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フォレストサイドハウス(その26)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2020/02/13 (木) 14:58 ID:scrFPQsc No.3263
金倉沙織の物語が終わりました。次に紹介するのはその金倉沙織が脇役で登場する短編です。相変わ
らず平凡な市民の日常を描いた物語です。ご支援ください。


毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。また、文中登場する人物、団体は全て
フイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用す
ることになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意しますが、気を悪くされることもある
と存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭または文末に下記のように修正連絡を入れるようにしま
す。修正連絡にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。
〈記事番号1779に修正を加えました。2014.5.8〉


[2] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/02/13 (木) 15:02 ID:scrFPQsc No.3264

安田郁子の場合

午後一時過ぎ佐王子の携帯が鳴ったのです。Y市にある店、その店長室で遅い昼食になる笊そばを啜
っている時、携帯が鳴ったのです。何台かの携帯を持っていて、特別の電話器が鳴っているのです。
電話の相手は佐王子傘下の女達かそのお客達に限られています。もちろん佐王子にとって最優先の相
手です。すぐに取り上げました。

「佐王子さん・・・、郁子です
助けて・・・、主人が帰って来る・・」

電話の主はSFマンションで自宅売春をさせている女、安田郁子からです。40にはまだ手の届かな
い小柄ですが肉感的ないい女です。初めて佐王子に抱かれた時大量の潮を吹いて果て、その味が忘れ
られなくて進んでこの商売に入ったのです。

午前10時ごろ彼女の自宅へお客を送り込んだばかりで、午後3時まで客は部屋に居ることになって
います、正午を過ぎた今頃は仕事の最中に違いないのです。おそらく深く挿入されてのたうち回って
いるところへ、旦那から電話がかかって来たのでしょう。あっけにとられているお客の傍で、パ
ニックに陥って、濡れた体のままうろたえている郁子の様子が佐王子にはその場にいるように読める
のです。

「落ち着いて・・、
ご主人は今どこにいるの…」

「近くの○○駅に着いたと連絡がありました。
私達、その最中だったので・・、
裸ですし・・、部屋の中は乱れています…
もう・・、間に合わない…
どうしょう・・・」

「郁子さん・・、
ご主人がお宅に着くまで12分あります。
何とかなります。
今から言う通り動いてください・・
良いですね…
私が必ず救い出しますから、
とにかく落ち着いて、良いですね・・」

「ハイ…」

佐王子の落ち着いた声を聴いて、郁子は幾分か冷静になった様子です。


[3] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/02/25 (火) 11:35 ID:wk5ZMaiQ No.3265
「お客様に迷惑をかけないことが一番大切です。
ここでうろたえないことです‥。
お客様に正直に事情を説明してください・・・」

「はい・・」

「そして、どんなことがあっても・・・、
私、佐王子がお客様の安全を守ると伝えてください・・。
その一言でお客様は落ち着くはずです。
判りましたね・・・」

「はい・・」

「さあ・・、お客様に身支度をしてもらってください‥。
衣類、持ち物など何も残さないよう、注意してください。
さあ・・、落ち着いて始めてください・・・・」

「はい・・」

「ああ・・、
あなたは裸のまま、そのままで結構です・・、
お客様を送り出したらシャワー室へ急行してもらいますから・・」

「はい・・、判りました・・・」

「三分後に連絡を入れます
携帯は空けておいてください・・・」

60歳代のお客は急ぎ身支度を始めました。最初の電話から正確に3分経った時、郁子の携帯が鳴り
ました。この時、郁子の旦那がマンションに到着するまであと8分に迫っていました。

「一度しか言いませんから、いいですね‥」

「ハイ」

「お客様の身支度は終わっていますね…」

「ハイ・・・」

「ベッドは乱れたままで結構です・・」

「はい・・」

「では・・、
携帯電話を繋いだままにして二人で玄関に行ってください…」

「はい・・」

裸のまま、郁子はお客を玄関まで案内しました。

「ピンポーン・・・」

間をおかず玄関の呼び鈴が鳴りました。郁子が確かめると顔だけは知っている金倉沙織が立っていま
した。

「1815号室の金倉です・・。
佐王子さんの指示で参りました・・」

「ああ・・、
そう・・、そうですか・・」

「そのまま・・、
裸のままで扉を開けて下さい、
事情は全て判っていますから・・・
急いでください…」

「はい・・・」

扉が開き、裸のままでいる郁子とお客の60近い禿げ頭の男性が心配そうな表情を浮かべて沙織を迎
えてくれました。


[4] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/03/15 (日) 15:55 ID:1SNLr8vE No.3266
自宅売春を続けていると郁子に起きたような突発事情は必ず発生します。それに備えて、佐王子は日
ごろから対策を準備して、傘下の女達に伝えています。一番確実な方法は同じマンションに住んでい
る傘下の別の女に指示して、お客を迎えに行かせ、その女の部屋に案内して、ほとぼりが冷めた頃に
マンションから脱出させることです。

近くに都合のいい女が居ない時は、次善の策として、ひとまずお客を一階のロビーへ向かわせて、そ
の場に待機させておき、佐王子の息のかかったスタッフが迎えに行くことにしています。

郁子から連絡を受けて、佐王子は直ぐに金倉沙織に連絡を入れました。金倉沙織の家と安田郁子の家
は廊下を徒歩十数歩の距離です。沙織が不在であれば、お客一人で一階のロビーへ向かわせる最後の
手段しかないと佐王子は祈るような気持ちで沙織の携帯に電話を入れました。この時郁子の緊急連絡
を受けてからすでに8分経過していました。郁子の旦那はもうすぐマンションに到着するはずです。
マンションに慣れないお客一人でロビーへ行かせるのはかなり冒険ですし、何よりもお客を不安にさ
せ、佐王子が信用を失うことがまずいのです。

幸い沙織は在宅でした。佐王子から事前教育を受けていて、沙織も郁子も今回のような事情が発生し
た場合はお互いに助け合うことになっているのを知っています。佐王子の話を聞いて沙織は全ての事
情を理解しました。そして、自宅から駆け出し、郁子の部屋の前に行きドアーホーンを押したので
す。

最小限の衣類を身に着け、残る衣服や、靴、カバンなどをかき集めたのでしょう、ワイシャツの裾が
ズボンからはみ出した乱れた姿の60男は荷物を両腕に抱えています。沙織はその荷物の一部を奪い
取るように取り上げ、一口も言葉を発しないで60男の腕を引っ張って、十数歩離れた金倉家に連れ
て行きました。マンションの薄暗い廊下は住人しか通りませんから、この時間帯ですと、誰かに見と
がめられる可能性はゼロです。

男を送り出した郁子は、握りしめている携帯電話の先に居る佐王子にお客を無事沙織に引き渡したこ
とを告げました。

「そうですか・・、良くやり遂げました・・。
もう・・、大丈夫です。
お客様のことは私達で対応しますから、安心してください。
直ぐに、シャワー室へ駆け込んでください・・、
歩きながらでいいですから聞いてください、最後の仕上げの方法を教えます・・・」

