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フォレストサイドハウスの住人(その3)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2013/05/28 (火) 17:23 ID:FJRbB8A6 No.2372
この本では、泉の森公園の側に建つこの街一番の豪華マンションFSハウスに住まう住人のエピ
ソードをゆっくりと紹介することにしています。これまでに1613号室の住人、佐原靖男の妻、
幸恵が突然失踪して、偶然この事件にあの鶴岡由美子が関与することになった経緯を紹介しまし
た。そして由美子は佐原の隣家1614号室から出てきた怪しい男と遭遇します。どうやらプロ
の竿師で、この男が幸恵の失踪になんらかの関与をしていると由美子は考えています。そして、
その男は1614号室の人妻と深い関係がある様子なのです。そして、カラオケセックスに夢中
になっている浮気好きで共にFSハウスの住人である二人の主婦、峰岸加奈と門倉悠里にもこの
怪しい男の影が忍び寄っているのです。

この章では、加奈と悠里についてもう少し話を進めます。相変わらず大きな変化のない市民の話題
です。ご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字
余脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるよう
にします。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸
いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 『記事番号1779に修正を加えました(2)』、文頭にこの記事があれば、記事番号1779に
    二回修正を加えたことを示します。ご面倒でも読み直していただければ幸いです。                                      
                                      ジロー


[13] フォレストサイドハウスの住人(その3)(57)  鶴岡次郎 :2013/08/09 (金) 17:13 ID:DzKKKsQc No.2387

「彼が出て行く後ろ姿を私はベッドの上から見送っていた・・。
疲労感と、それをはるかに越える快感で身体が動かなかった・・・。

彼が吐き出した精液を顔や胸に残したまま、私はベッドに裸身を投げ出していた。
彼の強い香りは、その時には感じなくなっていたけれど、初めて他の男を入れた寝室の中には、
部屋中に彼の香りが満ちていたはず・・」

加奈はそう言って笑みを浮かべて悠里を見ました。むっとした表情で悠里が加奈を睨んでいます。
男を盗られた・・、そんな表情なのです。

「30分以上私は恥ずかしい姿をベッド投げ出していた・・。
夕暮れ近くなり、さすがにこれではまずいと思い、起き出し、シャワーを浴びた。
バスタオル一枚を体に巻きつけてソファーに座り、冷たいお茶で喉を潤した。

その時、突然・・、猛烈に・・、彼が・・、いえ、男が・・、
ううん・・、アレが猛烈に、欲しくなった・・・・。
この疼き、悠里も覚えがあるでしょう・・、こんな時、悠里ならどうするの・・・?」

卑猥な笑みを浮かべて、悠里を覗き込むようにして、声を潜めて加奈が言いました。悠里は黙って
加奈を睨みつけています。口には出しませんが、悠里には加奈の疼きが良く判っているようです。

「身体は隅々まで綺麗にしたけれど、彼を受け入れた股間には、鮮明に彼の感触が残っていた。
そこが疼きだし、一気に泡を噴出していた・・・。
男の人だったら、こんな時ソープなどへ行くんでしょうけど、自分で慰める以外、女一人では何
も出来ないのよ・・。

私は股を一杯開いて指を使った。
キッチンから人参を持ってきて入れてみた・・。
とても他人には見せられない、情けない姿を曝して、私は必死で指を使った。
渇きは少し治まったけれど、もやもやした気分はどうにも治まらなかった・・」

その時を思い出したのでしょう、加奈は眼を細めて、明らかに欲情した表情を隠そうとしないの
で話しています。モワーッと女の精気が彼女の身体から立ち上がっていました。悠里が厳しい表
情で加奈を見つめています。それでも、悠里もかなり性的な刺激を受けているようで、両膝を強
くあわせて小刻みに脚を動かしているのです。どうやら、悠里自身も自身の体験を思い出し、股
間を濡らしているようです。

「いつまで経ってもアソコが疼くのよ、悠里も経験済みでしょう・・、あの感触。
こみ上げる情欲を必死で抑えながら、ようやく私はその異常な刺激に疑問を感じるようになって
いた・・。

