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フォレストサイドハウス(その25)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2019/10/17 (木) 15:15 ID:K7lmaVGc No.3238
しばらく筆をおいていました。元気を振り絞り書き続けたいと思います。ご支援お願い申します。相
変わらず普通の市民の平凡な物語です。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。また、文中登場する人物、団体は全て
フイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用す
ることになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意しますが、気を悪くされることもある
と存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭または文末に下記のように修正連絡を入れるようにしま
す。修正連絡にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。
・〈記事番号1779に修正を加えました。2014.5.8〉


[2] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/17 (木) 15:21 ID:K7lmaVGc No.3239

金倉 沙織の場合

悠里が売春稼業に手を染めてから一年近く経ちました。この一年、事あるごとに悠里をその世界から
救い出そうと、あの手この手を考えて加奈は色々と悠里に迫ったのですが、その都度うまく逃げら
れ、最近ではほぼ悠里の説得をあきらめているのです。

それでもいずれ佐王子に食いつくされ、やつれ果てて、最後には助けを求めてくるはずと加奈は
思っているのです。しかし、一年経っても、悠里の外見も、暮らしぶりも、家庭の様子も、何も変化
が見えないのです。むしろ、以前、世間の目を気にしながら、二人でグルになってカラオケ店で男達
をつまみ食いしていた頃に比べて、悠里がなんとなく明るく活発になったようにさえ見えるのです。
加奈が密かに悔しがっているのは、悠里が一段と鮮やかに、きれいになっていることなのです。

男欲しさで悶える肉体を持て余し、浮気への甘いささやきを必死で抑えている加奈自身と比較して
も、悠里は悠々と暮らしているように見えるのです。売春稼業の水が悠里に合っていた・・、とは思
いたくないですが、加奈にはそう思えるほどなのです。

悠里が冒険を楽しんでいるのを見るにつけ、加奈自身も悠里のように自由に生きたいと思うことが
時々あるのです。おそらく、加奈が冒険に踏み切ることはないと思いますが、最初思いこんでいたほ
ど、売春稼業は悪くないと加奈が思い始めているのは確かです。

ここで、佐王子が開発した自宅売春ネットワークの仕組みを少し説明します。先ずこの稼業で必要な
のは質のいい女です。長年の修練と実績を重ねて来た佐王子は、門倉悠里を釣り上げたように、時間
をかけて罠を仕掛け、これと思う女が自ら望んで堕ちるのじっと待つのです。決して暴力や、薬、汚
い恐喝で女を縛ることはしません。

次に大切なのはお客です。口の堅い、それでいて無類の女好き、ある程度以上の経済力も必要です。
そんな条件にあった男を選ぶのです。佐王子が長年修練と実績を積んできたこの世界での評価が、そ
うした好条件のお客を佐王子の周りに自然と集めるようになっているのです。

金儲けが最優先ではなく、どちらかと言えば佐王子の趣味に近いビジネスですから、彼は自身で制御
できる範囲内にビジネス規模を絞っています。女性の数も、お客の数も絞って、彼一人で切り盛りで
きる範囲内にビジネス規模を絞っているのです。

佐王子の自宅売春組織の売春ルールは簡単です。先ず、女から佐王子に空いている時間を連絡する
と、佐王子の手元にある予約リストから客が選ばれ、女の自宅へ送り込まれるのです。お客と女た
ち、お客相互、女たち相互に直接連絡を取り合うことを厳しく禁じています。もしその禁を破るよう
なことがあれば、禁を破った顧客、または女には厳しい制裁が待っているのです。その制裁の内容は
誰も正確に知りませんが、禁を破った個人の社会的、経済的な生命が完全に断たれるほど厳しいもの
だと関係者の間では噂されています。今までのところ、この禁を破るお客も、女も、居ないとところ
を見ると、佐王子の秘めた力を恐れ、みんなが真剣に組織の秘密を守っていると思えます。

佐王子傘下の女たちは粒よりの女性ですから、いずれの女性も数名の予約客を常時抱えている状態で
す。客待ちをする女性は皆無です。従って女がその気になれば、いつでも商売できる環境で、希望す
れば二時間以内に指定した場所にお客が送り込まれる仕組みが出来ています。したがって、女さえそ
の気になれば日に複数のお客をとることも可能なのです。

このシステムでは女の自宅へお客を送り込むのが基本なのですが、自宅売春の実績を積んだ女性に限
り、女が希望すればホテルなどを使用することを例外的に認めております。しかし、お客の大部分は
女の自宅で女を抱くのを好む傾向にあるので、ほとんどの女性は自宅でお客をもてなすことになりま
す。

お客は社会的に恵まれた地位にいる者が多く、主要な個人情報を佐王子に握られていて、女のこと
や、佐王子の売春組織のことを外へ洩らしたりすると、とんでもない仕置きが待っているだろうこと
をよく知っています。したがって、親しい友人は勿論、心許した部下へもこの売春組織の秘密を洩ら
したりしません。女の自宅へ来る時も専用車を捨てて、タクシーで来るほど気を配っているのです。


[3] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/18 (金) 10:05 ID:uRxloHAE No.3240
一方、女の方は自らその道に堕ちこんだ弱みがあり、佐王子にすべてを握られている上、自ら飛び込
んだにしろ裏社会に生きていることは絶対秘密にしたい気持ちが強くあります。その秘密を隠し通
し、裏社会を楽しむには彼の庇護と援助なしでは無理なことをよく知っているので自分から秘密を洩
らしたりしません。

こうして、お客も、女も、主要な個人情報と秘密を佐王子にがっちり握られている弱みがあり、加え
て、彼との付き合いを通じて、彼の人柄仕事ぶりに強い信頼感を持つようになっていて、「この人に
任せておけば大丈夫」と全面の信頼を寄せるようになっているのです。

一見危うそうな佐王子の売春組織ですが、お客と売春婦がそれぞれの立場で、彼ら自身が、率先して
組織の秘密をがっちりと守るようになっていて、結果として佐王子のネットワークは固い絆でしっか
り守られていると言えるのです。

佐王子がどれほどの女を抱えているのか不明です。ただ、SFマンションの住人に限れば、佐王子の
傘下で自宅売春をしている女は、10名に届かない人数です。彼女たちがこの世界に入ったのは強制
されたのではなく、彼女たちの意志で決めたと説明しました。そのこと自体は間違いのないことです
が、より正確に言えば何かの縁で佐王子に抱かれ、彼の体とテクニックに翻弄され、彼から離れるこ
とが出来なくなって、結局彼の提案に乗って、彼の売春組織の一員になったと言うべきなのです。彼
女たちを組織に引き付けているのは、佐王子の体と技だと言えます。

それだけに、女たちが佐王子を慕う気持ちは強く、お客の相手をする一方で定期的に彼に抱かれるこ
とを希望しています。勿論、体力的にも、時間的にも、彼女たちの要求をすべて受け入れることは無
理なのですが、あまりに邪険にすると女たちの反動が怖いので、佐王子は必死の思いで女達への対応
を心掛けているのです。あまり傘下の女を増やさないようにしているのはこうした側面もあります。

金倉沙織、30歳、4歳年上の公務員の夫、道夫とSFマンションで二人暮らしです。身長160セ
ンチ、やや太り気味、目がぱっちりとしていて、ぶ厚くて真っ赤な唇、皆がすぐに気がつくほど胸が
豊です。このように男を惹き付ける容姿ですから、結婚前も、結婚後も、誘惑は多いのですが、育ち
のせいなのか、本人の信念なのか、その両方かもしれませんが、浮ついた噂一つ聞いたことがありま
せん。

男嫌いかと言うとそうではないのです。本人は異常だと気づいていないのですが、凄く濡れやすい体
質です。まじめな夫とそれほど刺激的でないセックスをしているのですが、ちょっとした刺激でもす
ごく感じるようで、寝室にバスタオルが必需品になっています。肉感的な肉体を持ちながら生活態度
は堅実質素、それでいて夫との閨では少しの刺激で滴るほど濡れる、このアンバランスな雰囲気が沙
織の魅力です。