佐王子は何事か郁子に伝えました。真剣な表情で郁子はシャワー室へ歩きながら聞いています。一分
ほどで電話が終わりました。郁子は裸のままで寝室へ駆け込み、大車輪で部屋を片付け、消臭剤を振
りまき、その後シャワー室へ飛び込みました。シャワー室の扉が閉まって一分後、郁子の旦那、安田
太郎が玄関ベルを鳴らしたのです。濡れた体をバスタオルで覆って郁子が悠然と玄関ドアーを開けま
した。

「お帰りなさい…、
あなたが帰って来るから・・・、
体を綺麗にしておこうと思って・・」

そう言いながらバスタオルを床に落としたのです。未だドアーの外に立っていた太郎は少し驚いてい
ますが、視線は郁子の裸体に向けて、笑みを浮かべているのです。

「ネエ・・、
あなたの電話を受けたら我慢できなくなった・・‥
変ね・・、私・・、スケベーになったのかしら…
さあ・・、留守の穴埋めを・・、たっぷりしてもらうわ…」

そう言って、郁子は夫の首に両手を絡めて、部屋に引き込んだのです。太郎は笑みを浮かべながら、
妻の唇を受け止めています。出張から帰ってきた夫をこんなに情熱的に迎えてくれるのは、新婚時代
以来のことです。それでも悪い気分ではないのです。部屋にこもっているはずの他の男の匂いなど郁
子の放つ淫臭でかき消されているのです。


[5] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/03/16 (月) 16:06 ID:5tS4Y4Lg No.3267
「シャワーの途中で旦那様は帰って来るだろうから、精いっぱいお色気を発散させて、その気にさせ
てください・・・、あとはいつも以上に丁寧にサービスしてください…」と、佐王子は郁子に伝えた
のです。

太郎は全裸の妻をお姫様抱っこして、居間を横切り、寝室へ入り、ベッドに優しく寝かせました。そ
して、いつものように郁子の大好物であるあの愛撫を与えるため、股間に顔を寄せようとしました。

「アッ・・、いけない…!
ううん・・、今日は・・、私はいいの‥」

股を閉じ、珍しく郁子はその愛撫を拒否したのです。

「久しぶりだから…
私に・・、しゃぶらせて・・
ハイ・・、裸になって・・、
ああ・・、この香り・・、
待っていたのよう・・・・
あら…、坊やがこんなに大きくなっている…」

一日働いた夫の体から強い香りが立ち上がっていました。夫の脚の間に体を入れて、男根を咥え込み
ました。いつの間にかフェラの技術が格段に向上しているのを太郎は今更のように驚いていました。
一先ず危機は去りました。60男の濃い匂いが残っている陰部を夫に嗅がれることは何とか回避でき
たのです。郁子はほっとしていました。

カチカチになった男根の挿入を受けると、郁子はいつも以上に感じました。やや大げさに背を反ら
せ、ブリッジを作って濡れた女体を夫の体に絡みつかせているのです。夫はいつも以上激しく貫いて
きます。郁子は嬌声を上げて絡みついています。さらに、女が上になって攻めようとした時でした…。

「ピンポーン…」

玄関チャイムが鳴りました。郁子と太郎の体が静止しています。

「誰だろう…」

「お隣の沙織さんかもしれない・・、
一緒にお買い物に行く約束をしていたの‥
チョッと断わっておくわね…」

夫の上にいる郁子は自分のお尻を引いて、亀裂に深々と食い込んでいる男根を抜いています、中から
愛液が溢れ出て夫の体を濡らしています。夫の体の上に座り込んだまま郁子は夫の唇にキッスをし
て、立ち上がりました。愛液に濡れ、まくれ上がった陰部のサーモンピンクが太郎からよく見えま
す。淫蕩な笑みを残して郁子はベッドから降り、裸体にバスタオルをまとって寝室のドアーを開け、
その扉を開いたままにして、玄関ドアーの方向に向かいました。

大腿部は愛液でべっとりと濡れて、床に愛液のしずくが点々と落ちています。同性とはいえ、そんな
危ない恰好で応対できる仲なのだと太郎は妻の後姿を、苦笑を浮かべて見送っていました。ドアーを
開けたままにしたのは、夫に会話を聞かせる郁子の作戦なのですが、勿論気づいていません。

「あら・・、沙織さん…
先ほどはお世話になりました・・。
主人が・・、先ほど出張から帰ってきたのよ・・、
・・で、ご一緒に買いものに行けなくなったの・・。
ゴメンナサイね…」

玄関ドアーを開け郁子がバスタオル一枚の姿で沙織と向き合っています。二人とも笑いをかみ殺した
表情です。沙織が部屋を覗き込み、太郎の姿が近くに無いのを確かめて、親指を立て、首を振ってい
ます。郁子が笑顔で頷いています。太郎が居間に居なくて、低い声で話せば、会話の内容は聞こえな
いことを沙織が問いかけ、郁子が頷いているのです。


[6] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/03/22 (日) 15:17 ID:fYMycAYY No.3269
「あら・・・、そう・・・
ご主人、早く帰って来たのね・・、
良かったわね‥。
良いのよ・・、私一人で行くわ…」

太郎にも聞こえるほど大声で話しています。

「ところで、
沙織さんのところのお客様はどうしたの‥
もう・・、お帰りになったの…
何だかあわただしい様子だったけれど・・・・」

声を潜めて郁子が問いかけています。

「うん・・、そうなの、何だか忙しいようで‥
シャワーを使って・・、
身支度が終わった時、お迎えが来て、すぐに帰ったわ…。
短時間だったけれど充実した時間が持てたと、
とても喜んで帰ったわよ・・
また来たいとも言っていた・・・・」

「そう・・、
お客様、大喜びだったのね…
それは良かった・・、
きっと・・、沙織さんの接待が良かったのね‥
お疲れさまでした…」

半泣きの表情で沙織の両手を掴み、郁子が深々と頭を下げています。悪戯っぽい表情を浮かべ沙織が
何度も頷いています。


沙織が突然体を寄せてきて、郁子の体を押して部屋の中に入り込み、玄関ドアーを閉めました。そし
て、手を伸ばし郁子のバスタオルをいきなり引っ張りました。不意を突かれて、郁子はなすすべな
く、タオルを床に落とされ、全裸になっています。

「ああ・・・」

郁子の耳に口を寄せ、沙織がささやいています。

「旦那さんとやっていたのでしょう…、
このスケベー・・・!
嫌らしい匂いがいっぱいよ‥‥」

更に手を伸ばし郁子のおっぱいを乱暴につかんでいます。郁子は笑みを浮かべているだけで、沙織の
行為を止めません。

「おっぱいなんかピーンと張っている‥
ここだって・・、ほら・・、濡れ濡れよ…
ふふ・・・・・・
今までセックスしてましたと、全身で告白している・・
うらやましい・・・・」