『彼は・・、何か薬を使っている・・』

私が出した結論はこれだった・・・」

加奈の言葉に悠里は驚かないのです。加奈から視線を外し、床に視線を向けています。彼女の反
応を見て、加奈は自身の推理の正しさを確信していました。

「もう一度洗面所に戻り、膣を丁寧に洗浄した・・。
それでかなり興奮は治まった・・」

真正面から悠里を見詰める加奈の視線を眩しそうに悠里が受け止めています。

「薬を流しだし、興奮が治まると、彼への疑惑が湧いてきた。
それで、冷静に彼とのセックスを振り返ってみることにした。
その時は気がつかなかったいろんなことが見えてきた・・」

自信たっぷりに語る加奈です。悠里はただ黙って聞いています。


[14] フォレストサイドハウスの住人(その3)(58)  鶴岡次郎 :2013/08/13 (火) 14:18 ID:5Wt5RJlw No.2388
「確かに情熱的に彼は私を抱いてくれた。失神するほど私が感じたことも確かだった。でも・・、
ものすごく乱れた私に比べて、彼は凄く冷静だった。普通の男であれば、狙った女があんなに狂
い出したら、もっと興奮し、喜びを露にするはずだけれど、彼は違った・・。

その証拠に、彼は最後の最後まで余裕を残していた。私が失神して、ギブアップ宣言をした時、
初めて彼は精子を私の体の上に吐き出していた。後になって考えると、その行為さえ落ち着いた
もので、興奮の頂点で夢中で吐き出す一般の男達の行為とは根本的に異なると感じた。身体の上
に精子を吐き出したのは、手に入れた私という女に彼の刻印を押すマーキングだと思った。彼は
勃起や放精でさえ、自由にコントロール出来るのかもしれない。

別の言い方をすると、私が欲しくなって、抱いているのではなく、情欲とは無縁の何か別の目的
があって・・、プロとして、仕事の一環で私を抱いているように思えた。

最終的な彼の狙いは、今でも良く判らないけれど・・。
明らかに、彼は私を・・・、そして多分悠里も・・、
抱くことが最終目的でないはずだと思う。
その先に本当の狙いが隠されていると思う・・・・」

加奈はかなり思い切ったことを言っているのですが、悠里は何も言葉を発しません。驚きで言葉
が出ないわけではなく、どうやら悠里には加奈の指摘に思い当たることがあるようです。

「そこまで考えると、私は完全に目が覚めた・・・。
こんな男のために、大切な友を裏切ることは出来ないと思った・・。

その場で彼に電話して、今後一切の付き合いはしないと言った。
彼は驚きながらも、私の返事をある程度予想していたようで、
何も聞かないで、あっさり私の申し出を受け入れてくれた・・・・。

その後一切のアプローチはない・・」

「加奈・・・」

悠里がポロポロと涙を流しています。加奈がハンカチを取り出し、手を伸ばして悠里の涙を拭って
います。子供のように加奈に涙を拭わせながら、悠里が泣き笑いの奇妙な表情で加奈を見ていま
す。二人の心は一つに戻ったようです。

「加奈がそんなに私のことを思ってくれているのに・・、
私は彼の体に溺れて、加奈のことは忘れていた・・。

ううん、そうじゃない、加奈のことを忘れることなど出来なかった・・・。
出来るだけ考えないようにしていた。
加奈を忘れるために、彼の体におぼれていたのかも知れない・・」

傍目を忘れて、悠里が大粒の涙を落としながら、泣いています。今日まで心に貯めていた苦しみを
吐き出し、悠里は晴れ晴れとした気分で泣いていたのです。

「加奈・・・、
本当のことを言うと、加奈を出し抜いて、勝ったと思っていた・・・。
彼は私を選び、私を愛してくれていると思っていた。
その愛に応えるため、私は彼の望むことなら何でもする気になった。

でも・・、加奈が感じ取っているように・・、
彼は最初から、私を陥れるつもりだった・・。
そうとも知らないで、バカな私は、彼に愛されていると思っていた。
バカでしょう・・・、本当にバカな私・・・」

悠里が顔を上げ、涙に濡れた顔に、何かしら決意を秘めた表情を浮かべて、ゆっくりと語り始め
ました。


[15] フォレストサイドハウスの住人(その3)(59)  鶴岡次郎 :2013/08/19 (月) 13:41 ID:CfmtSf0A No.2390

「私・・、これだけは加奈にも言えないと隠していることがある・・」

加奈を真正面から見て、悠里が話しています。素人離れした整った顔が引き締まり、気高ささえ
感じられるほどの美貌です。加奈はその場の雰囲気を忘れ、うっとりした心地で悠里の表情に見
惚れていました。この瞬間の悠里を抱きしめたい、そんな思いで加奈は悠里をじっと見つめてい
ました。加奈の気持ちが判るのでしょうか、悠里はそっと加奈から視線を外しました。顎から首
にかけて、ほんのりと肌がピンク色に染まっています。