短大を卒業して、中堅の商社に父親のコネを生かして入社、平凡な会社生活をおくり、27歳の時お
見合いをして、国家公務員の金倉道夫と結婚したのです。道夫はいわゆるエリート公務員で将来を約
束されています。結婚と同時にSFマンションに入居しました。絵にかいたような幸せ夫婦ですが、目
下の悩みは子作りです。三年前に結婚して、それ以来子供を望んでいるのですが、未だ子宝に恵まれ
ていません。沙織は会社勤めをしていたのですが、妊娠を確実にするため、一年前会社を辞めて専業
主婦暮らしです。本人たちは勿論、彼らの両親も首を長くして赤ちゃんの誕生を待っているのです。

ある日の昼下がり、沙織は一人、マンション近くにある喫茶店の奥まった席にひっそりと座って
ゆっくりとコーヒーを飲んでいます。周りには午前中の家事が終わった主婦たちが数人、それぞれに
仲間と賑やかに食事を楽しんでいます。子供たちが幼稚園や、学校から帰宅するまでの数時間、これ
が彼女たちの自由時間なのです。


[4] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/19 (土) 12:58 ID:xCE21Jhg No.3241
今月もダメだった印が今週の初めに始まり、昨日ようやく終わったのです。そうでなくてもそれほど
ありがたくない生理なのですが、妊娠を望んでいる身にはそれが始まると余計に苦痛に感じるので
す。ようやく終わった肉体の儀式から解き放たれた安ど感と妊娠できなかった苛立ち、複雑に感情が
交差して何をするのも億劫に感じるのです。沙織は不安定な感情を抱きながら、一人でぼんやりとお
茶を飲んでいるのです。傍から見ると何かに絶望したような、大きな悩みを抱えて、途方に暮れてい
る・・。そんな雰囲気なのです。

「ご一緒しても構いませんか‥‥」

突然声を掛けられました。男から声を掛けられるのは久しぶりです。一瞬自分に声を掛けられたとは
思えなくて、周りを見まわしたのです。そして、改めて男を見ました。170センチに届かない痩せ
た男です。三十歳代にも、50歳を超えているようにも見えます。イケメンとは呼べませんが、味が
ある顔です、一度会えば一生忘れることがないと思えるのです。

このあたりで、この時間よく見かける訪問販売をしているセールスマンには見えません。着ている物
をよく見ると粋で、靴の先まで洗練された一流品です。沙織にはその男の職業が推定できませんでし
た。今まで出会ったどの男とも違う雰囲気をたたえているのです。

「・・・・・・・・」

返事をしないで、沙織が黙って驚いた表情で、じっと男を見つめています。攻撃的でもなく、男への
嫌悪感は存在しない視線です。ただ、驚いて言葉が出ない様子なのです。女のそんな視線をやんわり
と男は受け止めていました。そしてにっこり笑いました。その男の笑みを見て、沙織は悪い人ではな
いと確信していました。

「あまりに寂しそうでしたので・・・・、
つい・・、声を掛けてしまいました・・・・
どうやらお邪魔な様子ですね・・、
失礼しました・・・・・・」

沙織から視線を外さないで、それだけのことを言って、その後、潔く背を向けました。

「アッ・・、待ってください…、
失礼しました…、
突然でしたので、びっくりしました…、
よろしかったら・・、どうど…」

立ち上がり、前の席を男に勧めたのです。振り向いた男は優雅に一礼して、身軽に動いて沙織の前の
席に座りました。かすかに男のコロンの香りが沙織の鼻腔を刺激しました。

店の前を通りかかり、喫茶店の奥深いところに座っている沙織を店の外から見つけ出し、何度か店の
前を行き来して沙織の容貌をチェックした後、彼女が気に入ったのでしょう、店に入り離れた席から
彼女をしばらく監視していたのです。30分以上沙織の監視を続けた後、意を決して接触してきたの
です。もちろん、沙織はそのことを知りません。男の狙いは何でしょうか、単なるナンパには思えな
いのですが・・。

〈嫌いな香りではないわ‥‥〉

男のコロンの香りを好まない沙織にしては珍しく、男の香りを受け容れています。コロン以外
の・・、そう、男の体臭がミックスされているのです。そのミックスされた香りを沙織は気に入って
いるのです。沙織自身はそれと気づいていませんが、心と体の芯を貫く香りなのです。これまで数え
きれない女たちがこの香りの虜になったのです。

「何か心配事でもあるのですか…、
美人が寂しそうにしているのは、それだけで、絵になりますが、
困ったことに、私は黙ってそれを見ておれない性質で…、
つい、声をかけてしまいました・・・」

慣れたしぐさと口調で、男は歯の浮くような言葉を沙織にあびせています。男の甘い戯言だと警戒し
ながらも、沙織はいい気分になって、笑みを浮かべています。


[5] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/23 (水) 16:56 ID:ItGrNyFs No.3243

「Y市で風俗の店を経営している佐王子と申します…」

「・・・・・・・・」

そう言って、男は名刺を沙織に差し出しました。怪訝な表情を浮かべて、それでも反射的にその名刺
を受け取っています。警戒して名刺の受け取りを拒む余裕を女に与えない素早い動作です。このあた
りの絶妙のタイミングをその男は身に着けているのです。

風俗の店を経営していると言われても、沙織はぼんやりとした反応を見せています。知らない男から
突然声を掛けられて、いささか動転している沙織は風俗の店というフレーズをどうやら理解できてい
ない様子です。

「お嬢様と呼ぶのがふさわしいと思いますが…、
奥様と呼んで構いませんね…」

沙織が黙って頷いています。

「奥様は・・、ひよっとして・・・
風俗の店とは何を売る店かご存じないようですね・・・」

「・・・・・・」

沙織は恥ずかしそうな笑みを浮かべ、こっくりと頷いています。佐王子が差し出した名刺にはカタカ
ナで(株)○○エンターテイメントと書かれていて、当然ですが、沙織にはその名前から、何を商う会
社なのか想像さえできていないのです。

「この会社では、男達に・・、
快楽と一時の憩いの時間を売っています・・・」

ハッとしています、そして頬を染めているのです。沙織はどうやら気がついた様子で、少し緊張した
複雑な表情を浮かべています、それでも、恐れている様子ではありません。

「ああ・・、お判りいただいたようですね…
そうなんです…、奥様が想像されたように・・、
女たちがお客に性的なサービスを提供するお店です」

「ああ・・、
私としたことが…、
フウゾクとは・・、風俗業のことだったのですね‥
ああ・・、私って…、知らない筈はないのに…」

ようやく理解出来た様子です。その言葉を最初から理解できなかったことを沙織はすごく恥ずかしが
っているのです。妙に上品ぶったと思われることを恥じている様子なのです。

「突然、何の予告もなく風俗の会社と切り出されて、
普通の主婦がその言葉の意味を正確に理解できるはずがありません‥。
むしろ、奥様のような反応が普通です‥。
決して、カマトトぶっているとは思いません…」

「エッ・・、カマトト…」

「アハハ・・・、
カマトトも死語でしたね・・・、
失礼しました…
上品ぶっているという業界用語です…」

二人は顔を合わせて笑っています。今の一連の会話ですっかり打ち解けあった様子です。


[6] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/25 (金) 11:10 ID:VnZ..OxQ No.3244

ところで・・・、
よろしかったら、奥様の悩みを吐き出してみませんか・・
見ず知らずの他人だからこそ、気楽に話せることもありますから‥
どうですか・・・」

「・・・・・・・」

男は真正面から沙織を見つめ、笑みを浮かべたまま、優しく語りかけました。気がつけば二人の距離
は縮まり、呼気の香りを沙織が嗅ぎ取れる距離まで二人の顔は近づいているのです。それでも沙織は
男から離れようとしません。むしろ、接近を楽しんでいる様子さえ見せて離れようとしないのです。
遠くから見れば仲のいい男女に見える姿勢です。

わずかな時間話し合った仲ですが、最初は得体の知れない男だと思って警戒していた気持ちが消し飛
び、沙織は佐王子に急激に近親感を抱くようになっているのです。得体の知れない男には違いないの
ですが、向かい合って座り、男の放つオスのオーラに包まれている内に、沙織の気分は高揚し、男を
受け容れる気持ちになっているのです。いつの時代でも、どこでも見られる、男と女の不思議な関係
です。

沙織は他人に話したことがない夫婦の秘め事を、先ほど顔を合わせたばかりの得体の知れない男に語
り始めました。男は黙って聞いています。結婚以来その気になって励んでいるが、子宝に恵まれない
こと、排卵期に合わせて夫婦で頑張ったが、今回もダメで、忌まわしい生理が昨日終わったことまで
沙織は語りました。