沙織が郁子の耳にささやきながら、右手で乳房をわしづかみして、更に左手の指を陰部に入れている
のです。女同士だとやる方もやられ方も大胆です。裸の郁子が体をくねらせています。本気で抵抗す
る様子ではありません。むしろ積極的に沙織の指を受け容れているようにも見えます。全身から官能
的な香りが立ち上がっています。


[7] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/04/07 (火) 11:14 ID:xxM2pjoI No.3270
「う・・ン・・、止めてよ・・、感じるわ…
これでも必死なのよ・・、
ぎりぎりの演技をしているんだから…」

「うん・・、
佐王子さんから事情を聞いて知っている・・、
ここへ来たのも彼の指示なの…、
郁子さんの様子を見て来いと言われた…・」

「うん・・・
佐王子さんが指示した脚本に沿って、
私・・、一世一代の演技をしているのよ・・」

「えらい・・、
それでこそスケベー郁子よ・・」

「ふふ・・・、
変な褒め方ね・・、
でもうれしい…」

「それにしても・・・、
ぎりぎりセーフだったね‥
チョッとタイミングずれたらアウトだった・・」

「そうよ・・、
沙織さんのおかげだわ…、
主人から電話を受けた時は・・、
本当にどうしていいか判らなかった…
ああ…、良かった……、ウ・・・・・」

ここへ来て、郁子はやっと恐怖が実感できるようになっているのです。沙織の胸に顔をつけ、声を抑
えて泣いています。郁子の肩を優しくさすりながら、沙織は左指二本、人差し指と薬指を郁子の亀裂
に差し込み、微妙に動かせています。

「それにしても、旦那の相手もしているのでしょう…、
短時間に二人を相手にするなんて・・
よく頑張るね・・・、
ココが擦り切れるよ・・・、ふふ・・・」

「これから、もう一戦頑張るつもりよ‥
最後の仕上げをするの…
旦那をメロメロにするつもり・・・・」

「もう・・、スケベ郁子・・・!
知らない…、私だってやりたい…」

「きゃ…!
痛い、痛いわよ…」

本音ともとれる調子で沙織がささやき、思い切り郁子の乳房を握っているのです。亀裂に差し込んだ
指も乱暴に動かしています。悲鳴を上げている郁子です。

「今日は本当に助かったわ…
あ・り・が・と・う・・・・・」

郁子が沙織の耳に口を寄せ、そっと頬にキッスして離れ、扉を閉めました。扉の外に取り残された沙
織は濡れた左指を鼻先に持ってきて、その香り嗅ぎ、そして、口に運んでいます。どうやら同性の性
器の匂いが嫌ではないようです。


[8] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/04/17 (金) 15:48 ID:3OOz1h6Q No.3272
戻ってきた郁子は羽織っていたガウンを脱ぎ捨て全裸になって、太郎の傍に身を投げています。

「沙織に冷やかされちゃった・・、
無理ないわね・・、
昼間からこんな格好だものね‥」

「そうだろう・・、
そんな格好で玄関に出るのはまずいと思うよ‥」

やんわりと太郎が注意しています。

「彼女は良いのよ・・、お互い様なのよ・・・。
私が訪ねた時、しばらく待たせた後・・、
バスタオルもつけないで素裸で出てきたのよ‥」

「ヘエ・・、そうなんだ…」

太郎が興味を示しています。顔だけは知っている沙織の乱れた姿を想像しているのです。

「やってる最中に出てきたのよ‥、
目が潤んでいて、お乳が立っていた・・
アソコだって、太ももだって、びっしょり濡れていた…
あの匂いも結構鼻を突いた…」

夫を刺激する言葉を多用しています。狙い通りに夫の股間に新たな力が蘇っています。

「女同士の付き合いって、凄いね…
そう言う付き合いができるお隣さんは、
ありがたいよ・・、大切にするんだな…」

「ハイ・・、大切にします‥。
ネエ・・、今夜は外へ食事に行きましょう‥、
だから夜までは・・・、
このまま…、良いでしょう…」

首に両手をかけて、郁子が甘えています。男根の先端が郁子の臀部を突き上げるようになっていま
す。

「沙織たらね…、いやらしいのよ・・・、
私の身体から嫌らしい、匂いがすると言うのよ
自分達も昼間からやっているから、その匂いに敏感なのよ・・・」

からかうように郁子が言っています。

「出張から戻って来たあなたに・・・、
今、可愛がってもらっていると白状したわ・・・。
沙織・・、本気で羨ましがっていた…。
ネエ・・、早く・・・」

夫の唇に吸い付き郁子は甘えています。その日、日暮れごろまで二人は絡み合いました。その頃には
先客の匂いは完全に消えていました。夜になると連れ立って外食に行きました。郁子がその日売春で
稼いだお金の一部が二人の外食費に化けたのです。

それから二度ほど、今回のような事件が発生し、同じようにして沙織の助けを得て、お客を部屋から
逃がしたのです。上手く急場を逃げ切ったものの、夫を欺き通すことに邦子は段々に疲れて来ていま
した。


[9] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/05/01 (金) 10:17 ID:NO4w1sUI No.3273
傘下の女にサービスする一環で、郁子の部屋で、久しぶりに佐王子は彼女を抱きました。一ケ月ぶり
の郁子はまたまた大変な成長を遂げていました。旦那一人しか知らなかった郁子がこの世界に入って
一年、会う度にその成長ぶりに佐王子は驚かされるのです。久しぶりに佐王子は女の中に精を吐き出
したのです。彼が精を吐き出すことは稀で、良い女を相手にした時に限られます。それほど郁子は凄
くなっているのです。郁子の傍で体を投げ出し荒い息を吐いている佐王子に、郁子は低い抑揚のない
声でポツリと語り掛けました。

「何度もバレそうになって、何とか凌いでいるけれど…、
このままだと、とんでもないことがおこりそうな気がする…」

佐王子が首をひねって女を見ました。女は男の視線を感じながらも、天井を向いたままです。

「確か・・、この世界に入るきっかけは、
子作りをあきらめたことでしたね‥」

佐王子の問いかけに、ようやく郁子が佐王子に顔を向けています。

「ハイ・・・、
私は・・・、
生き甲斐を失ってぼんやり暮らしていました…。
そこを・・、佐王子さんに拾われ・・、
この世界に入ったのです‥」

「そうでしたね…」

初めて邦子に出会った時のことを佐王子は思い出していました。マンション近くの公園のベンチでぼ
んやり座っている郁子を見つけ声をかけたのです。もちろん、佐王子はハンテイング中で、郁子の容
姿を見て、一目惚れして、この世界に引き込む意図をもって郁子に接近したのです。

子作りをあきらめたことで、目標を失い生きる意欲さえ失せかかっていた郁子は佐王子の優しい言葉
を受けて簡単に堕ちました。その日の内に郁子の部屋で男女の関係を持ったのです。