「本当は・・、加奈にはこのことは一生言わないつもりだった。
彼に抱かれた経緯を・・、今日、告白し終わったら・・、
もう・・、絶対会わないつもりだった。

私と加奈は別世界に住む人間になってしまったの・・、
例え、近所に住んでいても、以前のように親しくしてはいけないと思っている・・。

それは全部私が犯した罪のせいなの・・・」

ここで言葉を切り、悠里は最後の言葉を考えているようです。その言葉を出せば二人の仲は永久
に終わることが悠里には判っているのです。両肩を前後に少し振り、悠里は気力を振り絞り言葉
を出しました。

「私・・、売春婦になってしまった・・・」

『 私・・、身体を売っている・・』と言うべきところですが、小説の中から言葉を選んだので
しょうか、普段なら絶対使わない古典的な言葉、「売春婦」と言う言葉を悠里は吐き出しました。
その言葉が今の悠里の気持ちを的確にあらわしていると悠里は感じ取っていたのです。

「・・・・・・・・」

加奈は驚きで言葉を失っています。二人は互いの瞳を覗き込んで、にらみあったまま、その場に
凍りついていました。



「彼・・、佐王寺さんは一匹狼の竿師なの・・」

エリートサラリーマンの妻である悠里の口から『一匹狼の竿師』などという言葉が出ること事態
奇妙で、以前の加奈なら腹を抱えて笑い出すところですが、今の加奈にはそのいまわしい言葉が
悠里の苦悩を具体的にあらわしていると判るだけに、悲痛な思いでその言葉を噛み締めていたの
です。勿論、その言葉の意味はかろうじて加奈も承知していました。

「どんな手段でその情報を掴んだのか判らないけれど、私達がカラオケ通いで男漁りをしている
ことを事前に掴んでいて、彼は計画的にアプローチしてきた・・・。
私と加奈を色仕掛けで落とし込もうと考えたのよ・・・。

そして、色仕掛けに弱い私に・・、
スケベな私に・・、彼は狙いを定め、
徹底的に私を弄んだ・・。
元々、色事が好きだから、私は直ぐに彼のチ○ポの虜になった・・。
私は彼のチ○ポ奴隷に成り下がってしまった・・・」

綺麗な顔に小悪魔的な、それでいてなにやら神秘的な笑みを浮かべ、少し唇を歪めながら、悠里
は話しています。そうすることで、汚れてしまった彼女自身を加奈に見せ付けているのです。

「悠里・・、
ちゃんとした言葉を使いなさい・・!
そんなの悠里らしくない・・」

「ハイ・・・」

悠里が素直に頭を下げています。

「彼・・、カラオケ店で私と加奈に薬を使ったと白状した。
それほど強いものでないけれど、中国から取り寄せた媚薬だと言っていた。
クリーム状の媚薬で、チ○ポ・・、いえ、男根にそれを塗って交わると、素人女ならイチコロだと言っていた」

加奈の推測は当っていたのです。


[16] フォレストサイドハウスの住人(その3)(60)  鶴岡次郎 :2013/08/21 (水) 17:15 ID:tTqIMMjQ No.2391

「彼に抱かれた後、体が疼いてたまらなくなり、
自分で慰めても返って余計たまらなくなり、加奈に相談したら・・、
加奈もそうだと判り、私達はそれまで守っていた禁を破って、
二日連続で彼に抱かれたでしょう・・。

あのカラオケ店の二日間で私は完全に彼の虜になってしまった・・・」

悠里の話に加奈が悲しそうな表情を浮かべ頷いています。加奈も悠里と同じ道を辿っていたので
す。途中で媚薬の存在を疑い始め、初めて佐王子の計略に気がつき、かろうじて佐王子の罠から
逃げ出すことが出来たのです。それでも、加奈は今でも心底から佐王子を拒否できないでいるの
です。言い換えれば、意識では佐王子を拒否しながら、彼に弄ばれた身体はその悦楽を良く憶え
ていて、どこかで会って、優しい言葉でもかけられれば、黙って彼に抱かれるであろう自身の弱
さを加奈は自覚しているのです。それだけに、悠里を責めることが加奈には出来ないのです。た
だ、話を聞くことしか出来ないのです。

