どうやら二人の間には大きなわだか
まりは存在しない様子です。そのことを確認して愛が安どの表情を浮かべています。そんな愛の安堵
を吹き飛ばすような言葉を千春が吐き出しました。

「由美子さん・・、良かったら…・、
佐王子さんとの馴れ初め・・、
聞かせていただけませんか・・」

「エッ・・・、千春さん、本気なの…。
佐王子さんと由美子さんの関係を聞きたいなんて…、
今更、掘り起こさなくても…、
惚れている男と昔なじんだ女の話など不愉快になるだけだよ…
せっかくこうして親しくなれたのに、喧嘩別れは嫌だよ…」

当然の忠告を愛がしています。

「いえ、良いんです…、
おっしゃるとおり、佐王子さんは私にとって特別な人です…。
その特別な男が、由美子さんを尊敬して、強い関心を持っているです。
だから、私は・・・、お二人のことを詳しく知りたいのです・・」

「・・・・・・・・」

千春から聞いた今までの経緯を考えると、佐王子が由美子に敬意に近い特別の関心を持っているの
は明らかです。男と女の間で、敬意が強い愛情に代わるのは簡単です。それだけに愛も、由美子も、
千春の本心を測りかねて、複雑な表情を浮かべています。


[43] フォレストサイドハウス(その13)(456)  鶴岡次郎 :2016/05/09 (月) 14:42 ID:YI8FfAAc No.2849
「変だと思うでしょう・・・
なぜこんなことを言い出したのかと私自身が驚いています。
でも・・、やはり、私・・・、知りたいのです……
彼と由美子さんのことが…・・」

千春自身にも迷いはある様子ですが、どこかで迷いを吹っ切った様子できっぱりと言い切っていま
す。

「佐王子さんは昔からずいぶんとお世話になった恩人です。
由美子さんとは今日親しくなったばかりですが、
昔からの友達のような気がしています。
今では、どちらも、私にとって、特別な人です…・」

微笑みを浮かべて千春が話しています。

「大好きはお二人が昔・・、親しかったと聞いて、少し妬けますが、
それでも、馴れ初めや、親しかった様子が詳しく知りたい気持ちは変わりません。

変ですよね・・、私・・、
自分でも変だと思います。

お約束します、お二人の親密な様子を聞いたからと言って、
佐王子さんが嫌いになったり、
由美子さんとの友情にひびが入るような真似はしません。
安心して、何もかも隠さず話してください…・・」

「そうね・・・、
かなり前の話で記憶が薄れているところもあるけれど、
思い出しながら話してみようか・・、
千春さんと旦那様の関係ほど、面白い話にはならないと思うけれど・・」

由美子にとって決して気楽に話せる話題ではありません、それでも案外簡単に引き受けています。
この先、千春がいろいろ妄想して悩み続けるより、ここで、できるだけ詳しく話しておくのが、千
春にとっても、由美子にとっても一番いいと判断したのです。それだけ、千春との友情を大切にし
たい気持ちが由美子の中でも強いのです。


「三年前・・、いや・・、数年前だったかもしれない・・、
何しろ・・、毎年、登場人物は違うけれど、似たような経験をしているものだから・・」

ゆったりとした口調で由美子が語り始めました。どうやら、千春は、予定している午後のソープ出
勤を見合わせて、このガールズトークを続けるつもりのようです。由美子と愛は特に予定がありま
せん。日暮れまで女たちは語り合うことができるのです。


[44] 新しいスレに移ります  鶴岡次郎 :2016/05/10 (火) 14:17 ID:T6I9F1Dg No.2850
ここで新しい章を立てます。ジロー


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