「佐王子さんに抱かれ、女の喜びを知り、
この仕事を紹介され、救われた気持ちになったのは確かです…。
早いもので・・、もう・・一年になります…
でも・・、こんなことをいつまでも続けていいのかと・・、
主人を裏切り続けていいのかと・・
最近・・、特に強く思うようになったのです…」

佐王子をまっすぐに見て郁子は淡々と話しています。

「止めますか‥?」

郁子はゆっくりと首を振りました。そして視線を天井に向けました。

「もう・・、元には戻れない‥」

天井を向いたまま、郁子は言い放ちました。

「郁子さんの進む道は二つに一つです。
これまで通り、秘密を墓場に持っていく覚悟で生き抜くか・・、
もう一つの道は・・、
何もかもご主人に告白する道です・・」

真剣な表情で佐王子はゆっくりと話しました。もちろん郁子は自身の置かれた状況を良く知っていま
す。

「どちらの道が良いかしら…
これ以上、主人を裏切り続けたくない‥
でも、すべてを知ったら…、
あの人がどんなにショックを受けるか、
考えるだけでも辛い・・・、
いっそ・・、私がどこかに消えればいいのかしら・・・
ああ・・、いつもここまで来て、
決断できなくて・・、結論を先延ばしするの…、
ネエ・・、もう一度抱いて・・・・」

自虐的な笑いを浮かべ、郁子は佐王子に覆いかぶさり、男の唇をむさぼりながら、大きくなった男根
を上手く裁いて、股間に収めています。


[10] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/05/04 (月) 13:03 ID:Yn.2vmho No.3274
それから20分間ほど激しい攻防が続きました。音を上げたのは男の方でした。荒い息遣いを抑え
て、男が先ほどまでの話を続けました。

「秘密を墓場まで持っていくと郁子さんが決めれば、
及ばずながら、私、佐王子が、誠心誠意お手伝いします。
しかし、この道を選ぶと、郁子さんはこの先、長い一生、
どこへも捨てきれない、
大きな精神的苦痛に苛まれ続けることになります・・
それに堪えられますか‥‥?
難しいですよね・・・・・」

佐王子の方に顔を向けないで郁子がこっくりと頷いています。

「もう一つの道を郁子さんが選べば・・・、
ご主人の信頼と愛情を一気に失う恐れがあります・・。
生きるための経済的基盤を失うことになりかねません・・・。
その時でも、私は郁子さんを見捨てないと約束します。
精神的な救いは私では無理ですが、経済的な面では力を貸します…」

郁子と同じように天井を向かって、佐王子は言葉を出しています。郁子が離婚した場合、妻に迎える
とか、愛人関係を結ぶなどは期待しないで欲しい、働く場所を提供することは出来ると佐王子は宣言
しているのです。

佐王子の言葉に何も反応を見せないで、郁子はむっくりと体を起こしました。

「私・・、シャワーを浴びるわ・・・、
佐王子さん・・・、
もう・・、帰ってちょうだい・・・」

ベッドから起き上がり、全裸の後姿を男の視線に曝して、郁子はシャワー室へ向かいました。佐王子
に顔さえ向けないのです。先ほどあんなに悶えた可愛い女のかけらも見せないのです。いつものこと
ながら、こんな時の女の気持ちが判らないまま、取り残された佐王子は苦笑を浮かべながら、傍にあ
ったバスタオルで体を簡単に拭い、衣類を身に付けました。そして、いつもの様に、郁子には挨拶も
しないで部屋を出て行ったのです。シャワーの音だけが佐王子を見送りました。


郁子の夫、安田太郎は最近小さな疑問を抱くようになっていました。結婚五年目で、新婚の頃のよう
に毎晩妻を抱くことはなくなったのですが、それでも週二回平均で接しているのです。

太郎にとって、郁子は結婚を決意した最初の異性の相手です。そして、自分が郁子の最初の男だと太
郎は確信しているのです。

太郎のせいで子供が出来ないと診断された後も郁子は変わらず優しく太郎に接してくれています。そ
の点では太郎は郁子に感謝しているのですが、一点だけ腑に落ちないことがあり、その疑問が太郎の
中で日に日に大きく成長しているのです。

郁子の閨の技が格別に成長したのです。そのこと自体は歓迎すべきことなのですが、玉までしゃぶる
フェラの技術とか、お尻を彼女の指で攻める技とか、男の全身を舌で上手に愛撫することとか、太郎
自身が教えたことがない新しい技が随所に出てくるのです。問い詰めればネットで学んだと答えら
れ、気まずさだけが残り何も解決しないことが想像できるだけに、太郎はうかつに動けないのです。


悩んだ末、自宅に隠しカメラを設置することに決めました。浮気であれば、外へ出かけて、ラブホテ
ルなどを利用している可能性が高いのですが、働き者で、上司や仲間から信頼されている太郎は、仕
事が忙しくて妻を尾行する暇がとれないのです。それで、可能性は低いのですが、何もしないよりは
ましだろうと、あまり期待しないで隠しカメラを自宅の居間と寝室に設置したのです。


[11] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/05/18 (月) 09:29 ID:nkCk59fY No.3275
男は50過ぎで、頭の禿げた郁子の好みとはかなりかけ離れた小男なのです。それでも、二人は親し
そうでこの日が最初でなく、何度か逢瀬を重ねている様子なのです。

「なぜこんな男に・・?」

その思いが太郎の第一印象です。怒りも、驚きも抑えて、最初にその疑問が湧き出て来たのです。も
ちろんその疑問に対して、太朗は答えを想像することさえできなかったのです。

中途半端な怒りと驚き、そしてそれを超える大きな疑問を抱えて、ビデオを見た後数日は何をするの
も上の空になっていました。それでも、妻にも、会社の仲間にも悟られないよう気を配り、誰にも気
づかれずに大きなショックを乗り越えることに努めました。並みの男にはない何かを太郎は持ってい
るのかもしれません。

数日後、冷静に彼自身の内面を観察し、その感情あり方を分析している自分自身を見て、太朗は自分
自身をほめてやりたい気分になっていました。そして何よりも太朗を喜ばせたのは、郁子への愛情に
変化がないばかりか、彼女への愛情がより高くなっていることに気がついたことでした。

太朗本人は気がついていない様子ですが、「何故・・・、こんな男に‥」の第一印象のおかげで、妻
を寝取られたことを知っても、太郎の怒りはかなりトーンダウンしているのです。もし、相手がイケ
メンの若い男であれば、太郎の怒りは暴発し、一気に離婚まで走っていたと思います、

冷静に何度かビデオを再生している内に、太郎は妙なことに気がつきました。郁子が男のことを「お
客さん‥」と呼んでいるのです。「お客さん‥」・・・?、自宅への訪問客に違いないのですが、肌
を合わせるまでになっている訪問客をいつまでも「お客さん‥」と呼ぶのは変だと太郎は気がついた
のです。