「家事をしていても、買い物に出かけても、身体の芯が疼き、恥ずかしいほどアソコを濡らして
いた。元々、スケベな体質だと自分でも判っていたけれど、こんなにスケベだったのかと、自分
でもあきれていた。

正直に言います。どうしょうもなく、彼が欲しかった・・。
主人のことも、加奈のことも、全て忘れて彼に抱かれることだけを考えるようになっていた。

我慢できなくて、彼に連絡したら、彼は直ぐに応じてくれた。
どこかのホテルでと私は考えたのだけれど、彼は私の自宅へ来ると言った。
遊びで男に抱かれることがあっても、自宅へ男を引き入れることなど出来ない、そんなことをす
れば、いずれ取り返しのつかないことになることは判っていた。

それでも、私は・・、彼を部屋へ迎え入れることにした・・。

最初から女の部屋へ上がりこむのは、女を落とすための彼の戦略だと、後で気付いたのだけれど、
その時は、自由に外出できない主婦である私を思いやる彼の優しさから出た申し入れだと思って
いた・・」

悠里は静かに話しています。佐王子の計略に嵌り、そこからからうじて逃げ出した加奈は、悠里
の気持ちが誰よりも良く判るようで、時々頷きながら聞いています。

「ドアー・ベルが鳴り、彼を確認した後、私は着ているワンピースを脱ぎ捨てた。下着は最初か
ら着けていなかった。全裸の私を見て、彼は微笑み、抱きしめてくれた・・・。

その後のことは、今でも良く思い出せない・・・、

玄関で彼に抱きしめられ、息が止まるほど唇を吸われ、
彼の指で全身をくまなく・・、優しく撫ぜられ・・、
それだけで・・、私は・・、恥ずかしいほど濡れて、そして気を失ってしまった・・。

ソファーへ抱いて連れて行かれたところまでは覚えているけれど・・、
それから後、4時間、彼に翻弄されたのだけれど、何も覚えていない。
そして、ベッドの上で目覚めた時、彼の姿は寝室から消えていた・・」


[17] フォレストサイドハウスの住人(その3)(61)  鶴岡次郎 :2013/08/22 (木) 17:02 ID:XypULhpI No.2392

男がベッドにいないことを知り、悠里は反射的にベッドサイドの時計を見ました。夕暮れまでに
まだ1時間ほど残しています。それほど慌てることはないと悠里は一度起こしかけた半身をもう
一度ベッドに倒しています。それでも、喉に激しい渇きを感じ取り、悠里はゆっくり上体を起こ
しました。

改めて自身の裸身を眺めて、そのあまりに淫らな姿を見て悠里は苦笑しています。蹂躙された股
間は原形を止めないほどに白い粘液で覆われ、顔から胸にかけて男のものらしい粘液が大量に撒
き散らされていて、その大部分は既に乾き始め、その匂いに対して嗅覚が麻痺した悠里は感じ取
ることが出来ませんが、そこから凄い淫臭が吐き出されているのです。

「ああ・・、痛い・・・」

身体を起こそうとすると、大腿部と陰部に鈍い痛みを悠里は感じとりました。激しい性交の後遺
症である筋肉痛です。その痛みに何とか堪えて、悠里はゆっくりと床に立ちました。

「ああ・・・」

今度はとても耐え切れない痛みが悠里を襲いました。堪らず、その場にうずくまりました。彼女
の両手は子宮のあたりを押えています。佐王子と交わり始めてこの痛みを悠里は知りました。最
初は慌てましたが、何度か経験する内に悠里はこの痛みと上手く付き合う術を会得した様子です。

屈みこんだまま悠里はじっと耐えています。こうすることが一番の対策だと彼女は知っているの
です。60秒ほど経過しました。悠里がゆっくり立ち上がりました。鈍痛は残っている様子です
が、射すような痛みは消えているのです。長い男根で突き上げられた子宮がようやく正規の位置
に戻ったのです。

居間にも、洗面所にも彼の姿はありませんでした。どうやら、目覚めない悠里を残してこの部屋
を出て行った様子です。そのことを確かめた悠里はどっかりとソファーに腰を下しました。明ら
かに落胆した様子です。