「あちらこちらの病院に相談して、いろいろと検査をしていただきました。
二人ともどこも悪いところはないのです…、
先生も首をかしげるばかりで、手の打ちようがないようなのです‥。
残された道は、人工受精ですが、主人に抵抗があるようで‥
あっ…、私・・、調子に乗って・・、
全部話してしまいました…、恥ずかしい・・・・」

ここまで語り終わって、沙織は今更のように恥ずかしそうに体をすくめているのです。見ず知らず
の、それも得体の知れない50男に、夫婦の微妙な問題を洗いざらい話してしまったのです。恥ずか
しさと、それを超える後悔の気持ちで、沙織は視線を下に落としているのです。

「よく話してくれました…、
奥様がそこまで話していただいたので、
私も・・・、思ったこと、感じたことを正直に申し上げます。
先ほど言いましたように、セックス業界の人間ですから・・、
奥様が日ごろ接している方々とは少しトーンの違う話になりますが、
世の中にはそんな意見もあると、軽い気持ちで聞き流してください・・
よろしいでしょうか…・」

「・・・・」

こっくり頷いています。

「私は40年以上、風俗の水を飲んで生きてきました。
それだけに・・・、
男と女の間に発生する問題は全て・・・、
セックス抜きには語ることさえできないと思っている男です」

「・・・・・・」

目を輝かせて沙織は真剣に話を聞いています。この種の話、セックスにまつわる話が決して嫌いでは
ない様子です。佐王子は安心して話を続けることにしました。


[7] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/10/28 (月) 13:54 ID:Qy4dmq0I No.3245

「夫婦の幸せは・・、
セックスの相性の良さに拠るところが多いと思います。
男が求め、女が優しく応じる・・、
二人は狂ったように毎晩のように求め合う…、
それが愛する二人だと思うのです」

「・・・・・」

ごくりとつばを飲み込むほど沙織は気を入れて聞き耳を立てています。

「そんな私から見ると・・、
大多数の家庭の主婦に言えることですが・・・、
彼女たちの性生活はあまりに貧弱だと思います・・」

「・・・・・・・」

ハッとして沙織が佐王子を見つめています。そして『それって本当のことですか‥?』と質問する表
情を浮かべているのです。彼女の表情を読み取り、黙って佐王子は頷いています。

「今申し上げたことは根拠のない話ではありません・・
ちなみに・・、失礼ですが・・、
奥様は月に何度、旦那様とセックスされますか‥」

かなり微妙な質問をさらりと切り出しています。

「ハイ・・、
あの・・・、
排卵日に合わせて・・、
数日、集中的にします・・」

佐王子の態度があまりに自然なので、微妙な質問にあっさりと答えています。

「そうすると・・・、
月に多くて5回程の勘定になりますね・・・」

「ハイ・・・」

「結婚3年目、30歳そこそこでしょう…
それではあまりに少ないと言えます‥。
若い盛り・・、今がやり盛りの時に・・
月5回ではダメです‥」

「・・・・・・」

佐王子言葉に沙織はすっかり打ちのめされた様子です。項垂れ、佐王子を見ることさえできないので
す。

「ああ・・・、
少し言葉が強かったようですね‥
セックスだけが人生ではありませんから・・・、
先ほど言いましたように、
裏社会に生きている私の考え方が異常なのですから‥
そんなに気にしないでください…
セックスをしない信念を持っている人・・、
身体の調子が悪く、セックスが出来ない夫婦だって、
世の中にはたくさんいて、
それでも結構、楽しく暮らしているはずです・・」

「いえ・・・、
私たち夫婦の場合…、
佐王子さんの言葉に思い当たることが沢山あります…、
もっと聞かせてください・・、
どんな酷いことを聞かされても、かまいませんから・・・」

顔を上げ、佐王子の顔を見つめて、沙織ははっきりした言葉で言いました。


[8] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/11/06 (水) 15:52 ID:DCM2Fb3E No.3246
「いいでしょう・・、
他人のセックス事情を知るのも何かの参考になりますから・・・、
思ったことを洗いざらい話すことにします。
あなたの責任で、その中から参考になるものを選んでください」

こっくりと沙織が頷いています。

「私の店でも、あなたのような若い主婦が働いています。
彼女たちは日に5人から7人のお客に接します・・・・」

「エッ・・、
毎日5人ですか…、
凄い…」

すっかり驚いています。

「そうです、日に5人は、普通に相手します。
そして・・、週三日勤務するとして、
月12日は働くことになります…」

「凄い・・・、
そうすると・・・、
毎月・・、えーーと・・・」

「毎月60人の男を相手にする勘定になります‥
それも、お客たちは並みの男ではありません・・、
女日照りでしっかり溜めてきた男達です・・
来店すると、狂ったように求めます、
最低三回は出します…」

「すごい・・・、
最低一人三回、男達の・・、
その…、精子をあびるのですか・・・、
それが月60人…、
月200回近く精子を浴びる勘定ですね・・
私が生涯経験する数を…
彼女たちはわずか一年で・・・・
ああ・・、止めるわ・・、こんな計算・・、むなしい・・」

ソープ嬢たちの圧倒的な交接量に沙織は驚いています。沙織が生涯経験するであろう性交数を彼女た
ちはわずか一、二年でこなすことになると沙織は受け止めているのです。

「本当にすごい、それだけ浴びれば、
どんなに頑固な子宮だって・・、
あえなく降参して、妊娠するわね‥
ある意味うらやましい・・・・」

最大の関心事である妊娠が気になり、うっかりと本音を漏らしています。そして、視線を天井に向け
て、60人に抱かれ、200回近く男たちの熱い液を浴びる女達のことを沙織はうっとりと考えてい
る様子です。

「医学的なことは私にはよく判りませんが…、
月5回と、200回、約40倍の差ですね・・・。
セックスする回数にこれほどの差があると、
あなたと彼女たちの女性機能の発達に、
何らかの差が出てもおかしくないですね…
むしろ、差が出ない方がおかしいと思えます…」

佐王子が何を言いたいのか、ここへ来て、おおよそのことが判ったようで、緊張した面持ちで沙織は
佐王子を見つめています。名医の診断を今まさに聞こうとしている患者の視線の強さです。

「医学的にお二人の体のどこにも問題がないのであれば・・、
お二人のセックスに問題があるかもしれませんね・・
セックスの回数や、やり方が妊娠の可能性にどのように影響するか、
私には判りかねますが…」

ここで言葉を切り、佐王子が沙織を見ています。一言も佐王子の言葉を聞き逃さない気迫を見せて、
沙織は聞き耳を立てているのです。その様子を見て、佐王子がやや困惑の笑みを浮かべています。


[9] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/11/07 (木) 16:32 ID:xxM2pjoI No.3247
佐王子自身が言っているように、なんら医学的根拠のある話ではなく、いわば佐王子の思い付き程度
の話に、沙織は佐王子の期待をはるかに上回るほど引き込まれているのです。佐王子にすれば、沙織
との会話を繋ぎ、頃合いを見て、ソープ嬢に誘うつもりなのです。妊娠の可能性に過度な期待を持た
れると、その期待が実現しなかった時のしっぺ返しが気になるのです。

「これから申し上げることは、わたしの個人的な意見です…、
そのつもりでお聞きください、決して権威のある意見でありませんから・・
気を楽にして、聞き流すつもりで聞いてください…
そんなに真剣に聞かれると話しづらくなります・・・」

「あら・・、私少し気を入れ過ぎました・・、
スミマセン・・、私・・、もう・・、
三年近く不妊で悩まされているのです
それで少しでも役に立つ情報があれば飛びつくのです。
佐王子さんの話に引き込まれました・・。
身体の力を抜いて聞きます…」

沙織が笑っています。佐王子も笑みを返しています。

「パパとママが心からセックスを楽しんだ結果、
いいお子が生まれるんだと、私は思っております。
楽しくセックスして、いい子供を授かる・・、
その意味で、パパとママはセックスそのものを楽しめるよう、
ある程度セックスの仕方をマスターするべきだと思うのです。
いくら愛し合っていても、
つたない性交では子作りは難しいかもしれませんね・・・・」