「まるで商売女のようだ…」、そう呟いて、太郎は愕然としました。郁子の正体がその瞬間理解でき
たのです。それでも、太郎の怒りは燃え盛りませんでした。むしろさらに冷静になっている自分自身
に気がつき太郎はやや当惑していたと言った方がその時の彼の感情を正確に表現していると思いま
す。

到底、郁子自身が望んでその道に入ったとは思えないのです、どうした経緯で、いかなる目的でその
商売に入ったのか、脅迫や、詐欺行為に出会って、彼女の意志に反して、そこまで堕落したとした
ら、恐ろしいバックの存在が気になります。売春行為をする妻を知って、悔しい気持ちは勿論あるの
ですが、郁子が苦界に身を沈めている現状を知った以上、ここで彼女を見捨てるわけにはゆかない、
そこから彼女を救い出すのが太郎の使命だと、彼は考えたのです。

ビデオを証拠品として警察に訴えることを最初に考えましたが、郁子自身が売春と言う罪を犯してい
るのですから、妻を警察に売る行為は、全ての手段をやりつくした後の最後の手段だと太郎は考えま
した。いずれにしてもその境遇から彼女を救い出すにはもっといろんな情報が必要だと考えました。
更に一ケ月間我慢してビデオを撮り続けました。

一ケ月の間に郁子は8回、男を自宅に迎えました。嬉々として男を迎えている画像を見て、これでは
警察に訴えるのは難しいと太郎は考えました。8回の行為の内、三人がリピートを重ねたお客でし
た。従って、5人の違う男達が郁子を抱いたことになります。一人を除いては、いずれのお客も60
歳前後の裕福な雰囲気を持った人たちでした。

唯一「佐王子さん・・」と郁子が名前で呼んでいる男性がビデオに登場しました。明らかに郁子の態
度が違いました。50歳前後と若く、目配り、動作、全てに並みでない雰囲気が現れていました。そ
の男は郁子に敬語を使い、セックスでも、他の客と異なり自分からフェラなどを求めたりしないので
す。他のお客と比較して、すべての行為が大人しいのです。それでいて、明らかに郁子の反応が違
い、その男が卓越した性技を持っていることが明らかなのです。この男が黒幕だと太郎は断定しまし
た。そして、かなり手強い相手だと認識しました。


[12] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/05/19 (火) 16:54 ID:9QeaPLxk No.3276
安田太郎は学生時代、柔道部のエースで、身長180センチを超える偉丈夫です。今まで他の男性と
対峙して怖いと思ったことは少ないのです。有段者の戒めとして、喧嘩は避けるようにしています
が、誰と戦っても、たとえ相手がアングラの世界に生きる男であっても、一対一であれば負けること
はないと密かに自負しているのです。その太郎がビデオの映像を見て、身長、170センチにも到達
しない、あえて言えば50過ぎの小男である佐王子の映像を見て、彼を手強い男だと思ったのです。
対で勝負するのは避けたいと感じるほどの強さと不気味さを佐王子から感じ取ったのです。

郁子と佐王子のビデオ内の会話を分析して、彼がほぼ一ケ月に一度の頻度で、郁子を訪問しているこ
と、彼がお客を集め、郁子の都合に合わせてマンションの自宅へ客を送り込んでいること、売春代金
は郁子の隠し口座に振り込まれていることなどが判りました。そして太郎が一番驚いたのは、郁子が
親しくしている隣家の主婦、沙織が同業の仲間で、急に太郎が帰宅した時など、沙織の家を緊急避難
場所として使っていることが判ったことでした。

他の客は無視して佐王子一人に絞り、彼の身元を探ることにしました。ビデオから彼の顔写真を取り
出しました。一ケ月に一度は確実にやって来る佐王子の身元を突きとめるのですから、プロの探偵に
依頼すればそれほど難しいことではないと太郎は考えました。

探偵事務所に依頼すると、20日後には、第一報が届きました。横浜の風俗店の経営者であり、都内
のマンションに住んでいることが判りました。探偵社はさらに調査をすれば、さらに詳細な身元や経
歴が判ると説明しましたが、太朗はここまでの情報で十分だと、更なる調査を断わりました。

事前に予想したとおり、素人でなくかなりの悪だと判ったのです。それでも太郎は怯みませんでし
た。郁子を何としても救い出したいその強い気持ちが彼の背中を後押したのです。この時点でも太朗
は警察に頼る道を考えませんでした。


佐王子の店に電話をしました。

「店長の佐王子さんはいらっしゃいますか・・・・」

「・・・・・・・」

アングラ商売をしている居る関係で、知らない人物からの電話には佐王子は特別に気を使います。こ
の時も、明らかに素人で、若い男からの電話で、佐王子を名指しているのです。佐王子は一瞬緊張し
て沈黙したのです。相手の沈黙から、電話の相手は佐王子本人に違いないと太郎は確信しました。

「もしもし・・・、
店長さんをお願いしたいのですが・・」

「私が・・、佐王子ですが…」

予想していたより、若々しいさわやかな声が返ってきました。

「ああ・・、これはどうも…、
初めて電話しました。
安田郁子の夫で、安田太郎と申す者です・・・」

「ああ・・・・・・・・、
安田太郎さん・・・、
郁子さんの旦那様ですか・・・・」

少し間をおいて、そしてゆっくりと太郎の名前を言いました。相手が何者で、相手の要件が何
か、すべてを察知した様子です。それでいて、慌てている様子ではないのです。


[13] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/06/18 (木) 16:27 ID:nkCk59fY No.3277
「そうです。
安田郁子の夫です…」

「・・・・・・・・」

太朗が名乗っているのに、相手は黙っています。太郎が要件をしゃべり出すのを促している沈黙で
す。

「妻と佐王子さんの関係を最近知りました。
どうしていいか判らないほどびっくりしました。
それで、一度お会いして色々お話をしたいのですが・・・
時間をとっていただけませんか・・・・
勿論、私一人で出かけるつもりです・・・」

素人でなく、闇の世界に生きていると思える男を相手にして、遠回りした交渉手段をとらず、一対一
で面談すると言う直球勝負に出たのです。並みの男にはできないことです。いざとなれば、むざむざ
と負けないと思えるまでに、体力と腕に自信があるせいだと思います。

「そうですか・・、
私達の関係をお知りになったのですか…
それで電話をして来られた・・・・
どうやら・・、
私の素性も、居所もすでに調査済みのようですね…」

「ハイ・・・・・・・」

「私の素性が判った上で・・・、
私と一対一で会談したいとおっしゃるのですね…
さて・・、
どうしたものでしょうか・・・・」

佐王子は少し考えている様子です。わずか一分ほどですが沈黙が続きました。太郎にはその沈黙が永
遠に続くかと思えるほど長いものに感じられました。それでも不用意な発言をしないで太朗はじっと
待ち続けました。ここで焦ったり、怒りをぶつけたりしては彼との勝負は負けだと太郎には判ってい
たのです。