そのタイミングを計っていたように悠里のケイタイが鳴りました。

「ああ・・、佐王子さん・・・、
ハイ・・、起きています。大丈夫です・・」

夕暮れになり、旦那が帰宅するまでベッドに倒れているとまずいと思って、心配した佐王子が電
話をしてきたのです。

「エッ・・、明日も来てくれるのですか・・・、
うれしい・・・、予定があったのですが、そちらは断ります・・・
ハイ・・、12時過ぎに待っています・・。
ああ・・、昼食はこちらで食べてください・・・
ああ・・、私、うれしい・・・・」

こうして悠里は落されたのです。


「毎日、昼間、彼を部屋に招き入れ、抱かれた。
コンビニの弁当を食べる以外はずっと裸で過ごし、彼の愛撫を受けた。
彼は想像以上の強さだった。
新婚当初だって、夫はあんなに長時間、激しく抱いてくれたことがなかった・・」

二週間ほどの間に、それまではいかがわしい雑誌でしか見たことがないセックスの数々を悠里は
教え込まれました。


[18] フォレストサイドハウスの住人(その3)(62)  鶴岡次郎 :2013/08/24 (土) 16:08 ID:LR95YLJo No.2393

カラオケ店で男漁りをすることだって普通の主婦から見れば大変な経験ですが、そんな経験が子
供の遊びに思えるほど、悠里にとって佐王子とのセックスは刺激的でした。人生観から、着る物
の好み、そして食生活まで影響を受けるほど佐王子とのセックスは悠里に大きな影響を与えました。

元々セックスが好きでしたが、佐王子と知り合ってからは悠里の生活はすべてセックスを中心に
動き始めていたのです。

「その全てをここではとても言えないけれど・・、
これを言えば、多分加奈も私がどんな経験をしたか想像がつくと思う・・。

お尻を使うことはそれまでも何度か経験があったけれど、
本当のことを言って、その行為はそれほど好きでなかった・・。

ところが、私・・・、お尻でも逝くことを憶えてしまった・・。
いまでは、どちらかのホールに彼を受け入れて・・・、
片方のホールを指かデルドーで愛撫されることが普通になった・・

彼と過ごした一週間足らずの間に、私はスッカリ変ったと思う・・
着る物も、より露出度の高いものを好むようになった・・」

悲しい経験を話しているはずですが、悠里はうっとりと瞳を濡らし、むしろ誇らしげに話してい
るのです。以前の悠里ならとてもいえない禁句をすらすらと言っています。加奈は一ヶ月ぶりに
会った悠里に何かしら違和感を覚えていたのですが、それが何か判らなかったのです。今、悠里
の話を聞いて、悠里の変化の本質を正確に理解していました。多分男なら一目で判ったはずです
が、悠里の全身から発散される得体の知れない女の精気に加奈は違和感を抱いていたのです。

胸は少し多めに拡げられ、悠里が少し上体を動かすと、豊かな乳房の頂点近くまで垣間見えるよ
うになっているのです。白い脚を悠里が見事な仕草で組み直すと、スカートの陰から時折黄色の
ショーツが見えるのです。

「マンションのベランダで全裸を曝して抱かれたり、夜主人が出張で居ない時、公園で浮浪者に
見られながら抱かれたり、媚薬のせいもあって、私は彼に抱かれるためなら何でも厭わない気持
ちを持つようになっていた。

彼は決して無理強いはしなかった。全ての行為を私は喜んで受け入れていたの、勿論、いかがわ
しい行為に最初の内は慣れなくて、恐がっていたけれど、
直ぐに慣れて、積極的に彼の命令に従うようになっていた。

そうなの・・・、私は自分から進んで、彼の命令を受け入れる女になったのよ。
私は・・、とんでもなく淫乱な女なの・・・」

悠里の話は加奈の想像をはるかに超えていました。どうやら、悠里は佐王子の罠だと悟った後も、
彼から逃げられない様子なのです。理性や倫理観を超えたところにある至上の悦楽に身を任せる
道を悠里が選んだことを加奈はようやくに理解していたのです。

そこまで悠里を追い込んだ佐王子の力を知り、加奈は背筋に悪寒を感じる気分になっていました。
そして、一時は佐王子の体に溺れながら、その罠から逃げ出したわが身を、加奈は誇らしく思い
ながら、どこか寂しい思いを抱いていました。あのまま、佐王子の誘いに応じていれば、悠里同
様この世に存在する悦楽の頂点を経験できたはずだと、加奈は思っているのです。女と生まれて、
その悦楽の頂点を知らずに終わることへの複雑な感情が加奈の心の奥で蠢いていたのです。