「・・・・・・」

黙って深く頷いている沙織です。

「超エリートで真面目な沙織さんの旦那様は・・・・、
おそらく、そんなにたくさんの女性経験があると思えませんし・・、
奥様にしても、魅力的な容姿をお持ちですが…、
それほど遊んでいる雰囲気を感じとれません・・」

ここで言葉を切り、いたずらっぽい表情を浮かべ佐王子は沙織を覗き込み、笑みを浮かべながら質問
しました。

「もしかして・・・、
奥様は・・・、
処女で嫁入りされたのでは・・・・・?」

「・・・・・・・」

沙織が恥ずかしそうに頷いています。

「やはり・・、そうでしたか…」

さすがに女を見る目は確かな佐王子です。妖艶な容姿に恵まれていて、どちらかと言うと遊び人に見
える沙織の本質をちゃんと見抜いているのです。今の微妙な質問に素直に応えたことで、沙織の迷い
は消えたようです。佐王子を信じる気持ちはゆるぎないものになっています。堰を切ったように話し
始めたのです。佐王子さんには何も隠すことはない、この機会を失ってはいけない、佐王子さんが持
っている知識をすべて聞き出そう、沙織はそう決心している様子なのです。


[10] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/11/21 (木) 14:01 ID:5vDaSzBY No.3248
「実は・・、私・・、
私たち夫婦のセックスに問題があるのではと・・、
不安に思うことがあるのです…」

何事か決心をした様子を見せて、一言、一言、言葉を選びながら、それでもはっきりとした口調で沙
織は話し始めました。

「佐王子さんのお話を伺っていると・・、
思い当たることばかりなのです…。
ぜひ佐王子さんに私たち夫婦の実態を聞いて欲しいのです。
良かったら、セックスのやり方について・・、
佐王子さんのご意見、ご指導をいただきたいのです‥」

思いつめた様子で沙織が言葉を出しています。どうやら、佐王子の言葉は沙織の抱えている問題を直
撃した様子です。思い切って自分達夫婦のセックスを佐王子にさらけ出し、彼の意見を聞きたいと思
っているのです。

「私たちのセックスの実態を佐王子さんに全部話します。
遠慮なくご意見をください・・
よろしいでしょうか…・」

「判りました・・、聞かせてください・・」

沙織の真剣な表情を見て、彼女の悩みの深刻さを佐王子は正確にくみ取っていました。

「毎朝基礎体温を測定しています。
勿論、排卵検査薬も併用しています。
基礎体温から排卵予定日を割り出し、その夜に備えて体調を整えます。
これは子供が欲しい夫婦はどこでもやっていることです。
結婚以来三年間、判で押したようにこの繰り返しです・・」

夫婦の微妙な問題を沙織は話しています。

「その予定日が来ると・・・、
いえ・・、その数日前から・・・
今か、今かと待っていて・・、
私たちは凄く緊張して、強い使命感を持ってベッドに入ります」

佐王子には沙織夫婦の様子が手に取るように見えています。

「大切な行事ですから・・、
失敗は許されません…、
確実に精子が出るように、
先ず私がフェラチオで夫をぎりぎりまで高めます・・」

ここで、沙織は佐王子を見て淫蕩な女の表情を浮かべました。

「本とビデオで覚えたのですが・・、
かなり場数を踏みましたので、
今では確実に夫を立たせることが出来ます…。
佐王子さんのお店でだって、きっと通用すると思います…。
試してみますか・・、ふふ・・・・・」

ここで沙織は微妙な笑みを佐王子に投げかけています。少し余裕が出たのでしょうか、あるいは危う
い冗談を言えるほど佐王子に親近感を持つようになったのでしょうか‥。

「夫が高まる状態を監視していて、
タイミングを見て両脚を開き誘います・・、
私もその頃には不完全ながら、そこそこ濡れていて、
受け入れ準備は出来ています。
その時を待っていた夫が一気に挿入して、
そして・・、ほとんど時間を置かないで排出となります」

ここまで話して、千春は一息つくつもりなのでしょう・・、コップを取り上げ、白い喉を見せて、水
を飲んでいます。


[11] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/11/26 (火) 13:23 ID:5Zsmqcqs No.3249

沙織の白い喉がびくびくと動くのを、じっと見ながら、佐王子が口を開きました。

「遠慮なく言わせていただければ・・、
沙織さんは子宮提供マシンで、
旦那さんは精子製造マシン状態だね‥」


「結婚当初からそうだったわけでないのです、
失敗続きで、私達・・・、追い詰められてしまって・・、
ただ、妊娠したい気持ちが先行して、
セックスを楽しむ余裕を、いつの間にか失っているのです‥」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って聞く立場になっています。

「夫のモノを口にくわえて、必死で大きくして・・、
そして・・・、夫に合図します‥。
ここまでは普通のセックスですよね・・・」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。

「でも、挿入を受けて、これからと言う時…、
気がつけば、私の中に精子が流し込まれています、
夫は、多少いい気持ちになると思いますが、
私が満足していないことに気がついていますから、
女を征服した男の感覚を味わうことはないと思います
ようやく義務を果たした安堵感だけだと思います」

沙織の悲しい話は未だ続きます。

「私は、私で・・、
楽しむより、洩らさないようにすることに気を使います、
両脚を高く上げて、壁に足を掛けたまま、じっとしているのです‥。
そして、夫は私に背を向けて眠りに落ちます‥。
これが私達のセックスなのです・・・・
まるで、儀式のようでしょう・・」

「まずいね・・、
それは酷すぎる・・・」

吐き捨てるように佐王子が言っています。沙織が悲しそうな表情を浮かべ佐王子を見て頷いていま
す。

「その様子では、奥様はいつも欲求不満でしょう・・
乾いた畑に種をまくようなものですね…・
アッ・・、また言い過ぎました…」

「いえ・・、いいんです・・、
その通りです・・、
乾いた畑にはどんなにいい種をまいても芽を吹かない・・・
その通りだと思います…
子供が出来ないのは、
乾いた畑しか準備できない私の責任なのです…」

「奥様・・、そんなことはありません…
乾いた畑などと、失礼なことを言いましたが、
畑を干上がらせて、不毛にする責任の大半は・・・、
男にあると、私は考えております…」

「そうでしょうか…」

「奥様一人が悩んでも解決しないのです。
男と女が協力し合ってこそ、
良い畑が出来上がり、いい実りが期待できるのです」

「二人で協力し合って、良い畑を作ると言っても・・
どうすればいいか、私には見当もつかない…」

沙織は途方に暮れた表情を浮かべています。


[12] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/06 (金) 14:10 ID:f8sp8LGo No.3250
「ところで・・・
奥様はセックスが好きですか?」

「思い切って言いますが…、
私・・・、セックスは大好きです…、
毎日でもしたいと思っているのですが‥
あの・・・・・」

それ以上は言えない様子で言葉を飲んでいます。

「旦那様がその気になってくれないのですね・・・、
エリート官僚ともなれば忙しいですからね‥
排卵予定日に奥様を抱くのでいっぱい、いっぱいなのでしょう・・」

夫の職業は既に佐王子に教えているのです。

「30過ぎの、仕事のできる男はみんなそんなものですよ・・、
でも、男は元々みんなスケベーですから、
その気にさせれば、毎日でも頑張るものです」

「・・・・・・・」

期待と疑惑の入り混じった表情で沙織が佐王子を見ています。

「私はその道のプロですから、
これだけは自信をもって、断言します‥、
奥様がスケベーになり、
色っぽく旦那様に迫れば、
毎晩でも旦那さんは挑んできますよ‥」

「そうだとうれしいけど‥、
先ほど言いましたようにセックスは大好きで・・、
根はかなりスケベーだと思います‥。
でも・・、その気持ちを表に出す方法を知らない‥。
どうすれば、良いかしら…」

沙織は可愛く首をかしげています。

「ここは先ず、奥様が高度なセックスの技を習得されて・・・、
その技を旦那様に披露する・・、
旦那様は歓喜して、毎晩奥様を抱くようになる、
仕事を途中で放り出して、早く帰宅するようになります。
及ばずながら、セックスの修行でしたら、私が力を貸すことが出来ます‥」