「お話の趣旨は良く判りました。
私も郁子さんのご主人にお会いしたい気持ちになりました。
お勤めの安田さんには土日のお休みが、都合が良いですね…
勿論私たちは土日も休まず、年中無休で店を開いていますが・・・、
ハハ・・・、余計なお話でしたね…・」

「・・・・・・」

「次の土曜日の午後2時からなら空いています。
場所は・・・、安田さんさえ、よろしかったら・・
汚いところですが、店の事務所を使いましょうか・・
誰も居ないので、気軽に話し合えると思います…」

「時間と場所はそれで結構です‥」

「そうですか・・、
それでは・・、土曜日・・」

「あの‥・・、
お願いがあるのですが・・・」

「ハイ・・、
何でしょう‥」

落ち着いた声で、丁寧に佐王子が答えました。太郎に好意を持ち始めているのかもしれません。


[14] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/07/01 (水) 16:14 ID:NO4w1sUI No.3278
「郁子には何も話していません。
いずれ判るにせよ・・・、
今は・・、
彼女はそっとしておきたいのです・・・・」

「・・・・・・・」

意外な展開に佐王子は少しびっくりしていました。てっきり安田家では深刻な離婚話が出ているだろ
うと思っていたのです。良くて賠償金の請求、悪くすれば警察沙汰になる可能性も佐王子は危惧して
いたのです。そのことに備えて腹積もりは固めていたのです。

「佐王子さんを男と見込んでお願いします…
私が郁子の秘密を掴んだこと・・、
あなたに面談を申し込んだことを・・、
今は・・、隠しておきたいのです・・・、
勝手なお願いで申し訳ありませんが、ご協力願えますか‥‥?」

「勿論・・・、了解です。
むしろ、私から、そのことをお願いしたい気持ちです‥」

晴れやかに佐王子は答えました。安田太郎への好意を隠そうとしていないのです。

「ありがとうございます…、
いろいろ失礼なことを申し上げたにもかかわらず・・、
こちらのわがまままで快くお聞き届けていただき・・、
感謝します・・・」

電話の向こうで安田太郎が頭を下げている雰囲気を感じ取り、佐王子も深々と頭を下げていました。
そこで二人は電話を切りました。

「ふう・・・、
バレてしまったか…、
それにしても・・・、
安田さん・・・、
若さに似合わず、なかなかの人物だな・・、
土曜日が楽しみだ・・・」

受話器を置いて、佐王子は大きく息を吐き出し、不敵な笑みを浮かべて独り言をはっきりと口にしま
した。追い詰められた状況を楽しんでいるようにさえ見えるのです。郁子を堕落させた事実を旦那に
握られたことを心配しているより、どうやら安田太郎の人物そのものに興味を持った様子で、本気で
安田太郎との面談を楽しみにしている様子なのです。


[15] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/07/16 (木) 15:46 ID:5tS4Y4Lg No.3279
約束した土曜日、安田太郎がY市にある佐王子の店にやってきました。指定された午後二時の面会時
間の30分前に太郎は店の前に着きました。この種の店に来るのは彼にとって初めての経験です。少
しためらった後、店の入り口に立っている制服姿の若い男性店員に名乗り、佐王子に会いたいと伝え
ました。あらかじめ指示を受けている様子で若い店員は愛想よく太郎を先導して、入り口に近い店長
室に案内しました。

天井近くの窓から陽光が入って室内は明るい雰囲気です。そして、それなりに整頓されていて、薄暗
い、何やら怪しい雰囲気の部屋を想像していた太郎には予想外の光景でした。

12畳ほどの部屋に入ると隅にあるデスクで書類を読んでいた佐王子が老眼鏡を外して、笑みを浮か
べて立ちあがりました。ビデオで見るよりやや歳を感じる風情です。

「この種の店へいらっしゃるのは初めてでしょう…、
どうですか、何やら怪しい雰囲気でしょう…」

「いえ、いえ・・、怪しいなんて…
お恥ずかしながら、入店するのは初めてには違いありませんが・・・、
ここは会社の役員室と変わりありません…」

「ハハ・・・・、
役員室ですか…
もっとも、役員は私一人ですから、
ここが役員室であることは間違いありませんが・・・」

笑い合いながら軽い調子で初対面の挨拶を交わしています。そして互いに相手の能力を探り合ってい
るのです。

完全に感情を制御して平然と佐王子に向き合っている安田太郎を見て、思った通り、若いに似合わ
ず、なかなかの人物だと佐王子は感じ取っています。一方、太朗は佐王子を見て、ビデオで見たより
年老いた感じを受けているのですが、体の線がしっかりしていて、動きにスキがないのを素早く感知
して、秘めた格闘能力は並みでないと彼の戦闘能力を再認識しているのです。

簡単な挨拶の後、太朗は一気に彼の言い分を吐き出しました。自宅にビデオカメラを仕掛け、郁子の
乱れた男出入りの証拠をつかみ、自宅売春の疑いを持つに至ったことを告げました。

佐王子は黙って聞いていました。太郎は極力感情を抑えたつもりなのですが、その口調はかなりきつ
いものになっていました。太郎が語り始めた最初の内は、佐王子はかなり緊張した様子でしたが、太
朗の説明が終わる頃には落ち着いた様子で、太朗の話が終わる頃には笑みさえ浮かべているのです。

「ビデオを見て、奥様の裏稼業を探り当て、
黒幕は私らしいと的を絞ったのですね…。
普通の男ならビデオを証拠にして奥様を責め抜くものですが・・、
安田さんはその方法をとらなかった・・・、
それどころか、奥さんには何も言っていない…。
おそらく探偵社に依頼して、密かに私を調査したのでしょう‥、
間違っていますか・・・」

笑みを浮かべて佐王子が安田太郎に質問しています。

「ご指摘のように探偵社へ依頼し、佐王子さんを探りました。
すぐにこの店のことが判り、都内のお住まいも判りました。
探偵社はさらなる調査を進めるよう言ったのですが、断りました。
佐王子さんのことを詳しく調査するのが目的ではなかったからです‥」

太朗の説明に佐王子が頷いています。

「私の身元が分かったからには、
それ以上の調査を他人に依頼する必要はない、
私と直談判して、
自分で問題解決するつもりになられたのですね・・」

「・・・・・・・・」

佐王子の質問に安田が頷いています。


[16] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/07/29 (水) 15:09 ID:GUEknb9w No.3280
「失礼ながら、お若いのに、冷静ですばらしい決断をされましたね・・・。
そしてこの店を一人で訪ねるという大胆な行動力を発揮された…。
並みの方ではない、怖い方だと感じました・・・」