悠里の告白はここで終わりませんでした。

「ある日、自宅へ佐王子さんが50歳過ぎに見える、見知らぬ紳士を一人連れてきた。どこかの
中小企業の社長で、身元がしっかりした男だと紹介された。

その日から、毎日のように、毎回違う男性を佐王子さんは連れてきた。

『一流マンションに住まう若い人妻・・・、
熟れた身体を持て余している人妻・・・、
そんな人妻を彼女の自宅で抱く・・・・、

旦那のいない寝室で、熟れきった人妻を抱く一時をあなたに・・・』、

それが、娼婦に成り下がった私のセールス用キャッチ・フレーズなの・・・」

むしろ楽しそうに悠里は話しています。

「数えてみると、これまで一ヶ月足らずの間に、30人近い男に買われたことになる。一日に三
人と交わったこともある。悲しいことに、私の身体は彼等の愛撫に反応して、いつでも、しとど
に濡れている・・。

加奈には正直に言う・・、
私は・・、身体を売る行為をそれほど嫌と思っていない。
このまま、私はズルズルと落ちるところまで、堕落していくと思う・・」

冷静に、加奈の表情を見ながら、笑みさえ浮かべて悠里は語っています。一方、あまりの話に加
奈は言葉が出ない状態です。


[19] フォレストサイドハウスの住人(その3)(63)  鶴岡次郎 :2013/08/25 (日) 16:56 ID:XnYM6vfM No.2394
「これが、私の秘密の全て・・」

加奈の反応を楽しむかのように、悪戯っぽい表情を浮かべて、加奈の顔を覗きこみながら悠里が
告白を終えました。抱えている大きな重荷を下ろしたように悠里はむしろすがすがしい表情をし
ています。一方、加奈は先ほどから言葉を発していないのです。いろんな感情と思惑が加奈の中
で凄いスピードで駆け巡っているのです。今の加奈には、何が正で、何が悪なのか、そのことさ
え判断がつかない状態のようです。

「今日・・、加奈に会うつもりでエレベータに乗った・・。
以前いつもこの時間加奈が出かけることを知っていたから、二、三度往復すると簡単に加奈に出
会えた。

加奈に会って、佐王子さんのことは告白するつもりでいたけれど、
売春のことを話すかどうか、最期まで迷っていた。
でも・・、加奈が佐王子さんの誘惑を振り切ったことを知って、加奈には全部話すべきだと
思った。もっと早く加奈に話していれば、ここまで身を落とすことにはならなかったと、少し後
悔している・・。」

「彼から逃げられないの・・・?」

「逃げ出したいと思うことは何度もあった・・。このことがバレたら、離婚は当然、主人や両親
を酷く傷つけることになると判っている。彼と別れようと何度も思ったし、そのことを彼に告げ
たこともある・・。彼は無理に引き止めなかった・・、でも、私が別れられなかった・・・」

「なぜ・・、どうして、悠里・・」

その訳が、判っていながら、加奈は質問しないではいられませんでした。

「主人に抱かれた時など、申し訳ない気持ちで一杯になって、その時は、今度こそきっぱり別れ
ようと決心していた。そして、彼が部屋に来ると、今回を最後にすると、彼にもそのことを告げ
、彼もそれを了承してくれた。

しかし、彼に抱かれると、身体が別れを受け入れてくれなかった。もう一度だけ、次に抱かれた
ら別れよう・・と、安易な逃げ道を選んでいた。そんな先送りを何度も繰り返し、今では、どう
にも抜け出せない地獄の入口へ入り込んでしまった・・。

加奈・・、私はダメな女なの、このまま奈落の底へ落ちる運命なの・・・」

「・・・・・・・・」

女の性に振り回されている悠里の悩みが良く判るだけに、彼女を責めることは勿論、慰めさえも
加奈は言えないのです。同じ立場に立てば悠里と同じことをする可能性が高いと、悠里の話を聞
きながら、加奈は自身の中に潜む、女の業を見つめる気分になっていたのです。

「悠里が別れたいと思えば、佐王子さんは手を引いてくれるのね・・?
それとも、写真とかで脅かされているの・・?」

別れられない理由は悠里の中にあると判っていながら、加奈は気休めの質問をしています。意外
なことに悠里がその質問に食いついてきました。彼女もまた彼女自身の中に潜んでいる女の性を
直視することが出来ないで、別の理由を探そうとしていたのです。