「エッ・・、本当ですか…、
でも・・、セックスの修行って・・・、
どうするのですか・・・」

目を輝かせているのですが、不安もあるようで、沙織は複雑な表情を浮かべ佐王子を見つめていま
す。

「私の店で一、二ケ月、アルバイトするのです…、
実際にお客をとって、サービスをすることになります‥」

「それって・・・、
知らない人と・・、あの・・、
知らない男の方に・・・、
抱かれると言うことですか…」

「そうです…、
日に数人の男に抱かれるのです‥、
多分・・、
奥様の体はめちゃめちゃに弄ばれるでしょう・・、
アソコ・・、奥様のオマ〇コが変形するほど・・・、
男達のチ〇ポを、何本も・・・、
突っ込まれることになります…」

沙織の様子を見て、ここが攻め時だと判断したようで、身を乗り出し、ほとんど沙織の顔に接するほ
ど顔を寄せ、彼女の耳に口を近づけ、卑猥な言語を多用して佐王子は説明しています。喫茶店の中、
周りに他の客はいませんから、沙織も恥ずかしがらずに佐王子の接近を受け容れています。


[13] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/11 (水) 13:39 ID:F7BxavFg No.3251
頬を紅潮させ、沙織は瞳を輝かせて聞いているのです。佐王子が顔を接近させていることを嫌ってい
る様子は見せていません。むしろ、沙織は佐王子の体臭、肌のぬくもりを感じ取り、股間を濡らし始
めているのです。

「ああ・・・、そんな・・・、
ああ・・、私・・、
そんなこと・・・、できない…」

他の男に、それも日に何人もの男に抱かれる自分の姿を想像して、沙織は悶えています。濃い女臭が
佐王子の鼻腔を襲っています。

「ああ・・、でも・・・、
子作りのためには・・・、
我慢しなければいけないのね‥‥」

頬を染め、両手で乳房を握りしめ、身体をくねらせ、沙織は悶えながら途切れ、途切れに言葉を出し
ています。彼女の全身から欲情した香りが立ち上がっています。もう・・、沙織はすっかりその気に
なっているのです。

「佐王子さん・・、
私・・、子作りのためなら…、
どんなに辛いことでも耐えて見せます…
でも・・、本当に私に出来るのでしょうか…」

興奮で頬を真っ赤に染め、沙織は高まる不安とそれを超える興奮と必死で戦いながら話しています。

「奥様・・、
確かに、見ず知らずの他人に抱かれるのは
素人の奥様には大変なことです…
悲壮な気持ちになるのは良く判ります…」

かなり遊んでいるように見える沙織ですが、処女で結婚して、旦那以外の男を知らない筈なのです。
いきなりソープ勤めを勧められても、返答のしようがないのは当然だと佐王子は慰めています。

「旦那様以外の他の男に抱かれることに多少とも興味があれば・・、
この商売は誰にでもできる・・。
その程度の仕事だと割り切ってみてください…。
どうですか・・、少し気が楽になるでしょう‥
勿論、中には、他の男に抱かれるなどとんでもない・・、
私は嫌だと・・・、そうおっしゃる女性もいます…
奥様の場合はどうですか…・?」

微妙な問題をさらりと投げかけています。

「私…、
先ほど言いましたように・・、
自分のこと・・、
かなりスケベーだと思うことが多いのです‥。
テレビドラマを一人で見ている時など・・、
浮気をするヒロインの身になって、
一人で慰めることが多いのです…、
恥ずかしいけど言います…。
他の男の方に・・・、
とっても興味があります…」

言葉を選びながら、羞恥と、それを上回る興奮で体を焼きながら、沙織は話しています。

「結構です‥、
それでこそ、私がこの方だと見込んだ女性です‥。
奥様はきっといい娼婦になります…」

わざと娼婦と言う言葉を使って佐王子が微笑んでいます。

「あら・・、良い娼婦になれるだなんて…、
私…、褒められていると思っていいのね…」

「もちろんです…、
全ての面で素晴らしいとはまだ申し上げることは出来ませんが、
こうして拝見している限りでは・・、
奥様は最高の女性だと思います‥」

「エッ・・、
外観だけは良い女だとおっしゃっているのね‥
条件付きの良い女と言うわけなのね…、ふふ・・・
本当のいい女と呼ばれるには
何が足りないのかしら‥‥」

佐王子の言葉尻を鋭くとらえて、追及しています。沙織は頭のいい女のようです。


[14] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/12 (木) 17:11 ID:iBWAuTBA No.3252
沙織の突っ込みに佐王子が笑っています。

「ハイ…、奥様のおっしゃる通りです‥
女性の良さは抱いてみないと判らない面もありますから・・、
私の店でも美人だのに、客が付かない子が時々いるのです
調べてみると・・、
アソコの具合の評判があまりよくない子だったりするんです・・」

さらりと際どいことを言って、また笑っている佐王子です。

「あら、あら…、
抱いてみないと判らないと言うわけね・・・
締まり具合とか、お汁が少ないとか、
そんなことが決め手になるのですか……」

「・・・・・・・・」

佐王子に対抗して沙織はさらに際どい言葉を使っています。すっかりリラックスして普段使わない言
葉を使って会話するのが楽しくなった様子です。佐王子は黙って笑っています。相手が調子に乗って
くれば黙って聞くのが佐王子の接客術なのです。

「実を言うと・・、
独身の頃から知りたいと思っていることがあって…・
私のアソコが名器なのかどうか・・、
ずっと知りたいと思っていたの・・
夫にも聞くことが出来ないし・・、
まして、他の男の人には聞くチャンスさえない…
女の人はみんな自分のアソコの評価が知りたいはずよ‥」

「・・・・・・・」

瞳を輝かせて沙織は語っています。佐王子は黙って聞いています。

「私・・、知りたいの・・、
自分のアソコが良いものなのかどうか知りたい…、
佐王子さんのお店では、それが商売だから・・、
アソコの評価をちゃんとしてくれるのでしょう・・
私・・、とっても興味があるの…」

佐王子に顔をまっすぐに見つめて、沙織が言っています。笑ってはいないで、かなり真剣な表情で
す。どうやら沙織は佐王子の店ではソープ嬢のアソコの具合をランク付けして、公表していると思い
込んでいるようです。沙織の挑戦的な視線を受けて、佐王子はそっと視線を外しています。

「奥様のアソコが名器かどうか、
私達にそのことを判定する能力はありません。
店の女の子たちのアソコの良し悪しをランク付けなどしていません」

「あら・・、
そうなの・・、
案外遅れているのね…」

笑みを浮かべて沙織が言っています。佐王子はただ苦笑するだけです。

「奥様のアソコのランク付けはしませんが・・、
仕事のことはしっかり教えます。
奥様はほとんど何もご存じないと思いますので、
仕事を始める前に、私の店で訓練していただきます・・・、
訓練が終われば、もう大丈夫です‥」

アソコが名器なのかどうか判定してほしいと、沙織のかなり挑発的な質問を発しているのですが、
それには直接答えないで実務的な話に移っています。


[15] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/13 (金) 14:08 ID:scrFPQsc No.3253
記事番号3252を一部修正しました。

事前訓練の話題が出ると、先ほどまで興味を見せていたアソコのランク付けのことは沙織にとってど
うでもよくなった様子です。事前訓練の話題に目を輝かせています。

「事前練習するのですね、
ああ・・、良かった・・、それなら・・、安心です…
私・・、主人しか知らないので…、
他の方を上手く受け容れることが出来るのか心配なのです‥、
特にサイズの問題など、とっても心配です…」

「サイズですね・・・、
確かに大小さまざまで・・、
中にはとんでもなく大きなモノもあります‥」

「やっぱり・・・
それが心配なのよ…」

不安があたり、複雑な表情を沙織が浮かべています。

「二日ほど、私の店で事前練習すれば・・、
奥様はどんな大きなモノでも、
飲み込めるようになります」

「本当ですか…」

「はい・・、保証します、
女性はみんな許容度が大きいのです。安心してください」

「よかった・・」

「数日訓練を続ければ・・、
奥様のアソコは一気に成長して、
日に数本のアレをたべることができるようになります」

「ああ・・、そんな・・・、
毎日、数本ですか…、
その・・、おチ〇ポを食べるのですね…
ああ・・、凄い・・、そんな体になれるかしら…」

「奥様なら問題ありません、
すこし訓練すれば大丈夫です‥。
よろしければ、私自身が奥様を鍛えます‥。
私のチ〇ポを使って・・、
奥様にいろいろ教えます・・・」

「ああ…、佐王子さんに・・・、
あなたに抱かれるのですね…
何だか・・、変な気持ち…」

話の展開次第では、佐王子に抱かれる可能性が高いと、期待はしていたのですが、はっきりとそのこ
とを言われると、目の前にいる佐王子の顔をまともに見ることが出来ないのです。視線を落とし、体
の奥から湧き上がる熱い感情に沙織は身を任せ夢心地になっていました。