「・・・・・・」

佐王子の誉め言葉に安田は黙って苦笑を浮かべています。

「素晴らしい体格を拝見して思ったのですが・・、
武道を極められた方ではないかと推察しております・・・、
間違っていますか‥‥?」

「今はなまってしまって、ダメですが・・・、
学生の頃柔道をやりました・・。
4段まで行って、地区優勝したこともあります」

「やはりそうでしたか…」

佐王子が何度も、何度も頷いています。

「お聞きしたいのは・・、
何故、郁子があの商売に入り、
今も、楽しそうに続けているのか・・・
その訳が知りたいのです‥」

「・・・・・・・」

素直な口調で太朗が切り込みました。表情を崩さず佐王子は太郎の視線を受け止めています。そし
て、太朗の質問には今は答えるつもりはないことを佐王子の強い視線が伝えているのです。太郎は佐
王子の返事を待たないで発言を続けました。

「騙され、脅されて・・、
あの商売に引き込まれた…。
最初はそう思いました・・」

「・・・・・・・・」

佐王子の表情は変わりません。

「ビデオを何度も見て、詳しく分析している内に・・、
どうやら、その線はないと判断するようになりました・・。
警察に相談することを止めたのは・・、
妻は決して被害者ではない・・、
むしろ、妻は法を進んで破っていると思ったからです・・」

「奥様は被害者でなく・・、
犯罪者だと、安田さんは考えたのですね…」

鋭いところを佐王子が突いています。

「ハイ・・・、残念ながら・・・、
あのビデオを見る限りは・・・、
妻の無実を証明するのは難しい…
妻はあの商売を楽しんでいると・・・、
悔しいですが・・、
そう・・、思いました・・・」

ここまで佐王子を睨みつけ、挑戦的に語って来た太郎が、妻の罪を認めるくだりになって、さすがに
視線を落とし、肩をすぼめています。

「良く判りました・・・、
安田さんがそこまで考えておられるのをうかがい、
私も決めました・・。
ご質問にはすべて正直に答えます‥」

安田太郎の顔に強い視線を向け、佐王子は静かに、しかし力強く語りかけています。


[17] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/08/18 (火) 10:57 ID:QEHW9gw. No.3282
「私のような人間が正直に告白するといっても・・、
とても信用できないと思いになるでしょう・・・、
・・が・・、
これでも、この道では苦労を重ねて、一応の成功を収めた男です。
安田さんのお人柄に惚れこんで、全てを告白する気になりました。
ご信頼を裏切るようなことはしません…」

「・・・・・・」

安田太郎が神妙な表情を浮かべ、無言で深く頭を下げています。佐王子が満足そうに頷いて、冷めた
コーヒーを口に入れ顔をしかめています。

「ああ・・、すっかり冷めましたね…、
熱いのを今すぐ用意します…」

言葉が終わらない内にソファーから立ち上がり、ガラス衝立で覆われた、店長室の片隅にある湯沸か
し場に向かっています。どうやらここでは店長自らコーヒーを沸かして飲んでいる様子です。

「奥様との出会いは一年ほど前になります‥‥」

衝立の向こうで、コーヒーの支度をしながら佐王子が語り始めました。

「お宅の近くでの仕事が終わり、昼下がりの陽気に誘われて・・・、
マンションの前の公園へふらりと入っていった時です、
一人・・、きれいなご婦人がベンチでうなだれて座っていました・・」

安田郁子が売春稼業に入った経緯を佐王子は語るつもりのようです。安田太郎が緊張した表情で聞き
耳を立てています。衝立の向こうでガチャガチャと音を立てながら佐王子はゆっくりと語っていま
す。

「あまりに堕ちこんだ様子だったので・・、
心配になり・・・、
思い切って声を掛けました・・・、
変なおっさんから声を掛けられて、最初は警戒していましたが、
そこを商売柄、ご婦人に取り入る術を身に着けていますので、
難なく奥さんと親しく話す仲になりました。
そして、時間をかけて奥様の悩みを聞きだしたのです・・」

熱いコーヒーをお盆にのせて佐王子がソファーに戻ってきて、コーヒーを太郎に勧めました。

「奥様は大きな悩みを抱えていて・・、
誰に相談することもできないで、ほとんど絶望的になっておられました・・・」

安田太郎の表情をうかがいながら、佐王子はいく分楽しそうに語っています。

「一年前と言えば…、
ああ・・、そうですか…、
あの頃のことですね・・・、
私達にとっては最悪の危機が訪れた時でした・・・・
・・・で、郁子は佐王子さんにそのことを本当に話したのですか‥
とても信じられないですね…・」

何かに気づいた様子を安田太郎はその表情に浮かべています。それでも初めて出会った得体の知れな
い男に夫婦の秘密を郁子がしゃべるはずがないと思っている様子です。

「ご主人が疑われるのは当然です‥。
しかし、奥様がすべてを私に告白されたのは事実です‥」

「そうですか‥」

「歳も離れていますし、
名前も知らない、得体の知れない男が相手ですから‥
奥様はかえって話し易かったのだと思います…、
ご夫婦の最大の秘密までを私にすべて話してくださいました。
私はただ黙って聞き役を演じ切りました・・・」

「郁子は・・、
不妊のことを佐王子さんに話したのですね‥」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。


[18] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/08/21 (金) 15:18 ID:LuLaTvpk No.3283
「佐王子さんのお話をうかがい、
なんとなく事情が判り始めました・・」

売春稼業に転落した妻の事情が判り始めたのでしょう、安田が納得した表情でつぶやいています。

「子作りをあきらめることになり・・、
絶望的になっていたのです・・、
そんな時・・・
偶然佐王子さんに出会ったのですね…」

「正確に言えば・・、
偶然ではありません・・、
ガールハンテイングしている私が奥様に目を付けたのです…
これはチャンスだと思いました・・・・」

安田太郎から視線を外さないで佐王子はずばりと切り込んでいます。太郎の表情が少し歪みました
が、すぐに元に戻りました。

「もう・・、お気づきだと思いますが・・
素人の奥様に上手く取り入り、
彼女たちの心の隙間に忍び込み、
チョッとした隙を突いて、
彼女たちを私の世界にいざなう…、
それが私の商売です・・・」

「・・・・・・・」

太朗の顔を真正面から見つめて、佐王子ははっきりと告げました。佐王子の挑戦的な視線を安田太郎
はしっかり受け止めています。二人は数秒間にらみ合いました。最初に視線を外したのは佐王子でした。

「かまいませんよ・・・、
思い切り、私を投げ飛ばしても構いませんよ・・、
それで、幾分かでも安田さんの気が治まるなら・・」

すこし笑みを浮かべて佐王子が言いました。

「正直言って…、
佐王子さんをこの場で投げ飛ばしたい・・・、
今はそう思っています…、
しかし、もしそんなことをしたら…、
私は一生悩み続けることになります…
妻をそこまで追い込んだのは私だからです‥」

大きく息を吐き出し、安田太郎が顔をゆがめながら、無理に笑いを作り出しています。

「子作りをあきらめることになった妻は・・
生きる気力さえ失いかけていたのです・・。
そこへ・・、運悪く…
稀代の女たらしが通り合わせた…
郁子が抵抗できるはずがないですね…・‥」