「写真・・・?
そういえば、彼・・、写真を撮っていて・・、
私が本気で逃げ出したら、近所にその写真をばら撒く心配がある・・」

「そのことで彼から脅かされたことはあるの・・・?」

「ううん・・、彼は何も言わない・・。
もし、本気で別れ話をするとその写真の存在が気になると・・、
私が一人で心配しているだけかもしれない・・・・

多分、彼はそんな非道なことはしないと思う・・・」

佐王子と離れられない言い訳に写真を持ち出したと悠里はあっさり認めています。佐王子と別れ
るつもりがないのです。勿論、そんな悠里の女心を加奈は見通していました。


[20] フォレストサイドハウスの住人(その3)(64)  鶴岡次郎 :2013/08/27 (火) 15:19 ID:jJLlCC9Y No.2395

カラオケ店で男漁りをしている時、加奈も悠里も遊びを盗撮されることに事のほか神経を使いま
した。浮気の証拠は一切残さないよう、男達のケイタイを受付に預けさせ、カメラや録音機を隠
し持っていないことを念入りに確かめていたのです。そんな悠里が佐王子に撮影を許しているこ
とが判ったのです。その事実だけでも悠里の佐王子への気持ちの強さが理解できます。聞けば聞
くほど、深みに入り込んで動けない悠里の立場が鮮明になるのです。やや気落ちした気分で加奈
は口を開きました。

「写真は危険だとあれほど申し合わせていたでしょう・・・、
どうして写真なんか撮らせたの・・・
彼が無理やり撮影したの・・・?」

「ゴメン・・・、
私が撮ってほしいと言ったの・・。

だって・・・、
二人でふざけている時、鏡に写った恥ずかしい姿を見て、凄く興奮したから・・、
二人が絡まっているところを撮影して、後で見ることが出来れば、
楽しいだろうって思ったの・・・」

「あきれた・・・、
・・・で、二人で見て楽しんでいるの・・・?」

「うん・・、
自分の乱れた姿を後で見ると凄く興奮するのよ・・、
一人でいる時でさえ、それを見て楽しんでいる。

それだけではない、私の恥ずかしい映像をテレビ画面に映し出して、
お客と一緒にそれを見ることもある・・」

加奈には隠さず、何もかも話すと決めている様子で、悠里は、むしろ楽しそうに話しているので
す。聞いている加奈が悠里の身を心配して不安そうな表情をしているのです。

「お客と一緒にいる時間は限られているから、出来るだけ早くことを済ませたいのだけれど、私
のお客は比較的年齢の高い人が多いから、若い人と違って、私のハダカを見るだけでは十分にな
らないのよ。それで、私の恥ずかしい映像を見せることにした。すると、それだけで興奮して、
私に飛び掛かってくるの、私もそんな遊びが嫌いでないから、乱れた映像を見ながら、お客の男
根を受け入れるのよ、60過ぎのおじさんが2時間の間に三度も逝くことがある・・」

「・・・・・・」

加奈はいささかあきれています。加奈の表情を見た悠里が慌てて、言葉を継でいます。

「ああ・・、心配しなくても良いのよ・・・。
お客の住所も、名前も、職業も正確に掴んでいるから、
お客の口から、秘密が洩れる心配はないのよ・・。

そして、その気になれば、いつでもその映像を処分することが出来るのよ、
加奈が心配するように、本当に危険なら、今度彼に会った時、
全部処分するように頼んでみる・・」

〈そんな簡単なことではないでしょう・・・〉

そう言いたい気持ちを抑えて加奈は悠里を睨んでいました。売春にしても、淫らな写真のこと
でも、悠里の受け取り方は楽観的過ぎます。悪く言えばあまりに幼すぎるのです。のん気そうに
話している悠里を見て、加奈は密かに決意を固めていたのです。


[21] フォレストサイドハウスの住人(その3)(65)  鶴岡次郎 :2013/08/28 (水) 13:43 ID:FJRbB8A6 No.2396

加奈の表情が段々に厳しくなったのを見て、悠里が心配そうにしています。そして、加奈のご機
嫌を取るようにして口を開きました。

「売春と言っても、自宅でする仕事だし、先ほども言ったように、お客は身元がしっかりした紳士
だし、それに、変なことをさせる客が居ても、佐王子さんが私を必ず守ってくれるのよ・・。