「ああ・・・、そんなこと・・、
考えてもみなかった・・・・
ああ・・・、どうしょう・・」

座っている椅子を濡らすほど愛液があふれ出ているのです。沙織は完全に舞い上がっているのです。
この機を逃がすはずがありません、佐王子はますます顔を近づけ、今は沙織の耳たぶを舌で舐めるほ
ど近づいているのです。舌が肌に触れるたび、沙織の体が震えています。女の全身から欲情臭が漂い
出ています。


[16] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/15 (日) 14:14 ID:1SNLr8vE No.3254
沙織は完全に佐王子の手中に堕ちた様子です。

「そうです‥、私がご相手します…、
奥様がいっぱい潮を吹いて気絶するまで・・、
突いて・・、突きまくります…
今まで旦那様では味わえなかった世界へ連れてゆきます」

「ああ・・、嫌、嫌…、
そんなこと言わないで・・、ああ・・・」

沙織は完全に正気を失いつつあります。自ら男の頬に自分の顔を押し付け、囁くように甘い言葉を発
しているのです。

「奥様…、
ここでショーツを脱いでください…」

「エッ・・・、
ショーツですか…、
どうしょう・・、普段履きですから・・・
とても・・、差し上げるほどのモノではありません‥」

ショーツを脱げと言われて、ショーツそのものを佐王子が欲しがっていると沙織は誤解した様子で
す。

「ショーツをいただくつもりはありません…
オマ〇コを拝見するのです…
これから、私の会社で働くための入社テストをいたします。
そのつもりで、素直に従ってください…
ここなら、人に見られる心配はありませんから・・・」

「ハイ…、判りました…」

幼稚園や、学校から子供たちが帰って来る時間なのでしょう、先ほどまでいたママ・グループは一組
を残してすべて引き上げています。沙織の席は一組残っているママ・グループからは柱で死角に
なっていて、彼女の姿は彼女たちから見えないはずです。

立ち上がり、ゆっくりとスカートを腰までまくり上げました。普段履きの白い普通のショーツが顔を
出しました。股間にかなり広いシミが広がっています。ためらわないでショーツを脱ぎ取り、バッグ
に入れています。

「足を一杯開いて・・・、
そう・・、指をオマコに入れて・・、
そう・・、二本だ・・・」

椅子に座り、足先をテーブル面まで持ち上げ、素直に指を挿入しています。濡れた股間がアヌスまで
丸出しです。

「合格です…。
私の会社で働くために必要なモノ・・・、
裸を曝す勇気とそのことを楽しむ才能を奥様はお持ちです。
ここまで出来るのですから…、
明日からでも、奥様は私の会社で働くことが出来ます。
どうか足を下ろしてください…、
これ以上、そこ見ていると、私のここが・・・・
ほら・・、爆発しそうですから…」

そう言いながら、チャックを開け、立派になった男根を指で引っ張り出しました。

「ああ…、凄い・・」

「なあに…、
並のサイズですから・・、
威張れる品ではありません…、
さあ・・、ここでは、これくらいでいいでしょう・・、
奥様の淫乱度検定テストは終わりです‥、
脚を下ろしてください…」

男が男根をしまい込むのに合わせて、女も脚を下ろし、立ち上がりました。


[17] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/16 (月) 11:18 ID:5tS4Y4Lg No.3255
男がテーブルの上にあるおしぼりを手に取り、女に黙って差し出しました。男の意図が判ったのでし
ょう、女は恥ずかしそうに頷き、おしぼりを受け取り、もう一度、スカートの裾を腰までまくり上
げ、腰の部分に裾を挟み込みました。

女の両脚、股間の陰毛、亀裂が男の視線にさらされています。女は少し腰を落とし、両脚を一杯開き
ました、亀裂から汁が床に、一滴、二滴と滴り落ちています。亀裂に沿って丁寧にタオルを使ってい
ます。タオルの一部が亀裂に埋没して、女がタオルを動かすとヒラヒラがタオルに引っ掛かり、めく
れあがっています。男はじっとその光景を見ています。女は見られるのを楽しんでいる様子です。

丁寧に、少し時間をかけて、その部分を綺麗にした女は、股を緩めた姿のまま、少し腫れぼったい亀
裂を男の視線にさらしたまま、にっと笑みを浮かべて、濡れたおしぼりを男の手に戻したのです。男
はそのおしぼりを広げ、自分の顔に押し付けしばらくその香りを楽しんでいます。その様子を女は恥
ずかし気な様子を見せ、笑みを浮かべて見ています。

男が椅子から立ちあがり女の前にかがみ込みました。女は腰を前に出すようにして、その部分を男に
見せるようにしています。そっと指を亀裂に埋没させています。女は嬉しそうに顔をゆがめて、声の
無い喘ぎを出しています。

ほんのわずかな時間、指を入れた後、男は立ち上がり、手の指を鼻に近づけ大きく息を吸い込み、何
度も頷き、そして、さらに濡れた指を口に含んで女の汁をゆっくり味わった後、タオルで指を拭きな
がらつぶやきました。

「香りも、締まりも、そして濡れ具合も・・・
一流品だ…、味は・・、少し塩っぽいかな…」

女はスカートの裾を下ろしながら、男の様子をじっと見つめています。男のつぶやきは女には届いて
いないはずです。女の瞳がしっとりと濡れています。

「失礼ながら、奥様のオマ〇コは一級品です。
私の店などではもったいない程です…。
ところで・・・、
私の方はいつでも構いませんが・・、
何時からお店に出ますか…」

「ありがとうございます…、
早い方がいいと思のですが・・、
主人のことが気になるのです…」

「当然ですね‥」

「主人に話した方が良いのですか、
それとも、黙ってお店に出た方がいいでしょうか‥」

「そこは何とも言えません・・、
私の方はどちらでも構いません・・」

少し突き放した口調で佐王子が話しました。

「私…、夫に何もかも話します…」

何事か決心した引き締まった表情で沙織が言いました。

「今日、佐王子さんに出会った経緯から・・、
佐王子さんに教えていただいた子作りの極意、
そして、私がソープ嬢入社試験で・・、
淫乱度テストを受けたこと・・、
佐王子さんにアソコを露出したことまで、
全部・・、全部・・、
夫に話して、許可を求めます‥」

「旦那様は許可を与えると思いますか…」

「多分・・、最終的には・・、
許可を与えると思います…、
もし・・、彼が返事を渋るようでしたら…、
私も覚悟を固めます…」

最後の言葉を無表情で言い放ちました。佐王子は沙織の並々でない覚悟を汲み取りました。


[18] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2019/12/23 (月) 11:20 ID:fQFZaLrs No.3256
「佐王子さん・・、
今から少し時間がいただけますか…」

「・・・・・・・・」

佐王子の顔を真正面から見つめ、沙織がはっきりと言いました。緊張と、情欲の高まりで、沙織の表
情が神々しく輝いているのです。佐王子はうっとりとその美しさに見とれながら、黙って頷きまし
た。

沙織が先に席を立ち、二人で店を出ました。佐王子がレジを済ませる間、沙織は店の前でぼんやりと
立っていました。その気になって見ると薄手のスカートのところどころにシミが広がっているので
す、ショーツをつけていないはずです、興奮と期待で濡れ始め、愛液が太ももとを伝い、降下を続け
ているはずです。女はそのことを気にしている様子はありません。

佐王子は沙織の姿を視野に捕らえながら、自分の店のスタッフに電話して、三時間ほど店に戻れない
旨連絡しました。

マンションのエレベータに乗りました、エレベータ内は二人きりでした。沙織の部屋は18回です。
エレベータの扉が閉まると、その時を待っていたのでしょう、沙織が佐王子の首に両手をかけて、ほ
とんど噛みつくように唇を吸い始めました。狂ったように体をくねらせ、全身を男の体に絡みつかせ
ています。唇から大量の唾液があふれ出し、男の顔を濡らし、床に糸を引いて落下しています。沙織の激しい息遣いだけが室内に広がっています。