「・・・・・・・・」

すこし笑みさえ浮かべて、自嘲的に安田太郎が言葉を吐き出しました。佐王子は黙って聞いていま
す。

「私がもっとしっかりしておれば・・・、
妻にそんな思いをさせないで済んだのですが…
いやいや・・、
あの時・・、私は何もできなかった・・・・
妻の気持ちを考える余裕を失っていました・・。
妻の苦悩を理解する努力さえしていなかった・・・」

自問自答している安田太郎を佐王子はじっと見つめていました。


[19] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/08/22 (土) 16:24 ID:W/UriDCQ No.3284
苦悩の表情を必死で抑え込もうとしている安田を見ながら、佐王子がゆっくりと口を開きました。

「私のやっていることが・・、
違法で不条理な行いであることは自覚しております、
いずれ、何らかの報復、処罰を受ける時が来ることは覚悟しております。
しかし・・、これが私の生きる道、商売なのです」

佐王子が真剣に語り始めました。

「奥さんを堕落させたのは、私です‥。
それでも私は安田さんに頭を下げません‥。
これが私の生きる道だからです・・。
勿論、懲罰は甘んじて受けます‥。
私が出来る範囲内で、賠償交渉にも応じます‥」

「・・・・・・・・」

低い声で、しかし明瞭に佐王子が語っています。安田太郎は黙って佐王子を見つめています。

「もし、安田さんがそれをお望みなら・・・、
無条件で奥様から手を引きます‥
どう・・・、されますか・・・・?」

「・・・・・・」

佐王子の質問に安田太郎は答えません、じっと佐王子を見つめているばかりです。佐王子はようやく
安田の異常な表情に気がつきました。安田の表情には当惑の影が色濃く表れているのです。郁子を苦
界に引き込んだ佐王子への怒りでもなく、かといって嫉妬でもなく、ただ困惑している表情なので
す。佐王子の提案を理解することさえできない奇妙な混迷ゾーンに安田太郎は入り込んだ様子です。

「安田さん・・・、
大丈夫ですか…、
黙っていないで何か言ってください・・、
今日、ここへいらっした目的は何なのですか‥
私を懲らしめるためにいらっしたのでしょう…」

「・・・・・・・・」

安田太郎は心ここにあらずといった風情なのです。佐王子は次の言葉を飲み込み安田の異常な表情を
じっと見つめています。

「ああ・・・、
そうですか・・・・
無理ありませんようね…
予想もしなかった奥様の裏切りを知ったのですからね…」

ここへ来て佐王子はようやく安田の精神状態を理解した様子で、笑みさえ浮かべて優しい表情で安田
を見ているのです。

「ああ・・・、
失礼しました・・・」

ようやく我を取り戻した様子で安田太郎が苦笑いをしています。


[20] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/09/02 (水) 12:05 ID:EIvgqQnY No.3285
勝手の判らない風俗の店を訪れ、それまでその種の人種には会ったことがない安田が、妻を転落させ
た張本人である、その道の達人佐王子と面談しているのです。緊張がないと言えば嘘になります。そ
の緊張に堪えて安田太郎はここまで気を張って来たのです。しかし、ここへ来て、郁子転落の経緯を
教えられ、安田の張りつめた気持ちは一気に崩れているのです。

「佐王子さんの面談して・・、
事と次第では何らかの手を打つと覚悟を決めて、
この店にやってきました・・」

「怖い顔をしていましたよ・・・、
あの時は・・、
力ではとてもかなわないと判っていましたから・・、
もしもその時がくれば・・、
確実にやられると覚悟を決めていました・・。
ハハ・・・・」

佐王子が笑いながら頷いています。

「佐王子さんのお話をうかがい、良く判りました・・。
あの商売に入ったのは郁子の自発的意志であり、
決して強制されたものではないと判断できました。
実はそのことを一番恐れていたのですが、
不安が見事的中しました・・・」

安田が冷静に語っています。

「今、思うと・・・
あの時・・、佐王子さんと出会った時・・・、
郁子は私との結婚生活を捨てる覚悟を固めていたのだと思います…
佐王子さんに会って、いろいろお話をうかがい・・、
離婚を踏みとどまったのだと思います…
佐王子さんのおかげで離婚の道以外が見つかったのだと思います・・・」

「・・・・・・・」

否定も肯定もしないで、佐王子は黙って聞いています。

「そこまで自分の気持ちを追い詰めていたなんて…
私は何も知らなかった・・・・」

語りながら、突然、頬に涙を流しています。無理に笑みを浮かべて、安田太郎は話を続けようとして
います。佐王子が黙ってティッシュ・ボックスを差し出しています。

「佐王子さんの話を聞いて・・
思い切って売春家業の世界へ入るのも一つの道だと気がついたのだと思います。
不妊を苦にして、主婦の生活を捨てると決めていた郁子は・・
別の世界で生きることに気持ちの逃げ道を見つけたのかもしれません。
砂を噛むような結婚生活を続けながら、
別の世界を覗くのも面白いかもと思ったのかもしれません‥」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。

「私がすべての事情を知っていることを郁子が知れば・・、
おそらく、郁子の暴走は止まるでしょう…
しかし、そうなれば・・・、
おそらく・・・・
郁子は生きてはいないでしょう‥‥」

「・・・・・・」

安田の不安な言葉を佐王子が無言で肯定しています。


[21] フォレストサイドハウス(その26)  鶴岡次郎 :2020/09/10 (木) 10:57 ID:6CU.hAwo No.3286

「これから先のことですが…、
私は何も知らなかった・・、
この店へも来なかった・・、
佐王子さんとも会わなかった…。
そう言うことにしたいと思っております…」

迷いがなく、決心は固い様子で、すらすらと安田太郎は話しています。

「つきましては・・・、
ご迷惑でも、佐王子さんにご協力いただきたいのです…
佐王子さんにはこれまで通り、郁子の面倒を見ていただきたいのです・・・・
そして・・、もし・・・」

「ああ・・、
そこまでお話を聞けば十分です。
辛い話を全部言わなくても、結構です…」

安田太郎の口を途中で止めています。

「これから先も、奥様がその気になれば・・・、
今まで通り商売は続けさせていただきます。
しかし私からは決して商売を強制しません」

「よろしくお願い申します」

安田が頭を下げています。

「もし・・・、
安田さんが奥様の暴走を止める気持ちになられたら・・、
その時は、安田さんのため・・・、
影になって力を尽くし、協力をいたします‥‥
それでいいですか‥‥?」

「よろしくお願い申します…」

安田太郎は深々と頭を下げ、そしてゆっくりと背を向けて店長室を出て行きました。

それから半年ほど過ぎた頃、郁子が決めて、彼女の仕事は終わりました。安田太郎はそのことを佐王
子からの連絡で知りました。どうやら、もう一度子作りにチャレンジする気持ちを郁子は取り戻した
様子です。


[22] 新しいスレッドに移ります。  鶴岡次郎 :2020/09/10 (木) 11:00 ID:6CU.hAwo No.3287
この章を完結します。新しい章へ移ります。 ジロー


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