ある時、私が嫌がっているのに、アソコの毛を無理やり剃ったお客が居た。そのことを佐王子さん
に言いつけたら、佐王子さんその場で私に頭を下げて謝ってくれた。そして、二、三日後、かなり
の金額を差し出して、そのお客からこの金を代償として出させたこと、今後出入りさせないし、し
っかり口止めもした、と教えてくれた。たぶん、そのお客はかなりのお金を出した上、恐い脅かし
も受けたと思う・・。

彼も言っていることだけれど、お金を得ていることを除けば、
私のしていることは、カラオケ店で知らない男に抱かれるのと、
それほど違わないと思う・・・、加奈もそう思うでしょう・・・?」

罪を犯して落ち込んでいるのは、どちらか判らなくなるほどです。渋い表情を隠さない加奈を、
笑みを浮かべた悠里がしきりに慰めているのです。

「私は加奈が心配してくれるほど惨めな気分ではない。
このままの生活を少し間なら・・、そうね・・、一年ほどなら・・、
続けてもいいとさえおもっている・・。

それにね・・、これは言いたくないことだけれど、
不景気で主人のお給料が上がらないでしょう、
いただくお金が家計に、とっても助かるのよ・・・。

いずれ、私の商品価値が下がって、彼もお客達も、私から離れて行くと思う、
それまで、せいぜい楽しむことにする。
だから、もしこんなに汚れた私でも加奈が嫌でなかったら、
これまでどおり、加奈とは仲良く付き会いたい・・・」

「嫌になるなんて・・、
どんな時でも悠里は私の大切な友達だよ・・」

「うれしい・・、加奈に嫌われたらどうしょうと思っていた・・。
いろいろ言ったけれど、私は平気だから、あまり心配しないで・・」

ことさら陽気な表情で、半分は本心を込めて、悠里が加奈を逆に慰めています。どう返事をして
良いか加奈は困り果てているのです。

いずれ佐王子が女を手放す時が来ると悠里は言っていますが、苦労して手に入れた女を竿師がそ
う簡単に手放すはずがないことは、素人の加奈にも良く判るのです。骨の髄までしゃぶられて、
ボロボロになって捨てられた時は、全てを失っていることになるのです。今の内に何とか救い出
す手を考える必用があると、加奈は焦っているのですが、そんないい案はすぐには沸いて来ない
のです。


「中国製の媚薬を使っていると言ったわね・・・、
その薬の銘柄判るかしら、出来ればサンプルがあれば良いけれど」

何かを思いついたようで加奈が質問しました。

「ウン、判るよ・・、今も持っているけれど・・、何に使うの・・・?
佐王子さんが自由に使っていいと言って、寝室に何本かチューブを置いて行った。
お客との時は勿論、旦那とやる時も使っているの・・、
もう・・、手離せない、コレを使うと天国へすぐに行けるの・・・。

それにね・・、男も元気になるのよ・・・、
信じられないほど、固くなるから・・、ふふ・・・・。

私って、本当にスケベだと思う。いつでもこうして持ち歩いている。
いざという時には使うつもりなの・・、
何処で男から声をかけられるか判らないでしょう・・・フフ・・」

本気なのか、冗談なのか判らない様子を見せて悠里が話しています。天性の淫乱というのでしょう
か、清楚な顔に似合わない淫らな言葉をちゅうちょなく使っています。加奈は少しあきれて、悠里
を責めることさえしなくなっています。

「男性のアレに塗ることもあるけれど、あらかじめ膣内に塗っておくともっと効果的よ・・、
加奈も試してみるといい、きっと病み付きになるから・・、フフ・・・」

うっとりと好色そうな瞳を輝かせて悠里が言っています。弱い薬ですから、禁断症状が出るほど
の麻薬ではなさそうですが、悠里はその魅力にスッカリ嵌っているようです。

悠里がバックから取り出した薬を受け取り、その日、二人は別れました。すべてを告白した悠里
は爽やかな笑みを浮かべて意気揚々と帰りました。一方、悠里から告白を聞かされて、重荷を背
負わされた形の加奈は大きな悩みを抱えたことになります、悠里のさわやかな表情とは違って苦
悩する女の表情を浮かべていました。


[22] Re: フォレストサイドハウスの住人(その3)  鶴岡次郎 :2013/08/28 (水) 13:50 ID:FJRbB8A6 No.2397
新しい章を立てます。新スレへ移ります。 じろー


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