「あふ・・・、
佐王子さん・・、
欲しい・・、
抱いて欲しい・・、今すぐ…」

佐王子の両手がスカートの裾をまくり上げました。先ほど喫茶店でショーツを取り除いていますの
で、白い臀部が露出しています。優しく、激しく撫ぜています。両脚を開いて沙織は股間を佐王子の
太ももにこすりつけて、腰を妖しく振っています。愛液が男のスラックスを濡らしています。

18階に着きました。薄暗い廊下を通って沙織の部屋の前に着きました。急いで扉を開けて二人はも
つれあうように部屋になだれ込みました。

入り口を入ると直ぐに広い居間です、スカートを脱ぎ捨て、ブラウスをはぎ取り、ブラを投げ飛ば
し、沙織は一糸まとわない姿になり、佐王子に飛びついてきました。

「5時までなら大丈夫です・・、
それまで・・
私を抱いて・・・、
メチャメチャにしてください…」

佐王子の耳にかじり付いて、沙織が悶えながら大声で懇願しています。女の体を優しく受け止め、佐
王子は女の要所、要所を愛撫しながら衣服を脱ぎました。

「これが欲しいの…
初めて見た時から・・、
欲しくて、欲しくて・・」

全裸になった男の体を見て沙織が興奮しています。跪き、両手で男根を握り、迷わずその先端を頬ば
っています。

男根を散々にしゃぶりつくした沙織は、盛り上がってくる欲望に堪えられないように両手両足を一杯
開いて絨毯の上に体を投げ出しました。

「佐王子さん・・・、
抱いて・・、
チ〇ポ欲しい・・、
ああ・・、チ〇ポ欲しい…
ここに入れて…、入れて…」

両脚をいっぱいに開き、佐王子に向かって両手で亀裂を開き、内部のサーモンピンクまで曝しだして
います。


[19] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2020/01/14 (火) 13:02 ID:nAxvjTqg No.3257
佐王子が洗面所から数枚のバスタオルを持ってきて床に敷きました。体液で絨毯を汚すことを恐れて
のことです。沙織の旦那にはまだ二人の絡みを知られたくないのです。それから二時間、二人は奇声
を上げ、床をのたうち回り、体中の水分を全部吐き出したのではと思うほど沙織は愛液を吐き出しま
した。

彼自身が言う通り、佐王子の男根はそれほどの技物ではありません、ごく普通サイズです。ただ、さ
すがに裏の社会で名前が売れているだけのことはあって、その硬度は凄いのです。そして決して柔ら
くならないのです。軽く二時間は挿入したまま最高の硬度を保つことが出来るのです。

この技物で攻められると女性はたまりません。普通の女は勿論、巨大な男根に慣れた女であればなお
さら、女たちは最後には気絶することになるのです。最初は通常のセックスと思ってそれなりに対応
しているのですが、最初の挿入から30分も過ぎたあたりから事情が変わってきます。

「あれ・・・れ・・・、
いつまでも硬い・・、
それにこの香り・・なによ・・」

佐王子の体臭は通常は他人が気にするほどではありません、それが、彼が興奮してくると段々に強く
匂うようになり、最高潮になると同性は顔をしかめ、異性は顔を輝かせるようになるのです。

強い香りに包まれ、最高の硬度を保った男根でオマ〇コを抉られるのです、それが延々と二時間続く
のです。その間、この道で鍛え上げられた佐王子の舌、両手、いえ彼の全身が女をなぶり続けるので
す。堪ったものではありません。

「死ぬ…」

そう叫んで女は四肢を投げ出し、股間から潮を噴き上げ、唾液を一杯吐き出し、白目をむいて気を失
います。それで許してもらえると思う女は佐王子の底力を知らない人です。

佐王子は気を失った女をそこで放置しません、さらに攻めるのです。股間に食いつき長い舌を縦横に
動かして女をなぶり続けるのです。やがて、女の本能がオマ〇コから先に目覚め、正気はないのに、
女体だけが敏感に反応するようになります。こうなると女は俗に言うセックスマシーンに変身しま
す。日ごろは口に出せない卑猥な言葉を吐き出しながら、貪欲に快楽をむさぼるようになるのです。
そんな状態に陥った女体に衰えを感じさせない硬い男根が躊躇なくこじ入れられるのです。女はまた
絶叫の渦の中へ放り出されます。二時間余、この繰り返しが少なくとも5度続きます。

沙織は二時間以上、佐王子に責められました。最後には四肢を開き、裸体を投げ出したまま、深い眠
りに陥りました。女の体にバスタオルをかけて、佐王子は金倉家を出ました。もちろん沙織は知りま
せん。夕方6時ごろ、沙織は目覚ましの音で起こされました。旦那の帰りの時間を聴きだしていた佐
王子が仕掛けておいたのです。


[20] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2020/01/16 (木) 13:40 ID:5tS4Y4Lg No.3258

それから二日後、沙織から佐王子に連絡が入り、その日の内に沙織は佐王子の店へやってきました。
その日と、次の日、佐王子や、スタッフからソープ嬢の基本を教えてもらい、入店して三日目から、
沙織はお店に出ました。

最初のお客は恒例通り佐王子の息がかかった遊び人の武藤で、沙織は3時間余り武藤に翻弄されまし
た。もちろんこんなすごい男に抱かれたのは沙織にとって初めての経験です。自分の部屋でほとんど
気絶して、裸で倒れているところへ、仲間のソープ嬢、佳代が様子を見に入ってきました。

「あら、あら、思った通りね…・、
大丈夫…?
それに・・、凄い匂いだね・・・、
あの人に抱かれると誰でもこうなるのよ・・・」

武藤の男根で貫かれ、気を失ってしまい、彼が部屋から出て行ったことも気がつかなかったのです。
ぽっかりと口を開けた膣から濁った愛液が流れ出しています。愛液で濡れた体から、男女の愛液が混
じり合って異様な匂いが発散されています。

「ああ・・、佳代さん…
ああ・・、ダメ…・、立てない…・」

起き上がろうとして、腰が立たなくて両脚を宙に浮かせて背中を下にしてベッドに倒れ込んでいま
す。倒れたはずみで股間から、白く濁った愛液の名残が床にしたたり落ちています。

「ああ・・、無理しなくてもいいよ・・、
そのまま、そのまま・・、
横になっていると直ぐ立ち上がれるようになるから・・、
足腰がしびれて、使い物にならないだけだからね‥」

笑いながら佳代が歩み寄って、優しく沙織の体に触り、ベッドに横にならせています。

「凄い悲鳴が廊下にまで聞こえていたから心配していたのよ‥
多分・・、気を失っていると思っていたけれど・・、
案外元気そうで、安心した…」

濡れた沙織の体をタオルで拭きながら佳代が優しく声をかけています。四肢を緩めて、沙織は佳代に
全身を預けています。

「あの人は特別・・、
あの人に抱かれると、その日は仕事にならないのよ‥
事前に教えておけばよかったわね・・・、
でも・・、いい経験をしたでしょう…」

男根が太く長いのを武藤は売りにしていて、店でも女の子たちは彼の相手をすると、その後のお客が
つまらなくなり、商売に影響するので彼を敬遠する傾向があるほどなのです。

「ハイ・・、こんな思いをしたのはもちろん初めてです。
武藤さんとのセックスに比べれば、
夫と私のセックスは子供の遊びでした…」

横になったまま沙織が答えています。

「佳代さん・・
私、この商売に入ったことを先ほどまで悩んでいました。
でも・・、武藤さんに抱かれて、その悩みは消し飛びました・・。
今は・・、むしろ、感謝しているのです。
だって・・、この喜びを知らないで女の一生を終えるなんて・・、
考えるだけで、恐ろしい気持ちになる・・。
この世界に入ったことに感謝しています」

「沙織さんは変わっているね・・・、
そんな風に、肯定的に考える人って珍しい・・、
でも、私達の世界をそのように言ってくれる人が居てうれしい‥」

この世界に長くいる佳代がにっこり微笑んでベッドに寝ている沙織の頭を撫ぜながら言いました。
佳代のアドバイスもあって、その日沙織は次のお客をとらないで、ふらつきながら自宅へ帰ったので
す。

週に二度ほど、三ケ月間、計30日ほど店に出て、総計70人近いお客をとりました。今ではナンバ
ーワンを争うほどの人気嬢になっています。初回にノックアウトされた武藤とさえ、互角に立ち会う
ことが出来るようになっているのです。


[21] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2020/01/25 (土) 14:02 ID:wk5ZMaiQ No.3259

沙織がお店に勤め始めて3ケ月経ったある日の午後、店が一番暇な時間帯を見計らって沙織と彼女の
夫、金倉道夫の二人が佐王子を訪ねてきました。金倉道夫は同期のトップを切って、本省の課長に出
世しています。その忙しい中、休暇をとって佐王子を訪ねてきたのです。

雑然とした店長室兼応接間に入ると、店長の佐王子と、彼の右腕である副店長の桜井進、そして、ベ
テランソープ嬢の佳代が何事か仕事の話をしている最中でした。来客を見て桜井と佳代が席から離れ
ようとした時、佐王子が引き留めました。面会を求めてきた沙織の用件は未だ聞いていないのです
が、佐王子には十分に彼らの訪問目的が予想できたので、二人を引き留めたのです。もちろん沙織も
反対しません。

「本日はお忙しいところお時間をとっていただきお礼申し上げます。
お願いしたいことがあり、主人共々参りました・・
桜井チーフ、佳代姐さんにもご同席願えて喜んでおります・・」

深々と沙織と金倉が頭を下げております。

「お世話になっておりながら・・
今日まで挨拶が遅れました・・・、
沙織の夫、金倉道夫でございます…
皆様にお世話になっていることは沙織からよく聞かされております‥」

佐王子と金倉道夫は何度か会ったことがあるのですが、桜井と佳代は金倉とは初対面です。

「ご丁寧なごあいさつ恐れ入ります、副店長をやっております桜井です」

「沙織さんの仲間の、佳代と申します‥」

桜井と佳代が少し緊張しながら挨拶をしています。二人にとって、店でお客以外の人物に出会うのは
初めてのことなのです。場違いなところで丁寧な挨拶を受け慌てながら頭を下げている二人を見て、
笑いながら佐王子が口を開きました。

「面白いね・・、
この商売は長いが・・・、
このような光景を見たのは初めてだよ・・・
実に面白い…
アッ・・、こんなこと言ってまずかったかな・・・・」

何か面白い現象を見つけて、そのことをみんなに知らせたくて、がまんできなくて、口を開いた感じ
です。仲間同士であればそのまま話を続けたはずですが、金倉が居ることにその時になって気がつい
たのです。

「ああ・・、私としたことが・・、
お客様の前で・・・
うっかり、口が滑りました・・・・
今言いかけた私の言葉は忘れてください…」

失言に気がつき、その先が続けられなくなり、口をつぐんでいます。

「いいんですよ・・、
気にしないでください…。
遠慮なく言ってください・・・、
その方が、気が楽ですから‥
ハハ・・・・」

金倉が面白そうに笑っています。さすがに頭の回転が速い金倉です、佐王子が口をつぐんだその先を
的確に読んでいる様子です。

「いや、いや・・、
金倉さんにはかないませんね・・、
私の失言を見抜かれてしまいましたね‥‥。
ハハ・・・・」

ここまで来ても、沙織と佳代は佐王子と金倉が笑い合っている内容が良く理解できない様子です。曖
昧な笑みを浮かべて佐王子に問いかける表情を浮かべています。


[22] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2020/01/29 (水) 14:30 ID:GUEknb9w No.3260
「おそらく、家の子の旦那様がこの事務所に入ったのは・・
金倉さんが初めてだと思います‥。
まして、礼儀正しく店の関係者とあいさつを交わすなんて、
これまでも、これから先も、絶対起こりえないことだと思います。
これは奇跡と呼んで差し支えありません‥。
何か、お祝いをしなくてはいけませんね‥、ハハ・・・」

佐王子が説明しています。

「そう言うことだったのね・・、
確かに…、店長の言う通りだね・・・、
家なんか・・、
いまだにスーパー勤務だと思っている・・」

佳代が笑って納得しています。笑いが広がったことでこの場に穏やかな雰囲気が漂っています。その
場が和んだ雰囲気を察知して、沙織がゆっくりと口を開きました。

「三ケ月前の私は本当に何も知らない、何もできない女でした。佐王子さんをはじめ、お姐さん方、
スタッフの皆様のおかげです。三ケ月間お世話になり、70人を超えるお客様の相手をすることが出
来ました。自分なりに、セックスとは何か、どうすれば男の方を喜ばすことが出来るか、少し判った
気がしています。まだまだ未熟者ですが、残された時間が私にはそんなに多くないのです…。
ここらで、次のステップに移ろうと夫と話し合い、今日こちらを訪ねました・・・」

金倉夫妻が深々と頭を下げています。

「勝手ですが、
今日でお店を辞めさせていただきたいのです。
当初計画通り、子作りに入る予定です…。
無事目的を果たした後は・・、
その時に考えるつもりです・・」

子作りが円滑にできるセックスの技を習得するという当初の目的がほぼ達成されたので、仕事を中断
することにしたいと沙織は申し出たのです。しばらく自宅で休養して、体がきれいになった頃を見計
らって子作りに入る予定だと、付け加えました。

仕事を中断して一ケ月後、見事沙織は妊娠しました。そして10ケ月後、元気な女児を出産したので
す。名前は金倉保子と命名されました。佐王子保の名前から一字もらったのだと金倉夫妻はみんなに
言っています。その上、夫妻の両親が共に早くに亡くなっている金倉家では、時折訪ねてくる佐王子
を「おじいちゃん」と呼ばせています。佐王子もそう呼ばれるのを喜んでいる様子で、忙しい中に時
間を作って、保子に会いに来るのです。

長女を出産した後、一年ごとに長男、次女と、倉田夫妻は三人の子宝を授かりました。

そしてそれから10年が過ぎ、沙織は43歳になりました。この時、夫、道夫は事務次官コースの最
終関門である局長にまで登っています。長女保子は中学三年生、13歳になりました。母親似の豊満
な肉体と美貌を受け継ぎ、父親からは素晴らしい頭脳を譲られたようです。どこに居てもその周りが
幸せを感じる、そんな綺麗な女子中学生に成長しました。長男は10歳、末っ子の次女は9歳になり
元気に小学校に通っています。


[23] フォレストサイドハウス(その25)  鶴岡次郎 :2020/02/05 (水) 16:57 ID:LRtNGENE No.3261
この頃、沙織はある決心を固めつつありました。13年前に足を洗ったソープ業界に戻る夢を実現し
たいと思い始めていたのです。夫、道夫にも正直に相談しました。

「沙織がソープ業界復帰を夢見ていることは以前から気づいていた。
これまで我慢してくれたことに感謝する。
人生は一度だけだ・・・、
これから先は、沙織の思う通り生きてほしい‥。
私が出来ることがあれば何でもするよ…」

金倉道夫は全面的に妻、沙織のわがままを許すと言いました。

13年前のわずか三ケ月間、その間獲ったお客は70人足らず、沙織はこの思い出をいつも胸の奥深
くに抱いて来ました。確かに、優しい夫と三人の子供と一緒に暮らす生活は充実していて、やりがい
のある人生でした。ソープ業界に戻ることを考える暇がない程充実していました。しかし、子育てが
一段落すると、忘れていた13年前のことを鮮烈に思い出す時間が多くなったのです。体の奥からあ
の日々の快感が湧き上がってくるのです。沙織は行動を開始しました。

佐王子の店は13年前と同じ場所に少し外観の姿を変えて建っていました。ほとんど当時と変わらな
い元気な姿で60歳を超えた佐王子が沙織を迎えてくれました。再デビュウーの申し出を受けて佐王
子はそれほど驚いていませんでした、むしろ予想より数年遅かったと思っていたのです。

43歳で再デビュウ―して55歳を超える頃まで現役として働きました、金倉道夫との夫婦仲も良
く、道夫が事務次官になった時、50歳の沙織は現役ソープ嬢として働いていました。佐王子の死後
はその店を引き継ぎ、80歳近くまで沙織はオーナとしてその店の切り盛りをしました


[24] 新スレを立てます  鶴岡次郎 :2020/02/05 (水) 16:58 ID:LRtNGENE No.3262
新しい章を立てますので新スレに移ります。ジロー


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